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ブースターケーブルとは? 使い方、選び方などを紹介
ブースターケーブルとは?
使い方、選び方などを紹介
オイルやタイヤなどの消耗品の交換を定期的に行い、基本的な整備さえ怠らなければ最近のクルマはめったなことではトラブルを起こしません。特に日本車は信頼性や耐久性に優れているとされている上、日本の交通事情に合わせて開発されているので間違った使い方や、また事故などを起こさなければ10年10万キロでも問題なく使用可能です。
しかし、どれだけ信頼性の高いものであってもクルマはあくまで機械です。点検もせず、メンテナンスも行わなければトラブルを起こしてしまうこともあり得ます。
中でもクルマにおけるトラブルで最も多いと言われているのがバッテリー上がりです。バッテリー上がりは充電をしたり、バッテリーを交換するだけで解決する初歩的なトラブルですが、もしドライブ先で起きてしまうとクルマを始動することができなくなってしまいます。
そうなれば大問題です。しかしそんな時にも用意があれば便利なのがブースターケーブルです。そんな便利なブースターケーブルについて、その選び方や使い方などを詳しく紹介します。
1章:ブースターケーブルとは?
2章:バッテリーが上がった時に役立つブースターケーブル
3章:ブースターケーブルの選び方
4章:ブースターケーブルのつなぎ方
5章:ブースターケーブル使用時の注意点
まとめ
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1章:ブースターケーブルとは?
バッテリーどうしをつなぐための電線
ブースターケーブルとは、どんなものなのか? 簡単にいえば、2台のクルマどうしのバッテリーをつなぐためのケーブル(電線)です。通常は車載工具などには含まれておらず、別途必要な際に購入するものとなっています。
このブースターケーブルは基本的に2本がワンセットになっています。両側にバッテリーの端子やエンジンの部品などを挟むことができるワニグチクリップが付いた黒いケーブルと赤いケーブルがワンセットです。+極にはこの赤色のケーブルを、-極用には黒色のケーブルをつないで使用します。色分けすることで繋ぐ際のミスを防いでいるのです。
また、ケーブルといっても細い線ではなく、セルモーターの始動の際の大きな電流に耐えられるように太く丈夫な作りになっています。
2章:バッテリーが上がった時に役立つブースターケーブル
電気を分けてもらうことでエンジンを始動する
万が一バッテリーがあがってしまうと、ガソリンエンジン車やディーゼルエンジン車はエンジンの始動ができなくなってしまいます。キーを回してもセルモーターが弱々しく回るか、最悪の場合はカチッと音がするだけでウンともスンとも言わなくなります。
また、ハイブリッドカーの場合も、ハイブリッドシステムの起動ができなくなってしまいます。駆動用のバッテリーが十分にあっても、ヘッドライトやカーナビ、ハイブリッドシステムの起動のための補機用バッテリーがあがってしまえば、同じようにクルマを走らせることができなくなってしまうのです。
そうなった場合に、トラブルを解決してくれるのがブースターケーブルです。このブースターケーブルと、救援してくれるバッテリーの充電が十分になるクルマがあれば、電気を分けてもらうことが可能です。一時的に電気を分けてもらうことでエンジンを始動したり、ハイブリッドシステムを起動することが可能になります。
バッテリーがあがってしまわないように日ごろから点検を行い、定期的な交換をしておけばトラブルは防止できますが、不注意で駐車中にヘッドライトをつけっぱなしにしてしまうこともあるかもしれません。そのような状況でも用意しておけば安心なのがブースターケーブルです。
3章:ブースターケーブルの選び方
電流の許容最大値を確認することが大切
ブースターケーブルはホームセンターやカー用品店、またネット通販などで簡単に購入することが可能です。しかしいざ選ぼうとすると、バッテリーどうしを繋ぐとてもシンプルなアイテムなのにその種類が思いのほか多いことに気づくはずです。
単なるケーブルなのに、普通乗用車用の12V用とトラック用の24V用の違いは別としてなぜそのように様々な種類があるのかというと、ブースターケーブルにはそれぞれ流すことができる電流の許容最大値というのがあるためです。
エンジンの始動時に必要とする電流の大きさは自動車(のエンジン排気量)によって異なります、そのため、そのクルマが必要とする電流を、余裕を持って流せるだけの性能を持ったブースターケーブルを使用しなくてはいけないのです。そのためそれらのクルマに合わせて様々なタイプのブースターケーブルが用意されているのです。
では、だいたいエンジンの始動に必要な電流値は、クルマの大きさによってどれくらいなのかというと、車種によって細かな違いはありますが目安はこちらです。
50A以下 軽自動車、400ccまでのバイク
80A 2500㏄くらいまでの乗用車、大型のバイク
100A 大排気量の乗用車、ディーゼル車、2tトラック
120A以上 大型トラック、トレーラー
ブースターケーブルの許容最大値が、これらの電流値に耐えられるものであれば問題なく使用が可能です。例えば2000ccの乗用車であれば、電流の許容最大値、80A以上のケーブルであれば100Aでも1200Aでも問題なく使用可能です。
しかし、反対に許容電流値が小さいケーブルを、始動に大きな電流を必要とするクルマに使用することはできません。たとえば、軽自動車の救援に100Aのブースターケーブルは使えますが、トラックに50A以下のブースターケーブルを使用するのはNGということです。
もし使用してしまうと、最悪の場合、ケーブルが熱を持ち発火してしまうこともあります。そうなれば燃料に引火するかもしれません。大事故の原因となります。くれぐれも使わないように気を付けてください。
では、とにかく電流の許容最大値の大きなケーブルを用意しておけば良いのかというと、そうとも限りません。許容電流値の大きなケーブルはそれだけ太く、重くなります。例えばこちらのブースターケーブルですが、そのスペックを確認してみると50Aのものは700gなのに対して、120Aのものは1.7kgです。倍以上重さが違います。
さらに200A、300Aとなれば3kg、4kgなどさらに重くなります。またケーブルもそれだけ太くなり、トランクなどでスペースを取る上、使用する際の取り回しも大変になります。極端に許容電流値の大きなものを用意するのではなく、例えば1500ccのガソリンエンジン車なら100Aなどのブースターケーブルなどある程度の余裕のあるスペックを持つものを用意するのがオススメです。
またケーブルの長さも重要です。あまり短いものだとクルマどうしボンネットを向かい合わせた時にケーブルが届かないこともあります。特にミニバンやSUVなどバッテリーの位置がエンジンルームの奥などにあることもあります。そういったクルマをお持ちの場合は余裕をもって5mほどのケーブルを用意しておいた方が良いでしょう。気になる場合はエンジンルームやボンネットの長さなどを一度確認してみてください。
4章:ブースターケーブルのつなぎ方
バッテリーのプラスどうし、マイナスどうしをつなぐ
ブースターケーブルの用意ができたら、その使い方も予習しておきましょう。必要なものはそのクルマに合ったブースターケーブルと感電防止のゴム手袋です。使い方はとても簡単です。順を追って説明します。
①クルマを近付ける
まずはバッテリーがあがったクルマと救援車(電気を分けてくれるクルマ)のボンネットを向かい合わせにしてできるだけ近づけます。
②パーキングに入れる
そして双方のクルマのギアをMT車ならニュートラルに、ATならPになっていることを確認します。さらに双方のクルマともしっかりとパーキングブレーキをかけてください。
③エンジンOFF
そしてキーを回し、エンジンを止めます。バッテリーの上がったクルマのキーもOFFにしてください。
④バッテリー位置確認
ブースターケーブルは2本でワンセットです。赤いケーブルがプラス、黒いケーブルがマイナス用なのでしっかり確認します。確認したらボンネットを開け、双方のクルマのバッテリーの位置を確認します。クルマによってはトランクに積まれている場合もあります。分からない場合は説明書を確認してください。
⑤故障車にプラスを接続
準備ができたらバッテリーにケーブルを接続します。まずは故障車のプラス側端子に赤いケーブルを接続します。
⑥救援車にプラスを接続
次に赤いケーブルの反対のワニ口を救援車のプラス端子に繋ぎます。
⑦救援車にマイナスを接続
そして救援車のバッテリーのマイナス端子にマイナス用の黒いケーブルを接続します。
⑧故障車にマイナスを接続
黒いケーブルの反対側を故障車エンジンブロックの塗装されていない金属部分に繋ぎます。金属部分が見つからない場合はバッテリーのマイナス端子につないでもかまいません。
⑨救援車のエンジン始動
救援車のエンジンを始動しエンジンの回転数を少し上げます。
⑩一分待ち故障車のエンジン始動
1分ほど待ったら故障車のエンジンを始動します。
⑪ケーブルを外す
エンジンが始動したらエンジンを止めずにケーブルを外します。外す順番はつないだ時と逆です
⑫しばらく走行して充電
ケーブルを外したら30分~1時間ほど走行し充電します。アイドリングでは十分な充電はできないので、しばらく走行してください。以上で完了です
ブースターケーブルはプラスどうし、マイナスどうしを繋ぐということを覚えておいてください。また、一度上がってしまったバッテリーはダメージを受けている可能性もあります。さらに、バッテリー上がりの原因がオルタネーターの故障などの可能性もあるので、エンジンが一旦かかったからといって、そのままにせず、一度ディーラーや整備工場などで点検を受けるのが良いでしょう。
5章:ブースターケーブル使用時の注意点
ハイブリッドカーでは他車を救援できない
ブースターケーブルを使用する際は感電に気を付けてください。素手ではなくゴム手袋などを装着して作業するようにしましょう。また作業の際ケーブルのワニ口部分が車のボディに触れないように注意しましょう。不用意に触れてしまうとショートしてしまうことがあります。
またハイブリッドカーの場合はブースターケーブルの使用に少し注意が必要です。まずハイブリッドカーでも基本的にブースターケーブルによって、救援してもらうことは可能です。やり方はガソリン車と同じです。
しかし、逆にバッテリーのあがってしまったガソリン車を、ハイブリッドカーの補機バッテリーで救援することはできません。なぜならブースターケーブルでバッテリーがつながった状態で、ガソリンエンジン車(救援されるクルマ)のエンジンをかけると、瞬間的に大電流が流れてしまい、ハイブリッド車の電源系統やハイブリッドユニットを故障させてしまう可能性があるからです。くれぐれもやらないように注意してください。
ハイブリッドカーはバッテリーがあがった場合他のクルマから救援してもらうことは可能でも、バッテリーがあがってしまった他のクルマを救援することはできないと覚えておきましょう。
まとめ
ブースターケーブルは頻繁に使用するものではありませんし車載工具などにも含まれていません。そのためクルマを所有していても持っていない、という方もきっと多いのではないでしょうか。しかし、バッテリー上がりはクルマのトラブルの中でも最も多いトラブルといわれています。
今までは大丈夫でも、次はあなたの身にも降りかかるかもしれません。いざという時に素早く対処できるように、ブースターケーブルは1つ持っていると安心です。
もし用意しておけば自分が救援してもらえるだけでなく、旅先で困っているドライバーを助けてあげることができるかもしれません。さほどじゃまになるものでもありませんのでドライブの際、トランクの隅に準備しておいてはいかがでしょう。
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