台風への備えは万全?
強風時には窓ガラスの対策を!

 台風は夏から秋にかけて頻繁に発生して、強い雨風によってさまざまな被害をもたらします。そのなかでどの住宅でも受ける可能性のあるのが、強風による窓ガラスへの被害です。窓ガラスが割れると、雨が吹き込むだけではすまない二次被害を引き起こすことがあるため、風が強まる予報が出ている場合は台風の接近前に準備しておく必要があります。今回は台風への備えのひとつとして、窓ガラスの強風対策について解説します。

目次
1章 台風の強風が引き起こすよくある住宅被害
2章 強風時に窓ガラスが割れる原因と二次被害
3章 台風の接近前にやっておきたい窓と周辺の対策
4章 簡単きれい! 窓ガラス飛散防止フィルムの貼り方
まとめ

1章 台風の強風が引き起こすよくある住宅被害

 台風が通過する際には、雨とともに風の及ぼす影響が大きいことはご存知の通り。雨量はさほどではないのに、風が甚大な被害を及ぼすタイプの台風を指す「風台風」という言葉があるくらいで、規模や性質によっては強風への警戒を高めておく必要があります。
 ニュース映像で映されるものだけでも、街路樹や電柱の倒れ、看板の飛散、建設用足場の倒壊などは毎年のように目にします。住宅への直接的な被害としては、台風が通過した地域で多くの家屋が屋根瓦を吹き飛ばされるなどがあります。
 では、強風が住宅に及ぼす影響にはどのようなものがあるのか、風の強さとの関係で整理しておきましょう。以下は気象庁が発行しているリーフレット「雨と風(雨と風の階級表)」から、建造物への影響について解説された箇所を抜粋したものです。これを見れば、台風の規模や進路によっては、どこでも強風被害が起こりうることをおわかりいただけるでしょう。

2章 強風時に窓ガラスが割れる原因と二次被害

風圧にはけっこう強い窓ガラス。それでも・・・
 台風による住宅被害で多いとされている窓ガラスの破損はどのように起こるのでしょうか。考えられる原因は主に2つです。

(1)風圧がかかって割れる。
(2)飛来物が当たって割れる。

 どちらも、いかにも起こり得るように思えますが、実際はどうなのでしょう。窓ガラスは種類や大きさ、厚みに応じて風圧に対しての耐久性が定められています。台風の風がその数値を上回る強さで当たると、ガラスが破損することになります。しかし、窓ガラスの風圧に対する耐久性はとても高く設定されていて、強風が吹き付けるだけで割れるということはあまりありません。そう、窓ガラスが割れる原因の多くは、飛来物が当たったことによるものなのです。
 上で紹介したように、台風が接近したときの風速によってはかなり大きいもの、重いものまで、吹き飛ばされます。固くて重いものが飛んでくれば、どれほど風圧に強いガラスであっても、その耐久性とは関係なく割れてしまうわけです。
ガラスだけではすまない被害の可能性も
 窓ガラスが割れた後のことを想像してみましょう。当然、風とともに雨が吹き込んできます。室内のさまざまなものが風で散らかり、窓の近くの壁や床、家具などは水浸しになる可能性が高いでしょう。それだけではありません。割れたガラスは窓枠から脱落し、鋭利なガラス片は室内に飛散して凶器となります。ようすを確認しようと不用意に窓に近づけば、出血するようなケガにつながります。
 また、破損してあいた穴から強風が吹き込むようになると、最悪のケースとしては屋根が吹き上がって飛ばされてしまうことも起こり得ます。
 つまり台風の接近がわかったときに窓ガラスにできる対策としては、飛来物が当たるのを防ぐこと、そして割れた場合の二次被害を防ぐことの2つの視点で考えることがポイントになります。

3章 台風の接近前にやっておきたい窓と周辺の対策

 台風の進路がほぼ確定してお住いの地域が暴風圏に入りそうだとわかったら、飛来物による被害をできるだけ小さくできるように対策をしておきましょう。数日のうちにできる基本的なことを紹介しておくので、点検と対策に役立ててください。
危険物を片づける
 ゴミ箱、ほうきやチリトリ、ガーデンテーブル&チェア、植木鉢などの敷地内にある飛ばされやすいもの、自転車などの倒れやすいものを、できるだけ室内や物置のなかに入れてください。それができないものは風が当たらない場所に移動したり、ヒモで固定したりしておきます。倒れやすいものは、ヒモで固定するか、あらかじめ倒しておくなどするとよいでしょう。
 また、植物を育てていたり、物置と化しているベランダも要注意です。窓に近いぶん倒れただけで直撃することが考えられます。物干し竿を下ろす、プランター台に置いている植物を下ろす、飛ばされそうなものを室内に移動するなど、こちらもできる限りの対策を。
 外を見まわる際は雨対策として、雨どいやバルコニーの排水ルート、窓の下枠にある水抜き穴などが詰まっていないか、水はけの点検と掃除も同時にしておくと安心です。
網戸のはずれ止めをチェック
 窓の一部のように設置されている網戸は、意外と見落としがちなもの。状態によっては強風にあおられてサッシ枠から脱落したり、飛ばされたりしやすいので、点検に加えておきたい項目です。最初に確認していただきたいのが、枠の上部にあるはずれ止めが正しくセットされていること。ネジが緩んで下にずれていると脱落しやすいので、セットし直しておきましょう。枠を持って上下に動かしてもレールからはずれなければ安全です。
雨戸やシャッターを閉める
 窓の破損を防ぐための唯一の方法は、飛来物がガラスに当たらないようにガードすること。シャッターや雨戸が備え付けられている場合は、風雨が強くなる前にこれらをしっかりと閉めておきましょう。風に押されて開いてしまわないように、ロックしておくことをお忘れなく。
窓ガラスに飛散防止フィルムを貼る
 割れた場合にガラスの飛散を防いで、万が一のときでも室内の安全を守るのが目的であれば、窓ガラス用の飛散防止フィルムを貼っておきましょう。耐久年数は10年程度※になりますから、一度貼ってしまえば台風が接近するたびに貼り直す必要はありません。
※耐久年数は製品により異なります。
※飛散防止フィルムの貼り方は次項で解説しています。

4章 簡単きれい! 窓ガラス飛散防止フィルムの貼り方

 飛散防止フィルムはガラスの種類や大きさに合うものをホームセンターで入手可能。施工用の道具を一緒に用意すれば、自分で簡単に貼ることができます。作業がしやすいように、窓周辺の家具やカーテンはすべて移動しておきましょう。
用意するもの
飛散防止フィルム
フィルムは施工するガラスの種類に合わせて、一般的なガラス用と凸凹ガラス用から選びます。製品のなかには複層ガラスや網入りガラスに貼れないタイプもあるので、パッケージをよく確認して購入しましょう。

道具
スプレーボトル、カッターナイフ、カット定規、スキージ、ハサミ(セット外)。初心者にはガラスフィルムを貼るために必要な道具が一通りそろったセット商品もおすすめです。
・タオル(養生用、拭き取り用)
・水溶液(台所用中性洗剤1:水200の比率で薄めたもの)
貼り方
【準備をする】
作業する窓の下にバスタオルを敷いて床を養生します。
フィルムがガラスの幅より広いので、作業しやすいようにガラスから2〜3cmはみ出す程度の位置に油性ペンやテープで印をつけます。
丸めた状態のまま、ハサミで使用する長さにカットします。
貼る作業には水溶液を入れたスプレーボトルとスキージを使用します。

最初にガラス面を掃除します。スプレーボトルに入れた水溶液を窓ガラスの全面に吹きかけます。

スキージをまん中から外側に向かって動かして、水溶液ごと表面に付着していた汚れを取り除きます。汚れがひどいときは、先に窓掃除をしておきましょう。
【フィルムを貼る】
窓ガラスの表面に水溶液をたっぷりと吹きかけます。水溶液の量が少ないと窓ガラスとフィルムがくっつきやすく、貼りにくくなります。垂れるくらい吹きつけましょう。
角に貼られているテープを両側に引っ張って裏面の保護フィルムをはがします。
テープを使うと簡単に保護フィルムがはがれます。製品についていない場合は、角の両面にセロファンテープを貼ると同じことができます。
保護フィルムを3分の1ほどはがしたら、フィルムの裏面に水溶液をたっぷりと吹きかけます。
上部の角を持って窓ガラスの角にフィルムの位置を合わせます。フィルムは縁ゴムにぴったりとつけず、水抜きをしやすいように端を3mm程度あけておきます。水溶液の効果でフィルムは簡単にずらせますから、焦らないで位置を調整してください。
フィルム上部のまん中を乾いたタオルで縦に押さえて水を抜き、動かないよう に貼ってしまいます。位置が決まったら残りの保護フィルムをはがします。
【水と空気を抜く】
スキージーをまん中から両側に動かして、残っている水と空気を抜きます。
スキージーの滑りが悪いとフィルムを傷つけてしまいます。先にフィルムの表面に水溶液を吹きかけて、滑りをよくしながら作業しましょう。
水を抜き終えたら、フィルムの周囲をタオルで拭いて押し出した水を拭き取ります。
【フィルムの余分な部分をカットする】
フィルムが余っているところをカットします。カット定規を縁ゴムに添わせておいてカッターナイフでカット。こうすることで縁ゴムを切らず、縁に適度なすき間をあけてカットすることができます。
カットした部分のフィルムを取り除いて作業は完了です。
小さな窓ガラスは飛び散り抑止テープで対策
フィルムを貼りにくい小さい窓ガラスには専用テープがおすすめです。厚みがあって強度も高いので、密に貼っておくと効果が高まります。

まとめ

 台風が接近したときに起こる窓ガラスの破損は、強風によって飛来物が当たることが多くの場合の原因です。周囲の者の片づけや窓ガラスの飛散防止といった対策をしておくことで、万が一のときでも被害を採用に抑えることができます。ただ、直前になって備えに走り回ると、品切れで必要な防災品を入手できない場合もあります。その点、窓ガラスの飛散防止フィルムは、平常時に施工して貼りっぱなしにしておけるところがメリットです。自分で簡単に施工できますから、開けた側の窓ガラスへの対策などに採用してはいかがでしょうか。

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