大切に育てた野菜を守る
家庭菜園の鳥対策!!

 家庭菜園で野菜を育てていて気を使うのは病気や虫による被害ですが、作物によっては鳥による食害にも注意しなければなりません。住宅街で見かけるカラス、ヒヨドリ、ムクドリ、スズメなどのお馴染みの野鳥が、作物を狙います。鳥は好きな食べ物があるとわかると、繰り返し訪れて被害を大きくします。少しつつかれた程度であれば笑ってすませることもできますが、収穫直前の成果を食べ荒らされるとしたら見過ごすことはできないでしょう。では、空から自由に飛来する鳥にどのように対策すればよいのか。有効な用品を紹介しながら、使い方など具体的な対策を解説します。

目次
1章 鳥に狙われやすい作物
2章 家庭菜園でできる鳥害対策
3章 防鳥ネットの選び方
4章 家庭菜園での防鳥ネットの設置方法
5章 ベランダ菜園に設置可能な防鳥アイテム
まとめ

1章 鳥に狙われやすい作物

 家庭菜園で育てている野菜や果物のなかには、とりわけ鳥が好んで食べる作物があります。そこには家庭菜園で人気の高いものも多く含まれているので、育てるにあたって鳥害にあいやすいことを頭に入れて警戒しましょう。

果菜類

 夏野菜として家庭菜園でも人気の高いトマトをはじめ、トウモロコシやスイカなど甘い実をつける野菜や果物は鳥が好む作物です。とくに熟したトマトは皮が薄くて破れやすいので、くちばしで簡単に穴をあけられてしまいます。つつかれて実を落とされるケースもよく見かけます。

葉菜類

 キャベツ、ハクサイ、コマツナ、ブロッコリーなどの冬野菜は、野生の木の実などがなくなって食べるものが減ったヒヨドリに食害されることがあります。ヒヨドリがよく訪れている菜園は冬から春にかけても注意が必要です。

マメ科の野菜

 エンドウ、インゲン、エダマメ、ソラマメなどは鳥の大好物です。花が終わってもなかなか実をつけないと思ったら、鳥による食害を疑ってチェックしましょう。マメ科の野菜は種も鳥に狙われるので、種から育苗する場合には発芽して本葉が出るまで苗用キャップやペットボトル、不織布などで保護することをおすすめします。

果物

 糖度が高く、鳥にとって安全な場所である木になる果物は、レストランでごちそうを食べるようなもの。見つけられたら最後、実が終わるまで常連のような顔をして何度も訪れるでしょう。木が大きくなって枝が張ると保護をするのも大変ですが、収穫する量を限定するなどして対策するとよいでしょう。

2章 家庭菜園でできる鳥害対策

 鳥による食害を防ぐ方法としては、野菜や果物の周囲にネットなどの障害物を設けて保護する方法と、鳥が警戒して近づかないようにする方法があります。それぞれに設置する手間と効果の違いがあるので、菜園の規模や被害の程度などを考えて選ぶとよいでしょう。

防鳥ネット

 「防鳥網」「鳥よけネット」などとも呼ばれるアイテム。物理的に鳥が侵入するのを防げる、もっとも確実で防鳥効果が高い資材です。日当たり、風通しを妨げず、網の上から水やりができるので、掛けたままで通常の成育管理が可能。鳥は寄せ付けないが、ハチなどは花に寄って受粉できるため、トマトやナスなどの果菜類にも使用できます。

防鳥糸

 作物の周囲に立てた支柱に、1m以内の間隔で張り巡らせて使用します。防鳥ネットほど細かい網目が必要のない、カラスなどの大型の鳥に対して有効です。

不織布

 広い菜園で、種まき後から本葉が出るまでが狙われやすいマメ科などの種を保護したいときに、地面に直接掛けるべた掛けとして使えます。生地に目がないので保温や防虫などの効果が高く、発芽促進も期待できます。

防鳥テープ

 キラキラ光るテープで、野菜や果樹の周囲に張り巡らせるなどして使用。新しいものを警戒する鳥の性質を利用して、鳥が作物に近づくのを防ぎます。作物全体を覆うことがないので、防鳥ネットに比べて通常の作業がしやすいうえ、手間やコストを抑えることができます。しかし、長く使っていると鳥が慣れてしまうので、被害が出るようになったらほかの威嚇アイテムに変更するなどの対応が必要になります。

3章 防鳥ネットの選び方

 もっとも確実な鳥害対策とされている防鳥ネットですが、選び方によっては鳥の侵入を防げなかったり、使用する環境に適さない場合があります。サイズや色など数ある種類の中からどれが自分の用途に適しているのか、選び方のポイントを確認しておきましょう。

畑や果樹に合わせたサイズを選ぶ

 畑や果樹の全体を覆って、鳥が侵入するすき間を残さないのが防鳥ネットを張るときの基本です。トマトやナス、ピーマンなどの立ち性の野菜や支柱に仕立てるキュウリなど背の高い野菜は、支柱を立てて畑の周囲を四角く囲い、這い性など背の低い野菜はトンネル状に囲います。また、ブルーベリーのような低木の果樹であれば、根元まで覆えるネットが必要です。ネットのサイズが足りずにすき間ができると、せっかくネットを張っても鳥が侵入してしまうので、設置する幅や高さを考えて余裕のあるサイズを選びましょう。

鳥の種類に対応できる網目のサイズを選ぶ

 防鳥ネットは家庭菜園に訪れる鳥の種類に対応できて、通り抜けることができない網目のサイズのものを選びましょう。小型のスズメには網目が20mm以下、ヒヨドリやムクドリなどの中型鳥には網目が30mm以下、大型鳥のカラスには75mm以下の網目が適しています。

 このように書くと網目が小さければ万能と思われがちですが、網目が小さくなるほど防鳥ネットは風を受けやすくなります。そのぶん強風でめくれたり、支柱ごと倒れたりしやすいので、バランスを考えて網目のサイズを決めることをおすすめします。

環境や用途に適した色を選ぶ

 設置する範囲が広いと防鳥ネットはとても目立ちます。黒や緑、透明などの目立たない色を選びましょう。外からの景観と部屋からの景色に配慮したいベランダに設置する場合には、とくに透明のタイプをおすすめします。

4章 家庭菜園での防鳥ネットの設置方法

 防鳥ネットを設置する際のポイントは2つあります。ひとつはネットと作物の距離。ネットが近いと鳥のくちばしが外側から届いてしまうので、十分に余裕をとっておくことが大切です。もうひとつは、ネットの裾がずり上がったり、めくれたりしないように固定しておくことです。設置した防鳥ネットがむだにならないように、以上の点に注意しましょう。

防鳥ネットをトンネル状に張る方法

※撮影用に人工芝を緑地、茶色のボール紙を畑に見立てて設置作業をしています。
畑の広さに適したサイズの防鳥ネットとトンネル支柱を用意します。
畑の大きさに合わせて、地面に必要数のトンネル支柱を立てます。作物との間に余裕ができるように支柱の幅と高さを調整しましょう。
トンネル支柱の上から防鳥ネットをかぶせます。
ヒモなどで防鳥ネットの両端を縛ります。
ヒモで結んだ部分に上からU字ピンを刺して、防鳥ネットがずれないように固定します。
めくれ防止のため、結束バンドやヒモできつく締めて支柱に防鳥ネットを固定します。こうしておくとスライドしてネットをめくることができ、日ごろの作業が楽になります。余分なネットの上には石を置くか、土をかぶせて重しをしておきましょう。
トンネル支柱を使った防鳥ネットの設置が完了しました。

防鳥ネットを果樹に掛ける方法

果樹に掛けて余裕のあるサイズの防鳥ネットと支柱を用意します。
先端が広がる角度で支柱を地面に刺して立てます。支柱は先端の尖っている方を地面に刺してください。
後から掛ける防鳥ネットができるだけ枝に接しないように、支柱を広げておきます。支柱の長さに余裕がある場合は、強度を高めるために支柱をクロスさせて立てるとよいでしょう。
支柱が網目から抜けないように、上部にタオルなどを太く巻きます。
果樹の根元まで被るように防鳥ネットを掛けます。ネットの端は何箇所かをヒモで結わえてつなぎます。鳥がくぐり抜けるすき間ができないように注意しましょう。
防鳥ネットの裾を鉢や幹に巻きつけて設置完了です。

5章 ベランダ菜園に設置可能な防鳥アイテム

 2章で紹介した防鳥ネットや防鳥テープなどは、菜園の鳥害対策としても有効です。しかし、これらのアイテムは取り付ける場所がない場合や、美観を損ねる場合があるため、マンションによっては使用できない可能性があります。そのためここではベランダ用に販売されている、設置しやすく、外から目立たない防鳥アイテムを紹介します。念のため、設置する際は事前に管理会社などに確認してトラブルを防ぐようにしましょう。

鳥よけシート

 無数のトゲが剣山のように突き出ているシートを、鳥が好んでとまる手すりやエアコン室外機の上に取り付けて、降り立つ場所をなくすアイテムです。ベランダの内側を安全に偵察できる場所をなくした鳥は、直接床に降りることを嫌って寄り付かなくなります。
結束バンドや屋外用両面テープを使って手すりやエアコン室外機に固定します。シート部分に柔軟性があるタイプは、写真のように丸みのある手すりにも取付可能です。建物の美観に影響しにくい透明タイプの鳥よけシートもあります。

ベランダ用防鳥糸

 手すりに取り付ける支柱と防鳥糸のテグスがセットになったタイプです。支柱間に張ったテグスが鳥の飛来を妨害して、ベランダへの侵入を防ぎます。透明なテグスを使っているため外から目立たず、景観に配慮しながら鳥害対策ができます。

まとめ

 家庭菜園を鳥害から守る対策として、手軽なものから手間がかかるものまでいくつかの方法を紹介してきました。菜園の広さや被害の程度はまちまちですから、状況に合わせた対策をするとよいでしょう。大切に育てた野菜や果物を被害から守るためにも、本格的な収穫シーズンが訪れる前に効果的な対策をしておきたいですね。

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