セメントを使ってDIY!プランターを作ろう

 多肉植物やエアプランツといったかわいいインドアグリーンが人気になって、植物がインテリアや雑貨のように楽しまれています。こうした植物には、やっぱりおしゃれなミニプランターを合わせたいもの。園芸コーナーでは、テラコッタや陶器のものと一緒にセメントのプランターを見かけますが、セメントのものなら自分で簡単に作ることができます。無機質な質感は、グリーンとの相性も意外と良好。自分の植えたい植物や飾り方をイメージしながら、かわいいプランターを作ってみましょう。

セメントとモルタル、コンクリートの違いとは

 まず最初にセメントに関連する用語の整理をしておきましょう。「セメント」と「コンクリート」はよく混同して使われていて、「モルタル」にいたっては名称すらあまり知られていません。いきなり話を進めると混乱するかもしれないので、以後の説明をすっきり、わかりやすくするためにも、ここで簡単に解説します。

●セメントとは
 よく知られているのは、グレーの粉末状をしたものです。単体で使われることはなく、建築資材としてはコンクリートやモルタルを作るための接着剤の役割をします。水を加えて練ると化学反応によって固まり、砂や砂利などの骨材といわれる混ぜものを結合します。

 グレーの一般的なもののほか、色をつけやすい「ホワイトセメント」や硬化が速い「速乾セメント」、高温の場所に使える「耐火セメント」、水中で作業できる「水中セメント」などがあります。

●モルタルとは
 モルタルは、セメントと砂を混ぜたものです。「セメント:砂=1:3」程度の割合で混ぜ、水を加えて練ったものを使います。屋外でレンガやブロックを積むときの目地、フェンスやウッドデッキの支柱の固定、玄関などの敷きタイル張りに使用します。後半で作り方を紹介しているプランターも、モルタルで作ります。

●コンクリートとは
 コンクリートは、セメントと砂、砂利を混ぜたものです。砂利を混ぜることで強度が大幅に高くなります。水を加えて手で練る場合は、「セメント:砂:砂利=1:3:3」の割合で使います。建築では建物の基礎や構造物、道路や橋など、強度が求められるさまざまなところで使われますが、DIYではフェンスやブロック塀の基礎、駐車場の舗装、土間などに使います。ただし、砂利で重く、手でたくさんの量を練るのはかなりの重労働なので、広い駐車場を舗装するときなどは、建材店に注文して生コンクリートをミキサー車で配送してもらうほうが現実的です。

●インスタントセメントとは
 すでにセメントと砂を混ぜた状態で袋売りしていて、水を加えて練るだけですぐに使えるというものです。とても紛らわしいのですが、おわかりのとおり、実際は「インスタントセメント」という名前のモルタルで、「インスタントモルタル」の名前で売られているものも中身は同じです。購入時に混乱しないようにしてください。

 セメントと砂、砂利を混ぜた状態で袋売りしている「インスタントコンクリート」もあります。どちらも少量が必要なときにはとても便利ですが、それぞれをバラで買うより割高になります。使用量に応じて使いわけると良いでしょう。

モルタルとコンクリートの作り方

 モルタルやコンクリートを屋外で使うため、多めに作る場合を例に紹介します。どちらも作りすぎると処分に困ります。袋などに記載されているできあがりの量を目安に、必要な量だけを作るようにします。セメントは強アルカリ性のため、素手で触ると肌が荒れます。必ず手袋を着用して作業しましょう。

●モルタルの作り方

・用意するもの

<材料>
セメント1:砂3

<道具>
トロ舟(プラスチック製の練り桶)
左官鍬(またはスコップ)
バケツ

・作り方

トロ舟にセメントと砂を入れ、水を加えずによく混ぜます。セメントと砂の区別がつかなくなるくらいまで均一に混ぜてください。これを空練りといいます。トロ舟のかわりに合板の上などでも作業できます。


ムラなく均一に混ざったら、山のようにまとめて頂上にくぼみを作り、そこに少しずつ水を入れて練っていきます。水を多く入れすぎると、さらにセメントと砂を加えて混ぜなおさなければなりません。硬さを確かめながら、少しずつ水を加えるのがポイントです。


コテですくってこぼれ落ちない程度の硬さが目安です。

●コンクリートの作り方

・用意するもの

<材料>
セメント1:砂3:砂利3

<道具>
トロ舟(プラスチック製の練り桶)
左官鍬(またはスコップ)
バケツ

・作り方

最初はトロ舟にセメントと砂だけを入れて、水を加えずに空練りします。

セメントと砂の区別がつかないくらいに均一に混ざったら、砂利を加えてさらに空練りします。

砂利が均一に混ざったら、山のようにまとめてへこみを作り、そこに少しずつ水を入れて混ぜていきます。やわらかくなりすぎないように、硬さを確認しながら水を加えるのがポイントです。

練り上がりの硬さは、スコップですくってこぼれ落ちない程度が目安です。

●後かたづけの注意
 使用した道具は、トロ舟やバケツに水をためて、モルタルやコンクリートが固まる前に洗うようにします。アスファルトの上で洗うと、白く跡が残ってしまうので注意しましょう。道具を洗った水は強アルカリになっているので、直接側溝などに流さず、庭の隅などに穴を掘って、できるだけ薄めてから流すようにしてください。

セメントを使ってプランターを作る

 セメントを使うのは外回りの工事というイメージがあり、自分には無縁なものと思いがちです。ところが、型に入れて固められる材料というのは、DIYでは実に便利なもので、実用品から置物などのクラフトまで、さまざまな作品づくりに利用できます。材料や道具はさほど必要なく、作り方も意外と簡単です。家に転がっている空の容器や袋を型にして、市販品にない形のものをあれこれ作ってみたくなります。ここでは入門編として、多肉植物用のミニプランターを例に、セメント作品の作り方を紹介します。テラコッタや陶器とはひと味違うセメントの無機質な質感は、インテリアのアクセントにもなっておすすめです。

 

●用意するもの

 

・材料

インスタントセメント(速乾タイプがおすすめ)

牛乳パック(作りたい大きさにカットしておく)

紙コップ

※牛乳パックは内側をコーティングされていて、インスタントセメントが乾いたときにはがしやすい。木材でできた型を使う場合は、内側に防水スプレーを吹きつけておくと、はがしやすくなります。

 

・道具

ボール、ヘラ、スプーン、重し

 

●作り方

 

・インスタントセメントを練る

使用する牛乳パックに入る量のインスタントセメントをボールに入れ、少しずつ水を入れながらヘラで練ります。水はパッケージに表示された分量より少し多めくらい。柔らかめのほうが、型の隅々までいきわたり、気泡もできにくくなります。

 

・型に入れる

牛乳パックの上端から1cmくらいの高さまで練ったセメントを流し込み、まん中に紙コップを入れます。沈める深さがわかるように、あらかじめ紙コップにはテープなどで目印をつけておきましょう。

 

・重しを入れる

紙コップが浮いてこないように、中に重しの石を入れて、インスタントセメントが固まるのを待ちます。気温によって硬化時間が違いますが、速乾タイプであれば3〜4時間で固まります。

 

・型をはずす

水分がぬけて表面が白っぽくなってきたら、紙コップを抜いて、牛乳パックをはがします。牛乳パックは皮をむくようにはがせるので、形を崩さないで簡単にはずせます。硬い材質の型を使うときは、無理にこじって壊さないように気をつけてください。

 

・完成!

デコボコやざらつきもセメントらしい味になりますが、サンドペーパーでやさしく磨いて滑らかに仕上げることもできます。

 

・後かたづけ

使った道具はそのまま水道で洗わず、先に紙などでよくふき取り、排水口にセメントを流さないようにしましょう。

 

・プランターとして使用するために

あまり水を必要としないエアプランツや多肉植物のプランターであればこのまま使用できますが、観葉植物などを植える場合は水抜きのための底穴を作る必要があります。セメントが完全に乾いてから、コンクリート用のドリルビットを使って、底に穴をあけてください。また、プランターをみょうばんを溶かした水に数日間浸けて、セメントのアルカリ性を弱めておくと、植物への悪影響がなく安心です。

セメントプランターをおしゃれにアレンジ

 セメントらしい無機質なグレーをそのままいかすほか、部分的にカラーや文字を入れてアレンジを楽しむこともできます。ポイントは、やりすぎないこと。セメントの質感を残すように、センスよくデザインしましょう。

●ペイントする
塗らないところにマスキングテープを貼って、好みの色を塗ります。塗料が乾く前にマスキングテープをはずし、乾燥させてできあがりです。

 ステンシルシートを使えば、きれいに文字入れができます。小さく切ったキッチン用のスポンジに塗料をつけ、軽くポンポンと叩くようにして少しずつ色をつけるようにすると、はみ出しがないくっきりとした文字を入れられます。そのほかにも、転写シールや消しゴムはんこなど、いろいろ試してみましょう。

セメントを使ったその他のDIY

 セメントを材料に使ったDIYで、いろいろな作品を作ってみましょう。ここでは、アイデアをいくつか紹介します。

・プリンやヨーグルトなどの小さいカップで作るロウソク立て。
・缶詰の空き缶を利用して作るペンスタンド。
・大きいペットボトルで型を取ったランプシェードや電球スタンド。
・プラスチックケースなどで作る蚊取り線香ホルダー。
・好きな形の平板を作って時計の文字盤として利用。
・お菓子の焼型で作るアルファベットのオブジェ。
・キューブや星型のペーパーウェイト。
・牛乳パックで作るドアストッパー。

まとめ

 今回は外回りで使うモルタルやコンクリートの作り方とあわせて、ミニプランターを作って楽しむ方法を紹介しましたが、レンガやブロックを積むだけではない使い方はなかなか新鮮。型を利用して造形するセメントDIYは、木工とはまた違うおもしろさがあり、一度使ってのめり込む方も多いようです。型にできそうなものを見つけて作品のアイデアを考えたり、型を作るところから始めたり、セメントを使って遊んでみてください。

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