鎌の正しい選び方と使い方

目次
1章 鎌とは
2章 用途によって違う鎌の種類
3章 片刃と両刃
4章 刃の素材の違い
5章 鎌の正しい使い方とは
6章 鎌の刃の研ぎ方
まとめ

 作物の収穫や、雑草などを刈るのに重宝する農具が鎌(かま)です。その歴史はとても古く、日本では農耕が始まったとされる弥生時代にはすでに使用されていたそうです。そんな私たちにも馴染み深い鎌ですが、その刃の形や厚さ、柄の長さは様々で種類も豊富です。ではそのようなたくさんある鎌から作業に適したものを選ぶにはどのような点に注意すれば良いのでしょう。どんな用途に使用するのか明確にした上でその目的に合ったものを選ばないと効率の良い作業ができません。また刃物なのでその扱いは慎重に行う必要もあります。そんな鎌について、選び方や使い方、種類の違いなどを紹介します。

1章 鎌とは

 鎌は古くから使われてきた農具の1つで、日本では農耕が始まった弥生時代にはすでに使われていたとされています。欧米でも同じような農具は使われていますが、英語では両手で持つような大型の鎌(大鎌)のことをscythe(サイズ)といい、日本でもおなじみの片手で使用する小型のもの(片手鎌)をsickle (シックル)と呼び分けています。
 ただしどちらも、形状や用途はほぼ同じです。鎌にも様々な形状がありますが、最も一般的なものは柄の先に三日月形の湾曲した刃がついているものです。そして、この刃を使い草や芝、穀物などを刈り取ります。刃は三日月形の金具の内側についているため、作業の際は手前に引いて刈るようになっています。
 刃の厚みによって薄鎌、中厚鎌、木鎌などがあり薄い刃は柔らかい草用、厚い刃になるほど硬い草木用というのが基本的な考え方です。ガーデニングや家庭菜園などの用途に向いているのは扱いやすい片手鎌の草刈鎌でしょう。刃の形では三日月型が一般的ですが、そのほかにも柄がねじれた「ねじり鎌」や、刃先がギザギザしたのこぎり状の「鋸(のこぎり)鎌」などもあります。刃の形状の違いはそれぞれが刈る対象に適した形状をしているためです。

【各部名称】
①峰
②地金
③刃金
④刃先
⑤先
⑥口金
⑦柄

2章 用途によって違う鎌の種類

 鎌の刃の厚みやその形状、さらに柄の長さなどにはいくつもの種類があります。雑草刈りなど一般的な用途であれば、切れ味が鋭いもっともベーシックな薄刃の草刈鎌が適していますが、細い木や枝などを刈り取る場合には厚みのある中厚鎌や、木鎌が適しています。
 ほかにも刈り取る対象や用途によって鎌の種類は多岐に渡り、ホームセンターなどで入手しやすいものは以下のようなものです。明確な用途が決まっているのであればその用途に合わせて最適な鎌を選ぶようにしてください。

草刈鎌(薄ガマ)
 鎌の中でもっとも一般的なのがこの草刈鎌です。刃の厚みが薄いため刃先が鋭く切れ味に優れています。春から夏にかけての比較的柔らかい草などを刈るのにとても適しています。片手鎌なので柄は長くても40cm程度で、軽いため扱いやすく、長時間の作業にも向いています。切れ味が良いので、刈り取る対象以外にキズをつけることがなく野菜の収穫にも適しています。
中厚鎌
 その名の通り薄鎌よりも刃に厚みがあるのが中厚鎌です。刃に強度があるため刃こぼれしにくく、土手に生えた下草など比較的葉や茎が固い植物を刈り取るのに適しています。また、薄鎌では刈りにくいヨシやススキなどを刈り取る作業にも向いています。片手鎌だけでなく両手で使用する両手鎌タイプなどもあります。
木鎌(厚鎌)
 中厚鎌よりもさらに刃に厚みがあり、竹の枝や柴などを刈るのに適しているのが木鎌です。刃が厚いので刃こぼれなどもしにくいですがその分薄鎌や中厚鎌よりも重くなっています。太い枝などを刈り取る際に力を入れやすいように柄が太くなっているのも特徴です。
草取・草削鎌
 農具の鍬のように、刃が柄に対して直角に近い角度に取りつけられているのがこの鎌です。このタイプの鎌は土の表面を削りながら草を根元からかき切ることができるため、雑草の根なども残さず刈ることが可能です。そのため草刈鎌のように残した根から雑草が生えてくることもありません。また、その形状から削り取った雑草をかき集めるのにも便利です。家庭菜園などでは土を耕す作業などにも使用可能です。
ねじり鎌
 見た目通り、その用途は草削鎌とほぼ同じです。柄と刃の部分に角度がついているので、土の表面をかき取るように草を削ることができます。そのため、作業の際に腕や肩への負担もあまりありません。しかし、農作物の収穫などの作業には適していません。
鋸鎌(のこぎりがま)
 刃にノコギリのようなギザギザがついた鎌が鋸鎌(のこぎりがま)です。稲刈りなど穀物の刈り取りや、繊維の固い茎や根などを刈るのに適しています。ノコギリ状の刃によって太い枝などを刈ることができますが、刃を研ぐ際には通常の砥石では砥げず、ノコギリ用の目立てヤスリなどを使う必要があるので手入れに手間がかかります。
三角鎌(両刃鎌)
 柄の先についた刃の形がその名の通り三角形になっており、その両サイドに刃がついたのがこの三角鎌(両刃鎌)です。鍬(くわ)の一種である三角ホーを片手鎌にしたもので雑草などの草削りに適しています。草を刈る場合は、刃の先端を横に向け両サイドの刃を使って手前側に削り取るようにして草を刈り取ります。根ごと刈り取る際は先端を垂直に土に差し込み土ごと掘り起こすようにして刈り取ります。

3章 片刃と両刃

 鎌には一般の刃物と同様に片刃と両刃があります。切れ味に関しては片刃の方が優れているとされているので柔らかい草や農作物を刈り取る目的であれば草刈鎌の片刃タイプが適しているでしょう。根や太い茎を持つ雑草などを刈り取りたい場合には強度に優れた両刃の中厚鎌や木鎌が使いやすいかもしれません。
 気をつけたいのが左利きの方の場合です。鎌は刃を寝かせ手前に向けて引くようにして使います。そのため通常の片刃タイプ鎌を左手で使用すると刃が裏がえり、刃先が対象に対して斜めに入ることになってしまいます。そのためうまく刈り取るのが難しくなるのです。ですから左利きの方の場合は両刃タイプの鎌を選ぶか、左利き専用の片刃タイプの鎌を選ぶのが良いでしょう。例外なのは三角鎌(両刃鎌)です。こちらのタイプは三角形の両側面それぞれに刃がついているので右利き、左利きどちらでも同じように使用が可能です。
刃が片側にだけついているのが片刃。切れ味が鋭く繊細な作業に向いているが右利き専用のものは刃が裏返ってしまうので左手では扱いにくい。
表面、裏面双方に刃がついているのが両刃。右手でも左手でも同じように扱うことが可能。切れ味に関しては片刃よりも多少劣るとされている。

4章 刃の素材の違い

 鎌の刃にはいくつか種類があります。主に全鋼、鋼付、ステンレス鋼の3つがありそれぞれに特徴があります。全鋼タイプは切れ味も悪くなく比較的安価なのですが、耐久性はあまり高くなくまたサビやすいという欠点があります。それに対して鋼付は、切れ味に優れており、研ぎ直すことで長く使えるという特徴があります。しかし鋼なので、サビにはあまり強くなく定期的な手入れは必須です。
扱いやすいのはステンレス鋼タイプです。ステンレスのため水などに触れても錆びにくく、切れ味も長持ちします。しかし、切れ味の良さという点では、鋼タイプよりも少し劣ります。手ごろな価格を重視するなら全鋼製がオススメですが、切れ味を重視したいというなら、手入れに手間がかかっても鋼付を選ぶのが良いでしょう。また、手入れに手間をかけたくないのであれば、ステンレスタイプが良いかもしれません。ステンレスは鋼よりも切れ味が劣るとされていますが一般的な用途であれば不満を感じることはほとんどないでしょう。実際に使うときの頻度、また草を刈り取りたい植物の種類や場所の広さなどによって、使いやすいものから選ぶのが良いでしょう。

5章 鎌の正しい使い方とは

 鎌はとても鋭い刃物です。正しく使わないと思わぬケガをする危険があります。使用する際には服装や防護具などの準備をしてください。服装に関しては肌を極力露出しない長袖のものを着用しましょう。また手には必ず手袋をしてください。足元にも注意が必要です。刈った草などで足が滑らないように滑り止めつきの長靴を履くのが良いでしょう。さらに目を保護するゴーグルなども使用すると万全です。
 服装などの用意ができたら次に砂利やゴミなどを取り除きます。こうしておけば鎌の刃を小石などのゴミにぶつけてしまったり、足元が滑って転倒するリスクを避けることができます。
 鎌は右手(右利きの場合)で柄の下の方をしっかりと握ります。刃先が自分から見て左側に向くように構え刈り取りたい雑草を左手でしっかりと握ります。次に雑草の根元部分に刃を入れ、刃先が自分の左後方に向かうように手前に動かして草を刈り取りましょう。鎌は振るのではなく引きます。その際刃先からは目を離さないようにしてください。これを繰り返します。
右利きの場合、自分の左側に向かって刈っていくので右上端からスタートしていくと効率良く作業できます。もし作業中に鎌の切れ味が落ちてきたらタッチアップ用のシャープナー(砥石)で研ぎましょう。切れ味が明らかに落ちてきたという場合は、作業を終えた後に砥石を使ってしっかりと研ぎましょう。

使用中に切れ味が落ちてきたら携帯型のシャープナーで軽く研ぐだけである程度切れ味が復活する。

6章 鎌の刃の研ぎ方

 鎌の刃は三日月形をしているため包丁のようには研ぐことができません。ホームセンターでは鎌専用の砥石などが売られているのでそういったものを使うのがオススメです。研ぎ方は以下になります。
①鎌専用の砥石を用意する

 鎌専用の砥石は、手で握って使える小型の砥石となっています。砥石はいきなり使わず、作業を始める前にあらかじめ水に十分(5分くらい)に浸しておいてください。
②鎌を反対向きして左手に持つ

 刃の部分が手前に来るように左手で柄の部分を逆さに握ります。左手が滑って刃の部分でケガをしないように十分に注意してください。
③刃に砥石を当てて砥ぐ

 鎌の刃に対して砥石の角度が15~20度くらいなるように当てます。砥石を前後に往復しながら刃を研ぎ、徐々に刃の先に向けて弧を描くように移動しつつ、何度も動かして刃を研いでいきます。
④カエリを取り除く

 研ぎ終えたら刃を裏に返しなでてみます。刃の部分に軽く引っかかりが感じられたら刃先のバリともいえるカエリができている証拠です。このカエリは刃の裏側から砥石を当て2~3回ほど研いで取り除きます。これで研ぎは終了です。

 自分で研ぐことに自信がない場合はホームセンターなどに行くと研ぎサービスが提供されているので、そちらを利用してください。店舗によっては扱っていない場合もあるので、詳細はホームセンターに問い合わせてください。

まとめ

 鎌は農具の中でも非常に身近なものですが、刃の形状や用途によって様々な種類があるということはあまり知られていません。しかし、見た目にも明らかに違いのあるいくつもの鎌があるということは、それぞれに明確な用途の違いがあるということでもあります。鎌は刃物ですので、本来の作業に向いていないものを使えばケガを負ってしまう危険もあります。選ぶ際には、まずどのような用途に使用するのか明確にしたうえで、刃の形状の違いに加えて、柄の長さや刃の材質などにも注目しましょう。そして使いやすく、また使用目的にマッチしたものを選ぶようにしてください。


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