発電機の種類と選び方・使い方

選ぶポイントは定格出力と使用燃料

 工事現場やキャンプサイト、またDIYの作業場など、電源が必要なのに電気の配線がないという場所は珍しくありません。そのような場所で利用されているのが発電機です。発電機は燃料があればどこでも電源が確保でき各種電気機器が使えるためとても便利なアイテムです。そんな発電機ですが、燃料の違いだけでなく様々な種類があります。では一体何が違い、どのように選べば良いのか、使い方と合わせ発電機選びの基本をご紹介します。

目次
1.発電機とは
2.各部紹介
3.発電機の使い方
4.発電機の種類

1.発電機とは

 発電機とは、その名の通り電気を発生させるための機械です。その仕組みはとても簡単で、燃料などを使用してエンジンを駆動し、その力で磁石またはコイルを回転させて電気を起こすというもの。
 自転車のライト用のダイナモから、巨大な火力、水力発電所まで、その基本的な仕組みは同じです。コイルのそばで磁石を動かすと電気が生まれる、という電磁誘導の原理で誘導電流を発生させ、電気を取り出しています。
 ポータブルタイプの発電機もその仕組みは全く同じです。発電機の内部でコイルや磁石を回転させることで電気を作っています。ポータブル発電機は、その回転のための動力として、ガソリン、軽油、そしてカセットガスなどを燃料としたエンジンが使用されています。
 また、このような使用燃料による違いだけでなく、発電機にはいくつかの種類があります。主なものがインバーター発電機、サイクロコンバーター発電機、そしてスタンダード発電機です。
 このうちインバーター発電機は安定した質の高い電気が得られるのが特長です。そのためコンピューターや家電製品でも問題なく使用できます。
 対してスタンダード発電機は、名前通りシンプルな発電機で、小型で頑丈な上、信頼性が高く工作機械や電動工具の電気供給源として非常に優れています。ただし、電圧や周波数の安定性はあまり高くありません。
 さらにサイクロコンバーター発電機は、双方の中間的な性能を持っています。スタンダード式よりも安定した電気を得られますが、インバーター方式よりは電圧や周波数がやや安定しません。ただし発電ロスが少なく、効率的な発電が可能です。
 現在は、より汎用的な機器で利用できるインバーター発電機が主流となっています。インバーター発電機であればパソコンなどの精密機械から、家庭用の調理家電、もちろん電動工具などにも問題なく利用できます。さらに、エンジンの回転数で周波数をコントロールする必要がないので、省エネかつ騒音も小さく小型で軽量、というメリットも期待できます。
 ただし、単純な発電出力では従来型のスタンダード式の方がパワフルなので、電動工具などの電源として使用するのが主な目的なのであれば、スタンダード発電機やサイクロコンバーター発電機の方が適しているかもしれません。価格もインバーター発電機よりもリーズナブルです。使用目的に合わせて、適した発電機を選ぶべきでしょう。

2.各部紹介

①燃料給油口/ガソリンなどの燃料はここから注入します。

②リコイルスターター/このハンドルを引っ張ることでエンジンが始動します。

③チョークレバー/引くことで一時的に燃料の濃度を濃くし始動性を高めます。回転が安定したら戻します。

④エンジンスイッチ/運転と停止をコントロールします。

⑤周波数切り替えスイッチ/発電した交流電力の周波数を50Hz(東日本)と60Hz(西日本)に切り替えます。

⑥エンジンオイル注入口/潤滑用オイルをここから注入します。

⑦100Vコンセント/電化製品や電動工具を接続します。

⑧エコノミースイッチ/ONにすると負荷に応じてエンジンの回転をコントロールし燃料の消費を抑えます。

3.発電機の使い方

 発電機は燃料を燃やし、コイルや磁石など発電体をエンジンの力で回転させることで発電しています。使用する燃料は主にガソリンや軽油、カセットボンベタイプのガスですが、一般的なのはガソリンです。
 ガソリンは入手も容易かつ、カセットガスよりもリーズナブルで長時間安定してエンジンを動かし続けることができます。また、低温でも安定して電力を得ることが可能です。ただし、ガソリンは揮発性が高く、長期間の保存に向いていません。保管や扱いに慎重さが求められます。灯油用のポリタンクなどで管理するのは厳禁です。
 一方カセットガスボンベは、ホームセンターやスーパー、ドラッグストアなどでも簡単に入手可能な上、保管も簡単です。アウトドアレジャーなどではカセットコンロなどと燃料を共用できるのもメリットです。
 また、ガソリンなどよりも使用期限が長く、防災用としても備蓄しやすいという特長があります。ただし、低温下ではガスが気化しにくくなり、エンジンが始動しにくくなることもあります。
 長期間安定した電力を使いたい場合はガソリン、アウトドアレジャーなど短時間手軽に発電したい場合にはカセットガスといった使い方が向いています。
 双方とも燃料やオイルを入れ、エンジンを始動し発電する、といった使い方は同じです。基本的なエンジン始動の手順は以下になります。

①周波数切り替えスイッチで、東日本は50Hz、西日本は60Hzに設定する。
②エンジンオイルを確認。少ないときはオイルを補給する。
③発電機にガソリンを補給する。
④燃料コックのつまみをONにする。
⑤エンジンスイッチを運転に合わせる。
⑥チョークレバーを始動位置に合わせる。暖機が済んでいる場合は不要。
⑦始動用のグリップを静かに引き、一旦重くなる場所で止めたら、勢い良く引っ張る。
⑧エンジンが安定したら、チョークレバーを戻す。

⑨使用機器のスイッチは切っておき、コンセントへプラグを差し込む。

4.発電機の種類

 発電機を選ぶ際、重要なポイントが定格出力と使用する燃料です。定格出力は、VAという単位で表され、この数値が大きいほどよりたくさんの電気を発電することができます。そして、消費電力の多い機器を繋ぎ使用することが可能になります。
 注意しなくてはならないのが、使用したい電気機器の消費電力と起動電力を確認することです。電気機器は、始動時に消費電力よりも大きい起動電力を必要とする製品が少なくありません。機器によっては表示電力(W)の3~4倍もの起動電力が必要になることもあります。発電機の定格出力(VA)が、合計起動電力よりも低い場合、繋いだ電気機器が正常に作動しないこともあり得ます。使用する電気機器の合計起動電力以上の低格出力を持つ発電機を使用するようにしてください。
 発電機に使用する燃料の違いは、入手しやすさやコスト、備蓄性にかかわってきます。その違いはおおよそ以下のようになります。使用頻度や使用目的に合ったタイプを選ぶようにしてください。

ガソリンエンジン発電機

 発電機の燃料として最も普及しているのがガソリンです。ポータブルタイプの小型発電機から、出力の大きな業務用の中・大型発電機まで、様々な発電機で使用されています。ディーゼルエンジンタイプよりも比較的小型で軽量なので持ち運びもしやすく、騒音や振動が少ないのも特長です。
 車の燃料として一般的な無鉛ガソリンを使用するので燃料の入手や補充は難しくありません。またコストもあまりかかりません。ただし、ガソリンは揮発性や引火性が高い燃料なので、取り扱いには十分な注意が必要です。購入や保管には、専用のガソリン携行缶が必要になります。
 連続運転時間は、定格出力0.9kVAタイプであれば3~8時間ほどと長時間の使用が可能です。屋外での長時間の作業や、停電、災害時にも活躍してくれるでしょう。またキャンプやバーベキューなど野外のレジャーなどでも便利です。

ディーゼルエンジン発電機

 燃料に軽油を使用するのがディーゼルエンジン発電機です。比較的小型のものもありますが、業務用などの中、大型タイプのものが主で、パーソナルユース用としてはあまり一般的ではありません。
 ディーゼル自動車と同じ軽油を使用するので、ガソリンに比べて燃料代が安く済み、長期間の使用ではコスト的なメリットがあります。また軽油はガソリンよりも安定しており、扱いもガソリンほど難しくはありません。
 しかし、ディーゼルエンジン発電機は、エンジン自体が大きく重いため本体重量も100kgを超えるものが多く、移動が簡単には行えず、騒音や振動も大きく、排気ガスもあまりクリーンではありません。そのため家庭で使うのにはあまり向いていないでしょう。

ポータブルガス発電機

 燃料にカセットガスを使用するのが、ポータブルガスタイプの発電機です。小型で持ち運びが容易なタイプが揃っており、キャンプなどアウトドアレジャーに使うのに適しています。
 燃料であるカセットガスは、カセットガスコンロなどに使うものと同じなので、キャンプ先などでは共用することも可能です。カセットガスのセット方法も調理機器などと同様で、液体であるガソリンと違い、誰にでも扱いやすいというのも大きな特長です。
 また、カセットガスはスーパーやコンビニなどでも容易に入手でき、ガソリンや軽油に比べて扱いも簡単かつ安全で、長期間の保管がしやすいというメリットもあります。
 欠点は、連続運転時間が短いということです。定格出力0.9kVAタイプでだいたい1~2時間程度です。長時間使用するためには大量のカセットガスが必要で、燃料コストはガソリンや軽油以上にかかります。
 DIYや工事現場などの作業用電源として使用するのではなく、アウトドアレジャーや、いざというときの防災用備蓄品として活用するのに適しているでしょう。

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