引っ越しの荷造りで役立つ
便利アイテムと
梱包のポイント

 引っ越しの荷造りでは、積み込みや運搬の際に揺れや衝撃があることを前提にして、大切な荷物が破損しないように梱包することが大切です。ダンボールに詰めるときには、割れ物を個別に梱包して保護し、中身が動かないようにすき間を埋めるというポイントを押さえて準備をしましょう。ここでは荷物の保護に欠かせない緩衝材を中心に、荷造りで活躍する便利アイテムと、それらを使った梱包のポイントを紹介します。引っ越しを控えて荷造りの方法に不安をお持ちの方は、参考にしてみてください。

目次
1章 荷物を保護する緩衝材の種類と選び方
2章 荷造りをサポートする便利アイテム
3章 梱包のポイント
まとめ

1章 荷物を保護する緩衝材の種類と選び方

 荷物が動かないようにダンボール内のすき間を埋めたり、クッションとなって衝撃を和らげ傷みや破損からモノを守ったりするためには緩衝材が必要です。引っ越しの荷物が少なければ新聞紙やタオルなどを利用することができますが、荷物が多い場合には確実かつ効率的に梱包できる専用の緩衝材を使用することをおすすめします。
 ただし、緩衝材にはとても多くの種類があるので、知識がないと必要なものを選ぶことは難しいと思います。緩衝材選びの参考にできるように、ここでは家庭の引っ越しに使える種類をピックアップして、それぞれの特徴と用途を解説します。
気泡緩衝材
  丸い気泡がポリエチレンフィルムの全面についている定番の緩衝材です。メーカーの違いによって、「プチプチ」「エアーキャップ」「エアクッション」などさまざまな名前で呼ばれています。柔軟性があるため、複雑な形の陶器や家具など大小さまざまな壊れやすいものを巻くことができるうえ、ダンボールのすき間を埋めることもでき、とても利便性に優れています。ハサミを使ってのカットも簡単です。また、透明で包んだものを判別しやく、荷解きをするときにも中身を確認しながら扱えるというメリットもあります。
 
 シートタイプ、袋タイプ、ロールタイプなどが用意されているので、用途に合わせて使い分けるとより効率的に梱包できます。ただし、気泡の高さの分だけ厚みがかさんでしまうので、小さくまとめたい梱包には向きません。
梱包、すき間埋めなど、さまざまな用途で使う場合に便利なロールタイプ。ハサミで好きな大きさにカットできます。
気泡が大きくクッション性の高いタイプ、シート状にカットされているタイプなどは、用途が決まっている場合に便利です。
梱包するものをグループ分けしたいときに使えるカラータイプ。その都度、中身を確認しなくとも分類しながら箱詰めできるなど、作業を効率アップできます。
ポリエチレンシート
 発泡ポリエチレンを薄いシート状に加工したものです。緩衝材としては薄手で柔軟性があるため、複雑な形やサイズの小さい割れ物を包んだりする用途に適しています。引っ越しでは、食器類を包んだり、食器を重ねるときに間に挟み込んだりという使い方ができます。数の多い食器類を省スペースで効率よく詰めることにも役立つでしょう。
 ただし、シートが薄いため気泡緩衝材に比べてクッション性は劣りますし、すき間埋めにも不向きです。

引越の荷造りにはカットされたシートタイプが便利。気泡緩衝材に比べて価格が高いので、食器用などと決めて使うことをおすすめします。
ネット緩衝材
 「ネットキャップ」「保護ネット」などと呼ばれるネット状の緩衝材です。伸縮性のあるポリエチレン製のネットで、筒状のタイプはモノに被せるだけで簡単にクッションで保護できるので、グラスやボトルなどをたくさん梱包する必要がある場合には効率よく作業できます。長い帯状で販売されていて、好きな長さにカットして使える点も便利です。
長い筒状(チューブ状)になったタイプ。カットして被せるだけと梱包が簡単です。シートタイプもあります。
バラ緩衝材
 ひとつずつはマユのような形をしていて、バラで使えるタイプの緩衝材です。ダンボールのなかの小さいすき間、複雑な形のすき間を簡単に埋めることができます。紙やコーンスターチ、ポリエチレンなどを素材にしたものがあり、強度があるのはポリエチレン製です。紙やコーンスターチを主原料としたものは柔らかく強度では劣りますが、多くの自治体で一般ゴミとして捨てられるなど、使用後の処分のしやすさはメリットといえます。
バラバラの粒を詰め込むだけでよいので、すき間埋めの作業がとても簡単にできます。
クラフト紙
 包装紙としても使われる強度のある紙で、幅90cmなどのロールタイプで販売されています。荷造り時の緩衝材としては、くしゃくしゃにしてダンボールのすき間埋めとして使います。素材が紙なので、使用後は再生資源として処分できる環境に優しい緩衝材です。

 緩衝材のなかでは安価ですが、用途が限定されるので、選ぶのが難しいところがデメリットです。
ロール状で販売されているのが一般的なので、すき間の大きさに合わせてカットして使用します。

2章 荷造りをサポートする便利アイテム

 荷造りでは、さまざまな「まとめる」作業が発生します。ダンボールを組み立てたり、バラバラのものを運びやすいように束ねたり、包んだ緩衝材が広がらないようにとめたりなど、作業によってアイテムを使い分けるのがポイントです。荷造りだけでなく荷解きまでを考えて、引っ越し上級者が当たり前に使っている荷造りをサポートする便利アイテムを紹介しましょう。
ダンボール
 引越し業者がサービスで配布してくれることが多いダンボールは、大小2サイズであることが一般的です。もし、配布されたダンボールでは強度に不安がある、またはオーディオ機器などをぴったりサイズの箱に梱包したいなど、特別に扱いたい荷物がある場合には自分でダンボールを用意しましょう。

 ここで紹介するもののほかにも、A4書類用、書籍用、CD用など、特定の物を効率よく梱包できる専用サイズのダンボールなどが用意されています。引越し準備を始める前に、ホームセンターをチェックしてみるとよいでしょう。
【重量用ダンボール】
重量用ダンボールです。ぱっと見たところは一般的なものと違いがありませんが、2層構造にして強度を高めてあります。
※右の写真の上側が一般のダンボール。下側が重量用ダンボール。
【2サイズダンボール】
角にカットしやすいミシン目、内側に折り線が入っていて、2種類のサイズで使えるタイプです。宅急便のサイズに合わせて作られたものですが、引っ越しでは個別にコンパクトに梱包したいものがあるときに利用できます。
4か所の角をミシン目が入っているところまでカットして上部を折ると、余分がなくぴったりに閉じることができます。側面に折り線が入っていて、折るのも簡単できれいです。

【フタどめクリップ】
ガムテープを使わず、ダンボールのフタを仮どめできるクリップです。新居に着いたらすぐに使いたいものや、梱包したものの引っ越し当日まで出し入れする可能性があるものなど、簡単に開け閉めしたいダンボールに使うと便利です。
一方のフタにクリップを差し込んでおいて、もう一方を差し込みながらフタを閉めると仮どめの状態でフタを閉じておけます。

【荷札シール】
ペンで手書きするのに比べて、「取り扱い注意」をより強くアピールします。割れ物や精密機器など、慎重に扱ってもらいたい荷物にこの赤色のシールを貼っておけば壊れ物であることは一目瞭然。運搬する人に注意喚起できます。
テープ類
 引越の荷造りで何かと出番が多いのがテープ類です。ダンボールの組み立てや緩衝材での梱包などのほか、コードや部品を束ねて固定したり、名札シール代わりに使ったりと、さまざまな場面で役に立ちます。荷造りに使えるテープにはいくつかの種類がありますから、それぞれの特徴を理解して上手に使いこなしましょう。

【布粘着テープ】
紙製のクラフトテープよりも粘着力が強い布製の梱包用テープです。クラフトテープは油性ペンのインクを弾いてしまい上から書き込むことができませんが、布粘着テープは記入が可能。白、赤、青、黄などのカラーを使い分けたり、内容物などをメモしておくと、新居への運び込みや仕分けの際に判別しやすく便利になります。
【ポリエチレンテープ、養生テープ】
ポリエチレン繊維でできたテープにノリが残りにくい粘着剤を塗布したテープで、包装用や養生用として使われます。手で簡単に切ることができて、軽くきれいにはがせるので、緩衝材をとめたり、コードや分解した組立家具の部品を束ねるなど仮どめする用途にぴったりです。油性ペンで文字を書くこともできます。
ただし、粘着力は弱い為、ダンボールを閉じるのには不向きです。
ストレッチフィルム
 ラップのようなストレッチ性のあるフィルムがハンドルにセットされていて、引っ張るとクルクル回ってフィルムを引き出しながら物を巻いて結束することができます。フィルムの端っこはぴったりと張り付くのでテープどめは不要。ヒモでまとめるよりもスピーディに作業できます。形が不揃いなもの、大きさの異なるものをまとめるのも得意で、傘を束ねたり、リモコンが迷子にならないように家電に巻きつけたりなど、いろいろな使い方ができます。
フィルムの幅は約10cm。ハンドルを握って対象物に巻きつけるだけで結束が完了します。フィルムは交換式です。
万能ハサミ
 特殊な波刃を備えていて、紙切りハサミでは切りにくいダンボールや、ポリエチレン製の緩衝材をストレスなく切ることができます。梱包時はダンボールや緩衝材のサイズ調整などに、荷解き時はテープのカットやダンボールの処分などに、また不要物の解体にも利用できるので、引っ越し全般で活躍するアイテムです。
写真の製品は、先端の外側に開梱刃を備えていて、ダンボールの開梱も簡単に行なえます。

3章 梱包のポイント

 最後に、今回紹介した梱包用のアイテムを使って、荷物をしっかりと保護できる梱包のポイントを紹介しておきます。
ダンボールの組み立て方
ダンボールの底を短辺、長辺の順に折って、長辺の合わせ目をテープで貼り合わせます。テープはダンボールの側面まで延ばしておきましょう。
長辺の真ん中あたりに、先ほど貼ったテープと十字になるようにテープを貼ります。
簡単ですが、これで底が抜ける心配はほとんどありません。
食器の梱包
広げたポリエチレンシートの上に器や皿を置きます。
露出するところがないように、ポリエチレンシートで食器を包みテープでとめます。
同じ形のもの、似た形のものは重ねてダンボールに詰めます。重ねると不安定になる場合は、ポリエチレンテープやストレッチフィルムで巻いて固定しましょう。
コップの梱包
チューブ状のメッシュ緩衝材をコップより少し長めにカットします。
ネット緩衝材の口を広げてコップを中に入れます。
コップの飲み口側は緩衝材を中に折り込み、底側をテープでとめて梱包完了です。
ガラス容器の梱包
気泡緩衝材、ポリエチレンシート、ネット緩衝材など、シート状の緩衝材を、容器に合わせた大きさにつなぎます
広げたシートの上に容器を置いて、露出するところがないように包みます。
シートの端をテープでとめたら梱包完了。折った部分が膨らんでじゃまな場合は、ストレッチフィルムで巻くとすっきりします。
額の梱包
ダンボールをガラス面を十分に覆えるサイズにカットします。
ガラス面に被せてダンボールを置き、ポリエチレンテープで額に固定します。
額全体を緩衝材で梱包します。
ストレッチフィルムを使った梱包
試しに雑誌を梱包します。フィルムの先端を手で押さえておき、フィルムを引き出しながら1周目を巻きます。2周目からはフィルムを引っ張りながら、雑誌が動かなくなるまで数周巻きます。
雑誌の向きを変えて、先に巻いたフィルムとクロスする方向にしっかりと巻きます。
ヒモでまとめるときのような緩みがなく、がっちりと固定できています。
ダンボールへの詰め方
緩衝材で包んだ物を、できるだけすき間ができないようにダンボールに詰めます。
すき間を緩衝材で埋めます。

大きな段差ができて詰めにくい場合なども、緩衝材を入れて調整します。

すき間埋めにはクラフト紙も利用できます。ダンボールが一杯になったら、上に残ったすき間に緩衝材を入れてフタを閉めます。

電源コードのまとめ方
電源コードを結束バンドでまとめます。結束バンドは、固定部分の出っ張っていない方から先端を差し込んで引き絞ります。

まとめたコードをポリエチレンテープで器具本体に仮どめしておくと、運搬時にじゃまになりません。

まとめ

 日常の暮らしの合間を縫って行う引越し準備は、間近になると時間に追われてバタバタするもの。少しでも簡単に効率よくできると、家族への負担を小さくできます。幸いホームセンターにはプロが使う梱包用の資材がそろっているので、これらを活用しない手はありません。便利なアイテムで要領よく荷造りを進めて、余裕を持って準備しましょう。

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