家のフローリングのワックスはがしの方法は?
よくある失敗や白濁部分を綺麗にするコツ


 フローリングにワックスをかけると、汚れを防ぎ多少の傷を守ってくれるので、きれいなピカピカの床でお部屋を清潔感に保てます。
 でも、こまめに掃除をして定期的にワックスをかけてお手入れをしても、フローリングは汚れてしまいます。そしてこの汚れが油断大敵です。年月を重ねていくと黒ずみの原因を引き起こします。こうなるとワックスをはがすサインです。
 いざ、ワックスをはがすとなると、大掛かりな作業を要すため専門の業者に頼まなければならないと思っていませんか。実は業者に頼まなくても自分で解決できます。
 そこでフローリングのワックスをはがす方法を紹介します。さらに、灯油やアルコールなどをフローリングにこぼした際に、シミのように浮き出るワックスの白濁をきれいにするコツも教えます。

目次
1章:フローリングに新しくワックスをかけ直そう
2章:フローリングの構造
3章:フローリングのワックスのはがしの手順
4章:ワックスはがし用洗剤の選び方
5章:ワックスの白濁している部分をはがすには
6章:ワックスはがしでよくある失敗
まとめ

1章:フローリングに新しくワックスをかけ直そう

 ワックスがけはきれいな床を保つために、光沢感を長持ちさせる効果を発揮します。市販のワックスの耐久性は1年前後が主流といわれているため、定期的にワックスをかけます。日頃のお手入れは簡易のシートタイプやクリーナータイプのものでかまいません。
 ただ、ワックスは床材に皮膜のコーティングを施すので、重ね塗りをしていくと床面に古い層の上に新しいワックスの層ができます。年月が経つと古い層のワックスが劣化していき、黒ずみの原因になります。
 こうした症状になると古いワックスを剥離して新しくワックスをかけ直す必要があります。また、黒ずみがない場合でも、ワックスを重ね塗りした床を本来のものに戻す目的もあるため、5年くらいでワックスを剥離することをおすすめします。

2章:フローリングの構造

 フローリングの床材は、合板(複合)フローリングと無垢(単層)フローリングの2種類が一般的です。それぞれにかけるワックスが異なるので注意してください。

●合板(複合)フローリング

 合板の上に複数の化粧板を貼り合わせたもので、バリエーションが豊富です。耐水・耐熱性があり、伸縮や反りが少ないことから、多くの建物に利用されています。合板フローリングは水性ワックスを使います。

●無垢(単層)フローリング

 天然木をそのまま使ったフローリングで、木本来の温かみや美しさがあります。天然木なので、合板に比べて温度の変化によって膨張や反りなどの変形を起こす可能性があります。無垢フローリングに使うワックスは、木質に合わせて油性、ロウ、樹脂タイプを選びます。

3章:フローリングのワックスのはがしの手順

 フローリングワックスは、店頭でもよく見かけますが、ワックス剥離剤は専門的なものなのでどこで購入できるのか分からないと悩んでいる人も多いのではないでしょうか。
 ワックス剥離剤もホームセンターやショッピングサイトで購入できます。最近では誰でも楽に剥離できるタイプが売られているので、初めてワックスをはがす人にオススメの剥離剤を使ったワックスをはがす手順を紹介します。

●必要な道具

フローリング用ワックス剥離剤
スポンジ(はがし専用ブラシでも可)
ゴム手袋
バケツ
ぞうきん(2枚以上)

●ワックスはがしの手順

1)フローリングにワックス剥離剤をかける

黒ずみなどの汚れている箇所に、剥離剤をたらします。剥離剤をスポンジに染み込ませてもOKです。

2)スポンジでフローリングに剥離剤を塗る

スポンジを使って剥離剤をまんべんなく広げます。塗り終わったら3〜5分ほど放置して乾燥させます。

3)スポンジでワックスをこすり落とす

乾燥後、スポンジでワックスをこすり落とします。汚れがひどい場合は、ワックス専用ブラシなどでこすり落としましょう。

4)ぞうきんで拭き取る

ぞうきんで剥離剤を取り除きます。

5)ぞうきんで水拭きをする

水拭き用に用意したぞうきんで剥離剤を完全に拭き取ります。水拭きは3回以上繰り返して拭き取るようにしましょう。

4章:ワックスはがし用洗剤の選び方

 剥離剤を使わなくても代用でワックスをはがすことが可能です。その代表的なのが洗剤(クリーナー)タイプです。一般的なフローリングに使用されている樹脂系ワックスはアルカリ性なため、洗剤はアルカリ性のものを選ぶようにしましょう。
 使い方も剥離剤と変わらないものが多いので、汚れの度合いはワックスをはがす面積が少ない場合は、オススメです。

●クリーナータイプ

 原液で使えば、剥離剤として効果を発揮してくれます。また、水で30倍に薄めて使えば普段の床掃除として使え、20倍程度に使えば、ワックスがけ前の床掃除として使え油分や汚れを落としてくれるので便利です。

●リムーバータイプ

 古くなったワックスやひどい汚れをムラなく高速に除去し、臭いが少ないので、短時間で作業ができます。水またはぬるま湯に、10〜20倍で薄めて塗布していきます。

●洗剤タイプ

 ワックスの皮膜を取り除く場合、アルカリ性の台所用洗剤や油取り用洗剤なども可能です。ただし、ワックスの表面のツヤがなくなったり跡が残るだけなので、ワックスの皮膜をきれいにはがしたい人にはオススメできません。

5章:ワックスの白濁している部分をはがすには

フローリングにアルコールの消毒液や熱湯をこぼしてできてしまうワックスの白濁をはがす場合は、スポンジよりもスクレーパーなどが役立ちます。

●スクレーパー

剥離剤をたらして乾燥させた後、分解されたワックスがボロボロとはがれるので、スクレーパーで除去していきます。その後、水に濡らしたぞうきんで拭き取りましょう。スクレーパーが使い慣れてなくてフローリングを傷つけてしまう心配がある場合は、ワックスはがし専用ブラシでこすってください。

6章:ワックスはがしでよくある失敗

失敗1:フローリング全体の剥離作業は逆効果

 ワックスはがしでよく失敗することは、剥離剤を床全体に撒いて一気に作業してしまうことです。一度に作業しようとしても、範囲が広すぎると、剥離剤で浮いたワックスが乾燥後に固まってしまいます。古いワックスをはがした後に、新しくワックスを塗る時にムラができてしまい、見栄えが悪くなってしまいます。作業は 1㎡程度に区切ってこまめに行うようにしましょう。

失敗2:剥離剤をフローリングにたっぷりかけるのはNG

剥離剤をフローリングにたっぷりかけて長時間放置しておくと、フローリングが水分を吸収して変形してしまう恐れがあります。また、カビの原因にもなり、フローリングの劣化を進めてしまいます。

ワックスはがしの時に注意すること

 剥離剤を使ってワックスをはがす場合、前途のような失敗をしないために次の注意が必要です。まずは無理に家具や机を移動しないようにしましょう。
 そして、剥離剤はプラスチックを溶かす性質を持っているため、剥離剤が染み込むとワックスと一緒にフローリングの接着剤が溶けてしまい、表面の板が反り返ってしまうケースもあります。
 また、剥離剤は塗ったワックスと同じメーカーのものを使用するようにしましょう。商品によってはMDFフローリングなど、剥離剤が使用できない床材があります。分からない場合はホームセンターのスタッフに相談してください。
 作業を行う場合は、晴れの日が適しています。水拭き後やワックスが乾くのが早くなります。

●まとめ

 ワックスがけが「一日仕事」と言われているように、ワックスはがしも同様に「一日仕事」です。それだけに地味で重労働ですが、はがす方法を知っておけば、誰でも簡単に始められます。お困りの方は、ぜひ試してみましょう。
 きれいになったフローリングを見れば充実感がいっぱいになるはず。そして新しいワックスをかけてきれいなお部屋づくりをしてください。

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