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SPF材とは? 木材の種類と選び方
SPF材とは? 木材の種類と選び方
価格も安くホームセンターなどで簡単に手に入れやすいということから、DIY用としてとても人気が高い木材がSPF材です。
サイズなども様々な規格のものが揃っているため加工も最小限に済みアイデア次第で様々なものに姿を変えてくれます。
そんなとても身近な木材であるSPF材ですが、そもそもSPF材とはどのようなものなのでしょう。おそらくあまり意識せず使用されているという方もきっと多いはずです。
そこでDIYではとても身近な木材SPF材について、そもそもSPFとはどういう意味なのか、またそのメリットやデメリット、さらに選び方やSPF材を使用したDIY例など、これからSPF材を使って何かを作ってみたいと考えている方にとって、役立つ情報をお届けします。
1章:SPF材とは?
2章:SPF材のメリット・デメリット
3章:SPF材の種類と規格
4章:SPF材の選び方
5章:SPF材の活用アイデア
まとめ
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1章:SPF材とは
軽くて、柔らかいので加工がしやすく入手も容易
SPF材とはどのような木材のことを指すのでしょうか?
まずこのSPFという名称ですが、これは3つの木の名前の総称です。その3つの木とは、北米産の針葉樹であるスプルース(Spruce/トウヒ)、パイン(Pine/松)、ファー(Fir/もみの木)です。このそれぞれの頭文字を取ってSPF材と呼ばれているのです。
これらの木は成長がとても早いので軽く価格が安いという特長があります。しかし、成長が早い分木材としての密度は低くなってしまうので耐久性はあまり高くありません。また、虫にも弱く環境によっては腐りやすい(防腐処理をしておけば大丈夫ですが)とされているため屋外や長期間の使用に向かない、ともいわれています。
しかし材質が柔らかいので、加工が容易でDIYの初心者でも比較的簡単に取り扱うことが可能です。また、2×4(ツーバイフォー)工法の住宅などでもよく使用されており、家具やウッドデッキの材料としても活用されています。そのため、ホームセンターにも様々なサイズが豊富に揃っており、DIYでは非常に重宝する木材なのです。
2章:SPF材のメリット・デメリット
加工しやすいが傷が付きやすく虫にも弱い
DIYの材料として、とても重宝するSPF材ですが、使用する上でのメリットやデメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。
まずはメリットです。なんといってもSPF材は成長の早い木を使い明確に規格化されています。その上大量に生産されているのでとても安いという点が一番のメリットでしょう。無垢材であってもとても手ごろな価格で購入することができます。
また木材を扱っているホームセンターであれば、ほとんどのお店で取り扱っています。そのため入手がとても容易で製作途中で失敗してしまった、材料が足りなくなった、というときにもすぐに手に入るのでとても便利です。
さらに、加工のしやすさも見逃せません。そもそも木材として柔らかいので切ったり削ったりといった加工が比較的簡単に行えます。さらにあらかじめ表面が研磨されているので表面を塗装しなくても見た目がきれいですし、角も丸められているので扱いも簡単。はじめて木材を扱うという場合にはこういったことが何よりも大きなメリットと言えるでしょう。
ではデメリットにはどのようなことがあるのか。メリットである柔らかさは逆に加工の際に傷が付きやすいというデメリットにもなります。密度が低く軽いのは良いのですが工具が少し当たっただけでも簡単にへこんでしまうのです。
また釘やビスなどを打った際割れなどもおきやすいようです。
そしてシロアリなどの虫の被害に遭いやすいというのもデメリットでしょう。密度が低く柔らかいということから虫に好かれてしまうようです。また耐水性もあまり高くありません。屋外で使用する際は防腐のために表面にしっかりと塗装しなくてはなりません。
早く成長し、密度が低いということから反りや曲がりなども生じやすいといわれています。このようにメリット・デメリットはありますが、その特長を把握した上で適材適所に使用すればDIY用の材料としてとても使いやすい材料といえるでしょう。
3章:SPF材の種類と規格
明確な規格があるので用途に合わせて選びやすい
SPF材のサイズには様々なものがあります。2×4(ツーバイフォー)工法などの建築の材料として使われる2×材(ツーバイ材)や1×材(ワンバイ材)として流通しています。角材や板材ともに種類は豊富ですが明確な規格サイズとなっているため、選びやすいのも大きな特長です。
サイズの規格は1×○○、2×○○などがあってサイズはcmではなくインチで表されています。ちなみに1インチは2.54cmです。
では代表的な2×4材なら断面はどれくらいのサイズなのかというと、38×89mmとなります。2×4材はこのサイズの断面をもった角材となります。
鋭い方は「あれ? 2×4で2インチ×4インチなら、50.8×100.16mmなのでは?」と疑問をもったかもしれません。確かに2×4材はその名前通りに2インチ×4インチのサイズになっていません。
これに関しては、木材を切り出した直後の水分をたっぷり含んだ状態のサイズが2×4で、乾燥を経て一回り小さくなってしまうからこのサイズになっているという話も一部でいわれています。しかし実際には1940年代ごろまではちゃんと2インチ×4インチのサイズで流通していたようです。
ではどうしてこうなったのか。一説には世界大戦後、急増する住宅の建設に対して2×4材が不足、その需要増に応えるために一回り小さなサイズに規格が変更されたといいます。
サイズを小さくすることで流通量を増やし増加する重要に応えた、ということですね。どうもこちらのほうが理屈としては合理的ですし、真相に近いようです。そしてそれがそのまま定着し、現在の規格サイズになったということなのでしょう。
代表的な2×材、1×材の断面の大きさは以下のサイズになります。2×4だから2インチ×4インチと覚えるのではなく、購入の際はこちらのサイズを参考にしてください。
長さに関しても3フィート(910mm)から、20フィート(3650mm)ほどまで揃っているはずです。複数のサイズの木材が必要な場合はホームセンターで長い物を購入し切り分けてもらうのが良いでしょう。上記のサイズは規格ですが、乾燥状態や加工によるバラツキのため多少の誤差はあります。DIYなどで使用する際はしっかりサイズを測った上で使うようにしましょう。
4章:SPF材の選び方
反りや曲がりだけでなく節や樹液などもチェック
SPF材は前述したようにリーズナブルながら軽く加工性に優れた使いやすい素材ですが、強度はそれほど高くありません。また乾燥によって反りや曲がりなどの起きやすい木材であるともいわれています。売り場などで実施にチェックしてみると、中には明らかに反っているものや、節などが目立っているものなどもあります。そのため購入の際はできるだけ良いものを選ぶ必要があります。
ではどのようなポイントをチェックすれば良いのでしょう。気をつけるべきところは以下のような点です。
●
反り、曲がり
目視をしてできるだけまっすぐな木材を選ぶようにしてください。よくわからない場合は平らな場所においてみると良いでしょう。床や壁など平面にくっつけてみて端が浮くようであれば反りや曲りがあるということです。
●
樹液やヤニが出ていないか
樹液やヤニはカビの原因にもなるので垂れているものは避けてください。また樹液が出ているとノコギリやサンダーなどが引っ掛かり加工の際の障害にもなります。また見た目にもよくありません。
●
節や傷
大きな節や傷があるものも避けましょう。特に節は、節抜け(節部分が取れて穴があく)してしまうと強度も落ちますし、見た目も良くありません。変形の原因にもなりますのでできるだけないものを選んでください。
●
割れやカケ、へこみ
当たり前ですが割れやカケ、へこみなどもチェックします。前述したようにSPF材は比較的柔らかな木材です。そのため、店頭に並んでいるものの中には割れやカケ、へこみなどの傷がついてしまっているものもあります。大きな割れやカケは強度に影響を与える可能性もありますし、へこみはあとあと表面の仕上げに手間がかかってしまうので避けましょう。できるだけ見た目にきれいなものを選ぶようにしてください。
5章:SPF材の活用アイデア
加工し易いSPF材でダイニングテーブル作り
SPF材は加工性が高く、扱いやすいのでDIYの材料としてとても優れています。アイデア次第で様々なものを作り出すことができるでしょう。そこで、ここでは1つの例としてSPF材を使用したダイニングテーブルの作り方を紹介します。
●
道具
電動ドライバードリル
ノコギリ
サンドペーパー
曲尺
メジャー
木工用接着剤
コーススレッド
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材料
2×4材
長さ70cm:8本(脚用4本、ベース用4本)
長さ80cm:4本(天板ベース用)
長さ107cm:2本(天板フレーム用)
長さ130cm:1本(脚連結用)
杉カフェ板(天板用)
150×20×3cm:4枚
①脚のベースを加工する
まずは用意したテーブルの脚のベースとなるパーツを計8枚加工します。それぞれの角を斜めに切り落としてください。70cmの2×4材4本、80cmの2×4材4本の両端角、片側ずつを45度に切り落とします。切断面はサンドペーパーで磨いておきます。この加工は装飾のためです。
②脚を固定する位置に印をつける
用意できた8本のベースの脚を固定する位置に印をつけます。まず巻尺を使い、それぞれの真ん中の位置に線を引いてください。
そして、真ん中の線から両端に向かって26cmの位置に線を引きます。その位置に脚を固定します。
③脚をベースに固定する
印をつけ終えたら脚となる70cmの2×4材を用意してください。上に70cm、下に80cmのベース材を仮置きして位置を確認したらその上から脚を乗せます。
曲尺を使い正確に直角を出しつつ、木工用接着剤を塗った後に65mmのコーススレッドで上下とも固定してください。
④ベース材で脚を挟み固定する
さらに脚の上側からも用意しておいたベース材を固定します。2本のベース材で脚を挟み込む形になります。脚と2枚のベース材の位置がずれないようにガイド用の端材を使うなどしてしっかり揃えましょう。床との接地部分が水平でないと安定しないので注意してください。
⑤脚を2セット作る
同様にもう1セットの脚も組み立てます。
⑥左右の脚を繋ぐ
組み立てた脚2セットを床に並べます。ガタガタしないか確認しましょう。問題なければこの左右の脚を繋ぎます。用意しておいた130cmの2×4材を左右の脚の中央を結ぶように仮置きします。中央は②で印を付けた線を目印にしてください。問題なければ木工用接着剤を塗り、左右4ヶ所ずつコーススレッドを打ちこみ固定します。
⑦天板のフレームを固定する
次に脚の天板側、天板を支えるフレームとなるパーツを取り付けます。107cmの2×4材を2本コーススレッドで固定します。取り付け位置は脚の位置を基準に、コーススレッドを打ちこめるように写真のように少しずらします。
これで天板を支える脚とフレームができました。
⑧天板の位置を確認する
次に天板を固定します。天板はSPF材と相性の良い木目の美しいカフェ杉板を使いました。反りも少なくSPF材よりも丈夫なので天板にもぴったりです。一度仮置きをして、フレームから5cmはみ出すように位置を正確に合わせます。
⑨天板を固定する
仮置きして問題なければ固定します。天板は4枚でワンセットです。1枚につき両端2ヶ所ずつ計4本のコーススレッドでしっかりと固定してください。ネジの頭が飛び出さないよう、また打ちこみ過ぎてへこみにならないように慎重に打ちこみましょう。
⑩完成
計4枚、全ての天板を固定したらこれで完成です。
2×4材を使って木目を生かしたダイニングテーブルができました。2×4材はあらかじめ長さを合わせ切断しておいたものを組み立てただけなので作業はとても簡単でした。SPF材をうまく活用すればこんな立派なダイニングテーブルを作るのも決して難しくありません。ぜひチャレンジしてみてください。
まとめ
SPF材は入手が容易で値段も手ごろということから、DIY用の材料としてとても人気があります。また、加工性も高いため初心者でも扱いやすく、アイデア次第で様々な用途に活用ができる便利な木材です。
ただし、軽く、加工しやすいという特長は、半面、強度があまり高くないということでもあり、決して万能というわけではありません。
しかし、その特性を理解してうまく使ってやれば、ご紹介したような立派なダイニングテーブルや、塗装や防腐処理など行えばウッドデッキなどにも姿を変えてくれます。
DIY初心者がいきなり高級木材を使用するのはハードルが高いでしょう。まずは手ごろで扱いやすいSPF材を使ってしっかりと腕を磨きスキルアップを目指してみてはいかがでしょう。
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