圧着ペンチの種類と使い方

電気器具や電装品の整備には欠かせない工具

 電気工事や電子工作、車の電装系の整備などに欠かせない工具の1つが圧着ペンチです。電工ペンチなどと呼ばれることもあります。ペンチという名は付いていますが、一般的なペンチとは形も少し違っていて、電線に端子を圧着したり電線の被膜剥きなどをする専用の工具です。
 あくまで電気配線などにかかわる作業用工具なので、木工などのDIYではあまり活躍する機会もありませんが、電線などをつなぐ作業では必須のもの。配線の端子のカシメなどは、他の工具で代用も効きません。
 そんな圧着ペンチについて、特長や用途、さらに正しい使い方などをご紹介します。

目次
1.圧着ペンチとは
2.圧着ペンチの各部名称と機能
3.圧着ペンチの使い方
4. 圧着ペンチの種類

1.圧着ペンチとは

 圧着ペンチは、英語ではCrimper(クリンパー)やCrimping pliers(クリンピングプライヤー)と呼ばれています。電線接続用の工具で、主に建物の屋内電気配線に使用するのが圧着ペンチで、自動車などの電装部品に使用する圧着ペンチは別名電工ペンチとも呼ばれています。
 その名の通り、端子などを電線にカシメ(金属などの素材に圧力をかけ、変形させることで他の部品と固定する方法)、圧着するために使用する工具です。圧着ペンチは主に圧着機能専用で、電工ペンチは圧着機能のほか、ワイヤーストリッパーやボルトカッターなど複数の機能を持っています。
 この2つに明確な違いは規定されておらず、またその主な用途も電線(ケーブル)と圧着端子を圧縮接合(カシメる)するためのカシメ用の工具、ということでどちらも圧着ペンチと呼んで間違いではありません。
 圧着ペンチを使った圧着方法は、主に先端のダイスと呼ばれる溝が刻まれた先端部分で、スリーブやギボシ端子の根元の爪をカシメて電線などを接続するというもの。通常のペンチやラジオペンチでは、端子の爪をつぶして簡易的にカシメることはできますが、平面的にしか圧力をかけられないため、しっかりと電線どうしをカシメたり、絶縁被膜に端子の爪を食い込ませるようなことはできません。
 圧着ペンチのダイスの溝は、端子の爪を正確にカシメるために独特の形状をしており、スリーブに確実に圧力をかけ内側につぶしカシメたり、電工ペンチではツメをM字型に巻き込むように内側につぶして電線の被膜に食い込ませながらカシメることが可能です。こうすることで電線が端子から外れることがなく、確実な接続が可能になります。
 スリーブを使えば複数の配線どうしを、ハンダ付けなどよりも簡単かつ確実に接続することも可能ですし、電工ペンチで電線に端子を取り付ければ電線どうしや、各種機器と電線を確実に接続することが可能になります。
 電線の接続にはハンダが使われることも少なくありませんが、ハンダ付けでは振動や熱などによって接続部分が劣化し、外れてしまうことがあります。しかし、スリーブや端子による接続なら機械的な強度も高く、振動がある場所、熱がこもるような場所でも安心して使用することが可能です。
 また、ギボシ端子や平型端子なら、接続後に配線を切断することなくスムーズに取り外すことも可能で、メンテナンスも容易となるというメリットがあります。

2.圧着ペンチの各部名称と機能

●圧着ペンチ

●電工ペンチ(圧着ペンチ)

①ダイス/
この部分でスリーブや端子の爪に圧力をかけつぶすことで電線などとカシメます。
②ワイヤーカッター/
電線などを切断するカッターになっています。
③ボルトカッター/
この部分に、サイズに合ったボルトをねじ込み、ハンドルを握ることでネジ山をつぶさずにボルトをカットすることが可能です。
④ワイヤーストリッパー/
電線の絶縁被膜を剥きとることが可能です。
⑤ハンドル/
手で握る部分です。圧着ペンチはラチェット構造になっていて圧着不良を防ぐために、一定の圧力が掛からないとレバーが元に戻らないようになっています。レバーを奥までしっかり握るとロックは解除されます

3.圧着ペンチの使い方

●リングスリーブの圧着方法

 圧着ペンチを使ったリングスリーブの圧着方法を説明します。なお、コンセントなど屋内配線(壁コンセントなど)の工事には第二種電気工事士の免許が必須です。資格を持たずDIYで配線を行うことは禁じられています。コンセントから先の電源タップなどの配線修理は無資格で可能ですが、安易に配線をすると火事に繋がるケースもあるので注意してください。
 黄色いハンドルがリングスリーブ専用圧着ペンチの目印になっています。リングスリーブをカシメる部分がダイスです。ダイスはスリーブのサイズごとに分かれています。圧着ペンチはハンドルを最後まで握りこむことでハンドルが解放されます。無理にハンドルを開こうとすると壊れる危険があるので注意してください。

リングスリーブ

鉛でできた筒状の圧着端子がリングスリーブです。電線の絶縁被覆を剥き、筒に芯線を通して、芯線同士を結線するのに用いられます。スリーブの中で芯線を噛ませることにより、2本だけでなく3本以上の結線も可能です。ハンダ付けに比べて容易に結線が行えます。圧着後には絶縁テープもしくはリングスリーブ用の絶縁キャップで絶縁します。リングスリーブには大・中・小の3種類のサイズがあり圧着したい電線の本数によって適したサイズを選びます。
ここでは2mmの電線を3本圧着するのに、中のリングスリーブを使います。圧着スリーブの広がっている部分が下側にくるようにして、リングに電線を通します。
圧着ペンチのダイスの中の部分で、リングスリーブを挟み込みます。

ハンドルを最後まで強く握りこんで、リングスリーブに圧力を加えます。ハンドルは奥まで握りこむとロックが解除されます。
電線が圧着されました。電線がはみ出している部分はニッパなどでカットしてください。
絶縁テープで、先端を絶縁したら完了です。

●ギボシ端子の圧着方法

 次に電工ペンチを使ったギボシ端子の圧着方法を説明します。ギボシ端子は車やオートバイの電装品によく使われている端子です。車やオートバイの電装品はバッテリーによる直流12V、または24Vの電源を使用しており、電圧30V未満ですので資格なしでDIYでの配線が可能です。
 繋ぎ合わせたい電線のそれぞれにギボシ端子を取り付け、電線どうしを接続してみます。使用するのは電線(リード線)と、オスとメスそれぞれのギボシ端子、そしてそれぞれの絶縁キャップです。平型端子の場合も、基本的に圧着方法は同じです。
 また、電工ペンチは圧着機能だけでなく、ワイヤーカッター機能や、ボルトカッター機能も持っています。それぞれの使い方も合わせて説明します。

 電工(圧着)ペンチでカシメることができる圧着端子には、カシメる爪部分が開いたオープンバレルタイプ、筒状に閉じたクローズドバレルタイプ、端子の先端が被覆されていない裸端子、端子の先端が被覆されている絶縁端子など、複数の種類があり、またその形状にも以下のような様々なタイプがあります。
 使用する圧着端子の大きさに適した圧着工具を選ぶ必要があります。それぞれサイズの違いもあるので、正しい大きさのダイスでカシメるように気をつけましょう。

ギボシ端子

円筒形のオス端子と、メス端子の一対からなっている端子です。オスどうし、メスどうしで繋げることができないので、つなぎ間違いによる配線のショートを防ぐことが可能です。その形状が橋の欄干などに取り付けられる“擬宝珠(ぎぼし)”に形が似ているところからこの名前が付けられています。カーオーディオの接続やクルマの電装パーツの接続に多く用いられています。

クワ型端子

その形状が、まるで昆虫のクワガタの角のような形をした平型の端子です。先端がオープン型になっており、ネジ止めされている配線にも、ネジを緩めることで簡単に結線可能です。主に、自動車のアース線の接続などに使われます。

平型端子(ファストン端子)

薄く平べったい形状をした端子でファストン端子とも呼ばれます。ギボシ端子と同様にオス端子とメス端子で一対となっており、結線ミスを防ぐことが可能です。端子同士の着脱が簡単で自動車の電気系パーツの配線などに使われています。

丸型端子

先端がリング状になった端子です。クワ型端子と形が似ていますが、先端はオープンになっておらず、クローズ形状になっています。クローズ型なのでネジなどで接続対象につないだ場合にも、振動などでは容易に抜ける心配がありません。クルマのバッテリーターミナルなどに使われています。

●ギボシ端子の圧着方法

まず、ワイヤーストリッパー機能で、電線(リード線)の絶縁被膜を剥きます。必ずリード線の太さに合う部分で被膜を剥いてください。間違えると、被膜が剥けなかったり、中の芯線を切断してしまうので注意してください。
被覆を剥いた芯線を指でねじってまとめてください。芯線は、1本でも飛び出していると、他の配線に触れショートの原因となりますので、しっかりとねじりまとめます。
端子にかぶせる絶縁キャップを先に電線に通しておき次にギボシ端子のオス端子側に電線を通します。芯線が端子の小さい爪から1ミリ程度はみ出すぐらいが目安です。大きな爪には、絶縁被覆が重なるようにします。まだ固定できていないので位置がずれないように注意しましょう。
まずは小さい方の爪を仮カシメします。爪のサイズよりも1サイズ大きいダイスで軽く挟み、カシメます。爪がM字状になり、端子がカシメられました。左右の爪が重ならないように気をつけましょう。
さらに本カシメをします。使用するギボシ端子に合ったダイスで、しっかりとカシメます。ハンドルを強く握り確実に圧着してください。
小さい爪が、芯線にしっかり圧着されていることを確認してください。芯線が外にはみ出ていないかもチェックしましょう。
次は大きな方の爪を、絶縁被膜にカシメます。先ほどと同様にまず1サイズ大きなダイスで仮カシメします。
さらにジャストサイズのダイスを使って本カシメをします。左右の大きな爪が配線の絶縁被覆にしっかりと食い込むようにします。しっかりと電工ペンチのハンドルを握り強く圧着してください。同様の作業をメス型端子に行います。
電線を軽く引っ張り端子から抜けないか確認し問題がなければ先に電線に通しておいた絶縁キャップを端子にかぶせます。
オス端子とメス端子それぞれに絶縁キャップをかぶせたら、端子同士を接続します。少し力が要りますがしっかりと差し込みつないで、端子部分をそれぞれの絶縁キャップでカバーすれば完成です。

●ワイヤーカッターの使い方

ワイヤーカッター機能は電工ペンチの先端、もしくは回転軸の根元部分に装備されています。ニッパのような刃が付いている部分です。この部分で切断対象の電線を挟みハンドルを握るとカットできます。

●ボルトカッターの使い方

長すぎるボルトやビスのネジ山を潰すことなく切断するのがボルトカッター機能です。ボルトのサイズに合った電工ペンチの穴に、ボルト(またはビス)をねじ込みます。
切断位置を圧着ペンチの中央に合わせてハンドルを強く握ります。
ボルトをドライバーで回し取り外せば完了です。ネジ山が潰れることなくキレイに切断できました。

4. 圧着ペンチの種類

 圧着ペンチには、端子やスリーブを圧着し、電線を接続するためのものと、端子の圧着のほか電線の絶縁被膜剥き(ワイヤーストリッパー)やワイヤーカッター、ボルトカッター機能を併せ持った電工ペンチがあります。
 圧着ペンチはグリップの色によって対応する端子の種類が決められており、黄色のグリップはリングスリーブ用。赤いグリップは裸圧着端子用。水色および緑色が絶縁閉端子用となっています。特に電気工事などのプロの現場では欠かせない工具の1つです。
 電エペンチはグリップ色による種類の違いはありませんが、装備されたダイスの大きさ、種類によって電気器具に適したタイプと、自動車などの電装品用12Vコードに適したタイプがあります。プロユースだけでなく、電子工作や自動車の整備、カーアクセサリーやカーオーディオの取り付けなど、DIY作業でも活躍してくれる工具の1つです。

圧着ペンチ・リングスリーブ用

リングスリーブを圧着するための専用ペンチです。ダイスの形状がリングスリーブ専用となっており、グリップの色は黄色です。

圧着ペンチ・裸圧着端子用

絶縁されていない裸圧着端子や裸圧着スリーブ専用の圧着ペンチです。グリップは赤です。

圧着ペンチ・絶縁被覆付圧着端子/スリーブ用

絶縁被膜が施された圧着端子やスリーブ専用の圧着ペンチです。グリップの色が赤と青の2色になっています。

圧着ペンチ・絶縁閉端子用

絶縁閉端子とははじめからリングスリーブに絶縁被覆が施されたものです。このタイプのグリップは水色、もしくは緑です。

電工ペンチ・電気器具用

先端のダイスが絶縁圧着スリーブとなっている電気器具用の電工ペンチです。ダイスは大きな丸みのある形状をしており、軸の下側は裸圧着スリーブ用のダイスになっています。主に100 Vの家電製品の電源プラグや、器具内部の配線などに使用します。

電工ペンチ・自動車電装品用

主に自動車やオートバイなど12Vの電装品やコードに使うのがこちらのタイプです。先端のダイスは使用頻度の高いオープンバレル端子用ダイスとなっています。ワイヤーストリッパーやボルトカッター機能もついています。

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