みずみずしく歯ざわりも心地いいキュウリは、夏の水分補給にもぴったりな野菜です。淡白な味わいからイメージされるとおり、その栄養素はほとんどありませんが、カリウム、ビタミンC、カロチンなどは豊富に含まれており、サラダに使えば青みとみずみずしさが楽しめます。また、酢の物、漬物などにも欠かせない存在ですね。キュウリは比較的栽培期間が短いため、すぐに収穫でき家庭菜園用としても人気があります。そんなキュウリの育て方を紹介します。
キュウリは温暖な気候を好む野菜です。原産地はインド西北部のヒマラヤ山麓といわれており、寒さに弱く、夏野菜のイメージがありますが実は高温にもあまり強くありません。そのため、穏やかな気候の春から夏に掛けてが栽培に適しています。種まきから70日程度で収穫が可能で、生育スピードがとても早いので、栽培の管理や収穫をスケジュール通りに確実に行うことが重要です。収穫が遅れ大きくなりすぎると独得の食感や食味も薄れるので、早めに収穫しましょう。
直まきも可能ですが、キュウリは通常はポットで育苗します。タネまきは4月中旬~5月中旬ごろが適期。ポットで育苗後プランターに植え替えますが、キュウリの株は高く育つので、プランターは標準よりも大きめのものを用意しましょう。またキュウリはツル野菜なので支柱も必要です。
●種まき
キュウリの発芽適温は、25~30度です。育苗用の用土をポットに入れ、2粒ずつ種をまき、厚さ1cmほどの覆土をして、たっぷりと水をやります。苗は暖かい環境で育てます。発芽して本葉が1枚展開したら1本に間引いて育てます。育苗期間は週に一回ほど水やりをかねて液肥を施します。本葉が3~4枚程度に生長したら植え付け適期です。
●植え付け
60cmほどの大型プランターを用意し、底に鉢底ネットを敷き、底が見えなくなるくらいの軽石を入れます。そこに市販の野菜用用土を入れます。キュウリの株間は40㎝程度なので、大型プランターなら2株を植えられます。2~3㎝ほどウォータースペースを残して用土入れ、植え穴を開けたら十分水をしみこませ苗を浅めに植えつけます。植え付け後プランターの底から水が出るまで、水を与えます。
●支柱を立てる
苗を植え付けたら支柱を立てます。支柱は苗の後側ではしご状に支立てて、つるを誘引しましょう。週1回を目安にチェックを行い、支柱へつるを誘引します。
●整枝・摘心
親づるの下から5~6節までの側枝と雌花を摘みとります。親づるの高さが約160cmになったら先端を摘芯します。子づるは本葉2枚で先を摘心します。子づるの1節目に実が付きます。
●水やり
根を浅く広く張るキュウリは乾燥には強くありません。そのため水やりには特に気をつけてください。果実は夜間に生長するので夕方以降にたっぷりと水をやりましょう。
●追肥
肥料は化成肥料や有機配合肥料を与えます。追肥は15~20日間隔で、最初は株がしっかりしてきたタイミングで株の回りに軽く化成肥料などを施肥します。1度にたくさん施さず少しずつ与えましょう。
●収穫
開花するとすぐに実がつきあっという間に大きく成長します。最初につけた2本~3本の実は、小さいうちに収穫して、その後は18cm~20cmくらいになったら収穫します。大きくなりすぎると食感が悪くなるので、早めの収穫を心がけましょう。
プランター栽培でも、適切な水やりと追肥を行えばキュウリはグングンと生長します。それを観察するのも楽しいでしょう。実は若いうちに収穫すれば次々と収穫できるはずです。乾燥には弱いので夏場は敷わらなどを敷くといいでしょう。
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