アメリカンフェンスの特徴と設置方法

 「アメリカンフェンス」は最近になって人気が高まってきている外構アイテムです。従来の住宅用フェンスにはなかったデザインで、しかもDIYで設置できるところが注目度が高い理由です。
ではどのような特徴があるのかを、メリット、デメリットを含めて紹介するとともに、設置方法を解説します。

目次
1章 アメリカンフェンスとは?
2章 アメリカンフェンスと金具の種類
3章 アメリカンフェンスの設置方法
まとめ

第1章:アメリカンフェンスとは?

 アメリカの映画やテレビドラマでは、住宅や倉庫、資材置き場などの外周に、シルバーのフェンスが使われているのをよく見かけます。そのタイプのフェンスが日本で人気となって、アメリカンフェンスと呼ばれるようになったようです。特徴は、外側のフレームに丸パイプを使ったスチール製で、シルバーにメッキされているという点でしょう。
どちらかというと無機質な外観で、DIYで言われるインダストリアル・テイストのフェンスです。
 住宅用のフェンスとしては外部から見えるオープン外構や芝生とルックス的な相性がよく、アメリカ西海岸スタイルの住宅とセットで使われることが多くなっています。人気の高まりを受けて、最近は「アメリカンフェンス」や「USフェンス」などの商品名がついた既製タイプが販売されるようになり、DIYで設置することができるようになりました。
アメリカンフェンスのメリット、デメリット
【メリット】
■インダストリアル・テイストの外観
 インダストリアル・テイストの外観は、日本では似たものがなく新鮮。構造は金網フェンスと近いですが、住宅や店舗のフェンスとして十分に使えるデザインです。特徴のある外構を作ることができます。

■明るくドライなイメージ
 シルバーというカラー、そして映画などから受ける先入観のためもありますが、設置すると西海岸の明るくオープンな雰囲気になります。ウッドフェンスに比べると軽やかでドライな印象を与え、前庭に芝生を張ったオープン外構に組み合わせるにはぴったりです。

■設置が簡単
 製品化されたアメリカンフェンスには、専用の柱や連結パーツが用意されています。詳しい設置方法は後ほど紹介しますが、打ち込むかモルタルで固めて柱を立てれば、専用金具をネジで固定するだけで連結することができます。

■扉として使用できる
 専用金具のヒンジやラッチを使うと、フェンスを扉として取り付けることができます。同じものを使うことで、フェンスの途中に扉をつけた場合でも連続性や統一感をキープできます。また、1枚を単体の扉としても設置できます。

【デメリット】
■目隠し効果がない
 メッシュタイプのフェンス全般に言えることですが、境界の仕切りにはなっても目隠しにはなりません。外部から庭や家が丸見えになりますから、窓の大きさや向きによっては歩行者などの視線が気になります。

■住宅のデザインを選ぶ
 個性的な外観のため、住宅や庭のデザインを選びます。古めの日本の住宅やヨーロピアンテイストの住宅、雑木の庭やイングリッシュガーデンとはあまりマッチしません。

第2章:アメリカンフェンスと金具の種類

 現在、販売されているアメリカンフェンスのサイズ種類と設置用金具を紹介します。実際にフェンスの設置を検討する段階になったときに参考にしてください。
【フェンス、柱】
 フェンスの幅は既製タイプで一般的な900mmで統一されています。
高さの違いで、900mm、1200mm、1500mm、1800mmの4サイズを選ぶことができます。
 専用品として用意されているパイプ径31.8mmの柱は、写真にある杭タイプが高さ1500mm、2000mmの2種類、
コンクリート床に固定できるアンカーボルト用穴あきプレートのついた柱が、高さ900mm、1200mm、1500mm、1800mmの4種類用意されています。また、パイプ径48.6mmの単管パイプを柱として使用できます。
【連結金具】
 フェンスとフェンス、フェンスと柱を連結するために使う金具です。両側からパイプを挟むようにして取り付け、蝶ネジを締めるだけで簡単に固定できます。単管パイプを使う場合は、48.6mmに対応した金具を選んでください。
 キャップは柱や杭の頭にはめて、パイプ内に雨水がたまるのを防ぎます。単管パイプを使う場合は、一緒に単管パイプ用キャップを用意する必要があります。
【ヒンジ、ラッチ】
 どちらも扉の取り付けに使用します。写真左側のヒンジはフェンスを柱に固定して開閉動作を可能にする金具、右側のラッチは閉めた扉が開かないようにする掛け金です。単管パイプを使う場合は、ヒンジ、ラッチの両方とも、48.6mmに対応した金具を選びます。

第3章:アメリカンフェンスの設置方法

 今回は地面に直接打ち込むことができる杭タイプを使っています。住宅外構などで長期間使用する場合は、安全のためモルタルを使って基礎を固めるか、プレート付きの柱を使ってアンカーボルトでコンクリート床に固定するようにしてください。

フェンス部分の設置方法

1)フェンスの始点を決めて最初の柱を立てます。
2)セットハンマーなどを使って、安定する深さまで杭を打ち込みます。杭を叩く際は当て木をして、上部が変形しないようにしましょう。
杭がまっすぐに入っているか、途中で垂直を確認しながら作業してください。
3)杭とフェンスの上下2箇所を直結金具で固定します。パイプを両側から挟むように金具を取り付け、蝶ネジを締め付けて固定してください。手で締めるのがきつくなったら、ペンチを使ってしっかり固定しましょう。
4)フェンスは地面に接していると傷みやすいので、下側を浮かせるように固定してください。
雨の浸入を防ぐために、杭の頭にキャップを取り付けておきます。
5)1枚目のフェンスを固定し終えたところ。杭のグラつきがなく、しっかりと設置できていることを確認しましょう。
6)1枚目のフェンスの隣りに直結金具を使って2枚目を固定します。木材と水平器を使って高さをそろえていくと、仕上がりがきれいです。
2枚目の端に合わせて杭を打ち込み、直結金具で固定すると、フェンスの設置は完了です。

フェンスドアの設置方法

1)フェンス部分の端に、専用のヒンジとラッチを使ってドアを取り付けます。
フェンスを固定している柱にラッチを取り付けていきます。最初に操作しやすい高さを決めましょう。
2)付属のU字金具とナットでラッチを柱に固定します。
ラッチは掛け金が上に持ち上がる向きで取り付けてください。
3)ドアとして使うフェンスをラッチに合わせて仮置しておき、反対側にヒンジをつけた状態で杭を打つ位置に印をつけます。
4)印をつけた位置にドアの支柱になる杭を打ち込みます。
ドアの上下2箇所にヒンジを固定します。ドア側には穴があいている方のパーツを取り付けてください。
5)ドア側のヒンジと高さを合わせて柱側のヒンジを取り付けます。
6)ドアの取り付けが完了しました。
ドアを開閉するときは、ラッチを上下に操作します。施錠したい場合はチェーンロックを使うとよいでしょう。
ドアは持ち上げてヒンジを抜くだけで、簡単に取り外すことができます。
左側にフェンス、右側に扉を設置した状態です。後ろに写っている小屋との組み合わせでは、ワイルドに見えます。

まとめ

 アメリカンフェンスは、西海岸スタイルなどのオープンな外構を実現したい方にとって気になるニューフェイス。ここで紹介した既製タイプであれば、専用金具を使ってDIYで設置できるため、通常のフェンスとしてだけでなく、1、2枚を仕切りやオブジェのように使う方もいるようです。雰囲気作りをできる個性的なデザインが魅力ですから、これからますますニーズが高まっていきそうです。

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