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豆知識・道具辞典
カナヅチの使い方と選び方
カナヅチの使い方と選び方
家の補修や家具の組み立てをする程度なら、ほとんどの場合は木ネジと電動ドリルドライバーがあればすみます。カナヅチを使ってクギを打つことはほとんどありません。しかし、DIYで木工をするようになると、あえてクギを使いたい場面、打ったり、叩いたりする道具が便利に使える場面が出てきます。やはり、カナヅチは使えるようになっておきたい基本の道具です。具体的にどんな用途で使えるのか、その種類と使い方を紹介しながら、カナヅチとハンマーについて解説します。
目次
1.カナヅチとは
2.カナヅチの各部の名称と機能
3.カナヅチ、ハンマーの種類
4.カナヅチ、ハンマーの選び方
5.カナヅチの基本的な使い方
6.カナヅチのメンテナンス方法
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1.カナヅチとは
物を打ちつけたり、潰したりする道具を、日本語で『槌(つち)』、英語で『hummer(ハンマー)』と言います。『槌』のうち、頭が金属のものが『金槌(カナヅチ)』であり、『玄能(げんのう)』や『トンカチ』とも言います。
カナヅチの主な用途といえばクギを打ち込むこと。木工の組み立てやリフォームでの木材の固定では、もっぱら木ネジを使うことが多くなり、クギを打つ場面は昔に比べてとても少なくなりました。それでも、装飾性の高い真ちゅうクギや隠しクギ、フローリングを固定するフロアークギなど、クギを使う場面はまだまだ残っています。また、材料のはめ合わせや一部分を潰す木殺しなど、カナヅチが便利になる作業もいろいろあるので、手もとにひとつは置いておきたい基本の道具です。
日本の伝統的なカナヅチと西洋から入ってきたハンマーがあり、さらに用途に合わせて形状や重さが異なるなど、種類はさまざまです。最初はあまり考えすぎず、汎用的に使える1本を用意することから始めると良いでしょう。
2.カナヅチの各部の名称と機能
①頭
/
クギを打つための金属部分。両口玄能は両端が打撃面になっていますが、片側がクギ抜きなどになっているものもあります。
②柄
/
材質は、木製のもの、金属製の軸に滑り止めのゴムをつけたものなどがあり、握り心地で選べます。
3.カナヅチ、ハンマーの種類
■DIYで使いやすい種類
【両口玄能】
頭の両端が打撃面になっている、もっとも一般的な日本のカナヅチです。片側は平面、片側は木殺しと呼ばれる緩やかに膨らんだ曲面になっていて、クギを打つときに使い分けることができます。クギ打ちやノミ叩きなどいろいろな作業に、バランス良く使えます。
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【八角玄能】
両口玄能の一種で、頭の形状が八角形のタイプです。十分な高さがない棚の奥など、振り上げて使うことができない箱状の空間では、寝かせて頭の側面でクギを打つ使い方ができます。
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【片口玄能】
片側は細く尖っていて、その先端はクギを材料に埋めるように打ち込むクギ締めに使用できます。
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【ネイルハンマー】
片側が打撃面、片側がクギ抜きになっている西洋由来のハンマーです。頭の重心が打撃面寄りにあるため、両口玄能に比べて振り下ろしやすいという特長もあります。
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【木槌】
頭が木製の打撃道具です。頭が材料に当たっても傷をつけにくいので、主に木材の組み立てやはめ込みのときの叩く作業に使います。カンナの台を傷めないように刃の調整をするには、カナヅチよりも木槌のほうが適しています。プラスチックハンマーなどに比べて軽く、細かく叩く作業に向いています。
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【プラスチックハンマー】
オモリの役割をする金属の両側に、打撃用のプラスチック(またはナイロン樹脂)をつけた構造です。主な用途は木槌と同様ですが、頭が重い分、勢いよく振ったときの打撃力は大きめです。木工のはめ込みのほか、自動車整備で固着した金属部品の取り外しなどにも使うことができます。
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【ゴムハンマー】
ゴム製の頭を備えたハンマーです。木槌やプラスチックハンマーよりも打撃面が柔らかいので、直接材料を叩いても跡が残りにくいのが特徴です。タイルやレンガなど、割れやすい材料の位置調整にも便利。頭が大きく、重いので、強い打撃を与えることもできます。
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■特殊な用途に使う種類
【片手ハンマー】
片側が平面、片側が球状の頭を持つタイプで、金属加工に使います。丸い側は金属板を曲げたり、リベットをかしめたりする用途に、平らな側は鉄鋼ピンを打ち込む用途に用います。標準重量が450グラム(1ポンド)のため、ポンドハンマーとも呼ばれます。
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【レンガ槌】
レンガを割る作業、モルタルやコンクリートを砕く作業に広く使われます。
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【チッピングハンマー】
溶接作業をした際に、材料に付着した不純物を叩いて落とすために使います。
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4.カナヅチ、ハンマーの選び方
木工を中心としたDIYの用途で最初の1本を選ぶのであれば、両口玄能かネイルハンマーのどちらかになるでしょう。クギを打ったり、ノミを叩いたりする作業に使いたいのなら、両口玄能がベストです。木材の組み立てにクギを使うことが少ないようなら、1本でクギ抜きとしても使えるネイルハンマーが便利でしょう。
玄能もネイルハンマーも、それぞれ重さが数種類あり、用途や使い心地で選べるようになっています。最初の玄能は225gまたは300gをおすすめします。どちらも、よく使う長さのクギを打ったり、ノミを叩いたりするのに使いやすいサイズです。実物を持ち比べて、自分の力で使いやすい方を選ぶと良いでしょう。
木工で材料をはめ込む作業は、当て木を添えてカナヅチで叩くと、傷をつけずに行えます。これが材料をもっとも傷めにくい方法ですが、両手がふさがる不便があります。カナヅチやネイルハンマーのほかに、木槌かプラスチックハンマーを持っていると重宝します。
5.カナヅチの基本的な使い方
■カナヅチの振り方
クギが自立するまでは、指を添えて慎重に叩き、その後は大きく振ってクギを打ち込んでいきます。肘から先を振り子のように動かし、同時にスナップを利かせましょう。
力まかせではなく、頭の重さをいかして振り下ろします。当たる瞬間に手首を利かせてしっかりと力を伝えるのが、まっすぐに強く打つコツです。
■両口玄能の使い方
両口玄能がクギ打ちに最適とする理由は、打撃面の一方が木殺しであるからです。平と木殺しを見比べると、わずかながら木殺しが曲面になっているのがわかります。平だけで最後までクギを打ち込むと、材料に跡がつき、表面を傷めてしまいます。途中まで平で打ち込んでおいて、最後に木殺しを使うと、クギの周辺の木材に頭が当たらず、きれいなままの仕上がりになります。
■クギを打てない場所での対処方法
材料が組み合わさるところ、段差のあるところなど、カナヅチを打ち下ろせない場面でのクギ打ちには、『クギ締め』という道具を利用します。クギ締めの先端をクギの頭に正確に当て、ずれないように支えておいて、力がまっすぐに伝わるようにカナヅチで打ちます。
6.カナヅチのメンテナンス方法
カナヅチの木製の柄は、使っているうちに頭に差し込んだ部分が潰れて細くなり、頭がグラつくようになります。放っておくと正確に打つことができないばかりか、頭が外れて飛ぶ危険があります。緩んできたら、早めに手入れを しましょう。
(1)頭をしっかりとはめ直す
緩み方がひどくない場合は、 頭を深くはめ直して様子を見ましょう。柄の尻部分をトントンと台に打ちつけて、頭の重みを利用してグラつかなくなるところまで入れます。
(2)クサビを打ち替える
上の方法で改善しないほど緩みが大きい場合は、市販されているクサビのなかからひと回り大きいものを選んで打ち替えます。柄の傷み具合が激しいようなら、新しい柄に交換しましょう。
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