トリマの種類と使い方

木材の縁の装飾や高精度な溝切り加工を最適

 主に、木材などの縁をトリミングするための電動工具がトリマです。トリミング(trimming)とは、余分なものを刈り込む、切り取る、整えるといった意味があり、トリマとは文字通り、木材の面取りや飾り面取り、溝切りといった、整える、切り取るといった加工に使用するための道具で、これ一つで様々な切削加工が可能です。
 使いこなすことができれば、手作業では難しい精密加工を簡単に様々な製作物に施すことができ、その完成度を大きく高めることが可能です。

目次
1.トリマとは
2. 各部紹介
3.トリマの使い方・面取り加工
4.トリマの使い方・溝切り加工

1.トリマとは

 トリマは木材などのふち飾り加工や、溝切り工作のための電動工具であり、ノミやカンナといった切削用の手工具を電動化したものと考えると分かりやすいでしょう。
 先端に装着するビットと呼ばれる刃の付いたパーツを、モーターで高速に回転させることで、様々な切削加工を高精度に行うことができます。重さはだいたい2kg程度と軽量で取りまわしやすく、多くの場合片手で扱えるデザインとなっています。
 同じような目的の工具として、ルーターもありますが、ルーターは主に溝切りに重点を置いた工具となっており、より大型でパワーもあり、両手で持って使用することを想定しています。また、トリマよりも大型のビットが使えるという違いもあります。
 DIYなどでの木材の縁飾り加工などには、小型で扱いやすく、様々な形状のビットが用意されているトリマが適しています。また、トリマは面取りや飾り面取りだけでなく精度の高い溝切り加工などをこなすことも可能で、DIYでは様々なシーンで役に立つ道具です。
 使用できるビットは基本的に軸軽6mmのものだけですが、その種類はとても豊富です。面取り用のビットだけでも単に角を落とす角面ビットから、角を半円状にえぐり取るようなサジ面ビット、また半円状に膨らんだ形状に削ることができるギンナン面ビットに断面が複雑なS字状になるひょうたん面ビットなどがあり、アンティーク家具風の複雑な装飾を簡単に施すことが可能です。
 上手く使うことでテーブルの天板の縁や、額縁などの作品のデザイン的なアクセントを演出することができ作品の完成度をワンランク引き上げてくれるでしょう。
 またトリマを使い精度の高い溝切り加工を施せば、板同士を正確に組み合わせたり、棚板にガラスをはめるための溝加工、また、アリ溝などを加工することも可能です。さらに、溝切りビットは、線状に溝を切るだけでなく、材料の一部分を欠き取る(えぐる)といった加工を行うこともできます。
 直線状の溝だけでなく、U字状の溝や、V字状の溝などを掘ることも可能なので、板材に文字やデザインなどを彫り込み、装飾やサイン、看板を作るといった用途にも適しています。

2.各部紹介

①スイッチ/電源のオン、オフをコントロールします。スライドタイプ、押しボタンタイプなどがあります。

②コレットチャック/ビットを取り付ける部分です。

③ベースプレート/材料に接する部分。この部分を上下させることで切削の深さの調整を行います。

④ベース高さ固定レバー/ベースプレートの高さの調整に使用します。


①コレットコーン/逆テーパーの筒状部品でナットを締めこむと割り溝がせまくなりビットの軸を均等に締めつけ固定する。

②コレットナット/コレットコーンをスピンドルに締めこむためのナット。

③スピンドル/トリマ本体の回転する軸。

 

ビットの種類

 トリマに使用できるビットは、基本的に軸径6㎜の物になります。面取り用、溝切り用ともにビットの種類は豊富で目的に合わせて交換し使用します。
 面取り加工用のビットは、先端にベアリングの付いたコロ付きの物がおススメです。コロ付きなら、材料の縁に沿って動かすだけでコロが回転しながらスムーズ移動し正確にビットの形状通りに面取り加工をすることが可能です。
写真の物は上の段が溝切り用のストレートビット、下の段が面取り用のビットです。面取り用ビットの先端についているのがベアリングです。

ビットの取り付け方

 ビットはコレットチャック部分に固定し使用します。ビットの着脱する際は、まず安全のため、必ず電源コードが電源プラグから抜けている事を確認してから行ってください。確認したら作業しやすいようにベースプレートを取りはずします。
 次に、スピンドルのシャフトを付属スパナで固定してから、コレットナットを別のスパナで緩めます。
 コレットナットが緩んだら、ビットのシャフトをスピンドルの奥までしっかり差し込みます。スピンドルをスパナで固定した状態で、時計回りにコレットナットを締めこんでビットを固定します。コレットコーン破損の原因になるので、ビットを装着せずにコレットコーンを強く締めつけるのは避けてください。
 あとは元通りにベースプレートを装着します。
付属のスパナを使用しスピンドルを固定してからコレットナットを緩めます。製品によって、スピンドルシャフトをボタンなどで固定できるものもあります。

切りこみ深さの調整

 トリマによる面取り、溝切り作業の前に、ビットが木材を削り取る深さをあらかじめ設定しておきます。やり方はまず、ベースの固定を解除した状態で本体を逆さにして台に立てます。
 そして、ベースの底面からビットがどれだけ突き出ているか本体のスケールや、目盛ダイヤルで確認します。そして切りこみたい深さに調整しましょう。
 本体の目盛りやダイヤルでは確認がしづらいという場合は、ベース面にスコヤなどを当てて直接付きだし量を確認するといいでしょう。
 調整できたら、レバーや、固定ネジでしっかりと固定します。なお、溝切りの際、一気に深く削ろうとすると、切削面が乱れたり、ビットが暴れる場合があります。まずは、3mm程度の深さに切削し、それ以上深く掘りたい場合は数度に分けて切削する方が良いでしょう。
本体の目盛などでも切りこみ深さの調節可能です。正確に設定したい場合はスコヤなどで付きだし量を直接測ってください。

3.トリマの使い方・面取り加工

 トリマは、先端に付けるビットを交換することで様々な面取り加工をすることができます。面取りとは、木材などの縁の角や隅を、ななめに削り取って角面や丸面、飾り面など様々な形状の面を作り出すことです。面取りにより鋭利な角を無くし材料の破損や、ケガなどを防ぐ他、装飾的な意味も持っています。
 ビットの先端にベアリングの付いたコロ付きビットであれば、材料の縁に沿って動かすだけで、ビットの形状通りに正確な面取り加工を施すことが可能です。
 面取り作業のやり方は、まず、木片やビットの飛散へのた対策として安全メガネを装着し、さらに騒音対策として耳栓を装着しましょう。
 そして、用意した材料をしっかり作業台に固定します。ビットが触れない位置でトリマの電源を入れ、ビットの回転が安定してきたら、ゆっくり材料の縁に当てます。ベースプレートが材料に密着するように、反対の手でサポートしながら、ビットのコロを加工面にあて、手前から奥へと切削していきます。
 その際、材料の縁、加工する面がトリマに対して必ず左側にくるようにしてください。ビットは作業者から見て時計回りに回転しており、またビットの刃も左側の面を切削するようについています。トリマをこれとは反対に動かしてしまうと上手く削れないばかりか強い反発が起き、トリマが暴れてしまうので注意してください。
 材料の面取りを行う場合には、切削する順番も考慮して作業を進めるようにしてください。
 トリマは進め方が早すぎると切削面が荒れ、逆に遅すぎると材料の焦げ付きが起きてしまうので、あらかじめ端材などを使って適切な速度をつまむために練習することをおススメします。
トリマはビットの刃が左側の面を切削するようについているので、材料の加工する面に対して、必ずトリマが右側に来るようにします。
作業者から見てトリマを右、材料を左に置いた場合、トリマは手前から奥へと進めながら切削を行います。
トリマは適切な速度ですすめるように注意してください。早く進め過ぎると切削面が荒れてしまうことがあります。
ビットを交換することで、このように複雑なデザインの面取りを、簡単かつ美しく仕上げることが可能です。

4.トリマの使い方・溝切り加工

 正確な溝切りもトリマの得意とする加工です。溝切りには主にストレートビットなどを使用します。ストレートビットは設定した深さの角溝を掘るためのビットです。家具などに棚板を差し込むための溝などを、正確に、素早く加工することが可能です。
 直線状の溝を切る場合には、トリマに付属しているストレートガイドを使用すると良いでしょう。ストレートガイドをトリマに装着すると、直線状のガイド部品が材料の縁に平行に当たり、ずれることなく正確に縁と平行にトリマによる切削加工が可能になります。
 加工する材料がガイドよりも長く、長さが足りない場合は、端材の板を使い、ストレートガイドを延長すれば、材料の端まで安定した溝切り作業が行えます。
ストレートガイドはトリマの右側に取り付けます。直線状のガイド部品によって、縁に正確に平行移動ができ、ズレることなく溝切りができます。また板などでストレートガイドを延長すると材料の端まで安定した作業が行えます。
ビットを交換することでこのような様々な幅の溝を掘ることができます。またV字の溝やU字の溝などを掘り、文字などを描くことも可能です。

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