水道の蛇口から水漏れする原因は?
パッキンの種類と交換方法

 ある日、水道を使おうと蛇口を見ると、あってはいけないところに滴がたらり。見つけた方は額に汗がたらり……。そう、忘れたころにやってくるのが水道の水漏れです。新築や入れ替えたばかりの設備では起こりにくいですが、5年、10年と時間が経つと、よく使う蛇口まわりで水漏れする可能性は高まります。ただ水漏れの症状が軽いうちは慌てることはありません。簡単に、費用をかけずに自分で修理できることが多いからです。まずは蛇口の構造を知って、修理の方法をチェックしてみてください。この記事を読み終わるころには、きっとDIYで修理をする決心がついているはずです。

1章:水道の蛇口からの水漏れには早めに対処を!
2章:水漏れの原因は?
3章:水栓の構造
4章:蛇口に使われるパッキンの種類
5章:水漏れ修理に必要な道具
6章:交換前の準備
7章:ワンポイントアドバイス
8章:蛇口のパッキンを交換する方法
まとめ

1章:水道の蛇口からの水漏れには早めに対処を!

 水漏れというと水が筋をつくって流れたり、ポタポタと滴になって落ちたりするわかりやすい症状をイメージしがちですが、実際によくあるのは部品のすき間からジワジワと染み出すように漏れてくるものです。このレベルの水漏れが起きても水道は問題なく使えますし、水道の使用量が跳ね上がることもありませんから、危機感がないまま放置し、修理を先延ばしにしがちです。

 しかし少ないとはいえ、本来であれば水気のないところが常に濡れていることになるため、カビや水アカが発生して水回りの美観を損ねる可能性があります。もし壁を伝ったり、床に落ちたりするようなら、壁紙やフローリングを傷めることもあるでしょう。

 水漏れは放っておいて直ることはありません。時間とともに症状が悪化するだけです。水漏れが激しくなってから慌てないためにも、ジワジワ漏れを見つけたら早めに修理しましょう。

2章:水漏れの原因は?

蛇口に使われているパッキンの役割

 びん詰めのフタの内側や水筒のネジブタなどに、ゴム製のリングが入っているのを見たことがあるでしょう。これがパッキンやシールと呼ばれるもので、容器や管などの部品同士の接続部分にできるすき間をふさいで密閉性を保ち、液体が漏れるのを防いでいます。

 蛇口では水の流路をふさぐ部分や金属部品の接続箇所に使用され、ネジ部分のすき間などから水が漏れるのを防いでいます。

水漏れはパッキンの劣化で起きる

 パッキンはゴム製品であるため、時間が経つと硬くなってもろくなります。また動きのある部分に取りつけられているパッキンは、繰り返しの変形や摩擦によってさらに速く摩耗や劣化が進みます。蛇口の部品はほとんどが金属製ですが、消耗品であるパッキンは取りつけてから数年たつと、どうしても緩んだり傷んだりしはじめます。そして密閉性が低下したところから、水圧に耐えられなくなって水漏れが起きてしまうのです。

3章:水栓の構造

 一般的に「蛇口」や「水道」と呼ばれているものは、正式には「水栓(水栓金具)」といいます。水栓の基本的な構造は上の図のとおりです。ハンドルを回すとそれに連動してスピンドルが上下に動き、さらに下についているコマの開閉をコントロールします。最終的には給水管から蛇口へつながる水の流路をコマパッキンがふさいだり、開けたりして、水を出し止めしています。

 水栓金具には、水かお湯だけが出る単水栓と、一台で水とお湯の両方が出る混合栓があります。ツーハンドルの混合栓は、単水栓とほぼ同じ構造ですので、単水栓のしくみを知っていればおおかたの水漏れトラブルに対処できます。

 最近、キッチンや洗面台で設置が増えているシングルレバー混合栓は、水栓の構造が異なります。バルブカートリッジという部品が、レバー操作に連動して水量や温度を調節する仕組みです。シングルレバー混合栓でのトラブルは、たいていはこのバルブカートリッジの故障が原因で起きます。

4章:蛇口に使われるパッキンの種類

 補修用のパッキンはいくつかの水回り機器メーカーが出していますが、種類とサイズが合っていればメーカーを問わず使用できます。購入するパッキンを間違えないように、修理する箇所ごとにどのようなパッキンが使われているのか、しっかり把握しておきましょう。

●コマパッキン

 給水管からの水を止めるコマに使われているパッキンです。金属製のコマにナットでパッキンが固定されているものは、パッキンだけを交換することができます。コマとパッキンが一体になっているタイプは、コマごと交換します。

●三角パッキン

 ハンドルの下にあるカバーナットにぴったり収まるように、山型に作られたパッキンです。三角パッキンの下には金属製のパッキン受けという部品が入っています。三角パッキンを購入すると付属しているので、こちらもパッキンと一緒に交換します。

●パイプパッキン

 水栓本体と自在パイプの連結部分に使用するパッキンです。上部が溝になっていて断面がUの字になることから、Uパッキンの名称もあります。補修用にはパッキンとセットで使うリングが付属しているので、一緒に交換します。

5章:水漏れ修理に必要な道具

●ウォーターポンププライヤー

 アゴの支点を移動することで開口幅が数段階で変わり、排水管を繋ぐ大きなナットから、小さなビスまでつかむことができる水回りの専用工具です。つかむ部分がギザギザの金属のタイプとラバーでカバーされているタイプがあります。ギザギザのタイプを使う場合は、金具を傷つけないように布をあてて作業します。

●カランプライヤー

 ウォーターポンププライヤーの改良版といえる工具です。つかむ部分が角型になっていて、4面でしっかりと力を伝えることができます。先端はカラービスやコマをつまむ細かい作業に適した形状になっています。

●モンキーレンチ

 開口幅を調整でき、さまざまなサイズのボルト・ナット回しに1本で対応する汎用工具です。22mm以上に開口する大きなサイズのものは、水回りのナットを回すときに利用できます。

●シールテープ

 凹凸がある部分にも密着し、配管のつなぎ目に使って液体や気体が漏れないようにする密閉用のテープです。ねじ込み式になっている水道管や水栓のつなぎ部分は、きつく締めつけても密閉することはできません。わずかなすき間から水が漏れないように、組みつける前にネジ部分に巻きつけておくことで、接続部分からの水漏れを防ぎます。

6章:交換前の準備

作業は止水栓(元栓)を閉めてから

 コマやパッキンの交換修理をするときは、事前に止水栓を閉めて水を止めておく必要があります。これを忘れると、水栓のナットを緩めた途端に水が噴き出してしまい、パニックを起こすことになります。

 流し台や洗面台の場合は、台の下に個別の止水栓があります。手で回せるハンドルタイプやマイナスドライバーで回すタイプがあるので、仕様に合わせた方法で閉めてください。混合栓の修理をするときは、湯水両方の栓を閉めることをお忘れなく。

 壁つけ水栓のように個別の止水栓がないところの修理をするときは、屋外の水道メーターボックス内か独立した止水栓ボックス内にある止水栓を操作して、住宅全体の水を止めてください。

7章:ワンポイントアドバイス

自宅の水栓サイズをチェック!

 水栓のサイズは取りつけネジの大きさで決められていて、水漏れの修理にはご自宅の水栓サイズに合うパッキンを使用する必要があります。一般家庭で主に使われているのは、JIS規格の13(1/2)という直径約20mmのタイプです。たいていは13(1/2)サイズが合うはずですが、まれに直径約25mmの20(2/4)というサイズが使われていることがあります。確かめるには水栓金具のメーカーや品番を調べてインターネットなどで検索するか、水栓金具の根元部分の直径をノギスや定規で測って確認します。先にパッキンを取り外すことができれば、店頭に持参して購入すると確実です。

水漏れ箇所をチェック

 蛇口のまわりで水漏れが発生した場合、その場所によって修理方法が異なります。まずはじめに蛇口をよく見て、水が漏れ出しているところを特定しましょう。

(A)蛇口(吐水口)からの水漏れ

 ハンドルを閉めても蛇口からポタポタと水漏れする場合は、コマパッキンの摩耗が原因である可能性が高いです。パッキンを交換するか、コマごと取り替えましょう。

(B)ハンドル下からの水漏れ

 ハンドルの下からジワジワと水漏れしている場合は、ナット内のパッキンが劣化しています。新しいものに交換しましょう。

(C)パイプのつけ根からの水漏れ

 水栓と回転するタイプの自在パイプを連結しているナットが緩んでいないか調べます。緩んでいない場合はその部分に使われているパッキンが原因です。新しいものに取り替えましょう。

(D)水栓のつけ根からの水漏れ

 水栓をねじ込んでいる部分のシールテープが劣化している可能性があります。新しいテープに巻き直しましょう。

8章:蛇口のパッキンを交換する方法

(A)蛇口(吐水口)からの水漏れを修理する

ウォーターポンププライヤーなどを使い、パッキンを押さえているカバーナットを反時計回りに回して緩めます。

カバーナットを外し、手でハンドルを緩めてスピンドルまでの上部パーツをまとめて取り外します。
ピンセットなどを使って、本体内部にあるコマの上部をつまんで取り出します。
新しいコマパッキンに交換するか、パッキンが一体になったタイプにコマごと交換し、逆の手順で元に戻します。カバーナットの締めすぎに注意しましょう。

(B)ハンドル下からの水漏れを修理する

ハンドルを押さえているビスを反時計回りに回して外し、ハンドルを上へ抜きます。抜けないときは、ゴムハンマーなどで下から軽くたたいてください。
カバーナットを緩めて取り外し、内部にある三角パッキンとパッキン受けを交換します。

<混合栓の場合>

マイナスドライバーなどでこじってハンドル上部のキャップをはずし、隠れているネジをプラスドライバーで緩めて外します。
カバーナットを外して、その下に入っている三角パッキンとパッキン受けを交換します。交換したら逆の手順で元に戻しましょう。

(C)パイプのつけ根からの水漏れを修理する

まず、ウォーターポンププライヤーでパイプナットをつかみ、緩みがないかをチェックします。締めつけても水漏れが止まらなければ、パイプナットを緩め、パイプを引き抜いて古いパッキンを取り外します。
パイプに新しいリングとパイプパッキンをはめ込みます。溝が水栓の方を向くようにパッキンを取りつけ、外したときと逆の手順でパイプを元に戻してください。

(D)水栓のつけ根からの水漏れを修理する(壁つけ水栓の場合)

水栓取り外しレンチを使って水栓金具を反時計回りに回して緩め、壁から取り外します。
古いシールテープと根元のパッキンを取り外して、新しいものに取り替えます。シールテープはネジ部分の根元の方から軽くひっぱりながら巻きつけます。
水栓金具を時計回りにねじ込んで取りつけます。締めつけた状態で水洗金具が傾いてる場合は、シールの巻き数を増減して、まっすぐに止まるように位置を調節してください。

まとめ

 ここでは構造がシンプルなハンドルタイプの水栓について、水漏れの修理方法を紹介しました。手順通りに行えばパッキン交換は難しい作業ではありませんが、部品が固着して分解できないことや、原因が他にあって修理しても改善しないことがあります。その場合は無理をしないで修理業者やホームセンターの出張サービスを利用しましょう。ロイヤルホームセンターの「ロイサポート」でも、水漏れをはじめとした水回りのトラブルに対応しています。修理を急ぐなどお困りのときは、こちらのサービスを利用してみてはいかがでしょうか。

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