窓の結露対策
簡単にできる除去と予防の方法

 冬の家事で困ることのひとつが窓の結露です。朝になると窓やサッシに水滴がびっしりとつき、サッシのレールは水浸し。水はさらにホコリを呼んで、掃除の手間を増やすばかりです。できるだけ手間や費用をかけないで、結露の悩みを解決する方法を探している方は多いのではないでしょうか。最近は、さまざまな種類の結露対策グッズが発売されています。こうした商品を上手に活用して、掃除の負担を少しでも減らせると助かりますよね。そこで今回は、結露ができる原因から、対策グッズの活用方法、結露のできにくい環境づくりのポイントなどについて解説します。

1章:窓に結露ができる原因は?
2章:結露によって起こるよくあるトラブル
3章:できた結露を簡単に取る方法
4章:結露の抑制に有効な対策
5章:普段からできる結露の予防方法
まとめ

1章:窓に結露ができる原因は?

結露する条件と発生のメカニズム

 窓やサッシ、コンクリート壁などに結露ができる原因は、室内と屋外の温度差が大きいことと、室内の湿度が高いことです。温度差が大きいほど、湿度が高いほど、結露が大量に発生する環境になります。

 実際の冬の室内がどのようになっているか、想像してみてください。エアコンやヒーターを使って暖房をきかせていると、室内はぽっかぽか。一般的なご家庭では室温を25度以上に高めていることが多いでしょう。それに対して夜や朝の屋外の気温は5度を下回る地域もあり、室内外の温度差はとても大きくなります。

 湿度の状態はどうでしょう。扉や窓は一日中閉め切った状態で、ほとんど換気をしない日が多くなります。料理を作ったり、ご飯を炊いたりしていれば、湿気はどんどん部屋の中に溜まっていきます。さらに加湿器などを使っていれば、想像している以上に空気中の湿度は高くなっています。

 その状態で夜、外気温が低くなると、湿気をたっぷりと含んだ暖かい空気が、窓ガラスやサッシ枠に触れて冷やされます。すると急速に冷却された水蒸気が凝縮し、水滴状の結露となって現れるのです。

複層ガラスの結露とカーテンの関係

 2枚のガラスの間に空気層があって、屋外の気温の影響を受けにくい複層ガラスを使っていても、結露が発生することがあります。その原因として考えられるのがカーテンです。

 複層ガラスは、室内側のガラスが室温に近い温度になっているときが、結露ができにくい状態です。しかし、複層ガラス自体がヒーターなどで発熱するわけではなく、温めるには室内の空気に触れる必要があります。ところが、カーテンを閉めていると、温かい空気があまり届かず、室内側ガラスの表面温度も低いままになってしまいます。そこに水分を多く含んだ空気が触れると、結露が発生してしまうのです。

 カーテンの断熱性が高いほど、室温とガラスの表面温度の差が大きくなります。厚手のカーテンを閉め切っていると、複層ガラスは結露が起こりやすくなっているのです。

2章:結露によって起こるよくあるトラブル

水滴がホコリを呼んでカビの発生源に

 厳しい冷え込みが続くようになると、窓の結露が毎日のように発生します。一部屋ぐらいでしたら、雑巾で拭き上げればすみますが、部屋数が多いとそうもいきません。結露が気になっていても、抵抗するのを諦めて、自然に乾燥するのを待つようにしてしまう方も多いのではないでしょうか。しかし、窓の結露をそのまま放置していると、さまざまなトラブルに繋がります。

 結露が原因のトラブルで、もっとも起こりやすいのがカビの発生です。ホコリや水滴が溜まりやすい下側のサッシ枠やレールは、カビの温床になりやすいので、とくに注意が必要です。汚れの黒ずみだと思っていたら、カビだったということはよくあります。ゴムパッキンやプラスチックのパーツは、そのままにしておくとカビが根を張ってしまい、カビ取り剤を使ってもきれいに落とせなくなります。

 カビは放置していると、どんどん増えて広がります。乾燥して室内を舞うと家族の健康にも影響しますから、カビ取りの掃除にも追われることになってしまいます。他にも、結露で濡れたカーテンがカビたり、壁紙がカビたり、剥がれたりするトラブルが起こります。窓周りをきれいに保ち、余計なメンテナンスをなくすためにも、結露対策が大切なことがおわかりいただけるでしょう。

3章:できた結露を簡単に取る方法

●水滴を取るワイパー

 窓用ワイパーとタンクを一体化し、水をサッシの下枠に落とすことなく集めて処理できるアイテムです。水滴がついたガラス面にワイパーを当て、下から上に動かしながらすくっていくと、拭き跡をほとんど残さずに取り去ることができます。溜まった水の処理も、タンクを外して捨てるだけと簡単です。一度に掃除する窓が多いときは、バケツを用意しておくと良いでしょう。

 このアイテムには、柄の形をしたタンクが付属しているタイプと、ペットボトルを取りつけて使うタイプがあります。付属のタンクの容量は100cc程度なので、まとめて多くの窓を掃除したい場合は、ペットボトル取りつけタイプを選ぶことをオススメします。

 ワイパータイプは、広いガラス面を作業するときには向いていますが、細いサッシ枠や窓枠についた水滴をかき取るには不向きです。吸水クロスなどと上手に使い分けましょう。

●吸水クロス、吸水スポンジ

 マイクロファイバークロスやスポンジよりも吸水力が高く、一度に多くの結露水を吸い取ってくれるため、拭いて絞っての繰り返しがずっと少なく、作業が楽になります。クロスとスポンジ、どちらも使いやすいサイズに切ることができ、レールに落ちた水の拭き取りなど、狭いところの掃除にも向いています。

 浴室やキッチン、洗面台の水滴取り、こぼした飲み物の拭き取りなど、窓以外の場所でも用途が多く、1年を通して使える便利アイテムです。

●断熱・吸水テープ

 窓ガラスの下部に貼っておくと、流れ落ちる水滴をキャッチして、その後で自然に蒸発させます。気になる吸水能力は、幅3cm、長さ1mのテープで、最大約130gを吸水できるなど、なかなかのもの。レールに水が溜まるのを防ぐので、汚れのこびりつきやカビの発生が起こりにくくなり、窓周り掃除の手間を減らしてくれます。水濡れによる木部の腐食を、防ぐ効果もあります。

 時間がなくて、毎日、結露を掃除するのは難しいという場合はもちろん、拭き取りをしている場合でも、補助的に利用したいアイテムです。窓用とは別に、サッシ枠の対策用に、標準的な枠の幅で作られた専用の断熱・吸水テープもあります。

 このタイプのテープには、吸水とともに断熱の効果があります。窓ガラスからの冷えが気になっている場合は、より断熱効果の高い幅広タイプを貼ると良いでしょう。

●水だれ防止スプレー

 室内側のガラス面に塗っておくと、表面にできた特殊な膜の効果で、発生した結露がたれることを防止できます。ガラスに撥水効果をもたらし、水滴の表面張力によって水だれを防ぐタイプ。液状の吸水ポリマーで給水するタイプ。商品によってアプローチはさまざまですが、ガラス面に結露をとどめておいて、自然に蒸発させます。

 商品の性質上、ガラス面にとどめておける水の量には限度があります。結露が多くなるとたれてしまうので、過度な期待は禁物です。

 膜の耐久性は商品ごとに違ってきますが、水拭きをしても落ちにくく、約30日間、効果が持続するとうたっているものもあります。窓ガラスに吸水テープなどを貼ることに抵抗のある方は、このようなスプレータイプを試してみると良いでしょう。

4章:結露の抑制に有効な対策

●窓用断熱フィルム

 間に空気層がある、二重構造のビニール製フィルムです。一般的に「プチプチ」と呼ばれている空気入り緩衝材を、窓に貼るフィルム状にしたものと考えるとわかりやすいでしょう。これを貼ることで、簡易的に複層ガラスに似た状態を作り、室内側ガラス面の温度が下がるのを抑えることができます。ガラス面の結露防止と同時に、暖房効率がアップするのも大きなメリットです。

 取りつけ方は他の窓フィルムと同様で、自分で簡単に貼ることができます。何度でも貼りなおしができるタイプを選べば、慣れていない方でも失敗する心配がありません。

●窓下ヒーター

 窓下ヒーターは窓の下に設置する、用途を限定した電気ヒーターです。スイッチを入れると、ヒーターが作った上昇気流が窓を温め、冷気の侵入を発生源でブロックします。窓の温度が室温に近くなっているので、結露も発生しないというわけです。

 ヒーターの作動中は、窓の内側に暖かい空気のバリアを張った状態になっていて、熱が逃げにくく、エアコンなどの暖房効率がアップします。大きい掃き出し窓の下などに置くと、省エネ面で効果的です。

 価格は1万円台から3万円程度と高く感じますが、消費電力40~120Wh程度の製品が多く、運転コストは1時間あたりせいぜい1~3円程度です。他の暖房器具と組み合わせて上手に使うと、省エネ&光熱費低減にも繋がります。

 ちなみに、オイルヒーターやパネルヒーターなど、水蒸気を発生しない暖房器具を、窓辺に置いても同様の効果があります。まずはご家庭にある器具の配置を工夫して、試してみても良いかもしれません。

●簡易内窓

写真は『エコな簡易内窓』(アクリサンデー)のもの。
『エコな簡易内窓』では、窓ガラスのかわりに、写真のような中空ポリカーボネートを使用する。

 本格的な窓の断熱&結露対策として考えられるのは、内窓を設置する二重窓化です。寒冷地では、以前からアルミサッシでの二重窓がよく見られましたが、現在は樹脂サッシを採用した専用内窓が登場し、リフォームによる後づけ用としても関心を高めています。

 機能性や見た目では窓メーカーの内窓に及ばないものの、DIYで費用をかけずに取りつけられるのが簡易内窓セットです。ガラスがわりの中空ポリカーボネート板、プラスチック製の窓フレームとレールがセットになったもので、窓のサイズに合わせてカットして、両面テープで貼るだけの簡単作業で設置可能です。

 引き違いになっている窓はスムーズに開閉し、通常の内窓と同じように換気や出入りも問題なくできます。また、不要な季節には、窓だけ取り外して通常の窓に戻すこともできます。原状回復が求められる賃貸物件にもオススメです。

5章:普段からできる結露の予防方法

 ここまでは具体的な結露の対処方法を紹介してきましたが、結露の発生を根本的に減らす環境づくりを心がけたいものです。そのポイントは、室内の湿度です。

 冬は乾燥する日が多いため、室内を加湿する意識が強くなりやすいものです。晴れた日が続けば、確かに屋外は乾燥しています。しかし家の中は、家族が帰宅し、料理を作ったり、入浴したりしているうちに、湿度がどんどん上がっていきます。さらに加湿器をつけっぱなしにしていたら、閉め切った室内で大量の水蒸気を発生し続けることになります。

 私たちが快適と感じる湿度は、40~60%と言われています。必要以上に加湿しないことが、結露を減らすいちばんの対策になります。ときどき湿度計をチェックして、加湿器は室内のコンディションに合わせてコントロールしましょう。料理をつくる際の煮炊きも同様です。室温を下げてしまうようで気になりますが、換気扇を回して調理してください。

 湿度を下げるために、もっとも基本的な方法で、意外と効果が大きいのが、部屋の換気です。冬は、たいてい屋外のほうが乾燥しています。5分程度で良いので、窓を開けて湿った空気を入れ替えると、室内の湿度をリセットできます。たとえば、湿度が高くなったリビングやダイニングは、家族がいなくなった就寝前に換気しておくと、夜間にたくさん発生する結露の予防に効果的です。

まとめ

 住宅の断熱性能が高くなり、結露に悩まされる方が以前よりも多くなっています。ここで紹介したような結露対策グッズを利用すれば、家事を少し楽にできますが、それでも毎日のこととなると大変です。

 結露はできたとしても、量が少なければ、神経質になるほど実害はありません。できるだけ発生量を減らすために、予防になる室内湿度の見直しを実践しながら、アイテムを使用するようにしてはいかがでしょうか。負担にならないところから、試してみてください。

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