LED電球と他の電球の違いは? 発光色や明るさの種類、その取りつけ方法

 電気店やホームセンターの電球売り場に行くと、そこには様々な電球が売られています。大きさや形も様々で、明るさや発光色などのバリエーションも豊富です。

 電球そのものの仕組みにも違いがあります。昔ながらの白熱電球に蛍光灯を使った電球型の照明、そして最近主流となっているのがLED電球です。これらは、照明機器に接続するための口金があって、そして反対側にガラスのドームがありその中で発光するという点では基本的に同じです。

 しかし、発光方法や特徴などには大きな違いがあります。口金のサイズが合っていれば取りつけは可能ですが、明るさや発光色、さらに消費電力や寿命など様々な点で大きな違いがあるのです。

 今後は従来の白熱電球よりも、様々な点で優れた特徴を持つLED電球が主流となっていくはずです。しかし、白熱電球を使っている照明にLED電球はそのまま取りつけられるのか、また交換する場合どんなことに気をつければいいのかなど、よくわからないために、昔からの白熱電球をいま未だに使い続けているという方もいるかもしれません。しかしLED電球には様々なメリットがあります。そこで、LED電球の仕組みから、交換すればどのような良いことがあるのか、さらに交換の際に気をつけるポイントなど、LED電球を使うに当たって知っておくべきことを分かりやすくご紹介します。

1章:LED電球とは? どんな仕組みなのか
2章:LED電球のメリット・デメリット
3章:LED電球の光の色と明るさの種類
4章:LED電球を購入する際のポイント
5章:LED電球の取りつけ方法
6章:LED電球の寿命・替え時は?
まとめ

1章:LED電球とは? どんな仕組みなのか

半導体の中で発光するので効率に優れる

 白熱電球の仕組みはとても簡単です。透明なガラスが使われた電球ならその発光の様子も視覚的に分かりやすいでしょう。まず、ガラスのドームの中に金属の線でできた「フィラメント」があり、そのフィラメントに電流を流すと、約2000~3000℃の高温になりフィラメントが白熱化することで光るという仕組みです。
 このフィラメントが白熱すると、徐々に蒸発してしまうため、使用に伴い少しずつ小さくなりやがて切れてしまうのです。

 ではLED電球が発光する仕組みとはどのようなものなのか、簡単に説明します。まずLEDは、発光のための半導体(電気を通す導体と、通さない絶縁体の間の特徴を持つもの)と入出力のための電極を接合(PN接合)し、樹脂で覆った形になっています。
 その発光部となる半導体には、電気の(+)が動くp型半導体と(-)が動くn型半導体があり、これを接合して電気を通すと(+)と(-)が衝突して半導体の接合面が発光するという仕組みです。

 電圧をかけることでプラスとマイナスの電気がぶつかり、そのエネルギーを光に変えて発光しているのです。発光自体が半導体の中で起こるので視覚的にどのような仕組みになっているのかは分かりませんが、白熱電球などと違って電気を直接光に変化させるという発光原理を使っているので、少ない電力で発光することが可能なのです。

 LEDには小さな基板の上にLED素子を乗せて電極を繋ぎ、樹脂コーティングした表面実装型LED(チップLED)と、昔からある砲弾型LEDがありますが、LED電球は表面実装型LEDが使われています。

 ガラスドームの中には、この表面実装型LEDが複数使われています。基盤の上に表面実装型LED が配されその背面側に回路とアルミ板などのヒートシンク(放熱板)がついており、発生する熱を放熱しています。

2章:LED電球のメリット・デメリット

消費電力が少なく、寿命も長いが導入コストは高い

 LED電球を使うメリットはどのようなものでしょうか。まず同じ明るさなら白熱電球よりも消費電力が少ないということでしょう。LED電球の消費電力は、同程度の明るさなら商品によって多少の違いはありますが、およそ白熱電球の1/5程度とされています。また、電球型蛍光灯と比べるとこれはほぼ同等とされています。
 さらに寿命が長いというのも特徴です。消費電力では、電球型蛍光灯と同等ですが、寿命はこれも商品によりますが電球型蛍光灯の約3倍とされています。

 つまり、LED電球は、消費電力が白熱電球と比べて非常に少ないうえ、同等の消費電力とされている電球型蛍光灯よりも3倍もの寿命を持っているということ。これが大きなメリットでしょう。

 ではデメリットはというと、まずはその導入コストです。白熱電球や電球型蛍光灯と比べると値段が高いということがあります。ただし近年普及が急激に進んだことで徐々に価格も下がってきています。
 また、熱に弱いため、電球のまわりをカバーで覆うような密閉型照明や、バスルームの照明など、熱がこもる場所で使うと故障する可能性があります。ただし、そういった照明機器に対応したLED電球というものもあります。

 さらに構造が複雑な分白熱灯や蛍光灯に比べて重量が重いので、照明機器によっては取りつけが不安定になることもあるでしょう。シャンデリアなどに複数取りつける際は総重量などに注意が必要です。
 他には、白熱電球や電球型蛍光灯に比べると光に指向性が高く、360°均一に照らすことが不得意ということもあります。ただし、こちらも徐々に解消されてきています。

 導入コストの高さは気になりますが、寿命の長さや消費電力の低さを考えると、トータルでは白熱電球よりもむしろお得とも考えられます。また前述したデメリットに関しても、技術が進んだことによって徐々に解消されつつあります。

3章:LED電球の光の色と明るさの種類

白熱電球をLEDに電球に交換する際の目安

 従来の白熱電球は消費電力である○W(ワット)数が明るさの目安として使われていたので分かりやすかったのですが、LED電球は、白熱電球よりも消費電力が圧倒的に小さいため、Wが明るさの目安にはなりません。

 そのためその明るさに関しては、ランプから放射される全光束をlm(ルーメン)という値を使って表されるようになっています。
 また、近年は蛍光灯でもLED電球と同じように○W相当・lmと明るさが併記されているものもあります。
 パッケージに記載されたそのルーメン値が大きいほど、明るいということになります。では、使用中の白熱電球のW数に対して、同程度の明るさのLED電球に交換したい、となった場合はどれくらいのlm数のものに替えれば良いのか。それに関しては下記の表を参照してください。
 白熱電球を低消費電力のLED電球に交換しようとした場合、悩むのは明るさだけでなく、発光色ではないでしょうか。LEDの発光色には大きく昼光色、昼白色、電球色といったものがありますが、これらは主に以下のような色温度で分けられています。
・昼光色 /6500K
・昼白色/5000K
・白色 /4200K
・温白色 /3500K
・電球色 /2800K

 色温度はK(ケルビン)で表されそれぞれの発光色は、メーカーによって違いはありますが、大体の目安としてそれぞれ以下のような特徴を持っています。

・電球色

昔ながらの白熱電球のような、温かな印象のオレンジがかった光色です。
穏やかで暖かい感じでリラックスしたい場所(寝室など)に向いています。

・昼白色

太陽光に似たナチュラルな白い光色で自然な明るさです。
リビングやダイニングなど昼間でも人が居る場所に使うと良いでしょう。

・昼光色

昼白色より少し青みがかったクールな感じの光色です。
仕事場や勉強部屋など気持ちを集中させる場所に良いでしょう。

 色温度が高いほど発光色は青白さを増し、逆に低くなると黄色っぽい光になります。

 これら色の違う発光色はどのように使い分けると良いのかというと、まずコントランスが高く細かなものもはっきりと見えやすい昼光色ならば、勉強などの読み書きや、裁縫などの作業する場所に向いています。集中が必要なオフィスなどでも昼光色が使われています。

 昼白色は太陽の光にもっとも違い、自然な色なので、リビングなどにオススメです。自然な色合いの灯りでお部屋を照らしてくれます。洋服の色選びや、洗面所などでメイクの確認をするのにも向いているでしょう。

 温かみの感じられる電球色は、リラックスしたい寝室などに向いています。廊下や階段などの夜の照明にも向いています。また料理も美味しく見えるので食卓の明かりにもオススメです。

・配光タイプの違い

 LED電球には配光の違いもあります。以前のLED電球は指向性が強くスポットライトのように下方向しか明るくないなどと言われており、そのイメージから白熱電球と比べると周りが暗くなってしまうと言われていましたが最近は、白熱電球のように全方向に明るいタイプなども登場しています。

 現在は主に「全方向タイプ」、「広配光タイプ」、「下方向タイプ」などの配光があって、使用する機器や取りつける部屋などによって使い分けることが可能です。
全方向タイプ
広配光タイプ
 配光角度が広いほど明るさが部屋全体に広がります。逆に配光角度が狭いものは明るさが下方向に集中します。全方向タイプは約260°、広配光タイプが約180°、下方向タイプが約140°という広がりを持っています。
 全方向タイプは全体の明るさが必要な場所にオススメのタイプです。シーリングライトやペンダントライト、電気スタンドシャンデリアなどに向いており、設置場所としてはリビングやダイニングなど広い部屋の照明に適しているでしょう。

 広配光タイプはペンダントライトやダウンライト、などに向いています。ダイニングや玄関、キッチンなど限られた空間を明るく照らすのに適しています。
 下方向タイプは、手元や足元などに明るさが必要な場所に向いています。ダウンライトやスポットライトなどに向いており、適した設置場所としては玄関や廊下、トイレや階段の照明などです。

 これらは、使用する場所や器具によって使い分けます。ただし全方向タイプや広配光タイプがスポットライトやダウンライトに使えないというわけではありません。販売店に下方向タイプがなければ、他のタイプを使用しても良いでしょう。ただし下方向タイプをシャンデリアやスタンドなどに使用するのはオススメできません。光が拡散せず暗く感じてしまうでしょう。

 また、調光機能がついた照明機器に取りつける場合は、調光器対応のLED電球を取りつけるようにしてください。パッケージなどを見ると表記があるので確認するようにしてください。

4章:LED電球を購入する際のポイント

購入前に口金のサイズをチェックする

 LDE電球を購入する際、明るさも重要ですが、照明機器に装着できるかそのサイズについても確認しなければなりません。電球のサイズは主に口金によって決まっています。口金とは電球の根本にある、ネジ山が刻まれた金属部分のことです。電球は、この部分を照明器具などのソケットにねじ込み取りつけます。

 口金にはE26やE17などの規格があり、数字の部分が口金の直径をmmで表しています。

 一般家庭でよく使われているのは「E26」型です。トイレやお風呂などに使われているサイズがこちらです。
 E17はミニクリプトン球やシャンデリア球などに使用されており、E11はハロゲンランプやスポットランプなどに多い口金のサイズです。

 この3つサイズが日本の一般家庭ではおなじみで、LED電球でも主にこの3つのサイズがラインナナップされています。口金のサイズを間違って買ってしまったという場合には、口金のサイズを変換できるアダプターなども販売されています。
口金変換アダプター

●口金の種類

・E26
もっとも一般的なサイズ。家庭用の電球としてトイレや洗面所などに多く使用されている。

・E17
ミニクリプトン球やシャンデリア球などに使われているサイズ。少し細い形状の口金で広く普及している。

・E11
ハロゲンライトやスポット電球などに広く使われているサイズ。E26、E17とともに国内で広く使われている。

●口金サイズの測り方

 もし交換用の電球の口金がどの規格が分からない場合は、電球の口金のサイズを測ることで判断することも可能です。それが26mmであればE26規格ということになります。
 口金のサイズを測る場合は、ネジ山のある円筒形となった部分の直径で測りますが、ネジの谷ではなく山の部分で測るようにしてください。
 ノギスなどがあれば簡単ですが、ない場合は定規の目盛の上に口金部分を横に倒して置き、真上から目盛を読み取ることでも測ることが可能です。

 なおE11とE12、E14などサイズが近い物は間違いやすいので、注意してください。購入の際は切れた電球を持って行った方が良いかもしれません。

5章:LED電球の取りつけ方法

口金や明るさなど適したものを選び交換する

 白熱電球からLED電球に交換する場合、どのような点に気をつけるべきなのか。まず大切なのは口金のサイズを確認することです。口金のサイズが合っていなければ物理的に装着することができません。

 主なタイプはE26型とそれよりも一回り小さいE17型です。購入の際はパッケージに表示された口金のサイズをしっかりチェックしてください。

 万が一間違えた場合でも口金変換アダプターなどを使うという方法がありますが、余計な費用がかかってしまいます。分からない場合は取り外した電球を持って、電気店やホームセンターで確認するのが確実でしょう。

 次に明るさを確認します。LED電球の明るさはパッケージなどにルーメンなどの数値で記載されていますが、その数値を見ただけではどれくらいの明るさなのか分かりにくいでしょう。簡単なのはそれまで使用していた白熱電球を取り外して、そのガラスドームの天面を確認することです。 そこに40W型や60W型などの表記がされているはずです。
 その表記と同じ数値がパッケージに表記されたLED電球を選べば間違いありません。

 次にそのLED電球を使用する場所がどのようなところなのか確認します。使用する場所によって適したLED電球があります。前述したような発光色や、配光タイプなどの違いを参考にその場所に合っているタイプの発光色、配光タイプの電球を選ぶようにしましょう。

 次に取りつける照明器具の確認をしてください。洗面所やバスルームなど、プラスチックのカバーで覆われるような照明器具を密閉型器具といいます。
 その名の通り密閉されてしまうので中に熱がこもってしまいます。LED電球の種類によってはそのような状態での使用が禁止されているものもあります。

 そういった機器に取りつける場合には密閉型器具対応のLED電球を選ぶようにしてください。パッケージなどに記載されています。
 同じようにダウンライトに取りつける場合にも注意が必要です。

 ダウンライト機器側にSのマークがある場合は断熱材施工器具ということになります。
 その場合には断熱材施工器具に対応したLED電球が必要です。こちらもパッケージなどでよく確認してください。また調光機能がついた照明機器の場合も、調光機能対応のLED電球を選ぶ必要があります。注意しましょう。

 こういったポイントを確認しながらその照明機器や取りつけ場所に合ったLED電球を購入してください。
 LED電球を手に入れたら次に電球の交換です。交換自体に難しいことはありません。

①古い電球を取り外す

使用していた古い白熱電球を照明機器から取り外します。スイッチをオフにしておき、熱が冷めたのを確認します。

白熱電球は高温になりますのでスイッチをオフにした直後に手で触れないようにしてください。念のため軍手などをしておいた方が良いかもしれません。

あとは電球を持ち、反時計回りに回転させれば電球が外れます。

②LED電球を取りつける

用意しておいたLED電球を取りつけます。取り外したときと反対に時計方向に回転させれば取りつけることができます。奥までしっかりとねじ込まれているか確認してください。

あまり力を入れすぎると口金などが破損してしまうこともあるので注意しましょう。

③スイッチを入れる

照明のスイッチを入れて点灯するかどうか確認します。

これで完成です。

6章:LED電球の寿命・替え時は?

突然切れるのではなく徐々に光が弱くなる

 白熱電球よりも長寿命とされているLED電球ですが、もちろん使用していればやがて寿命を迎えます。機器のメーカーによって差はありますが、およそ約4万時間というのが一般的なLED電球、LED照明の寿命とされています。 
 ただしこの寿命は、白熱電球のように完全に切れてしまう時間ではなく、使用開始時の明るさに対して、70%程度まで明るさが落ちてしまうまでの時間を示しています。LED電球は、寿命を迎えても白熱電球のように突然切れて点灯しなくなることは基本的にありません。そうではなく使用しているうちに次第に光が弱くなっていくのです。
 白熱電球のように切れることで明確に交換時期が分からないので、LED電球は、周囲のLED電球と比べてそれえだけが明らかに光が弱くなってきたな、と感じたら交換時期と考えましょう。
 徐々に光が弱くなる前に、突然点灯しなくなったという場合は電球そのものが寿命を迎えたのではなく、照明機器の故障か、電球内部に組み込まれている電子回路の故障が原因と思われます。
 LED電球の中には価格は安いけれど、品質に劣るものも残念ながら出回っています。そういったLED電球は回路そのものの作りがずさんなものもあり、寿命を迎える前に熱などによって回路が故障してしまうものもあります。信頼できるメーカーのものを購入して交換してください。

 また、周囲の環境の温度の上昇によって点灯しなくなるという場合もあります。これは温度が一定数値を超えると通電しなくなるようにはじめから回路が設計されているからです。
 そのLED電球にきちんと放熱対策が施されていればそのようなことはありませんが、繰り返し高温にさらされると回路の劣化が進み、寿命を迎える前に通電しなくなってしまう場合があります。

 バスルームなど高温になる環境で使用する場合は「浴室灯対応」などといった表記のあるLED電球を使用するようにした方が良いでしょう。
 ちなみに寿命とされる4万時間は、1日10時間点灯させたと考えても約8年から10年です。つまりそれだけ長い期間LED電球は交換することなく使い続けることができるということです。
 さらに、点けっぱなしにするのではなくこまめにスイッチを切り、点灯時間を短くすればさらに長い期間使用し続けることも可能です。LED電球はもともと低消費電力ですが、賢く使用することでさらに省エネになります。

まとめ

 低消費電力で長寿命、発光色のバリエーションも豊富で、明るさも十分。さらに機能性に優れたものまであるLED電球はこれからの照明としてまさに理想的なものといえるでしょう。
 温かみのある灯りで、周囲をやさしく照らす白熱電球にも魅力がありますが、省エネを考えればよほどの理由がない限り使い続けるのはあまり賢明なこととは思えません。
 
 また、すでに商品としてのバリエーションも減っており、売り場でも選択肢はほぼなくなってきています。もし今使用している白熱電球が切れたときには、多くのメリットを持つLED電球にぜひ交換してみてください。思った以上に快適な灯りとなってくれるはずです。
 そして、交換の際は、前述したような点に気をつけて、目的やシチュエーションにマッチしたLED電球を間違えずに選ぶようにしてください。

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