変圧器の正しい使い方とは?

目次
1章:変圧器とは
2章:海外主要国の電圧
3章:プラグの形状の違い
4章:変圧器の選び方
5章:変圧器の使い方
まとめ

1章:変圧器とは

世界的にとても低い日本の電圧

 普段私たちが使用している電化製品は、日本国内の規格である100V(ボルト)の電圧で正常に動くように設計されています。ちなみに日本の100Vという電圧は世界でも非常に低い電圧とされています。他の国で使用されている家庭用電気の電圧は、国や地域によっても違いますが、およそ110Vから240Vほど。100Vという低い電圧が使用されている国は日本以外ほとんどありません。
 もし、日本よりも電圧の高い海外に、日本国内向けの電化製品を海外旅行で持っていったとします。そしてそれをコンセントに繋ぎ、使用したとするとどうなるでしょうか。
 本来設定されている電圧よりも、その繋いだ機器には高い電圧がかかってしまうわけですから、当然大きな負担がかかってしまい壊れてしまう可能性が高いでしょう。
 単に機器が故障して使えなくなるというだけなら自分が困るだけですからまだ良いでしょう。しかし場合によってはそれが原因で発火して、火災になってしまうなどということもありえないことではありません。そうなれば被害は自分だけではすみません。多くの人に迷惑をかけてしまいます。海外旅行に行った経験のある方ならご存知でしょうが、このようにむやみに海外で日本向けの電化製品を使用するのは大変危険なことなのです。
 では、日本向けの家電製品は海外では使えないのか、というとそんなことはありません。最近は世界中の幅広い電圧に対応した機器も増えてきています。スマートフォンやデジカメなどのACアダプターを良く見てみるとAC100-240Vなど表示されているのが確認できるはずです。これは100Vから240Vの電圧に対応したACアダプターであるという意味です。こういったタイプならプラグの形状さえ合えば問題なく使用することが可能です。
 ではそうでない場合はどうなのか。当然そのままでは使用できませんが、実は海外でも日本向けの100V規格の電化製品を使用することが可能にしてくれる機器があるのです。それが、トラベルコンバータや変圧器(トランス)と呼ばれる機器です。
 では、そんな変圧器とはいったいどのようのものなのか、また使い方に注意点はないのかなど、初めて海外旅行にでかけるという方にも役立つ情報を紹介します。

2章:海外主要国の電圧とプラグ形状

旅行先の電圧をあらかじめチェック

 前述したように、世界的には日本のように100Vという低い電圧の電気を使用している国はまれです。多くが110~240Vといった、それよりも高い電圧の電気を使用しています。そのために必要なのが変圧器ですが、そんな変圧器の説明の前に、まずは他の国で使用されている電圧がどれくらいなのかを紹介します。主なものを表にまとめました。
(出典:トラベラーズカフェ ワールドギャラリー/海外のコンセント・電源一覧表より http://www.travelerscafe.jpn.org/electricity.html)
 海外旅行を予定されている方は、まずはこちらを確認しましょう。


3章:プラグの形状の違い

国によって電源プラグの形も違う

 次は電源プラグの形状です。電圧だけでなく、海外では電源プラグの形状も日本とは大きく違っています。また、日本では全ての地域で同じ形の電源プラグが使用できますが、海外では同じ国の中でも地域によって形状が違っていたり、また複数の形のプラグが併用されているケースも少なくありません。そのため、旅行先が1つの国であっても、場合によっては複数のタイプのプラグが必要になることがあります。
 電源プラグの形状にはAタイプ、Bタイプ、B3タイプ、BFタイプ、Cタイプ、Oタイプ、O2タイプ、SEタイプなどがあります。日本や北アメリカはAタイプですが、他のアジア諸国はCタイプ。ヨーロッパではCタイプとSEタイプなどが使われています。

 その他各国がどのタイプの電源プラグを使用しているかは前述の電圧一覧表で確認してみてください。
 変圧器を使用する際も、現地の電源プラグに差し込むためにプラグの形状を変換しなくてはいけません。変圧器にはそのための変換アダプターが付属しているものもありますが、別に用意しなくてはいけない場合もあります。
 そのために持っていると便利なのが変換プラグです。複数のパーツを差し替えることで世界中のプラグタイプに対応することが可能です。
 注意しなくてはならないのは変換プラグには変圧の機能はないということです。海外使用に対応した複数の電圧に対応しているACアダプターなどは、形状さえ変換すればそのまま接続可能ですが、そうでない場合に変圧器を通さず直接現地の電源プラグに繋いでしまうと、故障や発火の原因になりますので注意してください。

4章:変圧器の選び方

使用する電化製品の消費電力が重要

 このように海外では日本よりも高い電圧が使われており、そのプラグの形状にも違いがあります。そのため、海外旅行先で、日本向けの100V規格の電化製品を使用するために必要なのが変圧器(トランス)なのです。こういったケースで使用するトランスは電圧を下げるものなので、正確にはダウントランスと呼びます。
 ちなみに、海外の電化製品を日本の100Vの電圧で使用するための、アップトランスというものも存在します。
 違いは電圧を下げるか、上げるかで、どちらの変圧器もその名の通り電圧を変更するための機器であることには変りはありません。またあらゆる電圧を、あらゆる電圧に変更できるマルチトランスというものもあります。
 海外旅行の際に、渡航先によって必要となるのは電圧を下げるのが主な目的なので、基本的にダウントランスタイプの変圧器です。さらにそのような海外旅行向けの変圧器にも、電子式変圧器とトランス式の2種類があります。
 電子式は小型軽量で容量も比較的大きいのですが、電子回路で見かけ上の電圧を調節しているだけなので、パソコンやデジタルカメラなどのAV機器や、炊飯器や空気清浄機などのマイコンを内蔵しているものには使えません。基本的にはドライヤーや電気コンロなどの熱器具向けです。
 対してトランス式はすべての電気機器に使えます。しかし、容量が大きく幅広い危機に対応できるものはトランス自体も大きく重くなってしまいます。場合によっては旅行先では荷物になることもあるでしょう。どちらが良いのかは使用したい機器や消費電力によって選ぶ必要があります。
 では、変圧器に必要な容量はどのように選べば良いのかというと、それは旅行先で使用したい機器の消費電力(W数)から計算して、その容量をカバーできるものを選ぶことです。
 例えば、もし複数の機器を同時に使用したい場合は、その合計した消費電力をカバーできる変圧器が必要です。さらに、繋ぎたい機器がモーター内蔵のものであったり、電熱器具である場合は、通常のその機器に記載されている消費電力の3倍の容量をカバーできるものが必要になります。ヘアドライヤーや炊飯器、ミキサーなどがそれに当たります。
 もともとの消費電力も大きいこういった機器の、その3倍の容量を持つトランスとなると、サイズが非常に大きなものになってしまいます。無理に日本で使っているものを持ち込むよりも、海外向けに作られた機器を別に用意したほうが現実的でしょう。

5章:変圧器の使い方

変圧器の容量を超えないように注意が必要

 国内ではあまり使う機械のない変圧器ですが、その使い方はとても簡単です。変圧器の電源プラグを渡航先の電源プラグの形状に変換し、繋ぎます。次に使いたい電化製品のプラグを変圧器に接続すれば完了です。変圧器の容量を超えないように注意しながら、使いたい機器を繋いでください。主な電化製品の消費電力は以下のとおりです。

・ノートパソコン/15-50W
・スマートフォン充電器/10-15W
・デジカメ充電器/20-50W
・ビデオカメラ充電器/20-50W
・ドライヤー/200-1200W
・ホットカーラー/50-100W
・電気ポット/1000-1200W
・電気シェーバー/5-10W

 ただ、こういったものの中には変圧器が不要な家電機器もあります。お使いのスマートフォンやノートパソコン、デジタルカメラ、電動シェーバーなどに付属のACアダプターに100-240Vなどという表示があれば、変換プラグを使用するだけでほとんどの場合充電可能です。そういったものは変圧器を介さなくても大丈夫です。
 こういった海外対応の製品を購入して頂くのが一番安心で手っ取り早い方法です。

まとめ

 旅先でも快適に過ごすために海外旅行に持ち込んだ電化製品が、現地の電圧やプラグに対応していないとなったら、せっかくの旅行の楽しみも半減してしまいかねません。旅の前には渡航先の電圧が何V(ボルト)なのか、またプラグのタイプは何なのか、あらかじめ調べておき、必要であれば変圧器の準備もしておきましょう。ただ、変圧器は、全ての電化製品に使えるわけではありません。またその分の旅の荷物が増えてしまうということも考えましょう。場合によっては電化製品を現地で調達するといった判断も必要です。


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