防水塗料の効果と塗り方

 雨ざらしの屋外の建物の壁面や屋根、ベランダなどの外壁は、住宅の設備のなかでも普段あまり気にしない場所です。しかし、日差しや雨風の影響で外壁材の表面は劣化していきます。そして、劣化を見過ごしていると外壁自体が傷んでしまい、雨漏りの原因になります。
 こうした劣化を低下させる有効な対策として挙げられるのが、建物の塗装です。水に強い防水塗料を塗れば、雨水の侵入を防いで建物の耐久性を高め、美観を維持することができるのです。
 防水塗料といえども用途によって種類はさまざま。そこで防水塗料の特徴や種類などを解説するとともに、選ぶコツや塗り方などを紹介します。

1章:防水塗料とは?
2章:防水塗料で防水効果が得られる仕組み
3章:防水塗料のメリット・デメリット
4章:防水塗料の種類
5章:防水塗料はこんな時に使える
6章:下地に塗るシーラーとフィラーとは
7章:防水塗料の選び方
8章:防水塗料の塗り方
9章:防水塗料の耐用年数・寿命

1章:防水塗料とは?

 防水塗料とは、防水性能が高い塗料を指します。防水塗料は屋根、ベランダ、建物の壁面などの屋外の外壁のみならず、水道の配管など、さまざまなシーンで活用されています。特定の塗料の種類やウレタン、シリコン塗料ではなくカテゴリーの名称ではありませんまた、屋上やバルコニーなどで使われるウレタン防水やFPB防水などの「防水材」とも混同されることも多いのですが、防水性能や施工方法が異なります。
 防水塗料は、主にひび割れ(専門用語でクラックと呼ばれています)に追随して雨漏りを防ぐことができる防水機能が高い塗料の「弾性塗料」を指すことが多いため、今回はこの「弾性塗料」の効果や種類などを中心に紹介していきます。

 弾性塗料は、塗膜に伸縮性があってひび割れに強いのが特徴です。主にひび割れ(クラック)しやすいモルタルの外壁やベランダなどに使われています。二液形のウレタン、シリコン、フッ素塗料などの一般的な塗料に弾性機能を持たせた弾性塗料は、非常に弾力性が高い「高弾性塗料」と、やや弾力性を持つ「微弾性塗料」に分かれます。また、合成樹脂に弾性機能を持たせた硬化剤を「硬質塗料」と呼ばれ、この3種類に大別されます。
 弾性の伸び率の基準はJIS規格で定められています。弾性塗料は20℃で120%以上伸びる塗料を指し、微弾塗料は20℃で伸び率は50〜100%といわれています。


塗膜防水系のウレタン防水材やFBP防水材などの特定塗料やカテゴリーの総称ではなく、防水性能の高い「弾性塗料」を指すのが一般的です。そのため、今回はこの「弾性塗料」の効果や種類などを中心に紹介していきます。

2章:防水塗料で防水効果が得られる仕組み

 なぜ弾性塗料が、防水性に優れていて防水塗料として利用されているのでしょうか。最大の特徴は一般的な塗膜と比べて、ゴムのような弾力性を備えていて塗膜が柔らかいためです。
 建物は地震の揺れや交通量の多い場所などで起こる小さな振動を受け、そのダメージが蓄積されてひび割れ(クラック)が出てしまいます。そしてこのひび割れから雨水が侵入します。一般的な塗料の場合、塗膜も一緒に割れてしまうので、ひび割れから雨水が侵入してしまうのです。
 一方、弾性塗料は表面が固まっても塗膜がゴムのような弾力性を維持するので、ひび割れしても塗膜が伸びて塗装表面を割れにくくし、水を弾く効果を発揮して雨水の侵入を防いでくれます。各メーカーから発売されている防水塗料は、この特性を活かした弾性の性質を備えています。

3章:防水塗料のメリット・デメリット

 防水塗料(弾性)は非常に優れていて屋外の住宅設備には欠かせない塗料だと思うかもしれませんが、不向きなケースも考えられます。防水塗料のメリットとデメリットをまとめました。

●メリット

弾力性の強みを活かして雨水の侵入を防ぐ

 これまで紹介したように、防水塗料の最大のメリットはゴムのような弾力性を持っている点です。特にモルタルやコンクリートなどに有効です。
 防水塗料を使っていれば、ひび割れが起きても塗膜が割れるのを抑えて雨水の侵入を防いでくれます。また、保護性能を長期的に維持してくれる点もメリットといえます。
 ただし、経年劣化によって伸縮性は失われていくので定期的なメンテナンスが必要になります。また、仕上げ方の作業工程の工法によって使用する塗料が分かれているため、注意しましょう。

●デメリット

伸縮性が優れているがゆえに効果を発揮できない部材がある

 防水塗料はサイディングボードには不向きです。サイディングボードとは、近年の住宅の外壁材に多く採用されているボードです。サイディングボードは断熱性が高いのが特徴です。そのため、防水塗料を塗った場合、夏場は表面が高温になってその影響で蒸気が発生し、塗膜に水分が溜まり剥がれや膨れなどの原因になります。
 また、コーキング剤の上に防水塗料を直接塗ってしまうと、表面が黒く汚れるブリードという現象が発生する可能性もあるので注意が必要です。

4章:防水塗料の種類

 防水塗料は、先ほど紹介したように硬さの種類は「弾性塗料」「微弾性塗料」「硬質塗料」の3種類です。そして防水塗料には他の塗料と同様に水性塗料と、油性塗料の2種類があります。

●水性塗料

 水を溶剤として使用している塗料。水性なので、「水に弱く落ちやすい」というイメージを持たれるかもしれませんが、乾燥してしまえば水に弱いということはないので問題ありません。
 防水性の水性塗料は臭いが少なく、リーズナブルな価格が揃っています。最近では耐久性などの性能が高まり、健康被害や環境被害の原因物質の1つとされるVOC排出量の少ないものが増えていることから、防水塗料の主流になってきています。

網目状ローラーを使って、高級感のある美しい凸凹仕上げができる水性塗料です。モルタルやコンクリートに生ずるひび割れに強い、弾力性のある膜を作ります。

●油性塗料

 ペイント薄め液などを溶剤に使用している塗料。主剤と硬化剤を混ぜる二液タイプのものが多く、水性よりも密着性が高いため、劣化の進行している部分などで効果を発揮します。
 水性よりも値段は高価ですが、設備に直接塗装できることが多いので水性塗料よりも作業工程を短縮することができます。特に外壁の塗装で利用されることが多いのですが、シンナーなどが主成分のため臭いが強いので、最近では性能が向上した水性を使うことが多くなっています。

5章:防水塗料はこんな時に使える

 防水塗料は、雨漏りの原因といわれるひび割れを最小限に食い止めるのでベランダや建物の壁面などの塗装に効果を発揮してくれます。さらに屋根の塗装にも最適です。
 防水性を高める性能に加え、防カビ、耐アルカリ性、耐候性、対汚染性などの性能を備えた防水塗料もあるので用途に応じて使うようにしましょう。

・ベランダ(バルコニー)
 ベランダの雨漏り対策は、劣化だけでなく磨耗も防いでくれる塗料を選びましょう。また、歩行しても丈夫な耐久性の高いものを選ぶのもポイントです。

・屋根
 屋根は建物の中で最も雨水があたる場所です。加えて日光が直にあたる場所でもあるため、真夏だと屋内の温度が40℃近くに上昇します。こうした現象を抑えるために屋根の塗装は断熱や遮熱といった遮断熱性を加味した塗料が適しています。

・建物の壁面
 弾性塗料の塗装が最も適しているのが、ひび割れが起こりやすいモルタルを採用した外壁です。ひび割れには、「ヘアークラック」「乾燥クラック」「構造クラック」などの症状があり、これらの進行状況や種類によって塗装の工法も変わってきます。
 また、マンションで多く見られるコンクリート壁にも有効です。コンクリート壁は防水性が低く、劣化してしまうと表面が剥がれて雨水が侵入し、最悪内部の鉄骨が錆びてしまうことも考えられます。防水塗料を塗装して防水性を高めて保護するようにします。

6章:下地に塗るシーラーとフィラーとは

 外壁や屋根などの塗装表面と防水塗料の付着を良くする役割が下塗り塗料のシーラーとフィラーです。下塗り塗料は最初に塗ります。どちらも種類が充実しているので用途に合わせて使うようにしましょう。

●シーラー

 シーラーは、外壁表面に塗料を塗り、中・上塗りと塗装との密着性を高めます。下地の状態が良く、外壁表面に損傷が少ない場合に使うのが一般的です。プライマーもシーラーと同じ特性です。シーラーにも水性と油性のタイプがあります。
種類  水性
特徴  下地おさえをし、上塗りとの密着性が向上します。
使用可能な素材

 モルタル、ストレート、セメント系、砂付ルーフィング、

アスファルト、シングル、水性・油性の旧塗膜面

使い方  原液のまま、ハケやローラーで塗布していきます。

 


種類 水性
特徴

塗料の付着性を高め、耐久性をアップさせます。

風化した面の素地押さえや、塗料の吸い込み止めに使います。

使用可能な素材

コンクリート、モルタル、ブロック、スレート、リシン、

しっくい、繊維かべ、京壁、砂壁、和室かべなど

使い方  原液のまま、ハケやローラーで塗布していきます。

●フィラー

 下地の損傷が大きく、シーラーの塗膜の厚さではカバーできない場合に利用します。主に、モルタルの外壁にヘアクラックが発生したケースや、下地に凹凸や段差のある場合に滑らかにならすために使います。
 シーラーよりも上塗り塗料と密着度の高さは劣りますが、その分塗膜に厚みがでるため、損傷が大きい下地でもきれいに仕上げることができます。フィラーは水性タイプのみです。
種類 水性
特徴

シーラーとフィラーの機能を兼ね備えた塗り替え用の下地材。

1つの材料で下地調整、下塗り、中塗りの機能を備えているため

工期を短縮することが可能です。

旧塗膜表面の微細なひび割れ、単穴などを1回塗りでカバーでき

良好な仕上り感が得られます。

使用可能な素材 一般の内外壁の改装
使い方 ローラーで塗布していきます。

7章:防水塗料の選び方

 ホームセンターやネットショッピングで購入できる代表的な防水性の優れた弾性塗料を紹介していきましょう。

●屋根用

種類 水性
特徴

シリコンと紫外線吸収剤で、塩害・酸性雨・紫外線に強く、

防水性・耐久力がさらにアップします。

使用可能な素材

各種ベスト瓦、ストレート瓦、セメント瓦など。

コンクリートの塀や壁にも対応


種類 水性
特徴

住宅用化粧ストレート屋根の塗り替え用塗料。

「1液ベストシーラー」を下塗りとする仕様を採用することで

弱溶剤形ならではの密着力が、脆弱な下地に浸透し素地を強化します。

使用可能な素材       スレート、カラーベスト、コロニアル屋根の塗り替えの上塗塗料

●外壁用

種類 水性/単層弾性仕上げ
特徴

ひび割れ追従能力に優れ、中性化防止に役立ちます。

防藻、防かび機能を備え、耐汚染性や耐候性にも優れている

ので美しい外観を維持できます。

使用可能な素材  コンクリート面、モルタル面、塗り替え改修用

種類 水性
特徴

水性で、ウレタン防水性と同等以上の性能を備えていて簡単に

施工ができます。

耐候性、耐水性、耐アルカリ性、耐熱性に優れ、ゴム弾性効果が

あります。

使用可能な素材  

屋上防水・ベランダ防水・壁面防水・ウレタン塗装面・

ブチルゴムシート面・PC板・ALC板・ブロック・木質板


種類 水性
特徴

耐候性、耐水性に優れ、骨材が入っているので滑り止め、

防塵効果があります。

使用可能な素材 コンクリート陸屋根、ベランダの簡易防水・防塵

8章:防水塗料の塗り方

 防水塗料を塗る作業工程の工法は、「単層弾性仕上げ」「複層弾性仕上げ」「微弾性塗料仕上げ」の主に3種類で仕上げていきます。

●単層弾性仕上げ

1.下塗り(シーラー)

2.上塗り1回目

3.上塗り2回目

 下塗り1回、上塗り2~3回の3工程で仕上げる工法です。塗膜に厚みを持たせることで防水性を高めます。一般的に戸建住宅の塗り替えの際に採用されている工法です。

●複層弾性仕上げ

1.下塗り(シーラー)

2.中塗り1回目

3.中塗り2回目

4.上塗り1回目

5.上塗り2回目

 下塗り1回、中塗り2回、上塗り2回の5工程で仕上げる工法です。単層弾性仕上げよりも工程数が多い分、より防水性を高めることができます。ただし、工程が増えるだけに施工の金額が高くなります。ビルや工場などの広い防水工事や、屋上やベランダの防水工事で取り入られています。

●微弾性塗料仕上げ

1.下塗り(微弾性フィラー)

2.上塗り1回目

3.上塗り2回目

 下塗り1回、上塗り2回の3工程で仕上げる工法です。下塗りにシーラーの代わりに、伸縮性能を持ったフィラーを使用します。フィラーを厚く塗ることで高い性能を発揮します。戸建住宅のモルタル外壁塗装で多く取り入れられています。
 塗布する前には、塗る面のゴミや汚れをヘラやデッキブラシなどで落とす下地処理を行います。また、塗布しない部分や塗料が付着して困る場所は養生テープを貼って保護しましょう。

9章:防水塗料の耐用年数・寿命

 防水塗料の塗膜に伸縮性を持った弾性の耐用年数は、それぞれの工法で期間が変わってきます。「単層弾性仕上がり」が5年と短いのに対して、「複層弾性仕上がり」は20年前後と長期間持続します。
 また、「微弾性塗料仕上げ」は3年前後で徐々に弾性の機能がなくなり、硬質塗料と変わらない性質になります。ただし、上塗り層の耐久性が残っていれば、塗膜自体は外壁を保護してくれるので塗り替えが急務という訳ではありません。

まとめ

 防水塗料は防水性の優れた弾性塗料の呼称です。建物の大敵でもある雨水から守ってくれる頼もしい存在です。
 用途によってさまざまな種類や施工法があるので、ご自身で塗り替えをする場合は、選択を間違えないためにもホームセンターのスタッフにご相談してください。また、屋根などの高所での作業は十分に安全に配慮して行ってください。

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