溶接機の種類と使用上の注意点

 木工に比べると情報が少なく、あまり身近でないため、初心者が手を出しにくい金属加工。とくに溶接には、ハードルが高いイメージがあります。しかし扱いやすい溶接機を手に入れ、練習を重ねれば、ちょっとしたオブジェから門扉やフェンスなどのエクステリアまで製作が可能です。DIYやクラフトに取り入れることで製作の可能性を広げてくれる溶接機について、紹介します。

1.溶接機とは?
2.各部の名称と機能
3.溶接機の基本的な使い方
4.溶接機の種類
5.使用時の注意点

1.溶接機とは?

 溶接とは2つの金属材料を高熱で溶かして融合し、冷えて固まったときに一体にする接合方法です。溶接の過程で金属を溶かすために必要な高熱を、高い電流を流すことで瞬時に発生させるのが溶接機です。

 金属を接合する方法としては、ボルトやネジを使う方法がありますが、溶接をすることでより強度が高く、見た目をきれいに仕上げることができます。溶接は面と面でなくてもつなぐことができるため、接点の小さい部材を取り付けたり、形の異なる材料同士を組み合わせたりするなど、オブジェやインテリアの製作ではデザインの幅も広がります。

 以前は溶接機を導入するために住宅の電気工事をしたり、機材の置ける作業場所を確保したりする必要がありましたが、100V電源専用のコンパクトで扱いやすい家庭用溶接機が登場し、DIYやホビーにも取り入れやすくなっています。

2.各部の名称と機能

<写真はノンガス半自動溶接機です>

①メインスイッチ/電源のオン・オフを切り替えます。

②出力調整ダイヤル/材料の厚みなどに合わせて出力電流を調整します。この機種ではワイヤースピードの調整も兼ねています。

③コードホルダー/電源やアースのコード、ワイヤー送給チューブを巻き付けてコンパクトに収納するための部品です。

④アースクリップ/鋼材や作業台に挟んで固定し、溶接箇所に通電します。

⑤トーチ/トリガーを引くと通電して、ワイヤーと材料との間に高電圧をかけてアーク放電を発生させます。同時にワイヤーを自動で送り出します。


⑥ワイヤー送給部/リールに巻かれたワイヤーをセットしておき、設定したスピードに応じて送給装置がワイヤーを送り出します。


⑦空冷ファン/内部の発熱による性能の低下を抑えるために強制的に冷却するファンがついている機種もあります。

3.溶接機の基本的な使い方

被覆アーク溶接では、出力によって材料への溶け込みと溶接棒の溶けるスピードが変わります。溶接棒のパッケージや溶接機の説明書などを参考に条件に合う設定を見つけ、調整ダイヤルを設定しましょう。
アースクリップを溶接する材料に直接はさむか、作業台(鉄製)にはさんで接続します。接続する場所に汚れやサビがある場合は、ワイヤーブラシなどで擦ってきれいにしておきましょう。
溶接する箇所に油やサビ、塗装などが付着している場合は、ワイヤーブラシなどを使ってきれいに取り除いておきます。トーチは材料と垂直に近い角度、5mm程度の距離を保って移動します。手がブレないように、できるだけ肘や膝を固定して安定した姿勢で作業しましょう。

4.溶接機の種類

 ここでは一般的に普及していて、個人が利用する場合に導入しやすいアーク溶接機について、その種類と特長を解説します。最初に、アーク溶接という溶接方法について簡単に触れておきましょう。

 金属と金属に隙間がある状態でも、高電流を流すと放電という状態で電流が流れます。この現象を「アーク放電」と言い、そのときに発生する熱を利用して材料を溶かす方法をアーク溶接と呼びます。アーク溶接では、高温になった金属は空気中の酸素と反応して酸化しやすいので、放電中は溶接箇所のまわりに酸化を防ぐためにガスでバリアーを作ります。そのガスの種類や発生のさせ方、また使用する電極の種類などによって、アーク溶接のなかでもさらに細かく種類が分かれています。

 酸化を防止するためには、不活性ガス(アルゴンやヘリウムなど)や炭酸ガスとの混合ガスを使います。ボンベ入りのガスを用意して噴射する溶接方法もたくさんありますが、溶接機材は大がかりになります。そのためDIYなどで使う場合には、溶けてガスを発生させる溶接棒や溶接ワイヤーを使用する、被覆アーク溶接機とノンガス半自動溶接機が扱いやすくオススメです。

■被覆アーク溶接機

 被覆アーク溶接機は、ホルダーにはさんだ溶接棒を電極として使い、溶接する材料との間にアークを発生させます。アークで熱が発生すると、溶接棒に塗り固めてある被覆剤が分解し、ガスとなって酸化から溶接部分を保護する仕組みです。

 構造がシンプルなため、溶接機本体は安価でコンパクトなものが多く、メンテナンスも容易です。ちょっとしたアイアン雑貨を作りたい方、確たる用途が決まってなく、試しに使ってみたい方などが使いやすい種類です。ホームセンターでもよく見かけ、初心者向けの機種が豊富です。ただ、溶接中は溶接棒が溶けてどんどん短くなっていくため、それに合わせて距離を調節しながら作業する必要があります。その感覚をつかむまでに時間がかかる可能性があります。

■ノンガス半自動溶接機

 溶接棒のかわりになるフラックス入りワイヤーを本体に搭載しておき、溶接中は送給装置によって自動的にワイヤーがトーチの先端から送り出されるタイプの溶接機です。溶接棒のように作業中に短くなることがなく、トーチと材料の距離を保ちやすいので、意識を溶接箇所に集中できますし、頻繁に交換する手間もありません。

 ストレスなく、効率よく作業ができるので、溶接箇所がたくさんある場合、初心者でもDIYに溶接をどんどん取り入れていきたい場合は、ノンガス半自動溶接機が最適です。

■電源タイプ

 溶接機には使用する電源により、単相100V用、単相200V用、三相200V用などがあります。家庭用の100V電源で使用するには、100V用もしくは100V/200V兼用の機種を選びましょう。

■直流か交流か

 家庭用の100V電源で利用できる溶接機には、交流溶接機と直流インバーター溶接機の2種類があります。交流溶接機は家庭用の交流電源をそのまま使うタイプで、本体を安価でコンパクトにできるメリットはありますが、アークが安定せずに溶接の強度が低下しやすいデメリットがあります。一方、直流インバーター溶接機は、より高価で大きくなりますが、安定してきれいな溶接が可能です。

 使用頻度や仕上がりの差を考えて選ぶと良いでしょう。

5.使用時の注意点

■安全装備

・遮光溶接面(ヘルメット)/アーク放電で発生する光は紫外線です。裸眼でこの光を見ると目を傷めるので、溶接作業をするときは、必ず遮光溶接面で目を保護しましょう。溶接面には、手持ちタイプとヘルメットタイプがあります。高価になりますが、両手を使えるヘルメットタイプは溶接作業がしやすく、とくにアークの光に反応したときだけ暗くなる自動遮光タイプは、溶接箇所の確認がしやすくオススメです。
・革手袋/溶接作業中の火花や高温になった材料で火傷をしないように、溶接用の長手袋を着用します。

■延長コードは使わない

 アーク溶接機で電源コードを延長すると、溶接で負荷がかかったときに電圧が降下して溶接できない場合があります。延長コードを使わなくてよい場所に作業スペースを確保しましょう。

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