ウォッシャー液とは?
液体の種類と交換・補充方法

 ホコリや不純物が混じった雨や雪、また前のクルマが巻き上げた泥水に、季節によっては黄砂や花粉など、クルマのウインドウは放っておけばすぐに汚れてしまいます。走り始める前ならまだ掃除もできるでしょうが、走行中に汚れや油膜が気になったり、また前を走行するクルマが巻き上げた泥水で汚れてしまった場合などはそうはいきません。

 そんなときに活躍してくれるのがワイパーと、そしてウォッシャー液です。ワイパーだけでは泥や油性の汚れは落ちません。洗浄剤であるウォッシャー液が必要となります。
 しかし、ウォッシャー液はもし空になっていても走行に支障があるわけではないのでついつい補充を忘れてしまいがちです。でもいざ必要となったときに空っぽとなったら大ピンチです。そんなことにならないように普段から点検と補充は行っておくべきでしょう。

 そんなウォッシャー液ですが、いつもディーラーやガソリンスタンドなど人任せにしていて自分では補充もしたことがない、などという方はいないでしょうか? それどころかどこに入れれば良いのか知らない、などという方ももしかしたらいるかもしれません。

 エンジンオイルや冷却水などと違ってウォッシャー液の補充はとても簡単です。どこに補充すれば良いのか、どんなものを使ったら良いのか、また補充の際に注意点はあるのかなど、その基本についてご紹介しますのでぜひ自らの手で点検や補充をしてみてください。

1章:ウォッシャー液とは?
2章:ウォッシャー液はこんなときに使う
3章:ウォッシャー液の種類
4章:ウォシャー液は水で代用できる?
5章:ウォッシャー液の交換のタイミング
6章:ウォッシャー液の交換・補充方法
7章:ウォッシャー液が出てこない原因
まとめ

1章:ウォッシャー液とは?

ウインドウについた汚れを洗浄し視界を確保してくれる

 ウォッシャー液とは、クルマのウインドウに吹きつけてワイパーを使い、窓ガラスを洗浄するために使われる液体です。最近はヘッドライトにもウォッシャーが使われており、フロントガラスやリアガラス、ヘッドライトの汚れを落として視界を確保してくれるとても大切なもの。

 しかし使用すれば当然それは減っていくので定期的に補充する必要があります。
 その主成分はメタノールと界面活性剤です。界面活性剤は汚れの表面に吸着して、汚れと水との間の表面張力を小さくして汚れを浮き上がらせます。これによって水だけでは落とせない泥や油膜汚れを洗浄してくれるのです。
 この界面活性剤ですが何も特別なものでなく市販の台所用洗剤にも使われています。であるならば、台所用洗剤をウォッシャー液がわりに使って良いかというとそれは絶対に避けた方が良いでしょう。
 なぜなら台所で洗い物をしたことがあればわかると思いますが、台所用洗剤は泡切れがよくありません。ウインドウに吹きつけたのは良いけれど泡が残ってかえって視界が悪くなるかもしれません。油膜が取れるどころか油膜になってしまう洗剤などもあるようです。

 また成分がウインドウに残って跡になってしまう可能性もあるでしょう。それにボディの塗装に悪影響がないとも限りません。

 クルマのウォッシャー液には塗装への影響なども考えて防錆剤などが入っており、悪影響を与えないよう考慮されています。やはり専用のものを使うのが一番です。

 ウォッシャー液自体は決して高いものではありません。ホームセンターやカー用品店などに行けば数百円で手に入るはずです。また凍結防止や油膜除去などクルマで使用することを考えた成分も入っています。よほど緊急でない限りは専用のウォッシャー液を使うようにしてください。

2章:ウォッシャー液はこんなときに使う

雨上がりに汚れたウインドウをクリアにしてくれる

 ウォッシャー液が活躍してくれるシーンは雨上がりなどです。雨は水だけでなくホコリをはじめ様々な不純物が含まれています。そのため雨上がり水分が乾燥するとウインドウには雨粒の跡が残ってしまいます。そのままでも視界は確保されますが、汚れがひどかったり、また夜間など暗い場所では光が乱反射して視界を遮ってしまう場合があります。

 そんなときはウォッシャー液を噴射してワイパーで拭い取れば視界がクリアになるはずです。
 また雨中の走行で前を走るクルマが泥水などを跳ね上げた場合もウォッシャー液が活躍します。泥混じりの雨水をワイパーで拭っても汚れが伸びるだけでかえって視界が悪くなってしまいます。

 洗浄の効果の高いウォッシャー液を使えば、そんな泥混じりの雨水も洗い流すことが可能です。もちろんあまりにひどい場合は、一旦停車してウエスなどを使って拭き取った方が良いですが、走行中であればウォッシャー液が頼りです。視界が遮られたことが原因で事故などを起こしてしまっては最悪です。

 ただし雪の場合は注意が必要です。あらかじめ雪に対してウォッシャー液も準備をしておかないと、吹きつけた
ウォッシャー液が凍結してかえって視界を妨げてしまうこともあります。それどころかそもそもウォッシャー液のラインが凍結してウォッシャー液が全く出ないなどということもあります。その対策については後述します。

3章:ウォッシャー液の種類

撥水タイプと油膜除去タイプは混ぜないように注意

 ウォッシャー液には様々な種類があります。シンプルな洗浄効果だけを持ったものから、強力な油膜除去機能を持ったもの。さらに、使用するだけで撥水コーティング効果を発揮してくれるものや寒冷地での使用を考慮した融雪効果を持ったもの、凍結に強いものなどまで様々です。
一般的なウィンドウウォッシャー液
油膜取りタイプのウィンドウウォッシャー液
撥水ウィンドウコーティング効果を持つ
ウィンドウウォッシャー液
低温に対応し解氷効果も持つ
寒冷地用ウィンドウウォッシャー液
-60度低温対応で、解氷効果と撥水コーティング効果も持つ寒冷地用ウィンドウウォッシャー液

 このようなものから自分の目的に合ったものを入れるようにすると良いでしょう。ただ、気をつけなくてはいけないのがウォッシャー液を入れる際、前に入れたものが残っている場合混ぜても良いのかということでしょう?

 これに関しては混ぜないのが正解です。単なる洗浄成分だけを持つウォッシャー液ならば例え混ざってもそれほど悪影響はないかもしれませんが、できれば古いものを使い切ってから新しいものを注入するのがオススメです。
 特に注意しなくてはならないのが以前入れていたウォッシャー液が撥水コート用であったのに、新たに油膜取りタイプウォッシャー液を入れたいというパターンです。

 冷静に考えればわかるのと思いますが、これは絶対にNGです。ガラスの表面をコート剤でコーティングしてくれるウォッシャー液と、ガラスの表面の油膜や汚れなど不純物を除去するウォッシャー液というのはいわば全く逆の性質を持ったもの。

 これらを混ぜてしまえば、コーティング効果も油膜取り効果も発揮できないだけでなく、本来のウォッシャー液としての洗浄効果へも悪影響を与えてしまいかねません。それどころか化学変化を起してウォッシャーノズルを詰まらせてしまう可能性もあります。

 ですから、別の機能を持ったウォッシャー液に変更したいという場合は残っているウォッシャー液は全て使い切ってしまってから入れ替えるようにしてください。そうすれば余計なトラブルを避けられるはずです。
 また、普段からウインドウコーティング剤を愛用しているなら、ウォッシャー液も同じブランドの撥水コートタイプを使用するのがオススメです。合わせて使用することでワイパーを使用した際のビビリり音を抑えることができ、また撥水効果を長持ちさせることができます。面倒な撥水コート作業の頻度を減らすことができるのもメリットです。

 逆に撥水コートをしていないのに、撥水コートタイプのウォッシャー液を使用すると、中途半端にウインドウが撥水コーティングされてしまい逆に雨のときの視界が悪くなってしまうこともあります。注意しましょう。

4章:ウォッシャー液は水で代用できる?

緊急時以外は水で代用するのは避けるべし

 とりあえずウインドウを洗えれば良いから、ウォッシャー液変わりに水を使っても良いのではないか、そう考える方もいるかもしれません。

 しかし、それはドライブ先でどうしてもウォッシャー液が手に入らないなど、よほどの緊急でない限りは避けるべきです。特にミネラルウォーターは入れないようにしてください。なぜならミネラルウォーターには水道水のように殺菌成分であるカルキが含まれていないからです。そのため封を開けた後の保存がききません。

 そのため、以前入れていたウォッシャー液の洗浄成分や、ホコリ、オイルなどの混じったウォッシャータンクにその殺菌成分の入っていないミネラルウォーターを入れてしまうと、雑菌やカビ、藻などが繁殖してしまうことがあるのです。

 さらに、カルシウムやマグネシウムなどのミネラル成分がウインドウやボディに付着し跡になってしまうこともあるのです。だから避けるべきなのです。
カビや雑菌の繁殖の原因となるのでミネラルウォーターはウォッシャー液の替わりに使用しない。
 水道水に関してもオススメしません。カルキが入っているのでミネラルウォーターよりはマシですが、ウォッシャー液のような長期間の防腐効果はありません。短期間で使い切ってしまえば良いですが、長期間放置すれば腐ってカビや場合によっては藻が生えてしまうこともあるからです。

 場合によってはそんなカビや藻がウォッシャー液のパイプを詰まらせてしまうこともあるのです。どうしてもウォッシャー液が手に入らなくて、一時的に水道水で代用するというくらいなら良いですが、ウォッシャー液が手に入ったら早急に交換するようにしてください。

5章:ウォッシャー液の交換のタイミング

気温が下がってきたら寒冷地用に交換する

 ウォッシャー液の交換時期は、基本的にはタンク内の残量が減ってきたときに補充すれば問題ありません。だいたい1月に一度くらいの頻度でチェックをすると良いでしょう。使用頻度の高い梅雨時などはちょっと点検サイクルを短くした方が良いかもしれません。

 ただ、いざ使用しようと思ったときにタンクが空だったというケースも多いのでできるだけこまめに点検する習慣をつけておいた方が良いでしょう。

 また、寒冷地にお住まいの方であれば、気温が下がり始めたら寒冷地用のウォッシャー液や、濃縮タイプのウォッシャー液へと交換した方が良いでしょう。またウインタースポーツを趣味とする方も、降雪地にドライブする機会が増えるでしょうからウォッシャー液を同じように寒冷地用の低温でも凍結しないタイプに替えておきましょう。

 油断して希釈したウォッシャー液などを入れておくと、ドライブ中にウォッシャー液を噴射したとたんにウインドウの上でウォッシャー液が凍結、視界がゼロになったしまった、などという危険もありえます。くれぐれも注意してください。

6章:ウォッシャー液の交換・補充方法

タンクの位置を確認して注入するだけと簡単

ウォッシャー液の交換はとても簡単です。手順は以下の用になります。

①ウォッシャータンクを確認

 まずはウォッシャータンクを確認します。ウォッシャータンクはほとんどの場合ボンネット内、エンジンルームの隅にあるはずです。
 クルマのボンネットを開けて半透明のタンクを探してみてください。

 タンク本体が見えず、写真のように補充口のみが上部にあるというクルマもありますが、キャップ部分に扇形に、噴水のようなマークが描かれていますので、それを目印に探してください。
噴水のようなマークが目印。
冷却水のタンクなどと間違えないように注意しましょう。

②キャップを開けウォッシャー液を注ぐ

 キャップの位置が分かったらフタを開け用意しておいたウォッシャー液を注ぎます。
 ウォッシャー液によっては希釈して使用するものもあります。その場合は混合率を説明書きで確認して、その比率通りに水で希釈するようにします。

 冬場は希釈しすぎると凍結する可能性もあります。地域や季節に応じて希釈の割合が変わるものもあるのでよく確認しましょう。タンクにはたいていFULL、またはMAXの目盛りがあるのでそれを見ながら液面がMAXになったら作業完了です。目盛りのないものは注ぎ口を見ながら溢れないように注意して注ぎます。

●ウォッシャー液を交換する方法

 ウォッシャー液を、撥水タイプから油膜取りタイプなど、別のタイプに交換したい場合は、前述したように混ぜることなく一旦今使っているウォッシャー液を全部抜き取ってから新しいものに入れ替えます。

 交換方法も簡単です。まずは通常のウォッシャー液を出す要領で、ワイパーレバーを引き続けます。このようにしてタンク内の残っているウォッシャー液を全て空にしてください。
 気をつけないといけないのは、タンク内に大量のウォッシャー液が残っている場合です。長時間ウォッシャーポンプを使い続けることになるので、それが余計な負荷となって故障を起こしてしまう可能性があることです。その場合は一度で全て噴射させるのではなく、数回に分けて作業すると良いでしょう。

 タンク内のウォッシャー液を全て噴射することができたら、すぐに新しいウォッシャー液を入れるのではなく一旦水を入れます。これは元のウォッシャー液が撥水コーティングタイプで、新しいウォッシャー液が油膜取りタイプなどの場合、化学反応を起こして詰まりの原因になる可能性もあるので、できるだけ混ざるのを避けるためです。

 ウォッシャー液はウォッシャータンクだけでなく噴射ノズルや、ノズルまで繋がるホースにも残っています。これらを水道水によって一旦洗い流すのです。

 タンクに半分ほど水を入れ、先ほどと同じようにタンクが空になるまで噴射します。空になったら新しいウォッシャー液を注入しましょう。注入方法を前述したとおりです。これで完了です。

7章:ウォッシャー液が出てこない原因

 ウォッシャー液を使おうとしたのに、噴射されないという場合はどのような原因が考えられるでしょうか。まずチェックすべきなのはウォッシャー液の残量があるかどうかです。これはタンクを見れば一目で分かります。

 残量が十分にあるという場合は次に確認するのはウォッシャータンクから伸びるホースのチェックです。ホースに亀裂がないか、また外れていないかを確認します。

 特に異常がない場合はウォッシャーノズルをチェックしましょう。ウォッシャーノズルはクルマのボンネットにあるウォッシャー液を噴射するノズルのことです。この部分がホコリやウォッシャー液の洗浄剤などで詰まっているとウォッシャー液は噴射されません。

 目視では分かりにくいですが安全ピンや細い針などを使ってノズルの穴を軽く掃除してみてください。詰まりが取れれば治る可能性があります。
 タンクもいっぱい、ホースにも異常がなく、ノズルの詰まりもないという場合はポンプの故障が考えられます。レバーを操作したときにエンジンルームからウォッシャーの動作する音が聞こえないようなら、ポンプ故障の可能性が高いでしょう。

 その場合は自動車ディーラーや修理工場に持ち込んで修理を依頼してください。ウォッシャーはそれが壊れていても走行には支障がありませんが、いざという時に視界が確保できず大きなトラブルになることもあります、決して故障を放置しないようにしてください。

まとめ

 走行に関わるものではないので、ついつい見落としがちなウォッシャー液の残量。しかし、いざという時に使えないととても不便ですしそれが大きなトラブルに繋がる可能性もあります。

 ウォッシャー液自体はとても手ごろな価格ですし、様々な機能を持ったものがあって、選ぶのも意外に楽しいもの。その点検や補充もとても簡単なので、ぜひご自身の手でメンテナンスをしてみてください。きっとクルマへの愛着がさらに増すはずです。

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