園芸コーナーの店頭で、流木などの上にぽろりと置かれている不思議な植物を見かけたことはないでしょうか。それが室内園芸用として最近人気のエアープランツです。
土や鉢が必要ないうえ、見慣れた植物とは違う不思議な形のものが多いとあって、部屋を飾るインテリアの一部として雑貨感覚で育てる人が増えています。
ほとんど手間がかからないエアープランツですが、やはり最低限の世話は必要です。代表的な種類とともに、育て方のポイントを見ていきましょう。
岩や木について成長する常緑の多年草で、パイナップル科ティランジア属に分類される植物を総称してエアープランツと呼びます。空気中の水分を取り入れることができ、生育するために土を必要としないので、室内で水やりの手間なく育てることができます。室内にグリーンを飾りたいけれど、まめに世話をする自信がないという方などにぴったりのインドアグリーンです。
エアープランツのティランジア属は、600種類以上になるといわれています。大きくは、全体が白い毛に覆われて銀色がかって見える『銀葉種』と、毛が少なく緑色をした『緑葉種』とにわけられます。
●イオナンタ
株が小さいうちはころっとした可愛い姿をしていますが、ゆっくり育ちながら葉を広げ、存在感を増していきます。薄紫色の花を咲かせます。
●カプトメデューサ
ギリシア神話に登場する怪物メデューサの髪のように、長くうねる葉が特徴です。赤紫色の筒状の花を咲かせます。
●ジュンセア
細い葉が密集してイネ科植物のように立つグラス系と呼ばれる銀葉種です。風になびいたような姿はとても涼やかです。
●キセログラフィカ
ティランジアの王様とも称される美しい銀葉種。大型になり、成長した株は、存在感抜群です。
●ウスネオイデス
長く垂れ下がるタイプのティランジアの代表格。一節一節が一株になっているので、束をばらして吊るすこともできます。
●種類による特徴
銀葉種は、明るい場所を好み、乾燥にも強い傾向があります。水分が葉に長時間ついたままになると腐りやすいので注意が必要です。反対に緑葉種は、日当たりを苦手とし、水分を好みます。乾燥しないように気をつけて水やりをする必要があります。
●水やり
週に数回ていど、霧吹きをして株全体に水を与えます。水やりの頻度は、部屋の環境や種類にあわせて決めましょう。
●ソーキングとは
万が一、株を乾燥させてしまった場合の水やりです。洗面器などの大きな容器に水をはり、エアープランツを2~5時間ほど漬けて水をとらせる方法をソーキングとい呼びます。水からあげたあとは、葉の間に水が残らないように逆さにして水を切り、風にあてるようにします。
●置き場所
自然界では樹木に着生して育つ植物なので、木漏れ日が差すていどの明るい日陰を好みます。銀葉種であっても直射日光にはあてないようにし、レースのカーテン越しに日差しを受けるくらいの場所で育てるようにしましょう。
●温度管理
夏、室温が30度以上になる場合は、別の場所に移して管理します。冬は最低でも5度以上の場所に置きましょう。
種からの育苗と株分けで増やすことができ、株分けが簡単です。育てているエアープランツに子株ができたら、親株の3分の2ていどの大きさになるまでそのまま育て、大きくなったところを優しく手でつまんで切り離してください。
土が必要なく、さまざまな飾り方ができるのもエアープランツの魅力です。ガラスや陶製の器に入れたり、流木の上に置いたり、壁に引っ掛けたり、天井から吊ったりと、ほかの植物とは違ったアイデアで楽しんでみてはいかがでしょうか。
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