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ドアクローザーの修理・交換について
最近では、玄関のドアだけでなく廊下やリビングのドアなどにも取りつけられているドアクローザー。これがあれば、ドアはゆっくりと自動的に閉まってくれますが、長く使用していると不具合が起きてしまうこともあります。もし、玄関のドアが、以前よりも大きな音をたてて閉まるようになっていると感じるようだと、何かトラブルが起きているのかもしれません。
ドアクローザーにトラブルが起きると、音がうるさいというだけでなく、閉まるときの衝撃で、ドアそのものや、ドアの枠などにもダメージが発生してしまう可能性があります。また、不注意でドアに手を挟んで大けがをしてしまうこともあるかもしれません。
もし使用中のドアクローザーにトラブルが起きている場合は、早めの調整や交換が必要です。そこで、ここでは、ドアクローザーのトラブルのチェック方法や調整方法、さらに交換のしかたなどをご紹介します。
目次
1章:ドアクローザーとは
2章:ドアクローザーの種類
3章:ドアクローザーの不調原因
4章:ドアクローザーの調整・交換方法
まとめ
1章:ドアクローザーとは
衝撃を防ぎドアをゆっくり自動的に閉める
ドアクローザーとは、ドアの上部に取りつけられている箱状の装置で、そこからアームが伸びてドアを支えています。内部には油圧の仕組み(油の粘性を利用して衝撃や振動をやわらげる)があって、ドアが閉まる際にバタン! と大きな音を立てないようにゆっくりと自動的にドアを閉めてくれるというものです。
普段あまり注目することはないかもしれませんが、ご自宅の玄関の扉を確認してみてください。引き戸でなければおそらく取りつけられているはずです。
ドアクローザーの役割は、静かにドアを閉めるというだけでなく、衝撃を緩和することでドアそのものやドア枠の劣化も防止してくれます。
また、ドアクローザーという名前の通り、ドアを開いたときの力をスプリングなどに蓄えて、その力で開けられた扉を自動的に閉めるという働きをしてくれるので、ドアが開きっぱなしになるのを防ぎ、エアコンを使用中の室温をキープするのにも役に立っています。また逆にドアを開いた状態でキープしてくれるドアクローザーなどもあります。あまり注目を浴びることのないものですが、もしドアクローザーにトラブルが起きると、普段の生活にも支障をきたします。ドアが閉じるときの音が大きくなったことなどに気がついたら、トラブルが起きていないかチェックしておくべきでしょう。
2章:ドアクローザーの種類
外開きがの多い日本ではパラレルタイプが主流
ドアクローザーの種類は多くありませんが、開き戸タイプのドアクローザーは大きく分けると2つの種類があります。1つがスタンダード型で、もう1つがパラレル型です。
これらはどのように違うのかというと、まずスタンダード型は押して開く扉なら装置が外側についているタイプです。分かりづらいですが、室内のドアを思い浮かべてください。室内から室外に出る際、その扉が内側(室内側)に開く内開きタイプであれば、スタンダード型のドアクローザーは扉の内側にあって、押し開きなら外側となります。
そしてドアクローザーのアームは扉を閉めたときに垂直についています。ドアが開く方向の、外側に装置がついているので、アームがじゃまになり扉を180度など大きく開くことができません。
もう一方のパラレル型は、押して開くドアなら内側についたタイプです。同じように玄関を思い浮かべてください。ドアが外に開くタイプなら、パラレル型ドアクローザーは内側にあります。内開きなら外側ですね。
日本の玄関ドアは外開きが主流ですので、パラレル型が一般的です。パラレル型なら外開きドアの内側に取りつけるので、ドアを180度大きく開放することも可能です。
どちらのタイプも、左右どちらに開くドアにも基本的には取りつけることが可能です。
スタンダード型ドアクローザー
パラレル型ドアクローザー
3章:ドアクローザーの不調原因
無理な使い方をすると故障することも
シンプルな構造からドアクローザーは簡単に壊れることはありません。また特に注油などの手入れも不要とされています。ただし、見た目には単なる金属の箱のドアクローザーにも、内部では油圧機構が使われているため、長い期間使用していると徐々にですが劣化は進んでいきます。劣化が進めば本来の機能を果たせなくなってしまいます。
また、使い方によっては内部の油圧ダンパーやアーム部分などに大きな負担がかかって、徐々に調子が悪くなってしまうこともあるのです。
ドアクローザーが不調となる原因として考えられるのは、以下のようなことです。
①ドアクローザーの寿命または部品の磨耗や劣化
長く使用していると、ドアクローザーの内部の部品も徐々に摩耗してしまいます。また油圧機構の劣化なども起きるでしょう。ドアの開閉頻度など、使い方にもよりますが、10年を超えると、当初の性能が維持できなくなってもおかしくありません。
取りつけから10年以上経過したドアクローザーからギイギイと異音がするようになり、アーム部分に油を差してそれが解消されなかったり、以前のようにスムーズな開閉ができなくなったと感じるようになったら、ドアクローザーの寿命の可能性があります。交換を検討してみましょう。
②ドアの開閉の過負荷による故障
普段からドアを強く締める癖がある方は注意が必要です。そういったことを繰り返すと、本来自動的にドアを閉じてくれるドアクローザーの内部の油圧ダンパーやスプリングなどに無理がかかり、故障に繋がることがあります。そうならないように、普段からドアクローザーに無理のかかるような開閉は控えるようにしましょう。
③スピード調整弁の回しすぎ
ドアクローザーにはドアの閉扉速度を任意に変えられる便利な仕組みが備えられています(調整方法は次のパートで説明)。それが速度調整弁です。
その調整弁のネジを必要以上に回しすぎるとネジが抜け、内部の油が漏れてしまうことがあります。油が漏れてしまうと自動閉扉機能が損なわれてしまいます。そうなった場合は基本的に交換するしかありません。
4章:ドアクローザーの調整・交換方法
ドアクローザーはDIYでも交換可能
ドアの閉まる速度が以前に比べると速く(もしくは遅く)なったと感じる場合には、その速度を調整する仕組みがドアクローザーには備えられています。
ご自宅のドクローザーを確認してみてください。本体の側面などに調整弁があるはずです。
一般的には第一調整弁と第二調整弁の2つがあるので、これを調整しましょう。
調整方法は調整ネジを右(時計回り)に回すとドアの閉まる速度が遅くなり、左に回すと逆に速くなります。ドアクローザー本体の調整弁の横に、調整範囲を表示しているものもありますが、第一調整弁で調整できるのは第1速度区間で、第二調整弁で調整できるのが第2速度区間です。
調整のためには工具が必要で、ドアクローザーの種類によって、プラスドライバーやマイナスドライバー、もしくは専用スパナなどを使うものがあります。
この2つの速度調整ネジを左右いずれかに回転させて、適切な速度で閉まるように調整します。適正な速度は、ドアの閉じ始めから閉じ終わりまで大体5~8秒とされています。これを目安に調整しましょう。
注意点は、調整弁を緩めすぎると内部の油圧装置が油漏れを起こす場合があるということです。また緩めすぎてネジが外れてしまうと元に戻りません。そうなってしまった場合はドアクローザーの交換となります。
また、調整しても適切な速度にならない場合は、ドアクローザーの故障の可能性があります。その場合も交換しましょう。
閉扉速度には問題がないけれど異音がするようになったという場合には、アーム部分に防錆潤滑剤などを差してみてください。またアームをドア枠に固定しているブラケットの三角板の固定ネジに緩みがないかも確認してみてください。ガタついている場合にはドライバーなどで固定しているネジを締め直してください。
●ドアクローザーの交換方法
ドアクローザーが故障したり、寿命を迎えた場合には交換が必要です。使用していたドアクローザーと同じメーカーの同じ製品が手に入れば、取りつけ穴などはそのまま使えますので古いものを取り外して、新しいものへ交換するだけです。難しくありません。
しかし、長い期間使い、寿命を迎えたというパターンでは全く同じものを手に入れるのは難しいかもしれません。
その場合でも、ホームセンターなどで売られている、「取替え用ドアクローザー」を使ってDIYで交換することが可能です。
ドアクローザーはメーカーによって取りつけ穴の位置などが違いますが、取替え用ドアクローザーはほとんどのドアクローザーに対応した固定金具が付属しているため、新たな穴などをドアやドアの枠にあけずに新しいドアクローザーを取りつけることが可能です。
交換方法は、まず玄関ドアの上部にあるドアクローザーをドライバーなどで取り外します。最初に本体から伸びるアームとドア枠に固定されているブラケット側から伸びるリンクとの接続を外します。ネジが外れたらリンクを上に持ち上げてアームと分離します。分離できたらドア枠に固定されているブラケットごとリンク一式を外します。
次にドアに固定されている本体のネジを外し、ドアクローザー本体を取り外しましょう。本体が直接ネジでドアに固定されておらず、取りつけ金具などを介して固定されている場合は、先に本体側面の固定ネジを外し、手前側に本体を取り外してから、ドアに固定されている取りつけ金具をドライバーなどで外します。
なお、交換作業中はドアにはドアクローザーがありませんので、風などでドアがあおられないように十分気をつけてください。作業の際は念のため手袋をした方が良いでしょう。全て取り外せたら説明書をよく読んで、古いドアクローザーが固定されていたネジに合った固定金具を使用して、新しいドアクローザーを取りつけます。これで交換は完了です。
うまく作動してくれるか確認し、速度が速すぎたり遅すぎたりした場合は前述した調整方法を参考に調節してみてください。
もし、自分でドアクローザーを交換するのは難しいという場合は、専門業者にお願いして交換してもらいます。
また、ロイヤルホームセンターの取付・交換サービス「ロイサポート」でもドアクローザーの交換を受けつけています。ロイサポートについての詳細は以下のページからご参照ください。
ロイサポートの詳細はこちら
まとめ
ドアクローザーが消耗品であるということはあまり理解されていませんが、10~15年経過すると、何かしら不具合が起きてもおかしくはありません。故障した状態で使い続けると、風の強い日などに指を挟み大けがをしてしまうこともあり危険です。
不調を感じたら、調整や交換など早めに対処するようにしましょう。もし賃貸物件でドアクローザーが故障した場合、物件の修繕義務は、基本的にはすべて大家側にあります。自分で交換する前に、まずは管理会社か大家に相談してみてください。
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