高速切断機の種類と使い方

 アイアン素材を使ってDIYでインテリアを作ろうとすると、溶接の機材とともに鉄素材を正確に切断できる工具が必要になります。その工程で使用するのが、金属切断用の電動工具である高速切断機です。連続した金属切断が必要な建築の現場などで活躍する工具ですが、その魅力は作業効率のアップだけではなく、長さ、角度を正確に合わせて切断できる精度の高さにもあります。ここでは高速切断機の基本的な使い方と選ぶ際のポイントについて解説します。

目次
1.高速切断機とは?
2.高速切断機の各部の名称と機能
3.高速切断機の基本的な使い方
4.高速切断機の種類と選び方
5.高速切断機を使用するときの注意

1.高速切断機とは?

 高速切断機(高速カッター)は、高速で回転する切断砥石を使って鋼材やステンレス、鋳物、ワイヤーロープなどを、効率よく切断できる設置型の電動工具です。見た目は卓上丸ノコに似ていますが、卓上丸ノコがチップソーというノコ刃を使って主に木材を切断するのに対し、高速切断機は主に金属材料を切断するために使います。

 切断砥石を装着して切断する工具としては、ディスクグラインダーがあります。こちらはハンディタイプゆえ、装着する砥石の外径サイズは100~200mm程度です。一方の高速切断機用の砥石サイズは外径305mm以上と大径のため、ディスクグラインダーよりもずっと短時間で、厚みのある材料を切断することができます。

 また、高速切断機は作業台や床に設置した本体に材料を固定して作業するので、切断位置を狙い通りに高い精度で切断できます。45度までの角度切断、パイプやアングル材の切断など、ディスクグラインダーが苦手とする素材の切断加工を簡単に行えるのも特長です。

 大きく重い機械のため、作業場所が限定されるデメリットがあります。もちろん、移動しながら使う用途には向きませんし、建物などに固定された構造物を切断することもできません。さまざまな状況で臨機応変に使えるディスクグラインダーと使い分けるのが、活用する際のポイントと言えます。

2.高速切断機の各部の名称と機能

①バイスナット/通常はバイスを押し込むネジ部分に噛み合っていますが、持ち上げるとネジが開放されて、素早くバイスをスライドできるようになります。

②切断砥石/材料を切断するための回転砥石です。

③スイッチ/レバー操作で電源のオン・オフを切り替えます。

④ロックボタン/スイッチを握った状態でこのボタンを押すとレバーがロックされ、手を離しても回転が連続します。再度レバーを握り込むと、ロックを解除できます。

⑤ホイールカバー/手などが直接砥石に触れないようにするための安全カバーです。

⑥スパークガード/切断作業時に発生する火花が前方に飛ぶのを遮り、飛散を抑えます。

⑦ガイドプレート/材料を固定するための受け板です。切断角度を調整することができ、たいていは0~45度の角度に設定できるようになっています。

⑧バイスプレート/切断する材料をガイドプレートとの間に挟んで固定します。

⑨スクリューハンドル/回すことでバイスプレートを締めつけたり、緩めたりします。

3.高速切断機の基本的な使い方

■切断砥石の取り付け方法

 高速切断機は、切断作業を繰り返し行っていると、次第に切断砥石が摩耗して小さくなり、切れ味も悪くなります。切れ味の落ちた砥石で無理に切断していると、作業効率が落ちるばかりか破損もしやすくなります。同じ材料で作業していて切れにくいと感じるようになったら、切断砥石を早めに新しいものに交換しましょう。
取り付け可能な切断砥石のサイズは、本体にも表示されています。確認のうえ、適合する砥石を用意しましょう。
砥石の交換作業中に誤って作動しないように、電源プラグがコンセントから抜いてあることを確認して交換を行います。最初にセンターカバーのネジを手で回して緩めましょう。
センターカバーをスライドして開き、砥石の取り付け部を見えるようにします。
レンチを使って中心部のボルトを反時計回りに回して緩めます。
ボルトと押さえ金具を取り外します。
新しい切断砥石を取り付けます。
中心部のリングに砥石の穴がぴったり合うようにはめ込んで、確実に取り付けましょう。
押さえ金具が砥石から浮いていることがないように、穴の位置を合わせて取り付けます。
続いて固定ボルトをねじ込みます。
モーター側についているストッパーボタンを押して、モーターシャフトが回転しないようにロックします。
レンチを使って時計回りにボルトを回し、緩まないようにしっかりと締めつけます。
手で砥石を回して、ブレずにまっすぐ回転することを確認します。
センターカバーを閉めてネジで固定したら、電源プラグをコンセントに差し込み、スイッチを入れて数分間、試運転します。砥石の回転にブレが発生していないか、異音が聞こえないかを確認して、交換は完了です。

■材料の固定方法

バイスナットが下りているときは、ハンドルの回転に応じてバイスプレートが少しずつ移動します。
バイスナットを上げるとハンドルがフリーな状態になるので、ハンドルを押し引きしてバイスプレートを移動し、材料をガイドプレートとの間に挟みます。
バイスナットを下ろしてハンドルを回し、材料が動かないようにバイスプレートでしっかりと固定します。

■角度切断をするときの固定方法

レンチを使ってガイドプレートを締めつけているボルトを緩めます。
角度目盛りを見ながらガイドプレートを切断したい角度に合わせ、ボルトを締めつけてプレートを固定します。
「材料の固定方法」の手順に従ってバイスプレートで材料を固定したら、角度切断の準備は完了です。

■移動時の固定方法

台座についているチェーンをハンドル部にあるフックに引っ掛けると、上部の本体と台座を固定され、ハンドルを持って移動することができます。

4.高速切断機の種類と選び方

■電源の種類

 設置して使う電動工具のため、コンセントから電源を取るコード式(AC電源)の機種がほとんどです。単相100V、単相200V、三相200Vの3種類があるので、使用する場所の設備条件に合うものを選びましょう。ちなみに、砥石外径305~355mmの機種は単相100Vが、砥石外径405mm以上の機種は三相200Vの機種が多くなっています。

 バッテリー式(充電式)は、マキタから1機種のみが発売されています。電源からの距離を気にすることなく作業場所を選ぶことができるので、屋外作業が多い場合にメリットがあります。

■切断砥石のサイズ

 高速切断機には、取り付ける切断砥石の外径によって、305mm、355mm、405mm、445mmの4種類のサイズがあります。そのなかで機種が多いのは、305~405mmのタイプです。対応サイズ以上に大きい砥石を取り付けることはできないので、切断する材料の厚みなどを考えて、適したサイズの砥石を使えるものを選びましょう。

5.高速切断機を使用するときの注意

・作業時は、手袋と保護メガネ、粉塵が発生する材料を切断する場合は防塵マスクを着用しましょう。

 ・金属材料を切断するときは火花が飛び散るので、周囲に可燃物がない場所で作業してください。また、屋内で作業する場合は、忘れずに換気をしましょう。

 ・切断後、砥石がまだ回転しているうちに材料を取り外すのはとても危険です。回転が完全に止まったのを確認してから、行うようにしましょう。また、切断直後の金属材料は、切断部分が高温になっているうえ、バリが発生していることがあります。火傷やケガをしないように、手袋を着用して触れるようにしましょう。

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