壁をDIYでリフォームする方法

目次
1章:壁をDIYでリフォーム
2章:場所別、壁のリフォーム方法
3章:壁をペンキで塗装するには
4章:壁に壁紙を貼るには
5章:壁を使った間仕切りをDIYで作る
6章:壁にDIYで収納スペースを追加

 壁は室内で占める割合が多いうえ、目に入りやすいこともあって、インテリアの中でも部屋の印象に与える影響が大きい部分です。「汚れをリフレッシュして美しさを取り戻したい」「家具とコーディネートしてインテリアを統一したい」「気分を変えたい」など、いずれも壁をリフォームする理由になります。費用を抑えて、好きな材料と色柄を使って気軽にできるDIYリフォームは、気になったときに先延ばしにしないで行えるのが魅力です。壁紙を貼り替えたり、ペンキを塗ったり、飾り棚をつけたり、いろんなことができてイメージが膨らむ楽しい作業です。

壁をDIYでリフォーム

壁をペンキで塗装する

 室内壁のリフォームで、初心者でも気軽に挑戦できるのがペンキでの塗装です。刺激臭がなく、水洗いで道具の後かたづけができる室内用の水性塗料が充実してきたおかげで、室内での塗装作業がしやすくなりました。多いものでは300種類以上と色数も豊富。従来の壁が多くのお宅で使われているビニール壁紙(塩化ビニールクロス)なら、剥がさずにその上から塗装できるところも手軽です。

 壁を塗装する場合、全面を単色で仕上げると空間が単調になりやすいので、塗り方を一工夫してみましょう。例えば全面を塗らずに、メインの一面だけを塗るというパターン。視覚的な変化をつけられますし、手間と費用もカットできてオススメです。仕上がりに満足できなければ、後から残りの壁を塗ることもできますから。

 大人の塗り絵がヒット商品になるくらいで、目的に関係なく塗る作業は楽しいものです。最初はきれいに仕上がるかを心配するよりも、練習のつもりで気楽に塗ってみてください。リビングなどの広い壁は、家族や友人と一緒にイベント感覚のペイント大会にすると盛り上がります。

壁紙を貼り替える

 色のほかに、柄、素材の質感などを求めるのでしたら、壁紙の貼り替えをしましょう。表面の素材には種類があり、最近は汚れが拭き取れて手入れが簡単なビニールが主流ですが、ほかにも紙や織物を使った風合いの異なる種類があります。

 シンプルさと清潔感を重視してホワイト系の単色を選んだとしても、テクスチャーやエンボスの模様で変化を感じられるのが壁紙の良いところです。一方で、少し冒険して部屋のイメージチェンジをするときに検討していただきたいのが柄物です。木目調やレンガ調、コンクリート調などの素材系、ポップ調、モダン調、ヨーロッパ調などのバラエティに富んだデザイン系、ほかにも植物柄や動物柄など、オーソドックスなものから個性の強いものまでさまざま。選び方や使い方が難しい反面、上手に使いこなせばはっきりとした部屋のイメージ作りができるキーアイテムになります。ただし、色の強いもの、柄の大きいものが空間に占める割合が増えると、うるさく感じるかもしれません。一面だけ、上半分だけ、鉄骨柱の出っぱり部分だけといった具合に、部分貼りをしてアクセントに使うと失敗が少ないです。

●作業性もチェック
 壁紙は接着タイプによって、「生のりつきタイプ」「のりなしタイプ」「シールタイプ」などの種類に分かれています。裏側にのりがついた状態で販売されている生のりつきタイプは、カバーしているセロファンを剥がしながら貼ればよく、1人でも作業しやすいのがメリットです。色や柄が豊富なのはのりなしタイプです。ホームセンターやショップによっては、のりづけサービスを行っているところもあるので確認してください。シールタイプは壁紙の上からペタッと貼ることができます。しっかり粘着タイプと賃貸にオススメの貼ってはがせるタイプが選べます。

漆喰や珪藻土を塗る

 漆喰や珪藻土は、調湿や消臭、ホルムアルデヒドの吸着といった機能を持つ自然系素材で、健康への関心やエコ意識の高まりとともにDIYの壁材として定番になっています。コテを使う左官作業が必要のため敷居が高いと感じられがちですが、多少は塗りムラができても味としてすませばOK。それよりも、なかなか体験できないコテワークをリフォームに乗じて楽しんでください。漆喰や珪藻土に興味津々なのにコテ塗りに自信がなくて踏み切れないときは、メーカーやショップが開催しているワークショップに参加してみると良いでしょう。

壁に収納を取りつける

 壁は収納スペースとしてとらえることもできます。棚を壁つけにすれば、置き型の棚のように足元のスペースを使いません。人の動線上にあったり、机やテレビ台、洗濯機があったりして、これまで使っていなかった壁の上部が、棚を取りつけることで有効に活用できるようになります。お気に入りの雑貨やグリーン、写真などを飾って見せる収納にすれば、季節などに応じて自由に演出できるインテリアとして機能します。また、床から天井までを目一杯使って、大容量の本棚など壁面収納を作ることもできます。

 飾り棚や小さい棚を取りつけたい場合は、壁にネジで棚受け金具を固定して棚板をのせるのが、いちばんシンプルで作業が簡単です。棚柱(棚受けレール)という長いアングル金具を壁に固定すると、高さがあって棚板の調整ができる便利な壁面収納になります。


●賃貸での壁収納には
 原状回復が求められる賃貸など、壁にネジ穴をあけられない場合は、2×4材用の突っ貼りアジャスターを利用した壁際収納棚を設置すると良いでしょう。棚受けや木材の連結部品など、関連パーツも揃っています。同様の製品が数社から販売されているので、使いやすいものを選ぶことができます。

場所別、壁のリフォーム方法

場所にぴったりの壁材選びのポイント

●キッチンの壁
 水のほかにも飲み物の飛びはね、野菜の汚れなどがつきやすいですし、カビも生えやすい環境です。お手入れのしやすさを重視したいので、防汚、防臭、防カビなどの機能があるビニール壁紙がオススメです。防火・防炎が必要なレンジのまわりには、不燃材を使った耐熱のキッチンシートはいかがでしょうか。モザイクタイルやレンガなどのおしゃれな柄も選べます。

●トイレの壁
 主な汚れの元は水とアンモニアです。壁材は水や汚れに強く、中性洗剤を使って汚れ落としができると掃除が楽になります。抗菌や防臭の機能がついたビニール壁紙などを選ぶことで、より快適な空間にできます。消臭や調湿効果のある漆喰・珪藻土を使う場合は、壁の下側を水や汚れに強い壁紙やシートにしておくと、清潔に保ちやすいでしょう。

●浴室の壁

 在来工法の浴室で壁が塗装仕上げの場合は、耐水性と強力な防カビ性を持った浴室壁用の塗料で手軽に塗り直すことができます。また、壁に浴室用発泡塩ビパネルを貼って、浴室用防水壁紙で仕上げると、コンクリート浴室の保温性が高まります。

壁をペンキで塗装するには

壁の塗装に必要なもの

●材料
室内用水性塗料(壁紙に塗れるタイプ)

●道具
ダスターバケ、塗りバケ、ローラーバケ、ローラー用バケツ、マスキングテープ、マスカー

壁を塗装する方法

 ビニール壁紙の上に水性塗料で塗装する方法を説明します。

●下地準備
 動かせる家具やラグを壁の近くから移動させ、作業スペースを確保します。ダスターバケを使って壁の表面に付着したほこりなどを落とします。こびりついた汚れは、濡れた雑巾などでふき取ってください。壁紙がはがれかかっている箇所は接着剤で補修し、破れている箇所は補修用壁紙などを使って段差がないようにしておきます。

●養生
 続いて塗装したい箇所以外がペンキで汚れないように保護する養生という作業をします。養生には、粘着力が弱くて簡単にはがせるマスキングテープ、テープにカバー用のポリシートがついたマスカーを使います。まず、壁の縁に沿って、ていねいにマスキングテープを貼ります。コンセントや電気スイッチは、カバーを外してマスキングテープで覆っておきます。次にマスキングテープの上にマスカーを貼って、養生したい床やドアなどをカバーするようにシートを広げます。近くに残っている家具も、念のため新聞紙やビニールシートで養生しておきましょう。

●塗装
 ペンキの容器をよく振って混ぜてから、ローラー用バケツに適量を移します。先にローラーでは塗りにくい際などを塗りバケで塗り、その後に広い面をローラーを使って塗ります。2回に分けて塗ると、ムラになりにくくきれいに仕上がります。ハケにペンキをつけたらバケツのネットで軽くしごいて余分を落とし、厚くならないように塗るのがポイントです。1度目は少しムラができてもあまり気にすることはありません。

 1回目のペンキが指で触ってつかない状態まで乾燥したら、同じように2回目を塗ります。塗り終わったら全体をチェックして、ムラになっている箇所を修正してきれいに仕上げます。

 ペンキが乾く前にマスキングテープを剥がし、乾燥させたら塗装は完了です。

壁に壁紙を貼るには

壁紙の貼り替えに必要なもの

●材料
壁紙(生のりつきタイプ)

●道具
なでバケ、地ベラ、竹ベラ、パテベラ、カッターナイフ、はさみ、押さえローラー、下げ振り、パテ、マスキングテープ、マスカー

壁紙を貼り替える方法

 下地がビニール壁紙だった場合を例に説明をします。

●養生
 「壁をペンキで塗装するには」の項目と同じように、作業する壁の周わりを養生します。

●下地準備
 古い壁紙の表面のビニール素材だけをはぐようにして剥がします。カッターナイフで壁紙の継ぎ目の部分に大して直角に切れ目を入れ、そこから表層だけをつまみ裏紙が残るように剥がします。

 裏紙が剥がれて段差になった部分は、パテを埋めた後で下地が平坦になるように均します。

●1枚目を貼る
 壁の端から壁紙1枚分のところに下げ振りをつけて糸を垂らし、糸に沿って位置あわせの目安にする線を引きます。新しい壁紙は天井の高さより10cm長くカットし、のりの面が内側になるようにジャバラに畳んで貼る壁の足下に用意します。

 1枚目は裏面のセロファンを30cmほど剥がし、上が5cmはみ出るようにして壁の端に合わせ、垂直に気をつけながら貼ります。貼りつけた後、なでバケで空気を追い出してきれいに貼ります。同じ作業を繰り返して下まで貼っていきます。生のりつきタイプは貼り直しができるので、シワができたら直しながら進めてください。

 上下の縁は竹ベラでしっかり押さえて角を出し、地ベラとカッターナイフを使って余分をカットします。はみ出したのりは、濡らして固く絞ったタオルで拭き取ります。

●2枚目以降を貼る
 1枚目の端と切りしろの分(4cmほど)だけ重なるようにして、2枚目を下まで貼ります。2枚の重なり具合をチェックし、重なりのまん中あたりに地ベラを当てて、2枚一緒にカットします。カットした余分を取り去って、ジョイントローラーで継ぎ目を圧着します。

壁を作って間仕切りにする

DIYで壁は作れる?

 リビングとダイニングを区切って空間にメリハリをつけたり、一間の子供部屋を2つに分けたりするために、間仕切りになる壁が欲しいと思うことはないでしょうか。パーテーションやスクリーンを使った仮設ではなく、しっかりとして見栄えの良い壁を作ろうとすると、大がかりな作業になりそうです。大変そうな新しい壁作りを、簡単な作業でかなえられるのが、上でも紹介した2×4材用の突っ貼りアジャスターです。

 もともと天井高の壁面棚を作るためのアイテムですが、部屋を仕切りたい位置に立てて、間仕切り壁の柱として利用します。壁の大きさに合わせて必要な数の柱を立て、片側にベニヤなどを取りつければ壁のできあがりです。柱の間に棚板をつけると、片側は収納としても使えてとても便利です。

簡単間仕切り壁の作り方

●必要なもの
2×4材用突っ貼りアジャスター、2×4材、ベニヤ板など目隠し用の板

●作り方
 アジャスターの説明書きを確認し、2×4材を天井高より指定の寸法分を短くカットする。正確できれいにカットしてもらえるホームセンターのカットサービスを利用するのがオススメです。

 下地センサーや下地探しというアイテムを使って、壁を作りたい場所の近くで天井の下地を探します。2×4材の両端にアジャスターを取りつけ、下地の入っている場所に柱を立てます。柱はベニヤ板の幅に合わせて、取りつけできる間隔で設置します。大きい壁をつくる場合は、板の枚数に合わせて間柱を立ててください。

 すべての柱を立てたら、片側もしくは両側に板を取りつけ、壁紙などを貼って仕上げれば完成です。

壁にDIYで収納スペースを追加

棚をつけられる場所を探す

 戸建てもマンションも、最近の住宅はほとんどの場合、石膏ボードに壁紙を貼って壁を作っています。石膏ボードという材料は木材のようにはネジが効かず、直接ネジを打ってもしっかりと棚を固定することができません。棚を壁に取りつけるためには、石膏ボードを支えている木材か軽量鉄骨の「間柱」に固定しなければなりません。間柱は基本的には壁の裏に縦に等間隔で設置されています。取りつけ位置を決めるために、先に間柱を探すことが大切になります。
 手を軽く握ってノックするように壁を叩いてみてください。「トントン」とか「ポンポン」という軽い音が響くのは裏が空洞の場所で、「コンコン」という硬い詰まった音がするのが間柱が入っている場所です。もっと確実に間柱の位置を特定するためには、針を刺してチェックする「下地探し針」や壁の表から感知できる「下地センサー」を利用すると良いでしょう。

※マンションなどの鉄筋コンクリート住宅では、間柱が入っていない壁もあります。

下地がない場所に棚をつけるには?

 間柱が入っていない場所に棚を取りつけたい場合は、石膏ボード用のサポートアイテムを使います。どれも重いものや力の掛かるものを支えるほどの保持力がありません。パッケージで耐荷重や設置方法をよく確認してから使ってください。

●石膏ボードアンカー
 石膏ボードにねじ込むと、先が開いてボードに食い込みしっかり固定されます。石膏ボードアンカーのネジ穴にネジをとめると、飾り棚程度の軽量なものであれば安定して固定してくれます。

●石膏くぎ
 細いピン状のクギ3本をクロスさせて打ち込み、付属の吊り金具を石膏ボードに固定するアイテムです。小さい吊り棚を設置できます。取り外しても跡がほとんど残らないのも特長です。

まとめ

 ひとまとめに室内壁のリフォームと言っても、いろいろな方法があることがおわかりいただけたでしょう。内装をDIYで変更できるわけですから、仕上がりを想像しながらの色選びや柄選びからワクワクする作業の連続です。なにより1か所ずつマイペースで変えていけばいいのが、DIYリフォームのよさです。最初は練習を兼ねて、小さい部屋から始めてみましょう。

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