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ワイパーの交換方法
ワイパーの交換方法
雨の日のドライブになくてはならないものがワイパーです。どんな車にも装備されており、使ったことがないというドライバーはいないでしょう。でも、車のケアなどをしっかり行っていても意外に見落としがちなのがワイパーの劣化です。
なぜなら、雨が降らない限り使用することがないからです。毎日車を使っている人は別ですが、週末しか車に乗る機会がないという場合、数週間ワイパーが必要となるような雨に遭遇しなかった、というケースもあり得ます。使わなければワイパーが劣化していても気が付きません。ある日作動させてみたらワイパーゴムが切れていたなどということもあるでしょう。しかしいざ雨という時にワイパーが使えないとなれば、視界は遮られ安全なドライブは行えません。
もし、前回ワイパーを交換したのがいつだったか覚えていないのであれば今すぐ交換するべきです。ではワイパーはなぜ定期的に交換しなくてはならないのか、またどんなワイパーを選べば良いのか、さらにどのように交換すれば良いのかなどを詳しく説明します。
1章:ワイパーの役割
2章:ワイパーが劣化するとどんな問題があるか
3章:交換前にまずはワイパーの形を確認
4章:ワイパーの選び方とは
5章:ワイパーの交換方法
6章:ワイパーゴムを長持ちさせるコツ
まとめ
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1章:ワイパーの役割
雨などから視界を確保するほか付着物を除去する
ハイブリッドカーやEVに普及に、進化する安全運転技術。車は近年著しい進化を遂げています。それなのに、昔からその姿や仕組みがほとんど変わっていないのがワイパーです。もし、今のワイパーに変わる画期的な技術を発明できれば、ノーベル賞が受賞できる! などという都市伝説もありますが、未だそれを成し遂げた人はいないようです。
ワイパーの役割はとても簡単です。雨などによってウインドウガラスについた水滴や汚れなどを、薄いゴムのブレードによって拭うというものです。ただし、ウエスなどで窓ガラスを掃除するように拭き取っているというわけではありません。ガラス面に付着した水滴を拭きつつ、その水分をガラスの上に均一伸ばして薄い水の膜をつくっているのです。こうすることによってクリアな視界を確保しています。
また雨だけでなくホコリや虫の死骸などの視界を遮る付着物をぬぐい取るという役割もワイパーはもっています。家庭用掃除道具であるスクイージーの替わりでもあるのです。
このワイパーですがその歴史は古く100年ほど前にはその原型が完成していたようです。では、それより前はどうしていたのかというと、雨が降り、水滴がウインドウに付着して視界を遮るたびにクルマを停め、いちいち布などで拭き取っていたといわれています。
さらに雨足が強くなり拭き取りでは間に合わなくなると、フロントウインドウを前に倒してしまい、ドライバーはずぶぬれになりながら運転をしていたのだそうです。それから考えるとワイパーはとても便利な装備といえるでしょう。
またワイパーの構造は昔からほとんど変わっていないといわれていますが、ブレードのゴムの材質や、ウインドウにブレードを押しつけるためのワイパーアームの設計などの研究は進んでいます。
さらに、雨滴感知機能やウォッシャー液を吹き付ける機能などワイパーがより効率的にその役割を果たせるように様々な機能も装備されてきました。その基本の仕組みは変わっていませんが、雨や汚れをぬぐい取るという機能に関しては、着実に進化しているのです。
2章:ワイパーが劣化するとどんな問題があるか
白い筋が残ったりビビり音がしたらすぐに交換
ワイパーは大きく3つの部位に分けることができます。1つがワイパーモーターに接続されているワイパーアーム。そしてそのワイパーアームと連結し、ガラスにワイパーを密着させているワイパーブレード。そして、そのブレードに装着されているブレード上のゴム(ワイパーゴム)です。
そしてワイパーアームによってガラス面にワイパーゴムを押しつけながらモーターが左右にブレードを振り、雨を拭き取っています。ということは、当たり前ですが、ワイパーは使うたびにガラス面に何度もこすり続けられているということです。どれくらい往復しているのでしょう。もちろん使用状況によって変わってきますが、一般的な車の使用で、ワイパーは一年平均でウインドウの上を9万往復もしているといわれています。
9万往復となるとその拭き取る総面積も相当なものになります。一説にはなんと一年間で東京ドームの6~7個分に匹敵する広大な面積を拭き取っている、ともいわれています。
それを、数ミリの厚さしかないワイパーゴムで拭くとなれば、たった一年でも劣化は相当進むのは当然のことでしょう。
さらに、摩擦以外にも空気中のオゾンや紫外線、真夏の暑さや冬の寒さ、排気ガスや黄砂など様々な要因がワイパーゴムにダメージ与えます。前述したような平均的な使用頻度よりも使う機会が少なくても、経年で徐々に劣化してしまうのです。もしワイパーが劣化するとどうなるのでしょうか? およそ次のような症状が現れます。
・拭き取っても白く細かな筋が残ってしまう
・ワイパーが動くたびにビビり音が発生する
・拭きとっても水分がにじんだように残る
・ところどころに拭きムラができる
・ワイパーラバーの一部が切れる
もしこのような症状が思い当たるのならワイパーを交換するべきです。ワイパーの交換は、ホームセンターやカー用品店、自動車ディーラーなどでもやってもらうことができますが、比較的簡単な作業なのでDIYで行っても良いでしょう。
その車に合ったワイパーを入手できれば作業時間は10分ほどで済むはずです。
3章:交換前にまずはワイパーの形を確認
車によってワイパーブレードの形状や長さが違う
ワイパーはワイパーアームとワイパーブレード、ワイパーゴムの3つの部位に分かれていると前述しました。このうちDIYで簡単に交換できるのはワイパーブレードと、ワイパーゴムです。ワイパーアームも交換はできますが、そういった作業は消耗品の交換ではなく修理に当たるので通常DIYで行いません。またホームセンターやカー用品店でワイパーの交換用品として売られているのはワイパーブレードとワイパーゴムです。
ワイパーを交換する方法としては、ワイパーゴムのついたブレードそのものを丸ごと交換してしまう方法と、ブレードからゴムだけ外して新しい替えゴムに交換する方法があります。作業として簡単なのはブレードごと交換する方法です。ワイパーはワイパーゴムだけでなくワイパーブレードの金属部品も劣化するのでその方がオススメです。ただし費用としてはゴム部分だけを交換するほうが安く済みます。
交換するにあたって確認しなくてはいけないのが自分のクルマのワイパーの形状と長さです。車種や年式によってワイパーブレードの形状が変わっていたり、ワイパーゴムの長さも違っていることがあります。また同じフロントワイパーでも左右で長さは違いますし、リアウインドウ用のワイパーも互換性はありません。しっかり確認しておきましょう。
形状としては一般的なトーナメントタイプ。空気抵抗の少ないエアロタイプなどがあります。
また輸入車によっては特殊な形状の物もあるようです。国産車であればホームセンターやカー用品店に行けば簡単に手に入れることが可能です。自分の車のワイパーがどのタイプなのかよくわからない場合は、車の説明書を確認するか、ワイパー売り場でメーカーのカタログを見れば確認可能です。また、ワイパーメーカーのホームページなどでも年式や車名などから検索することができるので試してみてください。
自分の車に該当する交換用ワイパーブレードが売り場にない場合は、ワイパーゴムを購入し、長さを測って切断することでワイパーゴムだけを交換しても良いでしょう。
ただし、ワイパーブレードは可動部分も多く、使用に伴い劣化したり、金属部分にサビが発生してしまうので、できれば定期
的に交換するのがオススメです。ワイパーブレードは繰り返し何度も使いまわさずに、ワイパーゴムを2回交換したら次はブレードごと交換するなどとして、劣化が進まないうちに定期的に変えておく方が良いでしょう。
4章:ワイパーの選び方とは
撥水コーティング車は対応したワイパーを選ぶ
交換用ワイパーの売り場に行ってみると、同じ規格のものでもいくつかのタイプがあるのが分かるはずです。ガラスコーティングに対応したグラファイトが入ったもの、ワイパーを使用することでガラス面に撥水被膜を作ってくれるもの、さらに強力な油膜落とし効果のあるものや、ビビり音の発生を防いでくれるタイプなどもあります。また、雪道に対応したスノーブレードなどもあり、用途に合わせて様々なタイプから選べます。
基本的には規格やサイズが適合すればどのタイプでも装着可能ですが、特に気をつけなくてはいけないのがガラスコーティングの有無です。あらかじめ撥水剤などでガラスをコーティングしている場合は、ガラスコーティングに対応したワイパーに交換しましょう。
ガラスコーティングされたガラスに、汎用タイプのワイパーを使用すると、使っているうちに耳障りなビビり音が発生してしまうことがあります。なぜそうなるかというと、ガラスコーティング剤はガラスの表面から水を強制的に排除する効果をもっているからです。
通常ワイパーはガラス表面の水を取り除くのではなく薄く伸ばしていると前述しました。この水がワイパーゴムとガラス面との摩擦を軽減しています。しかし、ガラス表面から撥水剤によって強制的に水がなくなるとワイパーは乾燥したガラス表面を往復することになります。つまり乾拭き状態となってしまうのです。そうなればワイパーゴムとガラスの間で大きな摩擦抵抗が発生します。これによってワイパーゴムがガラスの上で引っ掛かり、大きなビビり音や拭きムラを発生させてしまうのです。
さらに摩擦によって撥水コーティングを剥がしてしまい、撥水効果まで低下させてしまいます。そうならないためには、ガラスコーティング対応のワイパーを使う必要があるのです。
できれば使用しているガラスコーティング剤のメーカーが発売している同じブランドのワイパーブレードやワイパーゴムを使用するのが良いでしょう。メーカーサイドでテストされているはずなので摩擦を減らすだけでなく、コーティング効果を守るような相乗効果も期待できるはずです。
5章:ワイパーの交換方法
取り換えるだけで意外と簡単。ワイパーの交換手順
車に合った交換用ワイパーを入手できたら、ワイパーを交換しましょう。ここではワイパーブレードごと交換する方法とワイパーゴムだけを交換する方法を紹介します。
●ワイパーブレードごと交換する方法
交換の際ガラスに傷を付けないように事前にタオルなどを用意しておいてください。作業の前にまずはタオルをワイパーアームとガラスの間に敷いておきましょう。
次にワイパーブレードの接続部分を確認します。エアロタイプワイパーブレードの場合はカバーがありますがこのカバーを開けると写真のようなU字状のフックが現れます。一般的なトーナメントタイプはカバーがなくU字部分がすぐに確認できるはずです。
このU字部分とロックするための小さなツメやボタンがワイパーブレード側にあるので、それを押すなり解除しながらブレードをスライドさせると簡単にブレードが引き抜けるはずです。
古いワイパーブレードを取り外すことができたら、交換用のワイパーブレードを用意してU字のフックに接続部分を引っかけカチっと音がするまでしっかり差し込みます。これで交換完了です。とても簡単です。
●ワイパーゴムだけを交換する方法
まずは先ほどと同じようにワイパーブレードを取り外します。取り外さなくても替えゴムだけを交換することもできますが、ガラスに傷をつけてしまう可能性があるのでできればワイパーブレードを外してから作業するのがオススメです。
ワイパーブレードを取り外したら、ワイパーゴムをよく確認してください。ワイパーゴムにはブレードのツメが通る溝があるはずです。その溝の一部にストッパー(溝の中の出っ張っている部分)があるはずです。
このストッパー部分を先にツメから引き抜きます。抜きにくい場合はペンチなどを使用しましょう。ストッパー部分が抜ければあとはまっすぐ引っ張るだけで簡単に溝にそって外れるはずです。
ワイパーゴムには金属の細いフレームが付いているはずです。このパーツはワイパーゴムに対して力が均一にかかるようにする役割を持っています。
替えのワイパーゴムにはこちらは付属していないので新しいものに付け変えます。くれぐれも捨てないようにしてください。
運転席側、助手席側左右に二本と、リアウインドウ用(ある場合のみ)の一本を交換し終えたら、最後に必ず動作のチェックをしましょう。交換の際にワイパーゴムの一部がしっかりと溝にはまっていないなどということもあります。拭きムラもなく異音もしないことが確認できたらこれで交換作業終了です。
6章:ワイパーゴムを長持ちさせるコツ
こまめに手入れすることでワイパーは長持ちする
ワイパーブレードは使用に伴い徐々に劣化が進んでしまうものですが、こまめに手入れをすることで長持ちさせることも可能です。そもそも劣化の原因はホコリ、泥、砂、花粉などの汚れや紫外線ですが、汚れに関してはこまめに拭き取ってあげるだけでも劣化が防ぐことができます。方法は簡単でワイパーブレードを絞ったウエスなどで定期的に拭くだけです。
雨のあとや強い風の吹いた翌日などは特に汚れが多く付着しているはずなので、その汚れを拭き取る習慣を付けておくと良いでしょう。また、ワイパーを拭くついでにウインドウガラスも掃除しておくのもオススメです。ウインドウに砂や花粉などが残った状態でワイパーを作動させると、ワイパーゴムを傷めてしまうので注意しましょう。
また、ガラス面が乾いた状態でワイパーを動かさないようにしてください。乾いた状態でワイパーを使用すると、摩擦抵抗が大きくなる上、ホコリや砂、花粉などのゴミがワイパーゴムに絡みつきやすくなってしまいます。その状態でワイパーを動かせばワイパーブレードだけでなく、フロントガラスにもキズをつけてしまいますので気をつけてください。
ガラス面が乾いている場合は必ずウォッシャー液でガラス面を濡らしてからワイパーを使うようにしてください。
ワイパーを長持ちさせるためのグッズとしてワイパースタンドというものもあります。これはワイパーを少しだけ浮かせてワイパーゴムをガラス面から離しておくためのもの。
これを使うことで夏場の高温時にはワイパーブレードの固着を防ぎ、気温の極端に低い寒冷地では凍結による固着を防ぐことが可能です。ワイパースタンドでワイパーを立てておいても、ワイパーを作動させれば自動で倒れてくれます。ただし、ワイパーを立てる際にはいちいち手動で作業しなくてはならないのが多少面倒かもしれません。
まとめ
ウインドウ撥水剤などを普段から使用されている方は、少しの雨ならワイパーを使わなくても視界が確保できるので、ついワイパーの交換を怠ってしまいがちです。しかし、最近は以前より天候の変化が激しくなっており、昔は聞かなかったゲリラ豪雨などという言葉も当たり前のものとなっています。
もし、ドライブ中にそんなゲリラ豪雨に見舞われれば、ウインドウ撥水剤ではおそらく間に合わないでしょう。そんな時にワイパーが役に立たなければ視界は奪われ最悪は大事故に繋がる危険もあります。
今は特に不便を感じていなくても、もしワイパーの交換から一年以上経過しているのであれば、すぐにでも交換することをオススメします。交換作業は紹介したようにとても簡単なので洗車のついでにワイパーの状態を確認しましょう。明らかに劣化しているようなら、DIYでの交換にぜひチャレンジしてみてください。
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