ジグソーの使い方とブレードの種類

目次
1章:ジグソーとは?
2章:ジグソーが使われるシーン
3章:ジグソーの機能・部位の説明
4章:ブレード(刃)の種類
5章:ジグソーの選び方
6章:ブレード(刃)を替えるタイミングでの注意点
7章:ジグソーの使い方と注意点
8章:ジグソーのお手入れ方法
まとめ

木工などのDIYを始めたら、作業効率をよくするために電動の切断工具をそろえたくなります。多くの初心者が迷うのが、丸ノコとジグソーの二者択一ですが、ここでは扱いやすく多機能であるジグソーをおすすめします。では、ジグソーがどんな特長を持った工具で、どんな作業ができるのか、その魅力を紹介しましょう。

1章:ジグソーとは?

曲線カットが得意

ジグソーは電動ノコギリの一種で、ブレードという金属製のノコギリ刃を上下に動かして木材や金属、樹脂などの素材をカットする電動工具です。使用するブレードは薄くて細く、それをノコギリと同じように往復させるため、曲線加工が簡単にできます。手工具にも曲線を切ることができる糸ノコや挽き廻しノコがありますが、長い距離をカットするには大変な労力がかかります。その点、効率よく曲線のカットができるジグソーは、作品づくりの幅が広がり切断作業を楽しくしてくれます。

例えば材料の角を丸く切り落としたり、板を波型に切ったり、大きな円を切り出したりする場面でとても便利に使えます。また、ドリルなどと併用することで、板の内側を四角く切り抜くことだって簡単です。電動ノコギリというと丸ノコがありますが、刃が高速で回転するため中上級者でも常に取り扱いに注意が必要です。押さえ方や押し方のコツをつかめば、比較的安全に多彩な切断加工ができるジグソーは、初心者におすすめの電動工具です。

2章:ジグソーが使われるシーン

曲線カットができる電動ノコギリとしては、卓上型の糸のこ盤があります。ジグソーが工具を手で持って操作するのに対し、糸のこ盤は刃が固定され材料を手で動かしてカットします。文字の切り抜きのようなより細かい細工には糸のこ盤のほうが適していますが、こちらはアームの長さによって作業領域が制限されるので、大きい板の内側を切り抜くような作業はできません。大きい合板の内側に窓を開けるなど、さまざまな切断作業に柔軟に対応できるのがジグソーの魅力です。

定規を利用すればジグソーでも直線のカットはできますが、ブレードが薄く曲がりやすいこともあり、あまり得意ではありません。精度や作業効率が求められる直線のカットには、丸ノコのほうが適しています。木工による作品製作をすることが増えてきたら、作業の精度と効率をアップするために、適材適所でジグソーと丸ノコを使いわけるようにすると良いでしょう。

3章:ジグソーの機能・部位の説明

(1) ロックボタン
スイッチを引いた状態でこのボタンを押すと、指を離してもブレードが動き続けます。

(2) スイッチ
指で引くとブレードが動き、離すと止まります。この引き具合でスピードを調整できるものが一般的です。

(3) オービタルスイッチ
ブレードの動きを変化させて切断速度を高めます。強さは3~4段階に切替可能です。

(4) ブレード
取り替え式のノコギリ状の刃。カットする素材や作業内容によって使いわけます。

(5) ベース
ぶれずに安定した作業ができるように、材料に押し当てる部分です。

スピード調整機能

ジグソーのトリガータイプのスイッチは、低価格モデルでは電源のオン/オフしかできない機種もありますが、多くの機種はレバーの引き加減でブレードのスピードを調整できる無段変速式を採用しています。

踏み込むとスピードアップし、緩めるとダウンする車のアクセルのようなものと考えればわかりやすいでしょう。直線や緩やかな曲線をカットするときはブレードの速度を上げて作業スピードアップし、急な曲線にさしかかったら速度を落としてていねいにカットするといった具合に、作業内容に合わせて速度を自在に調整できます。

切断速度を上げるオービタル機構

通常の動作はブレードがまっすぐに上下運動をしますが、スイッチの切り替えにより、さらにしゃくりあげる前後運動を加える機能です。主に直線の切断速度を高めるために使い、曲線をカットするような繊細な作業には向きません。曲線をカットするときにはオフにしておきます。

オービタル機構を搭載している大抵の機種では、しゃくり動作の大きさを3~4段階ほどに切り替えでき、しゃくりを大きくするほど切断速度は高まりますが、反面、切断面が荒くなるデメリットがあります。

ガイドを使った直線カット

ほとんどの機種は、平行ガイドという直線カット用の補助具を取り付けることができます(平行ガイドは機種に付属している場合と別売の場合とがあります)。平行ガイドを装着すると、ブレードの進む位置を固定できるため、フリーハンドの場合に比べて格段にきれいに直線をカットできるようになります。
カットしたい線にブレードを合わせた状態で、ガイドが木材の端に当たる位置で固定します。ブレードと線を確認しながら、ガイドが木材から離れないように注意して切り進めます。
※機種によっては、工作材などをネジでガイドに固定して使う必要があります。

板の厚みに対して斜めにカット

ジグソーのベースのネジを緩めると、多くの機種で最大45度までの範囲で角度を変えることができます。角度を決めたら、ネジを締めて固定します。
額縁のような枠、箱などを組み立てる場合に、45度にカットした木材同士を組み合わせて角を作る加工をよく用いますが、ジグソーの傾斜切りを利用すればそのような本格的な作品づくりも行えます。
ベースのネジを緩めて、カットしたい任意の角度に調整し、固定し直します。
切断時は直線を切るときと同じように切り進めます。上から押さえる力をかけにくいので、もう一方の手でしっかりとサポートするのがポイントです。

4章:ブレード(刃)の種類

ブレード交換でさまざまな素材を切断可能

取り替え式のブレードには、さまざまな種類が用意されています。素材に適したものを選ぶことで、木材のほかに金属やプラスチック、特殊材料などをカットすることができます。

また、同じ木工用ブレードであっても、刃長、刃厚、山数の異なる規格が用意されているので、速度優先や仕上がり優先など作業内容に合わせて使いわけることもできます。最近は、ホームセンターなどで各種の素材を手に入れやすくなり、木工やリフォームに取り入れるアイデアもたくさん紹介されています。ジグソーの扱いに慣れてきたら、ブレードを使いわけて、工作の幅を広げてみるのもおもしろいでしょう。

丸ノコなど他の電動ノコギリも同じですが、ジグソーも取り付けるブレードによって切れ味が大きく変わります。どんなブレードでも素材を切れないことはありませんが、切れ味の悪いブレードを使うと、切断スピードが遅く、切り口も荒くなります。差し込み部分の規格が同じであれば、ブレードはジグソー本体と同じメーカーである必要はありません。付属のブレードに満足できなければ、他社製品を試してみましょう。

素材別ブレードはさらに用途で選ぼう

● 木工用ブレード

刃の幅が広い直線用と狭い曲線用があり、それぞれに高速切断用、仕上げ用、超仕上げ用などの種類があります。高速切断用は刃の山数が少なく切り口は荒め、仕上げ用は刃の山が細かく多くきれいな切り口になります。
また、厚さ38mmの2×4材をカットできる刃長の長いタイプ、垂直を保った正確なカットができる厚刃タイプなど、特長の異なる種類が豊富にそろっています。

● 金工用ブレード

鋼板、アルミ、ステンレスなどの切断に向いた一般金工用、銅や真鍮、亜鉛などの非鉄金属用があります。それぞれ素材ごとの切断可能厚さ、切断スピード、刃の耐久性、折れにくさなどで選べるものもあります。

● プラスチック用ブレード

ポリプロピレン・ポリエチレンなどの一般プラスチック用、塩ビ・ポリアミド用、アクリル用、カーボンファイバー・グラスファイバー用、強化プラスチック・人造大理石用などの種類があります。

● 特殊材料用ブレード

木材・金属・プラスチックなどの多用途高速切断用、石膏ボード・FRP用、タイル・ガラス用、アクリル・ポリカーボネート用、ゴム・発泡スチロール・ダンボールなどの柔らかい材料用などの種類があります。

替え刃を選ぶときの注意点

ジグソーのブレードには、差し込み部分の形状によってストレートな「スタンダードタイプ」とT字型をした「Bタイプ」の2種類があります。Bタイプはドイツの電動工具メーカー「BOSCH」社の頭文字と言われていますが、マキタ、リョービ、日立工機などの国内主要メーカーもBタイプの規格に合わせていて、メーカー間の互換性はあります。ただ、機種によって形状が異なる場合があるので、交換用ブレードを購入するときは付属品の形状をよく確認してから選びましょう。

5章:ジグソーの選び方

基本性能に余裕があると安心

ジグソーは性能と価格によって、プロ向けとDIY向けとにはっきりわかれています。プロ向けの機種はさすがに高性能・多機能ですが、DIY向けの機種とは価格で3~4倍の開きがあります。DIY向けの中にも十分な性能を備えている機種はたくさんあるので、ご自分の使用頻度や用途に合わせて過不足のないものを選ぶと良いでしょう。

まず最初にチェックしたいのが、「切断能力」です。「木材:◯mm」「鋼板:◯mm」と、その機種でカットできる素材ごとの厚みの目安が表記されています。刃長の足りているブレードを装着すれば、原理上は機種に関係なく厚い材料を切れることになりますが、モーターなどに無理な負荷がかかって故障の原因になりかねません。やはり切断能力の範囲内で使うのが基本になるので、切りたい木材の厚みなどに応じた能力であることが最低条件になります。DIY用としては、60mm以上の木材を切断できる能力を目安にしましょう。

作業性が向上する便利な機能

● オービタル機構

上で解説したように、ブレードにしゃくり動作(楕円運動)を加えることで、切断をより早くできる機能です。大まかな寸法合わせや端材のカットなど、スピードを重視したいときにはとても便利です。

● 速度切替ダイヤル

レバースイッチを一杯に握り込んだときの最高速度を調整できる機能です。カットする材料やブレードに合わせた最適な回転数を設定しておけるので、切断中は本体の動かし方に集中できます。

● ワンタッチブレード交換

ブレードの交換方法にはワンタッチ式とネジ式があります。ネジ式はドライバーや六角レンチを使って、ネジを締めたり緩めたりする必要がありますが、ワンタッチ式はレバーを引くだけで簡単にブレードを着脱できます。いろいろな種類のブレードを交換しながら使いたい方には、ワンタッチ式がおすすめです。

● その他の機能

DIY向けでも上位機種になると、切断箇所を照らすLED照明、切断線を見えなくする切りくずを吹き飛ばすブロア機能などが付いているモデルがあります。必ずしも必要な機能ではありませんが、作業時のストレスを軽減してくれ、使ってみると便利さを実感できます。

6章:ブレード(刃)を替えるタイミングでの注意点

誤操作を防ぐため電源をカットして作業を

使用を開始するとき、また材料や作業内容が変わって途中でブレードを交換するときは、安全に注意して以下の手順で交換します。

● ブレードの交換手順

(1) 電源プラグがコンセントから抜けていることを確認する。充電式の機種はバッテリーを外しておきます。

(2) ネジ式の場合はドライバーや六角レンチでブレードの固定ネジをゆるめます。ワンタッチ式の場合はレバーを引いてロックを解除します。

(3) 装着していたブレードを取り外します。

(4) ノコ刃を前に向けて、取り付け部に新しいブレードを差し込みます。ブレードがガイドローラーの位置にはまっていることを確認します。

(5) ネジ式の場合はネジを締めてブレードを固定します。

(6) 刃に触らないように注意しながらブレードを軽く指で引っ張って、確実に固定されていることを確認します。

(7) 電源プラグをコンセントに挿して(バッテリーを取り付けて)作業を始めます。

7章:ジグソーの使い方と注意点

基本的な使い方と作業手順

(1) 切断線が作業台にかからないように注意して、カットする材料をクランプで作業台に固定します。その際、クランプは作業中のジグソーに当たらない位置で固定します。

(2) 作業の必要に応じて、ベースの角度を調整します。

(3) 作業内容に適したブレードを確実に取り付けます。

(4) 電源プラグをコンセントに差し込みます(バッテリーを取り付けます)。

(5) 切り始める位置にブレードを合わせて、ベースの先端でしっかりと材料を抑えます。

(6) ブレードが材料に当たっていない状態で、レバースイッチを引いてスイッチを入れます。

(7) ブレードの動きが安定したら、切断線に沿ってジグソーを押し進めます。

(8) 本体に両手を添えて、ベースが浮かないように気をつけて作業します。強く押すとブレードが曲がったり傷んだりします。切断スピードに合わせて押すように、力加減を掴みましょう。

(9) 途中でジグソーの方向を変えるときは、ブレードが作業台にあたる前に中断し、材料の向きを変え固定し直してから作業を続けます。

(10) カットが終わってスイッチを切っても、ブレードはすぐには止まりません。安全のため、ブレードの動きが止まったのを確認してから、ジグソーを持ち上げるように注意しましょう。

切り抜き加工も簡単

「窓抜き」と呼ばれる四角い切り抜き加工をする場合、ブレードより太いドリルで対角に穴を開け、線に沿って両側からブレードを進めます。
このように、角まできれいに切り落とせます。円に切り抜く場合は、最初にブレードを入れる1か所に穴を開ければOKです。

8章:ジグソーのお手入れ方法

簡単お手入れで故障を予防

本体の各部に切りくずやホコリが溜まると故障の原因になります。使い終わったら、仕舞う前に簡単な掃除を心がけましょう。不意の動作によるケガを防ぐため、電源プラグをコンセントから抜き、ブレードを取り外してからお手入れをするようにします。

溜まった木くずやホコリは、ブロワーで吹くか、ハケで払って落とします。最後に乾いた布で本体の汚れを拭き取ってからケースに収納してください。ベンジンなどの溶剤は、変色の原因になるので使わないようにしましょう。

まとめ

電動ノコギリとしては非力なイメージのあるジグソーですが、直線も曲線もカットでき、さまざまな材料にも対応しているなど、とても多才な切断工具であることがおわかりいただけたでしょう。
しかも安全で使いやすいです。もし、DIY初心者で1台目の切断工具の購入を迷っていたら、ぜひジグソーを検討してください。

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