ここであらためてコンクリートに関連する用語を整理しておきましょう。「セメント」と「コンクリート」はよく混同して使われていますし、「モルタル」にいたっては名称すら知らない方もいるのではないでしょうか。簡単に言えば、セメントはコンクリートとモルタルに共通して使われる原料のひとつで、外構の用途で単体で使用することはまずありません。コンクリートとモルタルは、セメントと骨材と言われる砂や砂利を水で練ったもので、骨材の構成が違い、強度や用途がまったく異なります。混乱しないように、それぞれについて簡単に解説します。
●セメントとは
よく知られているのは、グレーの粉末状をしたもので、主原料は石灰石や粘土です。セメントが単体で使われることはなく、建築資材としてはコンクリートやモルタルを作るための接着剤の役割をします。水を加えて練ると化学反応によって固まり、砂や砂利などの骨材といわれる混ぜものを結合します。
グレーの一般的なもののほか、色をつけやすい「ホワイトセメント」や硬化が速い「速乾セメント」、高温の場所に使える「耐火セメント」、水中で作業できる「水中セメント」などがあります。
●コンクリートとは
コンクリートは、セメント、水、砂、砂利(砕石)を混ぜて作られる建築材料です。砂利を混ぜることで強度が大幅に高くなります。水を加えて手で練る場合は、「セメント:砂:砂利=1:3:6」の割合で使います。建築では建物の基礎や構造物、道路や橋など、強度が求められるさまざまなところで使われますが、外構DIYではフェンスやブロック塀の基礎、駐車場の舗装、土間などに使います。ただし、砂利で重く、手でたくさんの量を練るのはかなりの重労働なので、広い駐車場を舗装するときなどは、生コン工場(建材店など)に注文して生コンクリートをミキサー車で配送してもらうほうが現実的です。
●生コンクリートとは
通称「生コン」、JIS規格で「レディミクストコンクリート(ready mixed concrete)と呼ばれます。生コンは整備された製造工場でJIS企画に基づいて製造され、コンクリートミキサー車によって施工現場に配送されます。作業現場で手練りするコンクリートの品質がまちまちになるのに対し、製品として使用する骨材の大きさや強度が表示され品質も安定しています。
ちなみに生コンは、注文時に仕上がりの強度、柔らかさ、骨材寸法などの配合を指定する必要があります。作る構造物の種類によって適した配合があるので、「駐車場を作りたい」「家の基礎を作りたい」と、目的を伝えて相談してください。生コン工場によりますが、注文の最低数量は0.5m3以上などが一般的で、それ以下の少量には対応してもらえません。余らないように必要量を割り出して発注することも大切です。いろいろ制約はありますが、DIYでも大量のコンクリートを手練りしなくてよく、作業の時短と省力化ができるところがいちばんのメリットでしょう。
●モルタルとは
モルタルは、セメントと砂を混ぜたもので、漆喰と並ぶ左官材料です。「セメント:砂=1:3」程度の割合で混ぜ、水を加えて練ったものを使います。屋外でレンガやブロックを積むときの目地、フェンスやウッドデッキの支柱の固定、玄関などの敷きタイル張りに使用します。住宅の外壁やブロック塀などの塗装前の仕上げ塗りでは、コテやハケを使った模様づけができるのは左官材料らしい特長と言えます。最近では、プランターなどの雑貨を作るクラフト材料としても注目されています。
●インスタントセメントとは
すでにセメントと砂を混ぜた状態で袋売りしていて、水を加えて練るだけですぐに使えるというものです。とても紛らわしいですが、実際は「インスタントセメント」という名前のモルタルで、「インスタントモルタル」の名前で売られているものも中身は同じです。購入時に混乱しないようにしてください。
セメントと砂、砂利を混ぜた状態で袋売りしている「インスタントコンクリート」もあります。どちらも少量が必要なときにはとても便利ですが、それぞれをバラで買うより割高になります。使用量に応じて使いわけると良いでしょう。
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