パイン集成材のカットの方法
カットに必要な道具も紹介

 パイン集成材は、建築や家具作りのプロからDIYを楽しむ方まで、幅広く利用されている人気の木材。机やテーブル、カウンター、棚などの大型家具の製作には欠かせない材料で、DIY初心者にとっても扱いやすい材料です。ただ、いざ大きい材料をカットしようとすると、ハードルが高いと感じるもの。そこでここでは、手工具のノコギリから、丸ノコ、ジグソーといった電動工具までの、基本的な使い方とコツ、注意点を解説。ホームセンターの加工サービスの利用方法を合わせて紹介します。

目次
1章 パイン集成材とは
2章 パイン集成材をカットする方法
3章 ホームセンターの加工サービスを利用する
まとめ

第1章:パイン集成材とは

そもそも集成材って何?
 集成材は幅と厚みを抑えてカットした小角材を乾燥し、節や割れなどの欠点部分を取り除いてから、繊維方向をそろえて接着剤で貼り合わせて加工した木材です。製品は基本的に同じ樹種で構成されているため、均一な材質で強度もあります。その構造からさまざまな幅、厚み、長さの材料を作ることができ、しかも無垢材よりも価格が安いことが大きな魅力です。
 無垢材に比べて反りやくるいが少ないうえ、木目がはっきりしたナチュラルな雰囲気を特徴としています。柱や梁などの建材としてはもちろん、家具材としても使われ、DIYでも人気の高い材料です。最近は使用される樹種も増え、最も一般的なパインのほか、桐、杉、桧、赤松、アカシア、ウォルナット、タモなども選べるようになっています。
集成材を見ると、細い角材が木目をそろえて並べてあるのがわかります。表面はプレーナーで滑らかに仕上げられていて、そのまま仕上げ材としても使うことができます。
パイン集成材の特徴は?
 マツ科の針葉樹であるパインを素材として作られているのがパイン集成材です。針葉樹特有の軽量で柔らかな材質は、まさに加工材向き。ホームセンターの店頭では、9mm、12mm、18mm、24mmなど厚みの種類が選べるうえ、椅子の座面に適した小さいものから、カウンターの天板に使う大きいものまでさまざまなサイズがそろっていて、最も入手しやすい集成材です。
ホームセンターの木材コーナーにはパイン集成材の売り場が広く設けられ、大小さまざまなサイズの材料を選ぶことができます。
板の木端(側面)が丸く面取りされているR加工材は、装飾加工をする手間がなく、必要なサイズにカットするだけで、棚板やカウンター天板として使用できます。
テーブル天板や椅子座面としてそのまま使えるように、一般的なサイズの四角形や丸形に加工されたもの、そられと組み合わせられる長短の脚材なども販売されています。

第2章:パイン集成材をカットする方法

パイン集成材を使ってテーブルを作る
 パイン集成材の用途として多いもののひとつが、テーブルや机の天板です。これらの家具をDIYで作るメリットは、設置したいスペースに合わせて自由にサイズを決められること。ここではパイン集成材の板材から天板を切り出して、テーブルを作ってみます。
【材料】
・パイン集成材(18×600×900mm)・・・1枚
・パイン集成材 脚材(38×380mm)・・・4本
・座金(38mm用)・・・4個

【使用する道具】
・ノコギリ
・ジグソー
・ドリルドライバー
・サンダー
・木工用接着剤
・メジャー
・定規
・鉛筆

1)カットするサイズに線を引く
幅800mm、奥行500mmの天板を作ります。幅方向は、メジャーを使って板の端から800mmの位置を測って印をつけます。写真に見える向きで、上下2か所に印をつけてください。定規が短い場合は、定規が届く距離で中間の数か所に印をつけます。
印をつけた2点に定規を合わせて線を引きます。
奥行方向は500mmを測って同様に線を引きます。長い木材があれば、長尺定規の代わりに使えます。
2)ノコギリでカットする
両刃ノコギリの刃には、木材の繊維を断つ方向で切るのに適した横挽き刃と繊維と平行に切るのに適した縦挽き刃があり、切る向きに合わせて刃を使い分けます。
ノコギリを使うときは引いた線の上をなぞるようにカットします(刃が薄く、切りしろがほとんどないため)。刃を線に合わせたら、最初にノコギリを軽く押して板の角に切り込みを入れて刃がずれないようにしてから、ノコギリを前後に動かして切り進めます。ノコギリでまっすぐきれいに切るコツは、(1)刃を板に対して30度程度に寝かせて使う、(2)柄尻を握り、刃の重さで切る感覚で軽く挽く、(3)刃が左右にブレずに線の上を動くように確認しながら切る、の3つです。
3)ジグソーで角を丸くカットする
自分のイメージに近い大きさの缶や紙コップを型として使い、4つの角に丸く線を引きます。
曲線のカットには曲線用ブレードを装着したジグソーを使います。
ブレードが作業台にあたらないように、下に木材などの台を入れて天板を固定しておき、線に沿ってジグソーでカットします。強く押すと刃が負けて切り口が斜めになってしまうので、切り進むスピードに合わせてジグソーを操作しましょう。
サンダーを使って、カットして荒れた切断面を整え、角を丸く落とす面取りをします。最初に120番のサンドペーパーで形を整え、次に240番で滑らかに仕上げます。
4)脚を取り付ける
座金の中心が両方の側面から50mmになるように取り付ける位置を決めます。
付属のネジで座金を固定します。このとき1本目のネジをきつく締め付けると、ネジの回転に引っ張られて座金がずれてしまいます。1本目のネジは軽く締めておき、仮どめした状態で2本目以降のネジを締め付けると所定の位置にしっかり固定できます。最後に1本目のネジを締め付けておきましょう。
脚材のネジを座金のネジ穴に合わせて締め付け、4本の足を取り付けたらテーブル本体のできあがりです。
5)天板の下に棚をつける
 オプションとしてリモコンなどの小物を収納できる棚を作っておくと、利便性がアップします。棚の取り付けはお好みで。
【材料】
・棚板:パイン集成材(18×100×500mm)・・・3枚
・側板:パイン集成材(18×45×300mm)・・・2枚

8mmのドリルビットで側板に深さ15mmのネジ穴を2か所あけます。
棚が天板のセンターになるように位置を決め、45mmのネジで側板を固定します。側板には木工用接着剤を塗っておきましょう。
木工用接着剤を塗った側板の上に3枚の棚板を並べ、30mmのネジを打って固定します。以上で棚付きカフェテーブルの完成です。

パイン集成材を使って鉢台を作る
 室内やベランダで使いやすいように、4号サイズの小型の鉢を安定しておくことのできる鉢台を作ってみましょう。台の部分は鉢がちょうどよく収まるように丸く切り抜き、鉢をはめ込むタイプとします。ここで活躍するのが、曲線カットを得意とするジグソーです。板の内側部分だけを切り取る、窓抜きという加工に挑戦してみましょう。
【材料】
・台:パイン集成材(18×150×600mm)・・・1枚
・脚:パイン集成材(18×60×150mm)・・・2枚

【使用する道具】
・ジグソー
・ドリルドライバー
・コンパス
・ヒモ
・定規
・ペン

1)板にカット線を引く
鉢の縁から一段狭くなった部分にヒモを巻き、外周がわかるように印をつけます。
ヒモを定規にあて、印をつけた位置までの長さ=外周を測ります。外周を円周率で割って直径を導き出します。(外周)310mm÷3.14≒(直径)98mm
3つの鉢を均等に置けるように穴の中心位置を決めて印をつけ、3か所それぞれにコンパスで半径49mmの円を描きます。
2)円形にカットする
描いた円の内側に、ジグソーブレードより大きいサイズのドリルで穴をあけます。
穴にジグソーのブレードを入れ、線に沿って円の内側を切り抜きます。同様に残り2つの穴をあけます。
3)脚を取り付ける
台の両側に脚をネジどめします。木割れを防ぐために先にドリルで下穴をあけておき、45mmのネジを打って固定します。2つの脚を固定したら、ミニ鉢台の完成です。

丸ノコを使って直線をカットする
 手で挽くノコギリ、いわゆる手ノコは、使い慣れていないと、まっすぐ、きれいにカットするのが難しい道具です。天板や棚板にするような大きい板をカットするとなると、時間がかかるうえにとても疲れます。できれば、ノコ刃を高速回転させて長い直線を速く、きれいにカットできる電動工具の丸ノコを使うことをおすすめします。
 パワーのある切断工具である丸ノコには、恐いというイメージがつきまといますが、正しく安全に使えばとても便利な工具です。ここでは、丸ノコを使ってパイン集成材の板を直線カットする際の、手順と注意点を解説します。
【用意するもの】
・丸ノコ
・クランプ
・丸ノコガイド(平行ガイド)

1)ブレードの出方を調整する
丸ノコはカットする深さを調整できるようになっています。カット作業をするにあたっては、材料の厚みに合わせて、あらかじめブレード(回転刃)の出方を調整しておく必要があります。
【調整の手順】
1.電源プラグをコンセントから抜いた状態にします(バッテリー式の場合はバッテリーをはずす)。
2.丸ノコのベースプレートを材料の上にあて、材料の厚みとブレードの状態を確認できるようにします。
3.丸ノコの深さ調整用のロックをはずしてベースプレートが動く状態にします。
4.ベースプレートを動かして、ブレードが材料の下に5mm程度出る位置に合わせます。
5.ベースプレートをロックします。

※注意点
 丸ノコの各部の調整やブレードの交換は、必ず通電していないことを確認して行ってください。通電した状態では、不意にスイッチが入ってブレードが回転することがあり、とても危険です。大怪我につながることがあるので、注意しましょう。
2)丸ノコガイドをセットする
丸ノコガイドをベースプレートにセットし、前面のトップガイドをカットする線に合わせます。刃の厚みがある丸ノコを使う場合は、目安の線の外側をカットします。
ガイドを材料の側面に合わせて固定します。
3)線に沿ってカットする
ブレードが作業台に当たらないように材料の下に木材などの台になるものを入れ、クランプでしっかり固定します。ブレードが材料から離れていることを確認してスイッチを引き、回転が安定してから切り進みます。切断中はガイドが材料から離れないように注意し、側面を滑らせるように前進させましょう。

第3章:ホームセンターの加工サービスを利用する

 ノコギリや丸ノコなど木材をカットするために必要な工具を持っていない場合、きれいにカットする自信がない場合は、ホームセンターのカットサービスを利用することをおすすめします。
 このサービスは、店舗内にある加工室などで受け付けています。購入した木材を持っていくと、専用の大型切断機を使って指定した寸法でカットしてくれます。基本的に直線カットのみの対応ですが、大きい材料も短時間できれいにカットしてもらえます。
※一部店舗では実施していないため、最寄りの店舗に確認しましょう。
※ロイヤルホームセンターの木材カットの事例をご紹介しています。ロイヤルホームセンターの木材カットは会員様限定のサービスで1カット40円でカットしてもらえます。
※2022年5月時点
木材加工を依頼する手順
1)材料を購入してから加工室で申し込む
購入した材料を持って加工室へ行き、精算した際に発行されたレシートを見せて加工を申し込みます。
2)申込書を記入する
加工室の受付に備え付けの加工申込書に、名前、端材の要・不要、切断寸法を入れた加工図などの必要事項を記入し、材料と一緒に担当スタッフに渡します。寸法外の部分は斜線を引いてわかりやすいようにしておきます。
3)加工終了
加工が終わったら、枚数や寸法を確認して材料を受け取ります。担当スタッフが加工費を記入した申込書を持ってレジへ行き、代金を精算します。
加工サービスを利用する際の注意点
 カットに際して刃の厚み分、数ミリの切り代が取られるため、元の材料のサイズ通りにカットできない場合があります。切り代があることを計算して材料の取り方を決め、加工図を記入しましょう。加工は概ね正確ですが、±3mm程度の誤差が生じる場合があります。

オンラインショップのカットサービスを利用する
 木材を運ぶ手段がなかったり、運ぶ手間を省きたい方は、カットサービスを受け付けているオンラインショップを利用してはいかがでしょうか。ロイヤルホームセンターのオンラインショップ「ロイモール」では、会員登録をすると、パイン集成材のカットオーダーが可能です。
 専用ページで木材の種類、寸法、数量などを記入すると、メールで見積が届くので、金額を確認して注文します。見積り、配送の時間がかかるので余裕を持ってオーダーしておけば、あとは商品の到着を待つだけ。家具作りなどのDIYを気軽に楽しめます。
※配送サイズの関係上オーダーできるサイズには制限があるため、専用ページで確認しましょう。

まとめ

 今回はノコギリの使い方も紹介していますが、これから家具作りを続ける方であれば、丸ノコやジグソーを使い込んでいくことをおすすめします。もし、購入する踏ん切りがつかないのであれば、ホームセンターが行っているレンタル工具を利用するのもよいでしょう。仕上がり、効率ともにアップすれば、DIYがますます楽しくなるはずです。

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