暖房ロスを減らして節電&節約効果をアップ!
DIYでできる窓の寒さ対策
断熱シート、すきまテープの貼り方

 冬は気温が低下するのと反比例するように月々の光熱費が上昇していく、家計にとってうれしくない季節です。寒いからといってエアコンの設定温度を上げると、そのぶんがダイレクトに電気代に跳ね返ってきます。なんとか節電しながら快適な室温をキープできないものか。こんな悩みを解決したいときに試してみたいのが、断熱アイテムを活用して暖房効率を高める方法です。ここでは熱の逃げ口になりやすい窓まわりの断熱アイテムと、その使い方を解説します。

目次
1章 暖房費節約のポイントは室温管理と断熱
2章 窓用断熱シートの種類と貼り方
3章 すきまテープの種類と貼り方
まとめ

1章 暖房費節約のポイントは室温管理と断熱

簡単にできる暖房費節約のポイント

 暖房費の節約は、家計の出費を抑えるためには無視できないポイント。そのためにまずチェックしたいのが室温です。暖房時の室温は17〜22℃に保つことが身体によいとされていて、暖め過ぎはエネルギーの無駄使いになるとのこと。まずはエアコンなどの設定温度を見直してみるとよいでしょう。

 次にポイントとなるのが、暖房の効率を高めることです。というのも、暖房で室内の空気を暖めている一方、その熱は天井、床、壁、窓などを介して失われているからです。なかでも、熱の流出経路の多くを占めると言われている窓は、対策の効果が大きい場所です。

窓の断熱はDIYでできる

 窓をしっかりと閉めているのに、窓際に近づくとその場の空気だけひんやりと感じることがあります。これは外から冷気が流れ込んでいるわけではなく、室内の空気が外気で冷やされた窓に触れて熱を奪われているためです。窓の冷え対策としては、内窓、二重ガラス、樹脂サッシへのリフォームなどが有効ですが、どれも費用がかかりますし、賃貸住宅では行えません。できれば、家計に優しくて、DIYで簡単にでき、原状回復できる方法を知りたいところでしょう。

 こうした住まいの悩みを解決したいとき、頼りになるのがホームセンターです。冬が近づいてくると、店頭には寒さ対策のアイテムがたくさん並びます。この記事を参考にして、自宅で使えそうなアイテムを探してみましょう。

2章 窓用断熱シートの種類と貼り方

窓用断熱シートとは

 窓まわりで優先して対策したいのが、面積が大きく逃げ道になっているガラス面です。ガラス面の断熱効果を高めるアイテムとして、室内側のガラス面に貼るだけと扱いが簡単な断熱シートをおすすめします。

 窓用の断熱シートにはいくつかの種類がありますが、一般的な気泡緩衝材(エアークッションやプチプチと呼ばれる)をシート状にしたタイプは、価格も手ごろで買いやすいでしょう。気泡部分が空気の層となって断熱効果を発揮し、室内の空気が冷たいガラス面に触れないようにします。二重ガラスを簡易にしたものと考えればわかりやすいでしょう。しっかり結露を防ぐ効果もあります。貼ったあとは凹凸ガラスのようになって外の景色を見にくくなりますが、透明度は高いため日中の明るさを保つことはできます。
 上記とは別物でシルバーメッシュ構造を採用し、夏は日差しをカットして冷房効率をアップし、冬は暖房器具の赤外線を反射して暖房効率をアップする、遮熱・断熱兼用のタイプもあります。外部からの目隠し効果も期待できるものなので、加工する窓によってはこうした製品を選択肢に入れてもよいでしょう。
 窓用の断熱シートは素材やタイプに関わらず、貼るのに適したガラス、適さないガラスがあります。網入りガラス、二重(ペア)ガラス、LOW-Eガラス、すりガラス(ざらざら面)、凹凸ガラス、すでに飛散防止フィルムなどを貼ってあるガラスなどは適していない可能性が高いので、パッケージ裏面の説明を確認して選ぶようにしましょう。

水貼りタイプ断熱シートの貼り方

 一般的な断熱シートは粘着剤を使用していない水で貼るタイプが主流です。このタイプは、貼り付けてもすぐに密着しないでずらしながら位置の調整ができるので、初めての方でも落ち着いて作業できます。また、断熱の必要がなくなったときにきれいにはがすことができるところも、扱いやすいポイントです。使用期間の目安は1年程度とされているものが多いので、はがして保管しておけば、次のシーズンに再使用できます。
【用意するもの】
・窓用断熱シート
・霧吹き
・定規
・ハサミ
・油性ペン
・雑巾

【貼り方】

1.窓ガラスを掃除する
シートが密着しやすいように、貼る室内側のガラス面を掃除します。ホコリ程度の場合は濡れた雑巾で拭いて、汚れがひどい場合は薄めた中性洗剤を使って拭き取っておきましょう。化学雑巾は薬品の影響でシートが貼り付きにくくなるので、使用しないでください。
2.窓ガラスの大きさでシートに印をつける
断熱シートは、標準的な窓のサイズよりも大きめになっています。これを貼り付ける窓ガラスに合わせるためにサイズを測ります。メジャーを使ってガラス面の幅と高さを測ってもよいですし、写真のようにシートを直接あてて油性ペンで印をつけてもよいでしょう。シートのサイズはガラス面とぴったり同じにしないで、両端に5mm程度のすきまができるようにひと回り小さくしておくのがコツです。
3.断熱シートをカットする
先ほどつけた印を基準に線を引き、貼るほうのシートに線が残らないようにハサミでカットします。
4.窓ガラスに水を吹きかける
シートを貼る室内側のガラス面に、霧吹きを使って垂れるくらいにたっぷりと水を吹きかけます。水が垂れてもいいように、タオルなどを敷いて床を養生しておきましょう。
5.断熱シートを貼り付ける
断熱シートは貼り付ける面が決まっています。シールなどで面を確認してから、濡れたガラス面にシートを貼り付けます。密着性を高めるために、シートの貼り付け面にも水を吹きかけておきましょう。
6.水を抜いてシートを密着させる
最初に上部の両角で位置を合わせて貼ります。曲がりがないかを確認して位置が決まったら、まん中から外側に向けて手で水や空気を追い出すようにして全体を貼っていきます。流れ落ちてしまって水が少なくなっていると貼りにくいので、その場合はさらに水を吹きかけて作業してください。
7.水を拭き取って完了
貼り終えたら、シートの周囲に残った水を拭き取って作業は完了です。水が乾ききるまでは十分に密着していないので、シートの曲がりやはがれが気になる場合は貼り直しましょう。

3章 すきまテープの種類と貼り方

すきまテープとは

 住宅の気密性は年々高まっていて、新築から数年は冷暖房の効きがよく、省エネ・節電の効果はしっかりあります。ところが、築年数の経過とともに窓やドアの建てつけが悪くなったり、ゴムパッキンが傷んだりしてくると、すき間が広がって空気の通り抜ける量が増えます。暖房時に熱が流出する原因のひとつ、すき間対策に活用したいのがすきまテープです。

 すきまテープは、テープ状のスポンジやウレタンに粘着剤がついた補修・対策アイテムで、引き戸や開き戸のすき間に貼って空気や砂、ほこりの出入りを低減します。
 窓だけでなく、室内のドアや障子、ふすまなどに貼るタイプもあり、部屋同士の温度差がある場合の冷え対策としても使えます。使用箇所に合わせて素材や形状に工夫をした専用タイプが選べるので、適材適所で選んで暖房効率をアップしましょう。

サッシ用すきまテープの貼り方

 サッシに使えるすきまテープとしては、主にスポンジタイプとモヘアタイプ(起毛)が使われます。スポンジタイプはサッシの戸当り部分、モヘアタイプは引違い部分に使用するのがおすすめです。また、製品によって厚みや幅が異なるので、あらかじめ貼り付けるサッシ枠の幅を測り、適切なサイズのものを選んでください。

 ここではスポンジタイプのすきまテープを、サッシの戸当り部分に貼る方法を説明します。戸当りに貼る場合、テープの厚みによってはサッシが閉まらなくなることがあります。作業本番前に、短くカットしたテープを両側の戸当り部分に貼って、サッシが閉まることを確認しておきましょう。
【用意するもの】
・サッシ用すきまテープ
・雑巾

【貼り方】

1.貼る場所を掃除する
ホコリや水分、油分などが付着していると、テープの粘着力が弱まってはがれやすくなります。雑巾を使ってよく拭き掃除をしておきましょう。
2.貼る準備をする
貼り付けるサッシ枠の高さを測って、その寸法通りにテープをカット。テープの端から20cmほど、裏面の保護紙をはがします。
3.貼り始める
テープの先端をサッシ枠の上部に合わせ、指でしっかり押さえてずれないように貼り付けます。
4.テープ全体を貼る
残りの保護紙をはがしながら、上から順にテープを貼っていきます。もし、テープが長くて余ってしまったら、カッターやハサミでカットしてください。
5.すきまテープの貼り付けが完了
サッシを閉めると、テープのスポンジを押しつぶすように密着します。これによって、わずかにあったすきまがなくなり、冷気の侵入をシャットアウトできます。

まとめ

 光熱費がかさみがちな冬、ここにかかる支出を少しでも減らしたいと思ったら、室温管理と部屋の断熱を見直してみましょう。断熱では、窓まわりの対策を最優先します。暖房時に窓から流出している熱は、想像以上に大きいもの。暖房効率を数百円から数千円で改善できる断熱シートやすきまテープは、とても魅力的なアイテムと言えるでしょう。初めてでも簡単にできる作業ですから、冬支度のひとつとして、断熱DIYを取り入れてみてはいかがでしょうか。

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