新しい野菜を植えるのに、以前の土をそのまま使っていませんか? 自然界の土は、落ち葉やフンなどの有機物がつねに加わり、またミミズなどが耕すことで、植物に適した状態が保たれています。ところが、家庭菜園を行う庭やプランターの土は、植物を育てたあとは力を失っているので、人の手で再生する必要があります。その方法を、プランターと畑の場合で解説します。
一度、野菜を育てた土は、土の粒が崩れて粉状になり、排水性や通気性が悪くなっていることがほとんどです。野菜が成長するために必要としたぶんだけ土中の肥料分も減少していますし、病原菌や害虫が発生している可能性もあります。とくにプランターなどのコンテナ栽培の土の寿命は短く、古い土に植えると、どんなに上手に管理しても、野菜は思ったほど健全に生育してくれません。コンテナの場合は、新しい培養土に入れ替えることで解決できますが、今度は古い土の処分に困ることになります。そこで必要になるのが土の再生です。土を殺菌して構造を改善し、再び根から水や栄養、空気を取り込みやすい環境に戻してあげましょう。
●再生のポイント
土を内部まで天日にあてるか寒気にさらすなどしてよく殺菌してから、通気性、排水性、保肥性などを高めるために、腐葉土や有機堆肥などを混ぜます。
●土をふるう
古い土を目の粗いふるいにかけ、根や虫などを取り除きます。次に目の細かいふるいにかけ、土が目づまりする原因になる粉状になった土を取り除きます。
●土を殺菌する
苦土石灰を加えた土をシートの上に広げ、直射日光にあてて殺菌します。夏以外の日差しが弱い季節は、苦土石灰を混ぜてからビニール袋に入れて口を縛り、10日間ほど日光にあてるようにするとより確実です。
●土の改良材を混ぜる
腐葉土や有機堆肥を全体の20~30%ほど加えます。土の再利用に適した配合でつくられた再生材を利用すると簡単です。
連作障害のあるナス科やマメ科の野菜をプランターで連作する場合は、新しい土に入れ替えるほうが無難ですが、連作障害の対策をした改良材を使ってみてもよいでしょう。
●土を掘り返す
畑の土を30cmほどの深さに掘り返し、古い根や枯れ葉を取り除きながら土の天地を返します。
●土を空気にさらす
耕した状態のまま2週間ほど直射日光や寒気にさらして、殺菌や殺虫をします。
●堆肥を混ぜる
酸度を中和するための苦土石灰と牛ふんなどの堆肥を加えて混ぜ合わせておきます。この作業を植えつける1週間前までには終わらせるようにしてください。
ベランダなどでプランター栽培をする方にとって、古土は処分することも難しく、植え替えのたびに出る土は深刻な問題という話を聞きます。たまる一方だった古土を再生し、再利用することができれば、悩みをひとつ解決することができます。不足している養分も、元肥をすき込んでしっかり補い、再生土で元気な野菜を育ててください。
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