上に敷くだけで床を模様替え!
敷くだけ簡単フローリングを解説

 フローリング床のリフォームというと、既存の床をはがして新しいフローリングを貼り直す大工事をイメージします。傷んだ床を直したくても、プロに依頼すると費用がかさむし、DIYで行うのはとうてい無理だと諦めてしまうケースも多いでしょう。DIY向きのフローリング材があればいいのに・・・。

 もっと手軽に、低予算で貼り替えできるフローリング材を探している方におすすめしたいのが、既存床の上に簡単に敷くことができる樹脂フローリングのフロアタイルです。フロアタイルとはどのような材料なのか。特徴から種類までを解説します。

目次
1章 DIYリフォーム向け床材の条件は?
2章 上貼りできる床材の種類
3章 フロアタイルの特徴
4章 施工方法別フロアタイルの種類
まとめ

1章 DIY向け床材の条件は?

 DIYで行う床のリフォームには、既存の床の上に貼れる素材が向いています。その大きなメリットとしては既存の床材をはがさないで施工できることがあげられます。はがす工程がなければ作業を大幅に短縮できますし、大量の廃材も出ません。処分費用をカットできてコストも大幅に抑えられます。また、解体作業に伴う騒音やホコリも発生しないので、周囲を気にせず作業できる点もメリットといえるでしょう。

 なかにはDIY向けの施工が簡単な製品、接着などの固定をしないで原状回復ができる製品などがあるので、初心者でも失敗する心配なく床のリフォームに挑戦できます。

2章 上貼りできる床材の種類

【フロアタイル】

 新築住宅によく使われる木質フローリングが複数の板を重ね合わせた合板状の複合フローリングであるのに対して、樹脂素材を貼り合わせて作られたもの。表面が硬質で木目がエンボス加工されているため、木材に近いリアルな質感に仕上がります。複合フローリングに比べて厚みが薄いので上貼りに適しているうえ、加工も簡単です。

【クッションフロア】

 クッション性のある塩化ビニールでできたシート状の床材で、価格が安いだけでなく両面テープで貼って施工できるなど手軽なことから、DIYで人気があります。水濡れに強いためキッチンや洗面所、トイレのリフォームの定番素材となっていますが、最近はフローリング柄やストーン柄などデザインバリエーションが豊富になって、さまざまな場所で使われるようになっています。

【タイルカーペット】

 40cm角や50cm角のパネル状にカットされたカーペットで、色や柄を自由に組み合わせて好きなデザインを作ることもできる床材です。床一面に貼るだけでなく、子供やペットが遊ぶリビングの一部に貼るなど部分貼りにも適しているため、アイデアしだいでさまざまな使い方ができます。裏面に滑り止めがついているタイプであれば並べて敷くだけ。一枚一枚のパネルが小さいので、力の弱い方が広い面積を貼るのにも向いています。
このように上貼りできる床材にはいくつか種類がありますが
今回は木に近い質感に仕上げることのできるフロアタイルについて解説していきます。

3章 フロアタイルの特徴

素材・形状

 フロアタイルは数種類の樹脂を重ねてシート状に加工したリフォーム用樹脂フローリング材です。木質の複合フローリングの厚みが12mmや15mmであるのに対して、フロアタイルの厚みは1.5〜5mm程度と極薄。それでいてへこみやすり傷に強く、家具やキャスターの荷重に耐えられる強度になっています。水や油をはじいて汚れが染み込まないので、リフォーム後のメンテナンスも木質フローリングのように気を使わずにすみます。

 また、表面は天然木調のプリントとエンボス(凹凸)加工で木目をリアルに再現しているので、クッションフロアなどに比べて木質フローリングの質感に近くなっています。

施工性

1枚のシートは薄くて軽いので、扱いやすくて作業が容易です。既存床に上貼りしてもせいぜい5mm程度しか床の高さが変わりません。ドア下のすき間に十分に収まる厚みなので、ドアの可動域にもそのまま敷けます。
大型カッターだけで切断加工ができるため、特殊な工具を使わず、難しい作業も不要で、初めてでも簡単に加工できます。

置くだけタイプ、はめ込みタイプなどを選べば、手間が少なく失敗することもほとんどありません。また、既存床を傷つける心配がなく、施工後の原状回復も可能なので、本格的なリフォームが難しい賃貸住宅の床にも利用できます。

4章 施工方法別フロアタイルの種類

 木質フローリングは一枚一枚をクギで下地に打ち留めて固定しますが、フロアタイルは貼り方が簡単で作業性の高いものがほとんどです。施工方法の違いによっていくつかのタイプに分けられるので、そのなかから自分のニーズに合うタイプのものを選ぶとよいでしょう。
代表的なブランドを例に施工方法や特徴を解説します。

置くだけタイプ

 裏面に滑り止めや吸着の加工がされているので、施工作業は既存床の上に置くだけ。テープやボンドを使って固定する必要がなく、もっとも簡単、手軽に扱えるフロアタイルです。取り外すだけで原状回復できるため、賃貸住宅の模様替えにも安心して使えます。

はめ込みタイプ

 置くだけタイプの一種です。木質フローリングと同じようにシートの4辺がサネというオス・メスのはめ合わせ形状になっていて、隣接するシート同士を連結しながら貼っていくタイプです。連結した状態になっていることで、シートがずれてすき間ができることはありません。原状回復が可能なため、賃貸住宅にも使用できます。

株式会社全備 【デコリカクリック】

厚さ約4.5mmのはめ込みタイプです。オス側の先端にある凸部とメス側の基部にある凹部をはめ合わせてシート同士を連結する構造を備えていて、斜めに差し込むだけでずれないように固定されます。固定に両面テープやボンドを使用しない簡易施工タイプです。
左写真のサネは先端が凸状に加工されています。右写真のサネには溝加工が施されています。
シートを連結するときは、溝つきのサネを斜めに差し込み、奥まで押し込んでから上から押さえて凹部と凸部をはめ合わせます。
サネ同士がしっかりかみ合っているため、シートがずれてすき間ができることはありません。
デコリカクリックの仕上がりイメージ。

シールタイプ

 裏面に粘着剤がついていて、シールを貼るように既存床に貼り付けるタイプです。作業時の貼り直しをできる製品もありますが、時間がたつと接着して固定されます。ずれないようにしっかり固定したいが、両面テープやボンドを使うのは面倒という方に向いています。

株式会社全備 【デコウッド】

厚さ約2mmのシールタイプ。裏面にはあらかじめ粘着剤がついているので、施工時は剥離シートをはがしながら貼っていくだけです。一度貼り付けても、すぐであればはがして貼り直すことができ、2〜3日で接着が安定します。サネがなくシート同士を突き付けて並べていけばOKと、コツなども不要です。
裏面の剥離シートをはがすと粘着面が現れます。
デコウッドの仕上がりイメージ

両面テープ貼りタイプ

 強粘着の両面テープを使って既存床にしっかり貼り付けるタイプです。上記3タイプよりも手間はかかりますが、それでも木質フローリングに比べればとても早く楽に施工できます。プロのような本格的な仕上がりにこだわりたい方に向いています。

Panasonic 【USUI-TA(ウスイータ)】

厚さ約1.5mmの両面テープ貼りタイプ。フロアタイルのなかではもっとも薄い部類に入る製品で、この厚みを実現するためにシート自体をシンプルな構造にして両面テープで貼り付ける仕様となっています。既存床から高さを上げられない場合などにぴったりの製品です。
両面テープで既存床に固定するためオス・メスのサネはシンプルな形状。サネ部分でシート同士は重なるが、はめ込みタイプのように連結されるものではありません。
施工時はあらかじめ既存床に両面テープを張っておいて、サネを差し込みながら貼り付けます。
サネがあるため継ぎ目にすき間ができることはありません。
USUI-TAの仕上がりイメージ。

加工方法

加工性に優れているのも、フロアタイルがDIY向きといわれる点です。カットするときは寸法を測って油性ペンやマスキングテープで印の線を入れ、大型カッターでカットします。素材が固く表面が滑りやすいので、力を入れて一度でカットしようとせず、線の上を何度もなぞって溝を削るようにしてカットしましょう。溝がシートの厚みの半分程度の深さになったら、手で折ることができます。

まとめ

 フロアタイルは既存床の上に敷くことができ、DIYの床リフォームに最適です。置くだけタイプなどを選べば、原状回復が条件になる賃貸住宅の模様替えに使うことも可能です。費用や手間がかかるからとこれまで床リフォームを諦めていた方にも、ぜひチェックしていただきたいアイテムです。

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