家の中をおしゃれにするキッチン、収納ワゴンのDIY

 普段は部屋の隅に置いておき、使いたいときに使いたい場所へ移動できるワゴンは、さまざまな空間、シーンで活躍する収納アイテムです。この魅力を最大限に引き出せるのが、それぞれの使用条件に合わせてサイズや仕様を決められるオリジナルのワゴンです。

 収納は増やしたいけれど、スペースの余裕がないとお困りなら、インテリアに溶け込むような素敵なワゴンを作ってみませんか。ここでは製作前に知っておきたい基本的な知識やアイデア、本格的なキッチンワゴンの作り方を紹介します。

1章:ワゴンをおしゃれにアレンジしよう
2章:DIYワゴンに必要な道具・材料
3章:ワゴンの種類別、おすすめDIYのポイント
4章:おすすめワゴンの作り方
まとめ

1章:ワゴンをおしゃれにアレンジしよう

ワゴンを作るときに押えておきたいポイント

 ワゴンは設置したら置きっぱなしにする収納棚と違って、移動して使うことが前提です。その利便性をいかすためには、部屋の中を動きやすい機動力、使わないときにじゃまにならないサイズ感など、住まいでの使用条件を整理して大きさや形を決めるのが理想的です。以下の項目を参考に、作りたいワゴンの形を具体化していきましょう。

●主な用途

何をどのくらい収納したいのか。主に使用する場所と移動の動線を考え合わせて、収納力と機動性のバランスが良いサイズを検討します。天板で作業したいのなら、高さも大切なポイントです。

●通常の置き場所

使わないときに、ワゴンをどこに置いておきますか? 設計するときに忘れがちなのが、置き方についてです。部屋の隅、家具や家電の隙間、クローゼットや押入れ、机の下など、ワゴンを置いておく場所の幅や高さも、サイズを決める上で大切な情報です。

●収納形態

用途の項目に関わってきますが、具体的に収納したいものや使い方によって、天板や棚板をフラットにするかボックス型にするか、ボックスにする場合の縁の高さなどを使いやすい形に決めます。カトラリーや調理器具、工具など、小物を収納したいときには、引き出しやフック、レールがあると便利です。

素敵なデザインのワゴンを作ろう

●基本構造

 ワゴンの構造には、骨組みを作って棚板を取りつけるフレームタイプと、合板などを使って面で構成するパネルタイプがあります。フレームタイプは軽くできて見た目にも軽快感があり、物を出し入れしやすいメリットがあります。

 一方のパネルタイプは剛性が高く、側板をレールやフックの取りつけに利用できる便利さがあります。パネルタイプは、未使用時に収納物が見えないように隠したり、丁番で開閉する箱型に作るパターンもあります。

●素材と仕上げで好みのテイストに

 DIYでワゴンを作る場合、もっとも扱いやすく身近な素材は木材ですが、違う素材を取り入れることでオリジナリティがアップします。フレーム素材では、鋳物のガス管や塩化ビニールパイプ、金属のアングル金物などは、入手しやすく、組み立ても比較的簡単です。キッチンワゴンでしたら、天板をタイル張りで仕上げるとおしゃれなアレンジになります。

 アレンジの基本になるペイントも、仕上がりの雰囲気を左右する大きなポイントです。ナチュラルテイストなら明るいステイン塗料やニス、ウッドオイル。ウッドワックスを塗り込むと、雰囲気たっぷりのビンテージテイストになります。優しい色合いのミルクペイントや金属の風合いが出るアイアンペイントなどを組み合わせるなど、ペイントでさまざまに遊んでみましょう。

2章:DIYワゴンに必要な道具・材料

そろえておきたい道具

 組み立て作業で使うメインの道具は、1台でネジ締めと穴あけを行える電動ドライバードリルです。コーススレッドなどの長い木ネジをたくさん締めつけるので、バッテリータイプで10.8V以上、できれば14.4Vや18Vなどのパワーのある機種を用意しましょう。

 ドライバービット(1番、2番)、下穴ドリルビット、ダボ穴ビットなどは、木工でよく使うドライバードリルの先端工具ですから、あわせてそろえておきましょう。

ワゴンに使用する材料

●木材

 ナチュラルに仕上げる場合は、木目がきれいな木材を選びたいところです。脚や脚のつなぎ材には、ツガ、ヒノキ、スギなどの無垢材で、表面にカンナがけされた加工材がオススメです。カラーペイントで仕上げるのでしたら、DIYでお馴染みの2×4(ツーバイフォー)材を使うと良いでしょう。

 天板や棚板は、無垢の板材を並べると手作りの雰囲気がよく出ます。ダメージ加工やエイジング加工をしてビンテージテイストにしたいときに向いています。すっきりとナチュラルにしたいときには、パインやアカマツ、オークなどの集成材のなかから、好きな表情のものを選んではいかがでしょうか。

●キャスター

 キャスターには走行方向が固定している「固定タイプ」と旋回する「自在タイプ」があります。小回りが利くようにするには4つとも自在タイプに、ある程度の直進性を求めるには、前側に自在タイプ、後ろ側に固定タイプを取りつけましょう。安全のためキャスターの回転を止めておく必要があるのでしたら、ストッパーつきのタイプを組み合わせてください。

3章:ワゴンの種類別、おすすめDIYのポイント

キッチンワゴンのポイント

 ダイニングテーブルの横に移動して、配膳用やサイドテーブルとして使うのでしたらテーブルの高さに、キッチンでサブの調理台として使うのでしたらシステムキッチンの高さに合わせましょう。

 調理器具や調理家電のような大きいものの収納には、出し入れしやすいフラットな棚板が向きます。野菜やビン入り調味料などのストックには、転倒や落下の心配がないボックス型の棚が便利です。

ランドリーワゴンのポイント

 洗濯機は洗面所に置かれていることが多いと思います。洗面所の限られたスペースに大きいランドリーワゴンが入ってきたら、一気に狭苦しくなてしまいます。

 ゆったりとしたスムーズな動線が確保できるのか、ワゴンの設置場所やサイズを吟味しましょう。スリムな2段タイプにしたり、隙間ワゴンにしたり、収納量と省スペースを両立できるデザインを考えてください。

作業ワゴンのポイント

 裁縫や木工、レザークラフトなどなど、趣味の製作に関わる道具や素材をひとまとめに収納しておけると、作業の開始や片づけがとてもスムーズです。作業中に動き回らないですむように、よく使う道具や金具などのパーツ、現在進行中の素材などを効率よく収納できるワゴンにしましょう。

 細かいものを整理するには引き出しが便利ですが、棚数を増やして市販のトレーやケースを利用する方法もあります。よく使う道具は、外側にラックやフックをつけて置いておけると、素早く取り出せてストレスなく作業できます。

4章:おすすめワゴンの作り方

●完成サイズ:幅518×奥行400×高さ848mm
●製作時間:4〜5時間

使用する材料

集成材(厚さ18mm)
 天板:400×500 1枚
 天板延長部分:400×220mm 1枚
 棚板:300×395 2枚

・加工材(厚さ45mm)
 脚:45×830mm 2本
   45×780mm 2本

・加工材(厚さ30mm)
 脚つなぎ材:40×250mm 4本
       40×345mm 4本
 引き出しレール固定材:40×250mm 2本

・合板(厚さ9mm)
 引き出し側板:100×370mm 1枚
        100×325mm 1枚
        100×300mm 2枚
 引き出し底板:300×305mm 1枚

・加工材(厚さ9mm)
 引き出し補強:9×90mm 4本
        9×290mm 2本
        9×305mm 2本

・径8mm丸棒
・折りたたみ式棚受け金具 200mm 1セット
・キャスター 38mm 2個
・スライドレール 246mm 1セット
・取っ手 1個
・L字金具 4個

使用する道具

・電動ドライバードリル
・ノコギリ
・金づち
・ドライバー
・電動タッカー
・クランプ
・さしがね
・メジャー
・サンドペーパー
・木工用接着剤

キッチンワゴンの作り方

・脚を組み立てる

脚の上部と下部のつなぎ材を組みつけるところに印をつけ、8mmのドリルビットで深さ20mmのネジ穴をあけます。下部のつなぎ材は、長い方の脚の下端から14mmの高さにしています。
90mmの細軸コーススレッドで、2本の脚と345mmのつなぎ材を固定します。つなぎ材の下に厚さ8mm程度のスペーサーを置いて、位置を調整しながら組みつけています。木材同士を接合するところには、強度を高めるために木工用接着剤をつけておきます。
脚の長さが違う枠を2組、組み立てました。短い足の下端には、後ほどキャスターを取りつけます。
250mmのつなぎ材で、2組の脚枠を組みつけます。

上部をネジどめするときは、写真のように作業台に置くと材料の上面がきれいにそろいます。

ここでも8mmのスペーサーを使って、脚とつなぎ材の位置を調整しながら作業しましょう。
続いて下部のつなぎ材もネジで固定します。先に打ったネジと干渉しないように注意します。
脚の組み立てが終わりました。
きれいに仕上げたいので、埋め木処理をしてネジ頭を隠します。

径8mm丸棒を適当な長さにカットして、ネジ穴に叩き込みます。
アサリ(刃の先端の広がり)がないダボ切りノコギリで、穴からはみ出た丸棒をカットし、表面をサンダーで磨いて平らに均しましょう。
短い方の足に30mm木ネジでキャスターを取りつけます。

・天板、棚板を取りつける

クランプを使って天板を仮どめしておき、折りたたみ式棚受けを位置を合わせてネジどめします。

金具は長い方を脚につけるように位置を決め、マスキングテープで仮どめをしておきましょう。
脚つなぎ材の下側から下穴をあけ、30mm木ネジで天板を固定します。棚受け金具のヒンジが、半分出るように天板の位置を決めてください。
スムーズに開閉できるように、天板から5mmくらいの隙間を開けて延長天板をネジどめします。

天板との間にスペーサーをはさんで作業すると、均等に隙間をあけられます。
脚の間隔を測り、ちょうどよく収まるように2枚の棚板の角を切り落とします。
下段はつなぎ材の下側から下穴をあけ、30mm木ネジで棚板を固定します。
中断の棚の高さを決めて脚にL字金具をネジどめし、上に棚板を固定します。

・引き出しを取りつける

90mmの補強材を四隅に入れて側板を組み立てます。補強材は側板の上端に合わせて取りつけ、下側に底板受けとして残りの補強材を固定してから底板を入れます。

写真では電動タッカーを使って組み立てていますが、小ネジや小クギでも固定できます。
正面に取っ手をネジどめします。
250mmのレール固定材を、側面の補強材から40mm下げたところに固定し、付属の指示書に従ってスライドレールをネジどめします。
スライドレールに引き出しをネジどめします。
延長天板と引き出しのついたナチュラルなキッチンワゴンが完成しました。キャスターがついていない方の脚はストッパーのかわりをします。少し持ち上げると移動できます。

まとめ

 実用的で、なおかつ素敵なワゴンの作り方を紹介しました。ワゴンはあくまで補助的な収納アイテムですが、見える場所に置かれることが多くなると思います。

 それならば、デザインや素材にもこだわって、気持ちよく使える1台を作ってみたいですね。

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