バーベキューに必須!おすすめの炭と特徴

バーベキューは、家族や友だちが集まって食事を楽しむためには絶好の屋外イベントです。それでも準備をする側になったら、食材や飲み物を用意したり、道具をそろえたりとなかなか大変です。初心者にとっては、どんな炭を選べばいいのか、どのくらいの量が必要なのか、そして炭火のおこし方も、最初はわからないことが満載です。ここでは、バーベキューの準備をすすめるにあたって知っておきたい炭に関する基礎知識を、炭の種類から炭火のおこし方まで紹介します。難しいと思われがちな炭の火おこしも、コツさえわかれば簡単に失敗なくできます。一緒に道具をそろえて、手軽に楽しんではいかがでしょうか。

炭の種類と特徴

バーベキューに使う炭は、木または木くずを蒸し焼きにして作った「木炭」のことで、原料や製造方法、形状によって大まかに種類分けできます。それぞれに着火のしやすさ、火持ちのよさ(燃焼時間の長さ)、燃焼時の炎の出方やハゼ具合などに一長一短があります。価格の違いもあるので、扱いやすさや予算のバランスを考えて選ぶようにしましょう。

●天然炭

 切り出した天然の木材を、蒸し焼きにしてつくった木炭です。製造方法の違いによって、一般的に「切炭」といわれる「黒炭」と、備長炭に代表される「白炭」にわけることができます。

・国産切炭

 山から切り出した木を、炭焼き窯に入れて400〜700度で蒸し焼きにして炭化させたもので、日本で昔からポピュラーに使われてきたのです。原材料には、ナラ、カシ、クヌギなどの硬い広葉樹が好んで使われ、代表的なものにホームセンターなどでよく見かける「岩手切炭」があります。見た目は中心からきれいに放射状に割れていて、小型のグリルや七輪でも使いやすいように、約6.5cmに切りそろえてあるのが特徴です。

 販売価格は輸入炭に比べると少し高くなりますが、火がつきやすい、煙や炎が上がらず匂いもほとんどない、少ない量で高い火力が得られる、火力のコントロールがしやすい、火持ちがする、燃焼後の燃えカスが少ない、などなど、良いところが多くあります。快適に使うことができて、適量を使うようにすれば、結果的に経済的と考えられます。

 食材を選ばず、安定して美味しく焼き上げられる品質を考えれば、とてもバランスがよく、バーベキューで使うにはもっともおすすめの炭です。

・マングローブ炭

  マングローブを原材料に、主に東南アジアで生産されていて、どこでも手に入りやすく安価な炭です。「割れ炭」と呼ばれることもあるように、大小サイズが不揃いの状態で箱詰めされているものが多くあります。火はつきやすいものの、燃焼時間は短め。また、炎が上がりやすい、煙やにおいが多いなど、食材を美味しく焼き上げるという点では、国産切炭に比べて見劣りします。

 そうはいっても、値段の安さはなんといっても魅力です。年に何回もバーベキューをするのでなく、当面の1回で使い切るような場合には筆頭候補にして良いでしょう。

 最近はマングローブ炭を燃焼しやすい袋に入れ、着火が簡単で手を汚さずにあつかえることを売りにした商品も出ています。

・備長炭

  ウバメガシやカシ類を800度以上の高温で蒸し焼きにし、消火の方法も黒炭と違う手法を使い、一気に冷やします。できた炭はたたくと金属のような音を発するほどとても硬く、黒炭と比べものにならないほど火がつきにくくなっています。ただし、着火後は黒炭に比べて火力は弱めながら極めて安定し、国産の高品質なもので最大6時間程度と、長時間にわたって燃焼します。煙や匂いがなく、調理用としては最適です。

 バーベキューで使うことを考えると、価格が高いことと、火のつきにくさが最大の欠点になります。少なくとも、キャンプ場やバーベキュー場で使うことはおすすめできません。

●成型炭

 おがくずやおが粉を熱を加えて圧縮成型した木材を炭化させたり、炭の粉を固めて圧縮成型して作った木炭を、成型炭といいます。前者は、四角い棒状でまん中に穴があいたチクワのような形の「オガ炭」が有名です。後者は小さくおにぎり状に固められたものが多く、「ブリケット」の名称がついています。

・オガ炭

 オガ炭は、火はつきにくいものの火持ちはよく、価格が安いので、コストパフォーマンスの良い備長炭のように使うことができます。備長炭と同じように火つきの悪さが、バーベキューでは欠点となります。

・ブリケット(チャコールブリケット)

  卵ケースのように繋がっていて必要な数だけ折って使うタイプと、ひとつずつにバラけているものがあります。バーベキュー用燃料として作られているだけあって、簡単に着火でき、大きさや形が一定のために火力調整がしやすいメリットがあります。

 ブリケットはひとつずつが小さく作られているので、炭をバランス良く置いたり、途中で足したりがしやすいです。とくに小型の卓上グリルでは使うのに最適です。

・ヤシ殻炭

 ヤシの実からココナッツを採取したあとのヤシ殻を圧縮成型して炭化させたもので、着火剤を染み込ませて「着火炭」として販売しているものも多くあります。着火剤を使わずにライターだけで着火できる簡単さがいちばんのメリット。しかも着火から数分で調理可能になる火のまわりの早さです。炭の火おこしで失敗したくなく、短時間、手軽に使える炭が良いという初心者に向いています。

 燃焼しやすいぶん、燃焼時間が短いのが欠点です。バーベキューでは着火剤と最初の調理用として使うのがおすすめです。一緒に木炭を入れておいて、食べているうちに木炭に火がまわるようにすれば効率的です。

バーベキューで必要な炭の量は?

 バーベキューを何度も経験しているベテランになると、使用する炭の量はおおよその検討がつくものですが、まったくデータを持っていない初心者がいちばん困るところです。途中で足りなくなるのは絶対に避けたいですし、かといってたくさん余らせても次のバーベキューの予定がないと持て余します。いったいどの程度の炭を用意すればよいのか、参考にしてください。

●基準は1人1キロ

・バーベキューグリルのサイズ=大人4人で囲むのにちょうどいい標準的なサイズ。
・実施時間=日中に行われるグループでのバーベキューの標準的な時間=2〜2.5時間
・初心者が選ぶことが多いマングローブ炭を使用。

以上を基本条件として設定した場合、大人1人あたりの炭の必要量は1キロを目安にしましょう。4人グループでグリル1台で行うときは、炭を4キロを用意しておくと、少し余るちょうど良い量になります。

●人数と焼きスペースのバランスは?

参加者が多くても、人数に適した数のグリルが用意できるとは限りません。少ないグリルで間に合わせようとすると、人の数に対して焼きスペースが足りない、つまり人数分の炭を十分に使えない状態になります。その場合は、グリルの使用目安人数に1kgを上乗せして用意します。

・4人用グリル×1台を6人で使う場合=4kg+1kg=5kg
・5人用グリル×1台を6人で使う場合=5kg+1kg=6kg

 人数、グリルの台数が増えても、同じ基準で算出できます。使う炭の種類やバーベキュー以外の料理の有無などで炭の必要量は変わるので、適宜調整してください。ただし、基本的には少し余らせる方向で調整し、不足することがないように注意しましょう。

バーベキューで炭を使用する際の着火のコツ

通常の木炭は着火に時間がかかり、ライターひとつで簡単に、というわけにはいきません。ですが、コツさえわかってしまえば、難しいことはありません。着火剤の炎がまんべんなく当たるように炭を置けば、簡単に火をおこすことができます。

 炭火が安定して調理できるまでには、着火してから20〜30分ほどかかります。早めに火をおこし始め、食材などの準備をしているうちに火力が安定するように段取りをすると、待ち時間を少なくしてバーベキューを始められます。

●炭の着火に必要な道具

ライター、着火剤、炭用トング、手袋

●基本的な着火の方法

着火剤を囲み、炭同士が密着するように置いて、火をつけます。このときの炭の置き方がポイントです。切炭ならできるだけ円筒形になるように積んで、中心に置いた着火剤に火をつけるようにしてください。こうすることで、温められた空気が上昇する「煙突効果」が発生し、強い炎が炭にまんべんなくあたって着火を促進します。

着火剤が燃えつきたとき、炭が赤くなっていれば着火は成功です。このとき炭が密着していると、着火した炭同士がお互いを温めて高温の状態を保ち、火がまわりやすくなります。

表面が灰になって白くなった部分が広がってきたら、炭火が安定してきた合図です。白くなった面を上に向けて炭を並べ、調理を始めましょう。

●火おこし器を使う

火おこし器に炭を入れます(底蓋のあるものははずしておきます)。筒状の火おこし器は、煙突効果による上昇気流を発生させるための器具です。炭はぎっしりと詰め込まないで、風の通り道になるすき間ができるように入れるようにします。

グリルの炭床などに置いた着火剤に火をつけ、炎に被せるように上から火おこし器を置きます。

上昇気流によって筒の上に大きな炎があがるので、顔を近づけたり、手をかざして確認しないように注意してください。

着火剤の炎が見えなくなってから20分ほど放置しておき、炭に火がまわるのを待ちましょう。赤くなって燃えているところが十分に多くなったら、炭をグリルにあけて調理を始めます。

※キャンプ用のガスコンロや家庭用のカセットコンロを炭火おこしに使わないでください。加熱したガスカートリッジが爆発する怖れがあるり大変に危険です。

炭の配置と足すときのコツ

●火加減ができる炭の配置

 せっかくの炭を使うバーベキュー、ただ食材を焼くだけでなく、少しでも美味しく焼けるようにしたいと思いませんか。炭火でもポイントは、通常の調理と同じく火加減です。バーベキューグリルの炭床に、強火、中火、弱火(予熱)の3つのゾーンを作っておき、食材の種類や調理の段階に応じてグリルの網の上を移動させます。ゾーンごとの火力の強さは、置く炭の密度で調整します。強火ゾーンは炭がすき間なく並ぶようにぎっしりと、中火ゾーンは炭同士の間に少しすき間ができるように、弱火ゾーンは炭を置かずに周囲の熱があたるようにします。

 肉の表面をカリッと焼き上げたいときなどには強火ゾーン。肉の内側にじっくり火を通したり、野菜などほかの食材を焼くときには中火ゾーン。火が通った食材が焦げたりしないように保温しておくときは弱火ゾーン。メインの調理ゾーンになる中火ゾーンを広めに作っておきましょう。

●途中での炭の足し方

 火が弱くなってきたからといって新しい炭を追加しても、火がつきにくい炭はすぐに火力をアップしてくれません。食材を焼いている最中も、ときどき手をかざして熱の強さを確かめ、早め早めに炭を追加しましょう。

 追加する炭は、白くなっている炭に接するように置いてください。新しい炭を上に置くと食材に熱が届かなくなってしまうので、燃えている炭の下に入れるようにします。投入するのが遅れて、火力アップを急ぐ場合は、うちわやブロワーで風を送ってください。

燃え残った炭の処理方法

 バーベキューの終了時に、タイミングよくすべての炭が燃えつきていてくれれば、残った灰を処分するだけなのですが、そうそう都合良くはなりません。残った炭は、責任を持って安全に消化して処分してください。

●火消しつぼを使って消化する

・燃えている状態の炭を、トングでつかんで火消しつぼのなかに入れます。
・すべての炭を入れたらフタをしっかり閉めて酸素を遮断します。炭を入れた火消しつぼは高温になっているので、軍手や革手袋を着用して作業し、火傷に十分注意してください。
・フタを閉めたまま20〜30分待って、完全に消化したのを確認して処分しましょう。

●水バケツを使って消化する

・たっぷり水を入れたバケツに、燃えている状態の炭をひとつずつ投入します。何個もを一気に入れると高温の水蒸気が発生するおそれがあります。水のようすを見ながら、ひとつずつ入れてください。
・炭は数分間、水につけたままにしておき、完全に消化したところで処分しましょう。

●処分の方法

 炭は土に埋めても分解されずにそのまま残ります。責任を持って処分してください。キャンプ場やバーベキュウ場に、炭の処分場所を設けられている場合は、完全に消化されていることを確認して、処分場に捨てます。そうでない場合は、持ち帰って燃えるゴミとして処分しましょう。

炭の保管方法

 使い切らずに残った炭は、次のバーベキューまで保管しておきましょう。ビニール袋に入れるか、プラスチックケースにしまうなどして、湿気を避けられるようにしておきます。消化して残った消し炭も再利用が可能です。水バケツで消化した炭は、数日、天日で乾かしてから保管しておきます。

まとめ

 細かいことを比べれば、炭は種類によってメリット、デメリットがあります。ただ、どの種類を選んでも、食材の表面をカリッと、内側をふっくらと焼く炭火の持つ遠赤外線効果をあります。コストパフォーマンスを優先するなら、まずはマングローブ炭でバーベキューを楽しんではいかがでしょうか。そして2回、3回と回数を重ねて炭にさらなる関心が湧いたなら、国産の切炭なども試してみましょう。

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