表札をDIYで簡単に手作りする方法

1章:表札をDIYで作るメリットとは
2章:表札デザインの決め方とは
3章:表札のDIYに必要な素材・道具
4章:素材別表札の作り方
5章:表札を取りつける際の注意点
まとめ

防犯のことを考えて掲げない、という方も最近は少なくありませんが、その家に誰が住んでいるのかを周囲に知らせるために大切なもの、それが表札です。

表札はその家の顔とも言われており、訪問者や郵便や宅配便などの配達員の方にとってはその訪問先に間違いないかを確認するために欠かせません。確かに犯罪者に個人情報を極力与えたくないという意図は分かります。しかし、表札は自分(または自分たち家族)が住んでおり、私たちはその地域の一員である、ということを知らせるものであり、また訪問者を迷わせないという配慮にもなります。それは社会の一員としても必要のこととも言えるのではないでしょうか。

また表札は訪問者だけでなく、その家の前を通りかかる人にとっても目に止まるポイントです。そこにセンスの良いおしゃれな表札があれば、その家の全体的な印象も良いものになるはずです。そんなセンスの良い個性的な表札は、もちろん業者に頼むこともできます。しかし、結局はあらかじめ用意された選べる素材や書体から選ぶことになるので、必ずしも希望通りのものができるとは限りません。

また、デザインなどに細かくこだわりオーダーしてみると、意外に費用もかかるものです。自分だけのオリジナリティのある表札を掲げてみたいと考えるならば、いっそDIYで手作りしてみるという方法はいかがでしょう。

基本は好みのプレートに苗字や名前を描くか刻むだけなので難しくはありません。そのような方ために、DIYによる代表的な手作り表札の作り方をご紹介します。

1章:表札をDIYで作るメリットとは

手作りならば自由に個性を発揮できる

DIYでオリジナルの表札を作ることのメリットとは、なんといっても他にはない自分だけの素敵な表札を作ることができるということです。専門の業者にオーダーして作る表札はとても完成度が高く、また長く使うこともできますが、どうしても似たようなデザインになりがちです。

しかし、手作り表札なら、ベースとなるプレート部分の素材や色、仕上げ方から、名前のフォント選びまで自由に個性を発揮できます。

お好みのモチーフのイラストや写真などを表札のベースに盛り込んでも良いですし、ワイヤーを使った立体的なものや、味のある木材を使用したカフェ風のものなど、どんなデザイン、素材を使っても自由です。

また、材料を工夫すればオーダーで作るよりも費用の節約も可能です。表札はとてもシンプルなアイテムなのですが、結局は全てオーダーメイドとなってしまうため、意外にコストがかかります。でも、手づくり表札なら予算に合わせて作ることが可能ですし、例えば家族が増えても名前の追加なども手軽にできるでしょう。そういった面でもメリットは少なくないのです。

ただ、一軒家ではなく賃貸の物件にお住まいの方は、気になるのはマンションや団地住まいでもDIYによる手づくり表札を掲げても良いのかということです。

集合住宅の場合、玄関扉の外側は基本的に共有部分にあたります。そのためもともと設置された表札取りつけ場所以外に、オリジナルの表札をつけてしまうと、物件によりますが、規約違反となってしまう可能性があります。設置前にマンションや団地の管理会社などに確認が必要です。

そのようなことを考慮すると、表札設置スペースに取りつけられるような、オリジナルの表札を掲げるようにした方が良いでしょう。またDIYで表札を作製する際には、表札設置スペースに収まるサイズをあらかじめ測っておく必要があります。

2章:表札デザインの決め方

フルネームにするか苗字だけにするか

表札をDIYする際、考えなくてはいけないことが、どのようなタイプの表札にするのかということです。表札には大きく分けて2つの種類があります。それは、家族全員の名前を入れたタイプと、シンプルに苗字だけを入れたタイプです。

家族全員の名前が入ったものは、文字の数が多くなるためどうしてもデザインの制限はありますが、うまく作るととても温かな雰囲気のある可愛らしい表札になります。

ただし、マンションなどの場合、スペース的に難しい場合もあるでしょう。また、家族構成や家族全員の名前という重要な個人情報が周囲に漏れてしまうというリスクがあります。心配であればこういったタイプははじめから避けておいた方が良いかもしれません。

苗字だけの表札は、昔からの定番であり、漢字表記にすることで古風で風格のある表札にすることができます。もちろんデザインの工夫や素材などセンス次第で現代的なイメージに仕上げることも可能です。

また、苗字だけの表札でもアルファベット表記にするとシンプルかつデザイン性の高い表札に仕上がります。さらに、個人情報をあまり周囲にさらしたくない、という場合にもアルファベット表記が良いでしょう。アルファベットであれば名字の漢字の表記がわからないため、犯罪者により多くの個人情報が漏れてしまうことをある程度予防できます。

ただし例えば羽生(はぶ)さんや小鳥遊(たかなし)さんといった、難読な漢字を使った苗字の場合、アルファベット表記にしてしまうことで分かりにくい読みが知られてしまう可能性があります。そういった場合は、あえて漢字にしておく方が賢明かもしれません。

3章:表札のDIYに必要な材料・道具とは

見ためだけでなくかかる費用のことも考える

表札の基本デザインのプランが決まったら次は素材を何にするのかを選びましょう。なるべく費用をかけずに仕上げたいという場合は、手元にある材料などを使ってみても良いかもしれません。

DIYで手づくりされた表札には様々な素材が使用されています。主にどのようなものが使われているのか挙げてみましょう。

■素材

①木材
まずはDIYではもっとも一般的な素材といえるのが木材です。入手が容易なうえ種類も豊富。また加工もしやすいということから多くの方が木材を使用した表札をDIYで手作りされています。雨風や経年劣化に耐えられるよう、表面にニスを塗ったり、防水処理などをしなくてはいけませんが、木目を生かしたナチュラルで温かな味わいは木材ならではです。

●作業に必要な道具
表札板、もしくは好みの木材、カーボンシート、彫刻刀、との粉、墨汁、筆、サンドペーパー、ニス、両面テープなど

 

②タイル
簡単に手に入るカラフルなタイルを使うことで手軽にポップな表札を作ることが可能です。材料となるカラフルなタイルやガラスタイルなどはホームセンターなどで簡単に購入することが可能です。
模様入りのタイルやカラータイルだけでなく、アルファベットの書かれたタイルも様々なデザインのものが豊富に揃っているので、好みのものを選びましょう。
タイルを選んだらそれを木工用ボンドやセメントなどでベースとなる無地のタイルに貼りつけるだけです。簡単に自分のセンスを駆使したオリジナルのタイル表札が完成します。タイルは耐候性が高いので、屋外に設置した場合でも劣化が少ないので表札に向いています。

●作業に必要な道具
好みのタイル、タイルを貼りつけるベースとなるタイルもしくは木材、タイル用接着剤、目地剤、目地用ゴムベラなど

 

③ワイヤークラフト
表札は、スペースに収まればなにも平面的なプレートだけでなく、立体的なものでもかまいません。立体的な表札作りにはワイヤークラフトが簡単です。ワイヤークラフトは、ワイヤーをラジオペンチなどで曲げて、思い通りの文字やデザインを作るというもの。加工にはさほど力もいりません。思い通りのモチーフを作れるようになるにはそれなりの経験が必要ですが、シンプルなアルファベットの組み合わせなら比較的加工は難しくありません。

しかし、複雑な漢字は作るのは困難です。画数の少ない漢字であれば十分作製可能ですがアルファベットほど容易ではないでしょう。

苗字だけでなく立体的なモチーフを使い、周りに装飾を施して楽しむといったことも可能です。

●作業に必要な道具
好みのワイヤー、ベースとなる木材、紙、ペン、ペンチ、ニッパー、接着剤、又釘など

 

④アクリル板
モダンな印象の表札が欲しいのであれば、透明なアクリル板などを使ってみるのもひとつの手です。透明のアクリル板にカッティングシートなどを切り抜いた文字を貼りつけるだけで簡単に表札を作ることが可能です。

透明のアクリル板を使う場合はアクリル板1枚で完成とするのですはくベースプレートを使い、スペーサーなどを使って立体的に浮かせるように配置するとよりモダンなイメージが演出できます。
またベースとなるプレートは、木材や色つきのアクリル板、金属板など組み合わせる素材によって大きく印象を変えることも可能です。

●作業に必要な道具
好みのアクリル板、カッティングシート、デザインナイフ、カッティングマット、スティックのり、マスキングテープ、ベース用の木材、スペーサーネジなど

4章:素材別表札の作り方

大切なのはデザインの下絵作り

表札に使われている材料としては、最も一般的なのが木材です。自然な風合いの木目を生かし、太目の楷書体などで苗字を掘り込むと、とても格調高いクラシカルな表札に仕上げることができます。
使用する木材はお好みのものでかまいません。手元にちょうど良い端材などがあればそれを使っても良いでしょう。
また裏面にフックなどをひっかけるための金具などがあらかじめ取りつけられている専用の表札板なども売られていますのでそちらを使用するのもオススメです。
木材を含め素材別の表札の作り方は以下のような手順になります。

●木材を使った表札の作り方
①パソコンや手書きで表札の文字をデザインし下絵となるものを作製する。

②下絵を表札用の木材にカーボンシートなどを使って正確に転写する。

③彫刻等やアートナイフなどを使い、転写した文字のフチ全部をなぞるように彫り込みます。

④次に彫刻等の切り出し刀を使い、文字のフチより1~2mm程度手前から斜めに掘り込んでいきます。文字の中央部分を残すようにフチ部分だけを彫り込むとキレイに仕上がります。

⑤サンドペーパーを使い、掘り込んだ文字部分を丁寧に磨いてささくれなどを取り除いておきます。

⑥との粉を水に溶き、「の」の字を描くように表札の表面に全体に塗りこんでいきます。塗れたら一晩以上しっかり乾燥させます。

⑦文字部分に墨を入れます。はみ出さないように慎重に塗ってください。フチ部分まで塗ってかまいません。

⑧しっかり乾燥させます。

⑨屋外木材用のニスを塗り乾かしてツヤを出したら完成です。

●タイルを使った表札の作り方
カラータイルやガラスは並べ方のパターンによって印象が大きく変わります。同じ種類のタイルで全体を統一しても良いですし、周囲を小さめのタイルでモザイク状に飾り、名前の部分はシンプルにモノトーンのタイルを使用するなど複数の種類のタイルをうまく使用すると味わい深い表札にすることができます。
また、表札の周りを好みのタイルで装飾するなどということも面白いので、丸ごとDIYするのはハードルが高いと思うようでしたら装飾としてタイルを使用してみるのもオススメです。タイルを使った表札の基本的な作り方は以下の通りです。これをベースに自由にアレンジしてみてください。

①タイルをいきなり貼るのではなくまずは紙の上などにタイルを並べ表札のデザインを決めておきます。文字の並び、スペルなどの間違いがないようにしておきましょう。

②デザインが決まったら表札のベース、タイルを貼る土台となる木材、もしくは無地の白いタイルに接着剤を塗りつけます。

③カラータイル、ガラスタイルなど、好みのタイルを等間隔で並べていきます。隙間なく配置した方が仕上がりはきれいです。

④タイルがしっかり接着できたら、その上からヘラを使ってタイル用目地剤を塗り、隙間を埋めます。これで耐候性が高まります。目地材を塗り終えたら一晩乾燥させ完成です。

●ワイヤークラフトによる表札の作り方
ワイヤー(針金)とペンチを使って、好きな形に折り曲げたり、巻きつけたりしながら好みのデザインを成形していくのがワイヤークラフトです。一本のワイヤーから苗字のアルファベット全てを作り出しても良いですが、難しいようであれば、一文字ごとに形作り、それを木材などのプレートに固定してもかまいません。
ワイヤーをうまく曲げるポイントは緩やかな曲線は手で癖をつけてから曲げ、きれいな曲線は筒などを使うこと。また、鋭角に曲げる場合はペンチを使って曲げるときれいに仕上がります。

①表札のサイズに切った紙にワイヤーで曲げやすい形を考え苗字などのデザインを書き出し、これを型紙にします。

②使用するワイヤーは、ワイヤークラフト用の加工しやすいアーティスティックワイヤーでも良いですし、ホームセンターなどで手に入る銅線やステンレスワイヤー、アルミワイヤーなどを使ってもかまいません。ワイヤーを適量引き出したらまずその先端をラジオペンチでくるっと丸めます。とがった先端でケガをするのを防止するためです。

③下書きの型紙の線に合わせて針金を曲げていきます。紙の上に置いたままだとやりにくい場合は、浮かした状態で曲げて行きます。
④ワイヤーどうしをつなぐ場合は、ワイヤーの両方を内側に曲げてフック状にしてひっかける、または、細いワイヤーを2本のワイヤーを重ねた部分に巻きつけて繋いでください。

⑤思い通りの文字をワイヤーで描くことができたら端をニッパーで切断します。切断された端はラジオペンチでくるっと丸めておきましょう。

⑥文字の形ができたら、表札のベースとなるフレーム状に成形したワイヤーや、木の板などに固定します。フレーム状のワイヤーに固定する場合は成形した文字のワイヤー端を巻きつけるようにします。木の板などに固定する場合は接着剤などで貼りつけても良いですし、又釘などをつかってしっかり固定しても良いでしょう。これで完成です。

●アクリル板を使った表札の作り方
透明アクリル板を使用すると硬質でモダンなイメージの表札に仕上げることが可能です。アクリル板に文字を描く方法で最も簡単なのは文字を切り抜いたカッティングシートを貼りつける方法です。直接サンドブラストやレーダー加工で文字を描いたほうが耐候性は高いのですがDIYではそのような加工は難しく、また業者に頼むとコストがオーダーメイドと変わらなくなってしまいます。DIYであればカッティングシートを使うのがオススメです。
使用するアクリル板は耐久性を考え5mm以上の厚みのあるものがオススメです。透明アクリルをそのまま使用すると文字などの可読性が悪くなるので、ベースと組み合わせて立体的なデザインにすると良いでしょう。作り方は一例をご紹介します。

①アクリル板の四隅にスペーサービスを取りつけるための穴をあけます。穴の大きさは使用するスペースに合わせてください。ご自身で穴あけ加工ができない場合はホームセンターなどに加工を頼んでも良いでしょう。

②アクリル板は一旦置いておき、次にデザインを決定します。アクリル板の場合、手書きの文字よりもパソコンなどを使用した方がスマートなデザインに仕上げやすいでしょう。文字だけでなく装飾などを施してもかまいません。

③デザインしたものを紙に書き出すか、プリントアウトしたら好みのカッティングシート上にスティックのりなどで貼りつけます。これはあとで剥がすので粘着力の弱いのりを使うのが良いでしょう。

④カッティングマットの上にカッティングシートを置きます。そして貼った紙の上からデザインナイフで文字を切り抜きます。その際、カッティングシート本体だけを切り抜き、台紙は切り抜かないように注意しましょう。全て切り抜いてしまうと文字がバラバラになりアクリル板に転写しにくくなります。

⑤文字をキレイに切り抜くことができたら、カッティングシートに貼りつけていた紙を慎重に剥がします。その際カッティングシートを傷つけないように注意してください。

⑥次に切り抜いたカッティングシートの上から文字の配置が崩れないようにマスキングテープを貼ります。文字が一体となった状態で、全ての文字のデザインが隠れるようにマスキングテープで一旦固定します。

⑦上から貼ったマスキングテープごと切り抜いた文字を台紙より剥がします。これで、文字の並びが崩れることなくカッティングシートの接着面が露出します。

⑧切り抜いた文字をマスキングテープごとアクリル板に貼りつけます。しっかり貼りつけたら、今度はマスキングテープだけを慎重に剥がします。これでバランスを崩さずに切り抜いた文字だけがアクリル板に転写できました。

⑨ベースとなる木材にスペーサービスなどを使ってアクリル板を固定します。ベースとアクリル板がスペーサーを介して2層構造となることで、よりモダンなイメージとなります。またアクリル板だけよりも文字の可読性も増します。これで完成です。


5章:表札を取りつける際の注意点

壁や門柱にキズをつけずに取りつけるには

外壁や門柱などに表札を取りつける専用のスペースがある場合は固定用の器具などがあらかじめあるはずなのでそれに合わせて設置します。

もしそのようなスペースがない場合は主に、ネジ止めする方法と両面テープや接着剤で貼りつける方法などがあります。門柱や外壁などに電動ドライバーで穴をあけてネジ止めすると耐久性も高く、外れる心配はありませんが、壁にキズがつきます。また電動ドリルなどの工具も必要です。それに失敗した場合は目も当てられないのでDIYで表札を固定する場合は接着剤や両面テープを使うのがオススメです。これなら失敗してもやり直しも可能です。

使用する接着剤や両面テープは、パッケージに表札に使える、どんな材質でも使用できます、などと書かれたものを選ぶと良いでしょう。貼りつける際はあらかじめ壁などを外壁用の洗剤や、水洗いをして汚れをしっかりと落としておきます。油分やホコリ、砂などが付着していると接着力が落ちてしまいしっかり貼りつけられませんので注意してください。

貼りつけた後はその上から養生テープやガムテープでしっかりと表札を固定しておきます。24時間ほどそのままにしたらテープを剥がします。これでしっかりと接着されているはずです。

マンションや団地などの場合は表札を取りつけるスペースが決まっているはずなので、そのスペースに取りつけましょう。それ以外の場所は共有スペースとされている場合が多いので、表札を掲げるのは避けた方が賢明です。

まとめ

オーダーメイドの表札はしっかりとした作りで仕上がりもとてもきれいですが、オリジナリティという意味では手作りのものにはかないません。自分で作ればより親しみもわきまたそれがきっかけで近所の方と繋がりができるかもしれません。基本はベースとなるものに、苗字や名前を描くだけ、DIYの作業としては難しいものではありませんので、一度の手作り表札に挑戦してみてはいかがでしょうか。

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