ジャッキとは?
安全なジャッキアップの方法と準備

 タイヤやブレーキパッドの交換から、下回りのチェック、オイルの交換など本格的なクルマの整備には欠かせない道具がジャッキです。そんなジャッキを皆さんはご自身で使用したことはあるでしょうか? 
 中には所有しているクルマの車載ジャッキがどこにあるのかさえ把握していないという方もいるかもしれません。それに、最近のクルマの中には、ジャッキやスペアタイヤを標準搭載していない(オプションで購入可能)という場合もあるようですので、クルマは所有しているけれどジャッキ自体見たこともないという人も、もしかしたらいるの珍しくないのかもしれません。
 でも、カーライフでは、パンクの修理やチェーンの装着、タイヤが溝にはまってしまった際の脱出などに、ジャッキが必要となるケースもきっとあるはず。
 すぐに使うことはなくても、正しい使い方を知っておけばいずれ役立つ機会があるかもしれません。
 そこで、そんなジャッキについて、種類の違いや正しい使い方、使用の際の注意点など、カーライフを送る上で知っておくべき情報をご紹介します。

1章:ジャッキとは?
2章:ジャッキの種類と仕組み
3章:ジャッキアップを行う前の準備
4章:ジャッキアップの方法
まとめ

1章:ジャッキとは?

人間の小さな力で重いクルマを持ち上げる道具

 ジャッキとは、人力で操作し歯車やネジ、油圧などを使って対象物を持ち上げる機械装置のことです。人間の小さい力でも、ジャッキを介することで大きな力に変換され、1トンを超える重いクルマも人の力だけで高く持ち上げ、支えることが可能です。

 クルマの整備などで使われるジャッキの代表的なものがネジ式のパンタグラフジャッキと、油圧を使ったガレージジャッキです。どちらもクルマを持ち上げ支えるということでは機能は同じですが、使用目的が違います。

 車載のジャッキは基本的に構造がシンプルで軽量なネジ式のパンタグラフジャッキであることがほとんどです。一部を除き多くの車に標準装備として搭載されていますがその搭載場所はクルマによって違います。

 多くの場合、トランクのフロア下にスペアタイヤと一緒に保管されているか、もしくはトランク内側面の専用スペースに設置されているはずです。カバーなどで隠れているのでめくって確認してみてください。
 スーツケースやキャリーケース、オフィスチェアや荷物を運ぶための台車など、人や荷物を乗せ移動させるものの足元には、スムーズな移動のための小さな車輪がついています。それがいわゆるキャスターです。

 その小さな車輪のおかげで摩擦が抑えられ、重い荷物でも軽々と運ぶことができるのですが、キャスターの車輪は思いのほか小さなものです。中にはベアリングなども組み込まれ、ある程度乱暴な扱いにも耐えられるようにはできているでしょうが、繰り返し大きな負荷がかかれば当然ですが時に壊れてしまうこともあります。

 あんなに小さなパーツなのに、一旦壊れてしまうと、これほど不便なことはありません。本来は重い荷物をスムーズに運ぶためについているものなのに、壊れてしまえばそれがむしろ大きな抵抗となり、移動の際のじゃまものでしかなくなってしまうのです。

 そんなことにならないように、キャスターの破損を防ぐにはどうすれば良いのでしょうか。また、そもそも壊れる原因はいったいなんなのでしょうか。さらに、壊れたキャスターはDIYで交換などができるのか? そんな意外に知らないキャスターについて、役立つ情報をお届けします。

1章:キャスターが壊れる原因

重い荷物の荷重は小さな車輪に集中している

 キャスターが壊れる原因は、そのキャスターに想定されている範囲を超えて、大きな負荷がかかってしまったせいです。簡単にいえば荷物が重すぎたり、乱暴に扱ったために壊れてしまったということですね。

 中でも破損しやすいのが路上を移動する機会の多いスーツケースやキャリーケース、さらに台車のキャスターなどです。アスファルトの路面はなんといっても摩擦が大きい上に凹凸があって振動も起きやすい。キャスターには連続的に大きな負荷がかかるのでどうしても壊れやすいのは仕方がありません。

 負担が大きいのはしょうがないとして、あなたは、そんな凹凸のある道でキャスターを無理に引きずっていませんか? 車輪が同じ方向を向いていないのに強引に押したり、引っ張ったりしていませんか? キャスターの車輪はスムーズに回転することではじめて軽い抵抗で移動することできます。

 そのスムーズな回転を無視して乱暴に扱えば当然ですが壊れてしまうでしょう。正しく使っていれば簡単には壊れません。決してキャスターがもろいから壊れるのではありません。想定以上に大きな負荷を使用者がキャスターかけてしまったから{壊して}しまっているのです。

 引っ張りハンドルのついたスーツケースを傾けながら足早に移動してはいないでしょうか。4輪タイプは4輪がきちんと接地する状態を保ち、移動するのが基本です。傾けて移動しては2輪だけに重みが集中し、せっかくの4輪構造が意味をなしません。バランスも崩れてしまいます。

 そんな状態で、早足で移動し続ければキャスターの軸や車輪への摩擦が増え、そこから熱が発生し、やがて樹脂でできた車輪のヒビ、欠けに繋がってしまうのです。

 では破損を防ぐにはどうすれば良いのか。まず基本は乱暴に扱わないこと。さらに荷物を入れすぎず、またスーツケースやキャリーケースの上に荷物を重ねないことです。

 そして、できれば大きめのキャスターのついたものを選ぶようにしましょう。なぜなら車輪そのものが大きくなれば、それだけ車輪の外周が長くなり、同じ距離を移動しても地面と接触する面積が減ります。また路面の凹凸の影響も受けにくくなりそれだけ摩耗や破損を防げるからです。

 それにキャスターそのものに注目するのも大切です。スーツケースやキャリーケースなら、特に信頼性が高いとされている国産メーカー、HINOMOTO(ヒノモト)のキャスターがついたものを選ぶと良いでしょう。耐久性に関して定評があります。

 つい、デザインや容量で選びがちですが、その機能を考えた場合には、キャスターにもこだわるべきでしょう。もし新たに購入の予定があるのなら、そのスーツケースにどんなキャスターがついているのか、あらためて注目してみると良いでしょう。


2章:キャスター修理の方法

スーツケースのキャスターはDIYで修理できる?

 スーツケースやキャリーケース、台車などのキャスターは正しく使えば十分長持ちしますが、それでも摩耗は避けられません。例えばスーツケースやキャリーケースの場合、キャスターの寿命は使用頻度にもよりますがおよそ5年と言われています。では、ケース本体が壊れておらず、キャスターだけが摩耗や破損してしまった場合、交換は可能なのでしょうか? 

 交換自体は不可能ではありません。メーカーに問い合わせれば対応してもらえるはずです。また一部の高級スーツケースブランドなら、空港などでリペアサービスを提供している場合もあるようです。

 さらに、ネットなどを検索するとキャスター交換パーツも売られています。そのようなキットやパーツを使っての修理方法などもネットでは数多く紹介されています。

 しかし、スーツケースやキャリーケースのキャスターをDIYで交換することはあまりオススメできません。まず純正のキャスターパーツを手に入れることが難しいからです。また純正のキャスターが手に入ったとしても価格も安くありません。場合によってはスーツケースやキャリーケースを買い換えてしまった方が安いということもあり得ます。

 さらに、純正パーツが手に入らないからと、汎用のパーツに交換してしまうと、軸や車輪のバランスが崩れ車輪の回転に不具合が起きたり、移動の際にまっすぐに進まなくなる可能性があります。そのような状態で使えば、余計な負荷がキャスターにかかり、再度、破損する可能性も高くなるでしょう。

 また、キャスターが原因で、スーツケースやキャリーケースが転倒し本体の破損に繋がる恐れもあります。修理は不可能ではないでしょうが、できればDIYではやらないのが良いでしょう。メーカーのサポートや、専門の修理サービスを利用することをオススメします。

 ただし、台車のキャスターであればこの限りではありません。壊れたり摩耗したらDIYで交換しましょう。交換用のキャスターもホームセンターで簡単に入手可能です。そもそも台車のキャスターは消耗品なので、交換を前提に作られており、交換作業もとても簡単です。


●台車のキャスター交換で注意すること

キャスター修理_01
 台車のキャスターを交換する際、まず確認しなくてはならないのが元々ついていたキャスターの取付座サイズや取付穴ピッチです。台車のキャスターは金属でできた取付座とフォーク(車輪の軸を支えている脚)を介して台車本体に固体されているケースがほとんどです。

 その取付座のサイズは製品によって違っているのでそのサイズを確かめます。さらに取付座を固定しているボルトのネジ穴の距離(取付穴ピッチ)もチェックします。この双方が合っていないと新しいキャスターに交換ができません。交換用キャスターはある程度取付穴ピッチをアジャスト可能ですが注意しましょう。

 双方のサイズが分かったら次は、車輪の外形と、取りつけ高さ(取付座天辺から車輪の接地部分までの高さ)も確認します。全てのサイズが分かったら、それにマッチする交換用のキャスターを手に入れましょう。

 キャスターの種類には、走行方向が固定されている固定車タイプと、フォーク部分が固定されておらず走行方向が旋回可能な自在車があります。さらにそれぞれにストッパーつきのものもあります。

 もともと取りつけられていたキャスターと同じタイプを選ぶようにしましょう。高さや車輪の外径が同じだからと別の種類を取りつけてしまうと走行のバランスが崩れて使いにくくなってしまいます。気をつけてください。

キャスター修理_02
左から固定タイプ、自在車ストッパーつき、自在車

●キャスターの交換手順

取付板サイズと取付穴ピッチの確認
①取付板サイズと取付穴ピッチの確認

古くなったキャスターの取付座サイズと、取付座を固定しているボルトのネジ穴とネジ穴の距離(取付ピッチ)をコンベックスや定規などを使って確認します。さらに、車輪の外径と取りつけ高さも同じように確認します。
交換用のキャスターを用意する
②交換用のキャスターを用意する

各部のサイズが分かったら、交換用のキャスターを入手します。必ず元々ついていたキャスターと同じタイプを購入してください。交換用キャスターはホームセンターに各種揃っているはずです。
古いキャスターを取り外す
③古いキャスターを取り外す

メガネレンチやボックスレンチを使ってボルトを外します。キャスターは重いので足の上などに落とさないように注意してください。
取りつけ穴を確認
④取りつけ穴を確認

今回使用した台車には2種類の取りつけ穴があらかじめあいていました。交換が前提になっていることが分かります。しっかり固定できるように汚れや油分を落としておきます。
⑤新しいキャスターを取りつける

取りつけ穴と、取付座の穴の位置が合っているか確認したら取付座を固定します。ボルトは端から順にではなく、1ヶ所締めたら次はその対角位置を締めます。こうすると取付座が反ることもありません。また一度に締めきるのではなく各角を少しずつ締め最後に増し締めしてください。
取りつけ完了
⑥取りつけ完了

修理ができたらスムーズに移動できるか確認してください。これでキャスターの交換は終了です。

3章:キャスター修理の難易度と時間

取り外しから交換までの所要時間はわずか5分

 あらかじめキャスターの取付座サイズと、取付穴ピッチさえわかっていれば、交換用キャスターを入手するのも難しくありません。交換部品としてホームセンターなどで購入できますし、ネット通販などでも入手が可能です。

 実際にキャスター交換にかかる時間は5分ほどでしょう。工具を使って、組み立て家具などを作ったことがあれば誰にでもできる作業で、難易度も高くありません。ぜひ挑戦してみてください。

まとめ

 スーツケースやキャリーケースのキャスター交換はオススメできませんが、シンプルな構造の台車ならばDIYで簡単に交換可能です。ただ交換が簡単だからといって乱暴に扱うのはオススメできません。

 台車のキャスターの車輪の外径は大きくても10数ミリ程度。乗せた荷物への振動も伝わりやすくあまり早い速度での移動は推奨されていません。およそ車輪の径が75mm以下なら2km/h程度、100mm以下で4km/h程度が推奨されている走行速度。この速度を守って丁寧に使えばキャスターも長持ちするはずです。


このカテゴリーのオススメ記事

カテゴリー一覧

タグ