西洋芝の手入れ方法

 冬でも青い芝生を眺めたい。ゴルフ練習用のグリーンを作りたい。そうした理由から選ばれているのが、西洋芝です。西洋芝は日本の家庭の庭によく使われている高麗芝(コウライシバ)と違い、寒冷地以外での生育が難しい種類が多くあります。
とくに難易度が高いといわれている夏越しのコツを含めて、西洋芝の管理方法を見ていきましょう。

1章:西洋芝の種類
2章:西洋芝の特長
3章:寒地型西洋芝の管理
4章:西洋芝の種まきについて
まとめ

1章:西洋芝の種類

見出し:寒地型西洋芝の代表的な種類

●ベントグラス

 葉が細く柔軟で、緻密に広がります。低刈りにも強いことから、ゴルフ場のグリーン用の芝生として広く使われています。耐寒性はありますが、病虫害に弱いので、病気が発症しやすい季節には注意が必要です。

●ブルーグラス

 世界で広く栽培され、寒地型を代表する芝生です。低刈りには不向きですが、踏圧に強いため、ゴルフ場のフェアウェイや冷涼地の公園などでよく使われています。病気には比較的強いものの、高温や乾燥に弱いところがあります。日本では北海道や東北、高冷地であれば夏越しすることができます。

●フェスク

 寒地型のなかではもっとも暑さに強く、日本の暖地でもよく育つ種類です。深く根を張るために乾燥にも強く、丈夫です。葉が広いトールフェスクと、葉が細いファインフェスクがあります。

●ライグラス

 発芽から成長までが早く、種をまいてから短期間で芝地を作れる種類です。寿命が短いため、単独よりもオーバーシード(追いまき)用としてよく使われます。

暖地型西洋芝の代表的な種類

●バミューダグラス

 高麗芝などの日本芝に近い性質を持つ、暖地型芝です。西洋芝のなかでは細く、鮮やかな濃緑色の葉を特長としています。暑さや乾燥、踏みつけにも強く、丈夫な種類ですが、寒さや日陰に弱いので、栽培場所を選ぶときに注意が必要です。

●ティフトン

 バミューダグラスの一種です。繁殖力が高く、踏みつけにも強いものの、長い日照を求めるため、日当たりの良いことが栽培条件になります。成長が早いため、家庭の庭に使う場合は、施肥や芝刈りなどの手間がかかります。

●セントオーガスチン

 暑さ、踏みつけに強く丈夫で、成長が早く旺盛に広がる種類です。暖地型芝のなかでは日陰に強い性質を持っていますが、耐寒性は高くありません。日本では九州、沖縄地方でよく使われています。

2章:西洋芝の特長

 西洋芝には、高麗芝などの日本芝に近い性質の暖地型(夏芝)と、冷涼な気候でよく育つ寒地型(冬芝)があります。冬でも青い芝生として使われる寒地型西洋芝は、暖地型に比べて濃く鮮やかな緑の葉色が見た目の特長です。15~25℃の穏やかな気候を好み、寒さにも比較的耐える性質です。寒さが穏やかな地域であれば、冬でも枯れない常緑の芝庭を見ることができます。反面、暑さにはめっぽう弱いため、寒冷地以外での生育は難易度が高いといえます。関東以西の温暖な地域で寒地型西洋芝を健全に管理するには、相当の苦労とリスクを覚悟する必要があります。

 一方、暖地型西洋芝は日本芝と同じように扱うことができますが、耐寒性が低く、日本では沖縄などを除き、冬は葉が枯れて休眠します。霜の降りる地域では生育できないものもあります。一般的には、関東以西の暖地に適しています。

3章:寒地型西洋芝の管理

水やり

 寒地型西洋芝は高麗芝などに比べて乾燥に弱いものの、かといって水を与えすぎると根腐れや病気を引き起こす原因になります。暑いからといって、毎日水やりしなければいけないわけではありません。土の状態、葉の状態(巻いて細くなってきたら水不足の合図)をよく観察して、乾燥していると判断したら、土のなかに染み込むようにたっぷり散水します。

 春や秋は寒地型芝にとっては成長期なので、この時期も乾燥には注意が必要です。初心者には難しいかもしれませんが、晴れが続くときは毎日観察するようにしましょう。

刈り取り

 春から夏にかけては、成長速度が高まります。ムレにともなう傷みや病気を防いで、元気な状態で夏越しできるように、温暖な地域ではできるだけ頻繁に芝刈り作業を行うようにします。葉が伸びてから刈るというより、伸びないように刈るつもりで、最低でも週1回、伸びが速ければ週2回など定期的に行い、草丈を保つようにします。地域によっては、成長が止まる11月ごろまで芝刈りが必要です。

 刈り取りのタイミングが遅いと、葉と一緒に軸(茎)が伸び、軸ごと刈り取ってしまうリスクが高まります。軸刈りを繰り返すと、少しずつ芝が弱っていくので、健全に生育させるためにも、早めに芝刈りをすることが大切です。

 そして刈り取り後は、レーキや熊手を使って刈りカスを取り除いておきましょう。刈りカスを放置すると、分解されにくいサッチとなって堆積し、土壌の通気と水はけを悪化させます。
手押し芝刈り機

除草

 きれいな芝面を保つために、雑草を見つけたら小さいうちにこまめに取り除くようにします。西洋芝に使える除草剤は種類が少ないうえ、薬剤による障害も出やすいので、大変でも除草フォークなどを使用して手取りすることをオススメします。西洋芝に適応した除草剤であれば、使用しても大丈夫です。
除草フォーク

施肥

 寒地型西洋芝は、春や秋ごろによく成長して、夏は成長が止まります。このサイクルに合わせて肥料を与える頻度や量を調整します。

 肥料の与えすぎは徒長につながり、かえって芝を弱くします。芝の伸び方や葉色を見ながら、全面に少量ずつ、均一に緩効性の化成肥料をまくようにします。気温が高いときの施肥は、肥料焼けを起こす危険があります。夏場は夕方や曇りの日に行ってください。

西洋芝にも使える芝生用肥料

病害虫の防除

 生育に不向きな地域で寒地型西洋芝を使っていると、抵抗力が落ちる夏の高温期などには、特に病気が発生しやすくなります。病気のダメージが出る前にブラウンパッチ、さび病、ダラースポット病などに効果のある殺菌剤を散布しておくと、予防につながります。

オーバーシード

 冷涼地では寒地型西洋芝を張って、年間を通して常緑の芝庭を作ることができますが、関東以西の地域では寒地型の芝生は夏越しできず使うことができません。暖地型の芝生が休眠する冬の間、寒さに強い寒地型芝生の種子をまいて、冬芝に入れ替える方法を「オーバーシード」といいます。

●オーバーシードに向く品種

 オーバーシードによく使われる芝が「ペレニアルライグラス」です。この品種は種をまいてからの発芽、成長が早いうえ、初夏になると枯れる性質のため、夏芝との切り替えがスムーズです。

 また、はじめからオーバーシードすると決めている場合は、夏芝は日本芝よりも暖地型西洋芝を張ることをオススメします。バミューダグラスは、高麗芝などに比べて成長が早いため、切り替えの時期に冬芝に負けずによく育ちます。

●オーバーシードをするときのポイント

 オーバーシードで冬芝の種をまくには、ベースとなる夏芝の成長が衰える9月から10月が適期です。種をまく前に、よく光が入るように、夏芝を2cm以下に低く刈り、刈ったカスや枯れた葉を丁寧に取っておきます。種はムラができないように均等な密度でまくようにし、フルイを使って上から目土をかけます。芽が出るまでの1〜2週間は、土が乾燥しないようにこまめに水やりをしてください。

 夏芝が芽吹きはじめる4月から5月の切り替え時期には、冬芝を2cm以下に短く刈り、夏芝の成長を邪魔しないようにします。この時期が遅かったり、刈り方が足りなかったりすると、ベースになっている夏芝の生育を妨げ、弱らせてしまうので注意しましょう。

4章:西洋芝の種まきについて

芝を種まきで育てるメリット、デメリット

●メリット

 日本芝の代名詞的な品種で、関東以西で普及している高麗芝は、発芽しにくい品種のため、切り芝のみ流通しています。西洋芝には種から育てられる品種が多く、種まきで芝生を作ることができます。種をまいて芝生を育てる一番のメリットは、なんといっても初期費用を抑えられるところです。

 高麗芝の切り芝が1m2あたり500〜1000円で販売されているのに対し、バミューダグラスの種は6〜10m2にまける量が1000円程度で入手できます。できるだけ費用をかけずに広い芝生を作りたいときには、種まきで育てるメリットは大きいと言えます。

●デメリット

 芝を種まきで育てようとすると、切り芝を張る場合に比べて密な芝生が形成されるまでに時間がかかります。そのため生育中の養生期間が長くかかり、生え揃うまでの雑草取りなどの手間がかかります。

 また、種まきできる西洋芝は日本芝に比べて成長が早いため、芝生ができあがってからの芝刈り、施肥、水やりといった管理の手間がかかることを覚悟しておく必要があります。

芝の種をまく時期

●暖地型西洋芝の場合

 暖地型芝生の発芽適温は20℃以上、生育適温は25〜35℃です。代表的な品種であるバミューダグラスは、暖地での春まきは4〜5月、秋まきは9月が適期です。

●寒地型西洋芝の場合

 寒地型芝生の発芽適温は15℃以上、生育適温は15〜25℃です。代表的な品種であるケンタッキーブルーグラスは、寒冷地では5〜8月が種まきの適期です。

芝の種をまく方法

●芝生の種を入手する

 耐暑性や耐寒性、耐踏圧性など、性質の異なる数種類の西洋芝の種を混合した庭まき用の種が、ホームセンターや園芸店で販売されています。

 葉の太さや色の好み、環境条件などから特定の品種を使いたいときは、種苗メーカーの通販を利用して簡単に手に入れることができます。

●種まきの手順

・土を耕す
 芝生を作りたい場所を決めたら、念入りに雑草を取り、スコップやクワを使って地面を10〜15cmほど耕します。大きい石や雑草の根を取り除き、芝生用の肥料を適量混ぜ込んでから平らにならします。

 表面が凸凹になっていると、凹んだところに水たまりができ、芝がうまく生育しないことがあります。トンボや板を使って丁寧に整地しましょう。このとき、わずかな傾斜をつけておくと、余分な水を排水しやすくなります。傾斜は1mで2〜3cm下がるくらいの勾配が目安です。

 また、粘土質など水はけの悪い土壌の場合は、表面の土を取り除いてから水はけの良い芝生用の床土や床砂などに入れ替えることをオススメします。

・種のまき方
 レーキや熊手を使って、地面に深さ5〜10mmの溝を1cm間隔で作ります。パッケージに書かれた表示に従って、適量の種をムラなく均等にまきます。地面を等分し、一区画ごとに等分した種をまくと、まきムラができにくくなります。

 種をまき終えたら、最初に入れた溝と直角の向きでレーキを引いて、種に軽く土を被せます。

・種まき後の管理
 1週間ほどは、土の表面が乾かないように毎日水やりをします。新芽が2〜3cm程度に成長するまでは、養生期間として立ち入らないようにしてください。

 芽が出揃うまでは、保湿や保温の効果があり、鳥の食害を防げる「不織布」で覆っておくと、発芽率を高める効果があります。

 ひと通りの発芽が終わったところで、ムラが気になる場合は、生えていないところに種をまいて目土をかける追いまきをしましょう。

まとめ

 種まきをして芝生を作りたい場合や、冬でも常緑の芝生にしたい場合は、西洋芝がぴったりです。日本芝に比べると管理の手間はかかりますが、こまめな手入れを欠かさなければ難しいことはありません。暖地型か寒地型、お住まいの地域の気候や目的に合った品種を選んで、美しい芝庭を作りましょう。

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