自分でできる車のバッテリー交換。
トラブルを防ぐメモリーのバックアップとは

 出かけるときは大丈夫だったのに、ドライブ先でなぜかスターターが回らなくなりエンジンがかからない、そんな経験はないでしょうか。いわゆるバッテリー上がりです。
 とりあえずはバッテリーをジャンプしてもらったり、補充電することで始動ができたとしても、バッテリーが上がった、ということはそのバッテリーがすでに寿命を迎えている、もしくはダメージを受けている可能性があります。遅かれ早かれ交換は必要となるでしょう。
 ではバッテリーを交換するとなったとき、どうされているでしょうか。バッテリーは車の消耗品としては高価な部類で、少しでも交換の費用を抑えたいならば、工賃を節約してDIYでの交換に挑戦してみるというのはいかがでしょうか。実は思いのほか作業は簡単です。
 そこで、DIYでの交換にチャレンジしてみたいという方のために、型番の見方や、購入の際の注意点、さらに古いバッテリーの処分方法など、バッテリー交換に役立つ情報を詳しくご紹介します。

1章:自分で車のバッテリー交換はできる?
2章:バッテリー交換の頻度・タイミング
3章:バッテリー交換で必要な道具
4章:バッテリー交換の方法
5章:交換時に注意すべき点
6章:不要になったバッテリーの処理方法
まとめ

1章:自分で車のバッテリー交換はできる?

ショートにさえ気をつければ作業は簡単

 自分のクルマのボンネットを一度も開けたことがない、というなら別ですが、クルマのバッテリー交換の作業はオイル交換やブレーキパッドの交換などと違ってとても簡単です。ようするに電池ですから、端子を外して、古いものから新しいものへ交換するだけで良いのです。正しい型番の交換バッテリーを用意して、ショートさせないように気をつければDIYでのバッテリー交換は誰にでもできる作業です。
 ただし、意外な盲点はバッテリーの重さです。クルマのバッテリーはその大きさから想像するよりもとても重いものです。例えばコンパクトカーなどにもよく使われている余り大きくないバッテリー、38B24R(型番の見方は後述)などのサイズであってもだいたい10kgほどあります。大型のクルマ用のバッテリーならそれ以上に重いものも珍しくありません。
 10kgのバッテリーをエンジンルーム内から取り出したり、また新しいバッテリーをエンジンルームにセットするだけでも力が必要です。体力にあまり自信のない方や女性の場合、バッテリーを持ち上げることができなくて交換作業ができなかったなどということもあるかもしれません。
 また、中途半端な姿勢で重いバッテリーを持ち上げたことで腰を痛めてしまうなどということもありえます。作業自体は簡単なのですが、重さがネックとなることがありますので、一度カー用品店やホームセンターなどのバッテリー売り場に行き、自分のクルマに合うバッテリーを実際に持ってみてください。その上で交換作業が可能かどうか確認しておく必要があるかもしれません。

2章:バッテリー交換の頻度・タイミング

寿命は2年から4年。3年経っていたら交換を検討

 クルマのバッテリーの寿命は、使用環境などにもよりますがだいたい2~4年と言われています。前回交換をしてから3年以上経過していたら、そのバッテリーの寿命は近く、交換を考える時期にきていると判断して良いでしょう。
 では、いつ交換したか覚えていないという場合はどうすれば良いか。以下のような症状が出ていたら寿命に近づいている可能性が高いです。交換を検討しましょう。

①スターターを回した際にセルモーターの音が鈍い

②パワーウィンドウの動きがもたつく

③以前よりもヘッドライトが暗くなった

④バッテリーが膨らんでいるように見える

⑤目視でバッテリー液が減ってきている

⑥バッテリーからバッテリー液が漏れている

⑦ターミナル(端子)に白い粉がふいている

 バッテリー交換が必要となったとき、最も簡単なのはクルマを購入したディーラーに持っていき、交換をお願いする方法です。バッテリーの品質も心配いりませんし、そのクルマの扱いに精通したプロなので交換作業も安心して任せられます。
 ただ、バッテリーの価格は高めで、交換工賃も安くありません。しかし大手のカー用品店ならバッテリーのバリーエーションも豊富で価格も安め。交換工賃も大手のカー用品チェーンなら500円程度なので、こちらもお手頃です。
 でも、さらに費用を安く済ませたいなら、DIYで交換するのがベストでしょう。バッテリーの交換はとても簡単な作業です。ショートに注意し、適切なバッテリーさえ手に入れれば難しいことはありません。DIYなら工賃もかかりませんので挑戦してみてはいかがでしょう。
 ただ、注意しなくてはいけないのは、ネット通販などを利用して安すぎるバッテリーを購入しないことです。ネットには市場価格よりも驚くほどリーズナブルなバッテリーも販売されていますが、中には品質が悪く、寿命が極端に短いものもあります。カー用品店やホームセンターなど、万が一の際にもすぐに対応してもられる信頼のおけるお店で購入することをオススメします。

3章:バッテリー交換で必要な道具

クルマのメモリーを保護するメモリーバックアップを用意

 バッテリー交換は古くなったバッテリーを取り外し、新しいものに交換する、つまりは電池を交換するということなのでとても簡単な作業です。作業に必要なものは以下になります。重要なのは正しいバッテリーを用意すること。そしてメモリーのバックアップも必ず行うことです。

準備する物

・新品バッテリー

・工具(スパナ、ドライバーなど)

・メモリーバックアップ

・メモリーバックアップ用の乾電池

バッテリーの品番の見方

 バッテリーの品番は、クルマの使用説明書に書かれています。また、バッテリー自体にも『40B19L』(国産車の場合)のような数字とアルファベットが記載されているはずです。
 品番が同じバッテリーであれば交換が可能です。ちなみにこの品番の見方は以下になります。
 標準車用バッテリーは②、③、④、アイドリングストップ車用バッテリーは①と③がバッテリーの大きさと、端子の位置(Rは右、Lは左)を示しています。これらが同じ仕様であればバッテリーの互換性があります。
 標準車用の①と、アイドリングストップ車用の②の2ケタの数字はバッテリーの性能ランクです。もし指定されているバッテリーが40B19Lであれば、この数字よりも大きな数字で仕様が同じ、例えば44B19Lや50B19Lなどのバッテリーも使用することが可能です。数字が大きくなるほどエンジンの始動性が向上します。ただし、ランクが上がればその分価格も高くなるので注意してください。
バッテリーと合わせてメモリーバックアップも用意しておきましょう。 

メモリーバックアップは、取り外した古いバッテリーの代わりに乾電池などで一時的に時計やカーナビ、オーディオ、クルマのコンピューターの学習機能などを保持してくれるアイテムです。
 これを使用しないと、オーディオのプリセットやナビゲーションの設定、車のコンピューター等がリセットされる場合があります。1,000円から2,000円程度で購入可能なのでバッテリーと合わせて入手しておくことをオススメします。必要なものが入手できたら次は交換作業です。

4章:バッテリー交換の方法

ケーブルは必ずマイナスから取り外す

 準備ができたらバッテリーを交換しましょう。バッテリーはとても重いので腰などを痛めないように気をつけながら交換作業を進めてください。

①バッテリーを固定しているステーを外す

エンジンを切りルームランプなどエンジンを切っていても通電している電装品もOFFにします。バッテリー端子に工具や手が触れないように注意しながら、バッテリーを固定しているステーをスパナで外します。

②メモリーバックアップを取りつける

バッテリー端子にメモリーバックアップを取りつけます。電池は先に入れておいてください。最初にバッテリーのプラス端子にメモリーバックアップのワニ口クリップ(赤)を挟みます。カバーがある場合はカバーを外してください。次にマイナス側にメモリーバックアップのワニ口クリップ(黒)を挟みます。繋ぐ順番は必ず先にプラス、次にマイナスです。覚えておきましょう。

③バッテリーからケーブルを外す

バッテリーケーブルを外す順番は最初にマイナス、次にプラスです。マイナス側がアースになっているので先に取り外せばショートを防げます。ナットを緩めケーブルを取り外してください。メモリーバックアップが外れないように注意します。
プラス端子もケーブルも外したら端子がクルマのボディの金属部に触れないように注意して端に寄せます。

④バッテリーを載せ替える

古いバッテリーを持ち上げて取り外します。バッテリーは小さなものでも10kgほどと思いのほか重いので注意してください。外せたら新しいバッテリーを取りつけます。端子の向きを間違わないよう注意しましょう。

⑤ターミナルにケーブルを接続する

新しいバッテリーにケーブルを接続します。接続の順番は取り外したときと逆、最初にプラス、次にマイナスです。メモリーバックアップが外れないよう注意しながらターミナルにケーブルを取りつけます。そして、あまり強く締めつけないよう注意しながらナットで固定します。両方の端子にケーブルを接続したら、メモリーバックアップを取り外します。外す順番は最初にマイナス端子、次にプラス端子です。

⑥カバーを装着する

最後にプラス側の端子に、赤いカバーを被せます。そしてバッテリーを固定するためのステーを元に戻せば交換は完了です。

5章:交換時に注意すべき点

始動しない場合は端子が汚れていないか確認する

 バッテリーを新品に交換したのになぜかエンジンが始動しない、もしくはスターターの回転が弱々しいということがあります。その場合はバッテリーのケーブルのターミナルと接触する端子が腐食している、もしくはひどく汚れてしまっている可能性があります。
 もし白く粉が吹いていたり、つやがなく黒ずんでいる場合は、ケーブルをターミナルからいったん取り外して接点を金属のワイヤーブラシなどで磨いてあげましょう。
 端子の内側がワイヤーブラシで磨きにくい場合は、4~5cm四方に小さく切ったサンドペーパーを用意し、それを筒状に丸めてターミナルと接触する内側を丁寧に研磨してください。仕上げに接点復活剤などをスプレーすると良いでしょう。これで回復するはずです。
 もしこういった作業を行っても回復しない場合は別の原因が考えられます。その場合は修理を検討した方が良いでしょう。

6章:不要になったバッテリーの処理方法

バッテリーを購入したお店に処分を頼もう

 交換後の古いバッテリーはどのように処分すれば良いのでしょう。自治体などでは回収してもらえません。勝手にゴミなどに出すと不法投棄になるので気をつけてください。もし、ホームセンターやカー用品店の店頭で新品のバッテリーを購入したのであれば、交換後に古いバッテリーをそれらのお店に持ち込めば処分を引き受けてくれるはずです。ほとんどの場合費用も無料です。
 では通販で購入した場合はどうすれば良いのか。この場合も新品の購入と引き換えに、古いバッテリーの処分をお願いできるはずです。これもほとんどの場合無料です。
 ただし古いバッテリーの送付費用は別途有料の場合もあります。バッテリーは非常に重いので送付費用は意外にばかになりません。通販でバッテリーを購入する際は古いバッテリーの処分方法と、その費用などもきちんとチェックしておくべきでしょう。
 また、以前交換して処分に困っているバッテリーがあるという場合はカー用品店やガソリンスタンド、自動車修理工場などで回収してもらえる可能性があります。多くの場合無料で引き取ってもらえるはずです。もし有料でもおそらく500円程度でしょう。古いバッテリーは貴重な資源でもあります。正しく処分してしっかりリサイクルしてください。

まとめ

 クルマのトラブルの代表ともいうべきバッテリー上がりはバッテリーの定期的なチェックと交換さえきちんとしておけば防げるトラブルです。以前交換してから3年以上経過している場合は、そろそろ寿命かもしれません。バッテリーは消耗品として高価なものですが、DIYで交換すれば工賃を節約することが可能です。作業自体は紹介したようにとても簡単ですので、ぜひ一度チャレンジしてみてください。

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