速乾性の高い珪藻土バスマットとは?
選び方のコツとお手入れ方法

目次
1章:そもそも珪藻土って何?
2章:珪藻土が水を吸う仕組み
3章:珪藻土バスマットのメリット・デメリット
4.章:他のバスマットの素材と何が違う?
5章:珪藻土バスマットの選び方
6章:珪藻土バスマットを長持ちさせるお手入れのコツ
7章:替えるタイミングは?
8章:割れた珪藻土バスマットはこんな用途にも使える!
9章:使えなくなったときの処分の方法
10章:まとめ


 普段お風呂上がりに使っている布製のバスマットに不快な思いをしたことはありませんか? 家族が多いと後の方にお風呂に入る人は濡れたバスマットを使うことになります。毎日バスマットを洗濯しても天気によっては乾かなかったり、洗濯ができずそのまま置いていたら黒いカビが生えてしまったということがあると思います。今、密かに人気上昇中の珪藻土バスマットは吸水性、速乾性があるため、そのような不快な思いをさせないだけでなく、洗濯する必要もないので家事の時間も減らすことができます。ここでは「珪藻土とはどんなものか?」から、珪藻土バスマットの選び方や長持ちさせるお手入れのコツなど詳しく説明します。読み終わる頃には、きっと珪藻土バスマットを使ってみたくなるでしょう。


1章:そもそも珪藻土って何?

 珪藻土とはケイソウ(ケイソウ類)という藻の一種の死骸が蓄積し、年月を経て土になったものです。800万年~1200万年前の地層に含まれています。
 ケイソウは世界中の海や川、湖に生息し1万5千種~2万種も存在するといわれ、アオミドロやミカズキモのように葉緑体を持ち光合成をする植物性プランクトンです。ケイソウは水、温度、日光、酸素など生育条件が揃うと異常発生します。その後異常発生したケイソウは、生育条件の悪化により死滅し水底に蓄積されます。ケイソウの死骸は微生物により有機物は分解され、ケイソウの殻(細胞壁、主な成分は二酸化ケイ素)だけが残ります。年月を経て堆積したケイソウの殻は化石となり、岩となり、土の層となります。これが珪藻土です。
 珪藻土は日本各地で産出されていますが、秋田県、石川県、岡山県、大分県などが有名です。各地で産出された珪藻土はケイソウや含まれている粘土質などの違いにより、それぞれ特徴があります。その特徴をいかし、産地で地場産業に利用されてきました。
 珪藻土には調湿作用、消臭作用、ろ過性、吸着性に富んでおり、さらに耐火性、断熱性もあるためさまざまなものに利用されています。たとえば、アルコールメーカーのろ過材、耐火レンガ、七輪、土壌改良材、壁土などの建材、その他絶縁体や研磨材としても使われています。珪藻土は自然素材のため、アレルギーを起こすことも少なく安心して使用できます。

2章:珪藻土が水を吸う仕組み

珪藻土には目に見えないマイクロメートルやナノメートル単位の小さな穴(細孔)があります。その細孔の中に水が水蒸気の形で吸収され溜まるといわれています。溜まった水蒸気は湿度が40%以下になると自然に空気中に放出されるため、珪藻土には調湿作用があるといわれています。また、匂いの分子も水蒸気とともに珪藻土に吸収され空気中の悪臭も軽減されます。匂いの分子も放出されますが、放出速度が人が匂いを感じないくらい遅いため、気にならないといわれています。


3章:珪藻土バスマットのメリット・デメリット

 珪藻土バスマットの一番のメリットはズバ抜けた吸水力と速乾性です。
 珪藻土バスマットはお手入れも簡単です。使用後に珪藻土バスマットを倒れないように立てかけて乾燥させておくだけで日常のお手入れは済み、布性バスマットのように洗濯をする必要はありません。珪藻土バスマットはカビが生えるといわれていますが、この日々の使用後の乾燥作業を行うことで防ぐことができます。
 珪藻土バスマットについたホコリや髪の毛は掃除機をかければ取り除けます。
 また、長期間使用していると、表面がくすんで吸水力が落ちてきます。そのような場合は紙ヤスリで磨くだけで綺麗な表面になり、吸水力も良くなり、もとのように気持ちよく使用することができるようになります。 
 珪藻土バスマットは衝撃に弱く、割れたり、欠けたりすることがあるので、取り扱いには注意しましょう。
 珪藻土バスマットは使用時少しひんやりする、布性のバスマットに比べて高額、日本製の珪藻土バスマットを選ぶとさらに高額になるなどデメリットもあります。しかし、家族みんなが清潔で気持ち良く使える珪藻土バスマットは価格以上の心地良さをもたらしてくれると思います。

4章:他のバスマットの素材と何が違う?

 一般的なバスマットの素材には、綿、麻、化学繊維などがあげられますが、最近良くマイクロファイバーの製品を目にします。マイクロファイバーはナイロンやポリエステルを原料にして作られる合成繊維の1つで、8マイクロメートル(ヒトの髪の毛の100分の1位)以下の極細の繊維です。また、一般的な繊維の断面は丸くなっていますが、マイクロファイバーは繊維1本1本に縦に多数の溝が作られており、断面はギザギザした歯車のようになっています。マイクロファイバーの抜群の吸収力はこの縦の溝に由来しています。
 いずれも水分を吸収させるために厚く織ってあったり、ループやシャーリングのタオルであったり、太めの紐で編んで作られています。マイクロファイバーでは表面積を増やすためにたくさんの突起物を並べた布も作くられています。
 これらの繊維で作られたバスマットは、吸水性には富んでいますが、速乾性は劣ります。使用したバスマットを濡れたまま長時間置いていくと細菌が増殖し、匂いの原因にもなるため、洗濯が必須となります。
 マイクロファイバーは吸水性、速乾性に富んでいますが、衛生上まめに洗濯することをオススメします。また、マイクロファイバーは静電気が起こりやすく、繊維が細かく、さらに多数の溝があるためホコリなどの吸着力も優れており、掃除用の雑巾などがたくさん作られています。反面、吸着力の強いマイクロファイバーバスマットにホコリや髪の毛が絡んだ場合取り除きにくいというデメリットにもつながってきます。
 使用後立てかけて乾かすだけ、ホコリや髪の毛は掃除機をかけるだけという珪藻土バスマットの日常のお手入れの簡単さは、家事の時間を減らすためにもオススメの一品といえます。


5章:珪藻土バスマットの選び方

 珪藻土バスマットはバスマットの大きさと耐荷重を確認して選びましょう。
 珪藻土バスマットは平らな床にバスマットの裏面全面が密着するように置く必要があります。珪藻土バスマットが床から浮いている状態で使用すると、バスマットが割れる原因にもなります。バスマット置き場より小さいサイズの珪藻土バスマットを選んでください。
 珪藻土バスマットは大きくなるとより重くなります。日々のお手入れを考えると、小さいものを2枚並べるという選択肢もあるでしょう。
 また、大家族であれば大きいもの、一人や二人暮らしであれば小さいものと使用人数に合せてバスマットの大きさを選んでも良いと思います。
 珪藻土バスマットのサイズはメーカーによって違います。たとえば、
Sサイズ34×46cm、
Mサイズ40×53cm、45×35cm、52×40cm、
Lサイズ46×58cm、60×39cm、
LLサイズ80×60cm
などと表記の区分もサイズもいろいろです。
 珪藻土バスマットのパッケージや取り扱い説明書には耐荷重が記載されています。耐荷重は使用する方が安全に使用できる体重の上限の目安です。耐荷重は80kg、90kg、130kg、150kgなどメーカーや商品によって違います。耐荷重を超えて使用していると珪藻土が割れるおそれもあるので、珪藻土バスマットを選ぶ際は注意してください。
 珪藻土バスマットの形は長方形のものが主ですが、なかには楕円状のものもあります。色は白、ベージュ系、ブラウン系、ブルー系、ピンク系などの単色もの、ツートンカラーのものなどお風呂場や脱衣所に合せてお好みの色を選ぶことができます。
 珪藻土バスマットは1枚のプレートのものがほとんどですが、中には6cm角程のタイル状の珪藻土をつなげてプレート状にしたものもあります。
 珪藻土バスマットには国産、外国産のものがあり、価格もリーズナブルなものから、高価格なものまで様々です。
 珪藻土バスマットは大きさ、耐荷重を調べ、予算やお好みに合った使い勝手の良いものを購入しましょう。

6章:珪藻土バスマットを長持ちさせるお手入れのコツ

 珪藻土バスマットを長持ちさせるためには、日々の使用後のお手入れを怠らないことが重要です。お風呂上がりの水を吸収したバスマットはそのままにしていても乾燥しません。珪藻土バスマットの表面は乾いても、床に接している裏面は乾きが悪くカビが生える原因になります。使用後の珪藻土バスマットは立てかけて裏面までしっかりと乾燥させましょう。また珪藻土バスマットは落下、衝突、転倒などの衝撃に弱く欠けたり、割れたりすることもあります。乾燥、保管時に便利な珪藻土バスマットスタンドも販売されていますので利用してみましょう。珪藻土バスマットスタンドはどこにでも置ける自立型のもの、磁石でスタンドを洗濯機のボディにくっつけて使用するものなどがあります。
 また、スペースをとってしまうヘルスメーターも一緒に、立てて保管できる珪藻土バスマットスタンドも販売されています。
 珪藻土バスマットの保管場所にも注意しましょう。湿度の高い浴室では、珪藻土バスマットを立てかけていても乾きが悪くカビ発生の原因にもなります。浴室で保管する場合は浴室の換気に気をつけましょう。たまに風通しの良い日陰で珪藻土バスマットをしっかり乾燥させることをオススメします。直射日光下での天日干しはバスマットが変形するおそれもあるので避けてください。
 長期間使用していると珪藻土バスマットの表面がくすんできます。くすみは水垢や皮脂などがたまり汚れとなり出てくるものです。バスマットの表面に汚れが貯まると吸水性が悪くなるだけではなく、衛生的にも良くありません。その場合は、紙ヤスリ(#120~#240くらいの目の粗さのもの)で綺麗な面が出るまで表面を削ってください。その後、ハケや掃除機、濡れた雑巾などでバスマットに残っている珪藻土末を取り除きます。珪藻土末が残っていると使用時に足裏にくっついてしまうので丁寧に取り除きましょう。珪藻土末がついた雑巾を洗い、そのまま下水道に流してしまうと下水道が詰まることもあるので、雑巾は使い捨てをオススメします。推奨する紙ヤスリの番手は#120~#240の中目から#400~#800番台とメーカーによって違います。使用している珪藻土バスマットの取扱説明書を参考にしてください。くすみを取ることで珪藻土バスマットの表面はきれいになり、吸水力は戻ってきます。
 珪藻土バスマットを使用するときの置き場にも注意しましょう。珪藻土バスマットは必ず平らな床に直接置いてください。デコボコな床、マットやタオルなど柔らかいのものの上に置くと人が乗ったときに割れることもあります。また、硬いものをバスマットの下に挟み込んでしまうとグラグラするだけでなく、欠けや割れの原因にもなりますので気をつけましょう。床下収納の枠の上も避けてください。
 珪藻土バスマットの端が欠けた場合はカッターで形を整え、紙ヤスリで角を丸く整えてから使用しましょう。
 タイル状の珪藻土を使っているバスマットは、割れたタイルのみを交換することができます。交換用のタイル状珪藻土はメーカーに発注となります。

7章:替えるタイミングは?

 珪藻土バスマットの寿命は壊れるまで半永久的ともいわれていますが、交換の時期はやってきます。
 珪藻土バスマットは水とともに不純物も吸収します。表面に溜まった大きな不純物は紙ヤスリで取り除くことができますが、中まで染み込んだ不純物は取り除くことはできません。長期間使用し、染み込んだ不純物が多くなると吸水性が悪くなってきます。寿命は2年と明記してあるメーカーもありますが、使用頻度によって違ってきます。珪藻土バスマットの表面を削っても吸水力が戻らない場合は取り替えどきといえるでしょう。
 珪藻土バスマットにカビが発生した場合、目に見える表面のカビは紙ヤスリで削り取ることはできます。しかし、カビの菌糸はバスマットのなかに既に広がっており、カビが繁殖しやすい状態になっています。カビが発生した場合は思い切って処分することをオススメします。
 落下や転倒などで欠けたり、割れたりした珪藻土バスマットは紙ヤスリで尖った部分を丸くすると使用できますが、使い勝手の悪い大きさになった場合は取り替えましょう。


8章:割れた珪藻土バスマットはこんな用途にも使える!

 珪藻土バスマットが欠けたり、割れたからといって処分するのは宝物を捨てるようなものです。吸水、消臭、耐熱性など珪藻土の良いところを利用し日常生活に取り入れてみましょう。
 バスマットの珪藻土はカッターと紙ヤスリで容易に加工できます。カッターでお好みの大きさや形にカットし、カット面と表面を紙ヤスリで磨くだけでコースターや鍋敷きができます。コースターや鍋敷きの裏面はそのままでも良いですが、コルクや木材を貼ると見栄えも使い勝手も良くなるでしょう。珪藻土と珪藻土を接着剤で接着することは難しいですが、珪藻土バスマットと別の素材は接着剤や両面テープで接着できます。使用する接着剤や両面テープは、必ずパッケージや取り扱い説明書に書いてある用途や性能を参照し選んでください。
 割れてしまった珪藻土バスマットは、押入れ、下駄箱、トイレ、床下など湿気の溜まりそうなところに置いておくだけでも湿気取り剤や消臭剤として再利用することができます。  
 また、珪藻土バスマットを小さく割り、布や不織布など通気性の良い袋に入れると湿気取り袋ができます。革靴やブーツ、革製のカバンなどの中に入れておくと、湿気を取るだけでなく消臭剤としても役立ちます。お気に入りの可愛い布や不織布のショッパーを使って、サシェのような湿気取り袋を作ると楽しくオシャレなものができると思います。アロマオイルを垂らし、玄関やリビング、寝室にも置いてみましょう。


9章:使えなくなったときの処分の方法

 珪藻土バスマットの処分方法は、自治体によって違う場合がありますので各自治体に確認をしましょう。
 一般的に珪藻土バスマットは不燃ゴミとして陶器類や植木鉢と同じ扱いになりなす。大きいサイズのままだと粗大ゴミ扱いになることもあります。ハンマーなどでバスマットを小さく割って決められた不燃ゴミの日に出しましょう。
 珪藻土バスマットが可燃ゴミとして扱われる場合は、バスマットを小さく割り、指定のゴミ袋に入れ決められた日に出してください。割った珪藻土バスマットは尖っているため紙袋や新聞紙でくるんでゴミ袋に入れ、何が入っているかを明記してゴミに出すと安心です。
 いずれの場合もお住まいの自治体に最適な珪藻土バスマットの処分方法を確認してみることをオススメします。


10章:まとめ

 珪藻土バスマットは割れやすい、カビが生えるといわれていますが、丁寧に扱い、日常のお手入れを行うことで防ぐことができます。高価格ではありますが、使用時の快適さ、家事時間の軽減、メンテナンスをすることで長期間使用できることなどで、価格以上のものが得られると思います。ゆったりと幸せなバスタイムの締めくくりとして、快適な珪藻土バスマットを取り入れてみましょう。

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