ドアノブの種類別交換方法

 ドアをリフォームしたり、アレンジしたりする方法は、パネルの張り替えや塗り替えだけではありません。デザイン的にも機能的にもポイントとなるアイテム、ドアノブの交換にも注目してみてはいかがでしょうか。基本形状が同じドアノブでも、材質や色を変えることで、ドアの印象はがらりと変わります。丸い握りからレバーハンドルに取り替えれば、握力の弱いお年寄りやお子さんにも使いやすい、機能面のリフォームにもなります。もちろん、古くなって傷んだり、動きが悪くなったりしたケースでも、交換は必要です。

 ドアノブには、内部の構造やサイズの違いによる種類があるため、自分で交換品を選ぶときには注意が必要です。ここでは、住宅で一般的に使われているドアノブの種類、交換品を選ぶ際の注意点、その交換方法を解説します。

1章:ドアノブは自分で交換できる?
2章:ドアノブの種類
3章:交換前に確認しておくこと
4章:種類別のドアノブの交換方法
まとめ

1章:ドアノブは自分で交換できる?

 ウッドワックスを塗ってドアをアンティーク調にアレンジしようとしたとき、ステンレスの丸いドアノブのままでは思い通りのイメージに仕上がらないのでは? 真鍮やガラスなどのノブに取り替えて、全体のイメージを統一したくなるでしょう。また、あまり握力が必要なく、バリアフリーアイテムとして定番のレバーハンドルが気になっている方は多いでしょう。こちらは、両手がふさがっていてもドアを開けられるなど、便利さもあってドア周りのリフォームで人気があります。

 DIYの経験があれば、自分好みのドアノブを探して、パパっと交換したいと思う人も多いでしょう。ただ、内部の仕組みがどうなっているのか、交換するために特殊な技術や工具が必要なのか、まるでわからない状態では、怖くて手を出すことができないものです。

 注意しなければならないことはいくつかありますが、室内ドアのノブは、DIYで比較的簡単に交換することができます。工具も、ドライバーセットなどがあればOKです。一方で、玄関や勝手口など、外との出入りに使うドアに使われているものには、自分で交換するのが難しいタイプがあります。重厚な玄関ドアなどについている、サムラッチ錠やプッシュプル錠と呼ばれるタイプは、防犯のために精巧な作りになっているものが多いため、業者に依頼する方が安心です。

2章:ドアノブの種類

 ドアの外側に見えている丸い握りのことを【ドアノブ】と言い、ドアを開閉したり、施錠・解錠するための機械を含めるときは【ドア錠】という呼び方をします。このドア錠には、その仕組みの違いによっていくつかの種類があります。交換したいドア錠がどのタイプかわからないと、取り外すことさえできません。住宅によく使われているドア錠を紹介するので、該当するタイプを見つけてください。

●チューブラー錠

 チューブラー錠は、ノブを木ネジでドアに固定するシンプルなドア錠で、ノブの台座部分にネジが見えているのですぐにわかります。主にリビングや子供部屋などの室内の間仕切りドアに、鍵つきのものがトイレやバスルームのドアなどに使われます。

●円筒錠

 かつてはアパートなどの玄関、戸建ての勝手口のドアにも使われていましたが、防犯性が低いため、最近はチューブラー錠と同じように、室内ドア用として使われることがほとんどです。台座部分にネジがなく、内側のノブを外さないと外側のノブが外れない構造です。円筒錠にも、鍵をかけられるタイプと鍵をかけられないタイプがあります。

●インテグラル錠、箱状(ケースロック)

 鍵をかけると、四角いかんぬき状の金具(デッドボルト)が飛び出して、ドア枠側の穴にはまり、施錠する構造のドア錠です。防犯性が高いため、玄関や勝手口のドアに適しています。

 インテグラル錠はドアノブの中心に鍵穴(内側はサムターン)があり、箱錠はドアノブとは別に鍵穴がついています。箱錠の交換は、鍵シリンダーやサムターン(内側ノブ)、ノブやハンドルの分解といった複数の工程があり、難しい調整作業も必要です。ドア錠を交換するのが初めてで、複雑な作業が苦手な方にはオススメできません。

3章:交換前に確認しておくこと

 ここからは、室内ドアによく使われているチューブラー錠、円筒錠の交換について説明します。

ドア錠各部の名称

 交換作業の説明を理解しやすいように、ドア錠各部の名称を覚えておきましょう。

ドア錠の交換に必要なサイズ

 ドアの側面にあって、ラッチなどがついている部分をドア錠の『フロント』と言います。

 ドア錠には統一の規格がなく、メーカーや製品によってサイズがまちまちのため、交換用のドア錠は従来のものと同じサイズであることが必要です。従来のドア錠で、【フロントの各部のサイズ】や【ドアの厚さ】、ドアの端からノブの中心までの距離【バックセット】を確認して、同一のものを選んでください。メーカー名、機種名がわかるものは、それらもメモしておくと便利です。同じメーカーの製品であればサイズの合うものが多くありますし、交換用やリフォーム用として販売されている製品から、適合するものを見つけやすくなります。

 従来のドアノブを取り外して持参し、ホームセンターなどでスタッフに調べてもらうのがいちばん確実です。

4章:種類別のドアノブの交換方法


チューブラー錠をレバーハンドルに交換する

 以前、室内ドアによく使われていた丸い握りのチューブラー錠から、レバーハンドルへの交換は、ドア周りではニーズの高いリフォームです。どちらも内部の仕組みが同じため、形とサイズが合うものなら、交換は簡単です。

(1)ドア錠を確認する

ノブが台座部分にあるネジでドアに固定されていることから、このドア錠がチューブラー錠であることがわかります。
ドア錠の各部のサイズを測って、適合するレバーハンドルを用意します。

(2)ドアノブを取り外す

ドライバーで2本のネジを緩めて、内側と外側それぞれのノブを引き抜きます。


(3)ラッチを取り外す

フロントを固定しているネジを緩めて、ラッチを引き抜きます。
ラッチがきつくはまっていて手で抜けない場合は、ラッチの角穴にドライバーを差し込んで、両手で持って引き抜きます。この作業を片手で行うと、ラッチが斜めになってドアの内側を傷める可能性があるので注意してください。
ドア錠をすべて取り外した状態です。内側が丁寧に加工されているのがわかります。

(4)ラッチを取りつける

ラッチを差し込み、フロントをネジで固定します。ラッチを差し込む際は、先端が丸くなっている方がドアを閉める方向に向くようにしてください。

(5)台座を取りつける

ドアの両側からネジの位置を合わせて台座をはめ合わせ、ネジを締めて固定します。ハンドルの種類によって、両側の台座をドアパネルにネジどめするものもあります。従来のドア錠とネジ位置が違う場合は、両側のハンドルを仮どめし、台座の位置を決めて下穴をあけてから、ネジでとめてください。


(6)レバーハンドルを取りつける

角芯がついている方を、ハンドルが水平になる位置でラッチの角穴に差し込みます。
反対側のハンドルを、位置を合わせて角芯に差し込みます。
固定ネジを締めて、ハンドルが抜けないように固定します。
ハンドルを操作して、ラッチが引っかかりなどなく正常に動くことを確認します。
レバーハンドルへの交換が完了しました。


円筒錠を交換する

 円筒錠は台座にネジがないため、初めての方はどうやってノブを取り外せば良いか戸惑うでしょう。ただ、取り外し方さえわかれば、あとの作業は簡単です。チューブラー錠と同じように、レバーハンドルへの交換もできます。

(1)ドア錠を確認する

内側も外側もノブの台座にネジがなく、すっきりしているのが円筒錠です。

(2)ドアノブを取り外す

ノブの首にある小さい穴に、千枚通しなどのとがった道具を差し込みます。当たったところを先端で押し込むと、バネのような手応えで沈み、ノブの留め具が外れてロックが解除されます。小穴のあるノブは、室内側についているのが基本です。
千枚通しを抜いて、ノブを引き抜きます。

台座の下側にある切欠きに、マイナスドライバーの先端を差し込み、テコを利用して台座カバーを持ち上げて外します。

カバーの下から現れた座金を、ネジを緩めて取り外します。
室外側のノブを引き抜きます。

(3)ラッチを取り外す

フロントを固定しているネジを緩めて、フロントごとラッチを引き抜きます。きつくはまっていて手で抜けないときは、ドライバーなどを使って奥から押してください。


※レバーハンドルに交換する場合は、チューブラー錠の交換手順(6)以降を参照してください。

(4)新しい円筒錠を取りつける

円筒錠は、たいていは組みつけた状態で箱に入っています。手順(2)を参考に分解し、取りつける準備をします。

室外側からノブを差し込みます。このときラッチ尾端のツメとノブの受けが噛み合うようにしてください。室内側から見て、完全に噛み合っていることを確認しましょう。

座金の表示を確認して、上下の向きを間違えないようにネジで固定します。
切り欠きが下側になる向きで、台座カバーをパチンとはめ込みます。
室内側のノブを差し込み、引き抜けないことを確認します。
これで円筒錠の交換が完了しました。
※ドアノブを交換するときは、古いラッチをそのまま使わず、セットに入っている新しいラッチに交換しましょう。長年使ってきたラッチには傷みやへたりが発生している可能性がありますし、丸いドアノブとレバーハンドルでは回転角度が異なる場合があります。

まとめ

 今回はドアノブの種類と交換するときの注意、手順について紹介しました。交換方法は一般的な手順で説明していますが、製品によっては細かい部分の仕様や脱着の手順が異なることがあります。販売されているドアノブの多くは業者向けのものであるため、簡易な説明書しかついていないことが大半です。購入時には、サイズなどとともに、取りつけ方法についても確認すると良いでしょう。

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