温室の自作方法とは?
自作に必要な道具から温度管理の方法まで

目次
1章:自分で温室を作ることはできる?
2章:温室を作るメリット
3章:温室作りに欠かせないアイテム
4章:自分で温室を作る方法
5章:温室作りの注意点
6章:温室内の温度管理の方法
まとめ


 寒さに弱い植物を冬越しさせたいときに、また寒さに厳しい地域で霜などから植物苗を守りたいときに利用したいのが温室です。温室というと常設の園芸施設というイメージがありますが、家庭園芸用でしたらコンパクトなサイズのものでも十分です。ホームセンターでも家庭用温室を購入できますが、ここでは必要な大きさ、好みのデザインの温室を手に入れたい方のために、自作する方法と製作時のポイントなどを説明しましょう。


1章:自分で温室を作ることはできる?

 外気を遮断し、なおかつ日差しを取り込める構造になっていれば、簡易温室として使うことができます。ホームセンターで家庭向けに販売されているものの多くは、プラスチック製やスチールパイプ製の骨組みにビニールカバーなどを被せたもので、とても簡単な作りになっています。既存のものを利用して自作するのでしたら、適当な大きさの棚にビニールシートを掛けるだけで、販売されているのと同程度の簡易温室を作ることができます。手間を掛けたくない方には、これがもっともオススメの方法です。

 ビニールシートでカバーしたものでは見栄えがいまひとつ。もう少し素敵な温室を作りたいという方は、木材を使って骨組みを組み立て、ガラスやアクリル板などの透明樹脂のパネルをはめ込む方法で作ると良いでしょう。棚を作るのと同じくらいの木工の技術が必要になりますが、きちんと図面を描いて時間をかけて作業をすれば難しくはありません。

2章:温室を作るメリット

冬越ししやすい環境作り

 観葉植物や多肉植物、ランの仲間などのなかには、寒さに弱く、冬の間は温室のようなケースの中で保護しなければならない種類のものがたくさんあります。

 多くの熱帯原産の植物にとって、生育に適した温度域は15〜25度で、安全に冬越しさせるためには最低温度は7度以上を保っておきたいところです(なかには最低温度が10〜15度ないと枯れる種類もあります)。しかし冬は室内であっても、日差しが入る日中や暖房を使っている間こそ暖かいものの、暖房を止めた夜間は急激に温度が下がり、寒さに弱い種類にとっては過酷な環境となります。夜間の室温が2〜3度まで下がるような地域では、ちょっとした温室があるだけで冬越しをさせやすくなります。

 また屋外で育てている植物であっても、温暖な地域が原産の種類の草花などには、日本の寒冷な地域では冬越しさせるのが難しい場合があります。加温設備の整った温室までは必要なくとも、雪や霜、冷たい風にあたるのを防いであげると、枯れたり傷んだりしないで冬を越してくれます。玄関などに鉢を取り込んでおくのでも十分ですが、そのスペースがないときには簡易温室を用意してあげるのが良いでしょう。

春植え野菜の発芽・育苗に

 トマトやナス、ピーマンなど、夏野菜を種から育てようとすると、発芽適温まで気温が上がる5月ごろまで種まきを待たなければなりません。ポットなどに種をまいて、温度の上がりやすい温室で管理すると、露天で発芽させる場合よりも前倒しで育苗ができ、夏の早い時期から収穫できるようになります。

簡易温室の限界

 太陽の光をたっぷり取り込む日中の温室の中はとても暖かくなり、植物が快適に生育できる環境に思えます。しかし簡易温室に過剰な期待は禁物です。ビニールシートやガラスには断熱効果はほとんどなく、日が暮れて気温が下がれば、温室内部の熱もどんどん逃げて、すぐに外側と変わらない低温になってしまうからです。関東地方の温暖な地域でも真冬の最低気温は0度を下回り、室内でも5度以下にまで温度が下がるでしょう。低くなりすぎるようでしたら、保温や加温をして温度調節をしてあげないと温室としての役割を果たせません。

 もちろん、ある程度寒さに強い植物でしたら、前述したように霜や冷たい風などを遮るだけで、冬越しに利用するメリットはあります。簡易温室を単体で使うことの限界をよく理解したうえで、利用すると良いでしょう。


3章:温室作りに欠かせないアイテム

●透明なシートやパネル

 農業用のビニールハウスや住宅用のサンルームと同じく、風や冷気を遮って、太陽の日差しをたっぷりと取り込み、温まった空気を内部で循環させるためには、ビニールシートやガラス板、アクリル板などの透明な素材の壁が欠かせません。それぞれに耐久性や加工性、費用が異なるので、作りたい温室のタイプや予算に合わせて選びましょう。

●温度計

 日差しを受けて温度が高くなりすぎれば植物は蒸れて弱ってしまいますし、夜間に温度が低くなりすぎれば枯れてしまうことがあります。温室で育てたい植物の耐寒性を調べたうえで、設置する場所の温度環境をチェックすることが温室栽培の基本です。そのとき必ず把握しておきたいのが、最低温度と最高温度。現在温度を表示する他に、最高最低温度を記録できるタイプの温度計を設置して、換気や加温をするためのデータとして利用しましょう。

●ヒーター&サーモスタット

 簡易温室には保温効果はなく、夜間には外の気温と同じ程度にまで内部温度が下がってしまいます。冬越しが目的であれば、その植物が耐えられる温度をキープし続けることが大切です。室内保管であっても、夜間に植物の耐寒を下回るような環境では、強制的に温度を上げられるヒーターを用意する必要があります。加温したい温室のサイズ、上昇させたい温度に合わせて、十分なパワーを備えた園芸用ヒーターを用意しましょう。

 また、温室内でヒーターを使うときは、自動で温度調節をしてくれる温室用のサーモスタットを併用すると良いでしょう。サーモスタットをヒーターに接続して使うと、温室内の温度を感知して、設定した温度を保つようにヒーターのオン/オフをコントロールしてくれます。サーモスタット機能のないヒーターを単独で使うと、温室内が高温になり、植物が枯れたり、アクリルパネルが変形する可能性があるので注意しましょう。

4章:自分で温室を作る方法

完成サイズ:幅460×奥行343×高さ354mm
 室内やベランダなどに置いて、小型の多肉植物などを冬越しさせるための温室を作ることにします。枠は耐候性の高いサーモウッドという木材、透明パネルは中空ポリカーボネートシートを使用。額縁状に作ったパネルを接合して箱型に組み立てることで、柱のないすっきりとしたデザインにします。設置場所や入れる植物の大きさなどに合わせて、必要なサイズで作ってはいかがでしょうか。

<必要な材料>

サーモウッド(14×48mm)

  • 枠:長さ460mm 2枚、長さ450mm 4枚、長さ325mm 2枚、長さ195mm 2枚、長さ245mm 2枚
  • 底板:長さ385mm 3枚

サーモウッド(30×40mm)

  • 枠:長さ300mm 4本、長さ250mm 2本、長さ235mm 2本
  • 底板つなぎ:長さ315mm 2本

工作材(6×18×900mm) 6本

  • 中空ポリカーボネートシート(900×450mm)1枚
  • 蝶番 1セット

<必要な道具>

  • 電動ドライバードリル
  • ノコギリ
  • カッター
  • サンドペーパー
  • 耐水性木工用接着剤

●温室の作り方

(1)前後面のパネルを組み立てる
額縁のように角を直角に組みつけるために、すべての枠材の両端を45度にカットします。
前面パネルは450mmと195mm、後面パネルは450mmと245mmの枠材をネジで固定して、それぞれ額縁状の四角い枠を作ります。
角をつなぐときは、木口に木工用接着剤を塗り、写真のように40mmと65mmの細軸ビスを打って固定します。今回のように厚みの少ない木材を使う場合は、割れを防ぐために下穴をあけてからネジどめしてください。
小さい枠が前面パネル、大きい枠が後面パネルになります。
(2)ポリカーボネートシートを取りつける
取りつける枠の内寸より縦、横20mm程度大きいサイズにポリカーボネートシートをカットします。筋と直角の方向にカットするときは、1度で切ろうとしないで、繰り返し何度か刃を入れてカットしましょう。
枠にカットしたポリカーボネートシートを置きます。作業しにくいと感じたら、両面テープを使って仮どめすると良いでしょう。
枠の内側に合わせて長さをカットした工作材を、16mmビスでポリカーボネートシートを押さえるようにネジどめします。
前面パネルと後面パネルができあがりました。写真は裏側から見た状態です。
(3)フタ用パネルを作る
前後面のパネルと同じ手順で、460mmと325mmの枠材を使ってフタになるパネルを作ります。
(4)側面パネルを作る
250mmと300mmの枠材の上端を角度を揃えてカットし、235mmの枠材でつないで固定します。下穴をあけてから、75mmの細軸ビスでネジどめします。
300mmの枠材を上端に当て、縦枠に合うように線を引いてカットします。
斜めの枠材をネジどめして、側面パネルの枠を2つ作ります。

先に作ったパネルと同じ手順でポリカーボネートシートを取りつけて、側面パネルのできあがりです。底板が入るぶん、下側は54mmあけてポリカーボネートシートを取りつけておきます。

(5)底板を作る
385mmの底板材を3枚並べ、底板つなぎ材をネジどめして固定します。

(6)温室を組み立てる
側面パネルを底板の下端に揃えて50mmの細軸ビスで固定します。

前面パネルと後面パネルを30mmの細軸ビスで側面パネルに固定します。

後面パネルに蝶番でフタを固定します。蝶番を取りつけるときは、位置を合わせてマスキングテープで仮どめしておくと作業が楽にできます。

(7)完成!
ポリカーボネートシートの筋がレトロなガラスを思わせるオシャレな簡易温室が完成しました。

寒さに弱い多肉植物などを、春までの間、この温室のなかで育てましょう。

5章:温室作りの注意点

 便利な簡易温室ですが、風に弱いというウィークポイントがあります。ビニールカバーを掛けて作ったもの、木材などで作ったもの、どちらも軽量なのでとても風の影響を受けやすく、屋外に設置しておくと強風で簡単に吹き飛ばされてしまいます。外に設置する場合は、柵や壁、重りのブロックなどにロープで縛りつけて固定することをオススメします。

 冬は予想外の突風や強い北風がよく吹くので、温室ごと植物が飛ばされないように、風を受けにくい場所に設置するか、固定するか、忘れずに対策をしておきましょう。

6章:温室内の温度管理の方法

 冬でも日差しの強い日中は温室内部がとても高温になり、植物が蒸れて枯れてしまう可能性があります。最高最低温度を記録できる温度計を使って時期ごとの温度を管理し、温度が上がりすぎる条件のときは屋根や扉を開けて換気をしましょう。

 反対に温室内の温度が植物の耐寒性を下回る場合は、梱包用の資材(いわゆるプチプチ)で覆って保温したり、園芸用ヒーターなどを利用して加温します。設定した温度を保つようにヒーターをコントロールする温室用サーモスタットを併用すると、自動で温度調節が可能な温室環境を作ることができオススメです。

まとめ

 ここでは温室の作り方を中心に紹介してきましたが、植物を安全に冬越しさせるためにはなにより温度管理が大切です。育てている植物の種類によっては、屋外に置いた簡易温室では生育条件を満たせない可能性があり、過剰な期待は禁物です。まず植物の原産地や性質をよく調べ、必要な環境を整えるようにしましょう。

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