屋内・屋外別、おすすめの塗料・ペンキの種類と選び方

 家のメンテナンスやリフォーム、家具作りやクラフトなどでは、塗装で仕上げることが多くあります。塗装は誰でも簡単にできて楽しい作業でもすが、初心者を戸惑わせるのが塗料選びです。いざ塗料を買おうとすると、あまりに種類が多く、どれを選べばいいのか途方にくれてしまいます。そこで今回は、目的に適した塗料を選ぶための基礎的な知識を、わかりやすく解説します。

1章:塗料はどこで販売している?
2章:塗料のおもな分類
3章:塗料購入時の注意
4章:屋内用塗料の種類
5章:屋外用塗料の種類
6章:特殊な塗料
7章:合成樹脂塗料
8章:塗料を選ぶ際のポイント
9章:塗装を行う前の準備
まとめ

1章:塗料はどこで販売している?

 室内用や屋外用、油性や水性など、さまざまな種類の塗料を扱っているのは、建築用の道具や材料を扱う金物店とホームセンターです。

 金物店は、防水や防錆、コンクリート用など、特殊な種類の塗料まで置いており、屋内外の補修や木工の仕上げに使う塗料がそろいます。多くの金物店は主にプロ向けの品ぞろえをしているため、建築でよく使われる銘柄や色が中心になる傾向があります。

 プロ向けとDIY向け、どちらも豊富にそろっているのがホームセンターです。多くの種類の塗料を豊富に在庫していて、さまざまなメーカー、色、容量などのなかから、目的に合ったものを選べます。ミルクペイントやアイアンペイント、黒板塗料、エイジング用塗料など、DIYで人気の高い塗料も充実しています。

2章:塗料のおもな分類

 塗料は大まかに油性塗料と水性塗料にわけることができます。油性と水性の違いは、色の成分に混ぜてある液体(溶剤)によります。油性塗料はシンナーなどの揮発性有機溶剤が使われているものが多く、水性塗料は水が使われています。

 水性塗料という名称から、塗ったあと水に濡れると溶けてしまうと誤解されがちですが、一度乾くと強固な塗膜を作り、水回りや屋外でも問題なく使えます。

●水性塗料

・特徴
 臭いが少なく、油性塗料に比べると乾燥時間が短めです。手や道具についた塗料は、水で洗って落とすことができるので、後始末が簡単です。

・主な用途
 室内で使う木製品の塗装、室内壁、床、家具などの塗り替え。以前に比べて耐久性が向上し、屋外の木部や金属、壁などの塗装用も種類が増えてきています。

●油性塗料

・特徴
 塗料の密着力が高く、耐久性に優れているので、屋外各部の塗装に適しています。有機溶剤特有の刺激臭がある、乾燥時間が比較的長い、塗料の希釈や道具の洗浄に専用うすめ液を使う必要があるなど、扱いに手間がかかります。

・主な用途
 屋外で使用する木製品の塗装、ウッドデッキやウッドフェンスの塗り替え、屋外の壁、金属、コンクリートなどの塗り替えなど。

3章:塗料購入時の注意

 塗料の容器には、塗装できる素材、その量で塗ることができる面積、季節ごとの乾燥時間、希釈や洗浄に使う液の種類(水かうすめ液か)などの情報が細かく記載されています。ご自分の用途や条件に適しているか、確認して選ぶようにしてください。

4章:屋内用塗料の種類

 臭いが少ない水性塗料が一般的です。壁紙やビニールクロスの上から塗れるもの、家具や建具などの木部用、フローリング用、浴室などに適した防菌・防カビ効果に優れたものなどがあります。

●室内用多用途塗料

 塗装壁、ビニールクロス、天井や木部全般を塗ることができます。各メーカーとも色数を豊富にそろえていて、手軽にインテリアの塗り替えやリフォームに利用できます。

●和室壁用塗料

 和室に使われる砂壁や繊維壁の塗り替えに適しています。日本の伝統色が選べるところも特長です。

●床用ニス

 木の床やフローリングの表面に強固な塗膜を作って、傷がつきにくいように床材を保護します。フローリング材、床材の材料によって種類がわかれています。

●ステイン塗料

 表面に塗膜を作らず、透明性に優れる木部用塗料です。家具の塗り替え、自作の棚などの塗装で、木目など木の風合いをいかしたい場合に最適です。塗り重ねると色が濃くなります。

●木部用ワックス

 木材の色や木目をいかした半透明の塗膜をつくり、適度にムラがあるアンティーク調の仕上がりになります。布ですり込むようにして塗ります。

●ウレタンニス

 木部の保護塗料であるニスのなかでも、より硬い塗膜をつくります。熱や水濡れ、擦れから木部を護り、テーブルや椅子などの実用家具の塗装に適しています。着色されたものと、ステイン塗料やワックスのうえに保護剤として使える透明クリアーがあります。

5章:屋外用塗料の種類

 耐候性や耐水性などが高く、雨や風、日差しに長い期間さらされても劣化しにくく、素材を保護する性能に優れています。木材用には、防虫・防腐効果が高いものもあります。

●屋外多用途塗料

 木材、金属、モルタル、コンクリートなど、屋外で使用される多くの素材に塗ることができます。一般的に色数が多く、ガーデン小物や屋外家具、エクステリア、外壁塗装まで便利に使えます。

●木部用保護塗料

 木部の防虫、防腐、防カビ、防藻などの効果に優れています。木目をいかす浸透(ステイン)タイプと、塗膜を作りながら下地を見せる半造膜タイプがあります。ウッドデッキや小屋、板塀、戸袋などの塗装、塗り替えに適しています。

●鉄部用

 雨や塩害から屋外鉄部を保護し、サビの発生を防ぎます。門扉やフェンス、シャッターなどの塗装に適しています。

●コンクリート床用

 耐摩耗性に優れた機能があり、着色と同時にコンクリート表面を汚れや傷みから保護します。駐車場や事務所、倉庫などの床塗装に適した塗料です。

6章:特殊な塗料

●自然系塗料

 体への安全性や環境に配慮した塗料です。屋内外の木製品に適し、なかには食品衛生法の基準に適合するなど、木製玩具や木製食器に使える製品もあります。

●風合い塗料

 吹きつけることで、木材、鉄、ガラス、プラスチックなどの素材を、本来のものとは違うマット調、メッキ調、石調など、独得の風合いに仕上げることができます。

●黒板塗料

 表面に塗るだけで、木材、ビニールクロス、石膏ボード、段ボールなどを黒板にできる塗料です。家族の連絡板やお子さんのお絵かきスペース、看板など、アイデアしだいでさまざまな用途に利用できます。

7章:合成樹脂塗料とは

 アクリル樹脂、アルキド樹脂、塩化ビニール樹脂、酢酸ビニール樹脂、フェノール樹脂、シリコン樹脂、フッ素樹脂など、合成樹脂を主成分とした塗料のこと。細かな特長はそれぞれ異なりますが、全般に乾燥が早く、耐候性・耐久性が高く、化学物質による劣化が少なく、汚れが付着しにくいなどの優れた性質であることから、現在の家庭用や工業用として使われているほとんどが、この合成樹脂塗料です。

 合成樹脂塗料に対して、亜麻仁油やひまわり油、蜜ろうといった自然由来の油脂や樹脂を主成分とした塗料は、自然系塗料や天然系塗料と呼ばれています。

8章:塗料を選ぶ際のポイント

●室内を塗装する場合

 家具、壁、柱や梁といった木部など、インテリアを塗装するときは、臭いが少なく、安全面を考慮した水性塗料を使うと良いでしょう。室内用多用途塗料、屋内外用多用途塗料など選択肢は豊富です。ただし、壁に塗装する際は、壁紙、ビニール壁紙、砂壁など、それぞれに対応した塗料を選んでください。

 木製の家具や木製のドア、柱など、木目をいかして塗装したいときには、浸透タイプのステイン塗料やワックス、オイル、またはクリアな塗膜を作るニスを選ぶと良いでしょう。テーブルや椅子などの実用家具を浸透タイプの塗料で塗った場合は、色落ちを防ぐために保護効果のある専用のクリア塗料やクリアニスなどで仕上げることをオススメします。

●屋外を塗装する場合

 ウッドデッキや塀などを塗装する場合、密着性、耐久性に優れる油性塗料が有利ですが、現在は水性塗料の性能が高くなっているので、扱いやすい水性塗料を選ぶ方も増えています。何を優先するのかを決めて選びましょう。

 ウッドデッキやパーゴラ、木柵など雨が当たる木部は、木材への保護性能の高い塗料を使い、数年ごとに塗り替えることで、木材そのものを長い年数をもたせることができます。浸透タイプであれば、はっ水、防腐、防カビ、防虫効果などを備えたものを選びましょう。

 また、ブロックやモルタル、コンクリート、鉄部などへの塗装には、耐久性に優れているウレタン樹脂塗料やシリコン樹脂塗料を使うと、塗り替えまでの年数を延ばすことができます。

9章:塗装を行う前の準備

●必要な量を割り出す

 壁や床といった広い面を塗装するときは、事前に塗る場所の面積を計算し、ムダが出ないように塗料を用意するのが、費用を抑えるポイントです。塗料の容器には、塗り面積が平方メートル(m2)で記載されています。

「タテの長さ(m)×ヨコの長さ(m)」から「窓など塗らない場所の面積(m2)」を差し引いて塗り面積を計算し、必要量を購入するようにしましょう。

●塗らない場所を養生する

 塗らないところ、汚したくないところを、塗料がつかないようにテープやシートなどを使って保護することを養生と言います。この養生を丁寧にしておくと、塗装の仕上がりが違います。マスキングテープ、テープにシートがついたマスカーなどの専用の用品を利用して、塗装面との境い目や床などをきっちりと養生してから塗装作業に取り掛かりましょう。

まとめ

 ざっと紹介しただけでも、塗料にはたくさんの種類があることがおわかりでしょう。選ぶ塗料の種類や色によって部屋や作品の印象はガラリと変わりますし、色あせたり汚れたりしたところを簡単にリフレッシュできます。どこに塗るのか、どんな仕上がりにしたいのか、プランを固めて塗料選びと塗装を楽しんでください。

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