クレセントの交換方法

クレセントってなに?正しい知識を知って手軽にDIYにチャレンジしよう!

「クレセント」とは 

皆さんは「クレセント」という言葉をご存知でしょうか。

「そんな言葉は聞いたことがない、一体何?」と思った方もいるかも知れませんが、実はクレセントとは、主に引き違い窓のサッシに取り付けてあるカギ金具の専門用語なのです。

(クレセントの例)
さて、皆さんはリビングの窓の開閉など、頻繁に行ってはいないでしょうか。

その度に窓のカギであるクレセントのレバーを下げたり上げたりすることで施錠したり、解錠したりすることになりますよね。

つまり窓のカギであるクレセントは、玄関扉のカギより利用頻度の高い、酷使されがちなカギとも言えますので、どうしても時間と共に緩んできたり、レバーがスムーズに回らなくなったりしてきます。

窓のカギの調子が悪ければ安心して外出もできません。不調になったクレセントは早めに交換することが望ましいと言えます。

しかし、クレセントの交換を工務店やリフォーム業者を呼んでやってもらうと、クレセントの費用以外に出張費や作業費などが上乗せされます。かなりの出費となってしまいますので、できればそのようなメンテナンス費用は節約したいもの。

ではクレセントの交換はどうすればよいのか。

答えは簡単です。クレセントの交換は大工さんに頼らずとも皆さん自身で、即ちDIYで簡単にできちゃうんです。

そこで今回は、DIYによるクレセントの交換方法を皆さんへわかりやすく解説致します。

クレセント交換は交換前の「準備」がポイント!

クレセントを交換するにあたっての大切なポイントは、交換前の準備にあります。

交換する前に現在の取り付けてあるクレセントの「寸法を計測すること」が大切です。

もし寸法の計測を怠ったまま、例えば「オシャレ!」「デザインがカッコイイ!」といった理由だけで交換用のクレセントを選んでしまった場合、サイズが合わずに交換用のクレセントが無駄になってしまいかねません。

面倒がらず、必ず計測を行うようにしてください。

ではどの部分を計測すれば良いかということですが、計測すべき部分は3つあります。

◆ビスピッチ

クレセントを固定する上と下のビス穴のそれぞれ中心部からの距離のことです。
◆高さ

写真の通り、サッシ部分から垂直方向にみた場合の最長部までの距離がクレセントの高さとなります。
◆引き寄せ幅(または「引き寄せ寸法」)

上下のビス穴の中心同士を結んだ直線から、「かけ金」と呼ばれるレバーで回転する部分を垂線で結んだ場合の最長幅となる長さが「引き寄せ幅」です。
クレセントを交換する場合にはこの3点の長さを計測した上で、これら3点の長さに適合するサイズのクレセントを交換用として購入することが準備段階の大きなポイントとなります。

寸法の計測が完了し、寸法に全て適合した交換用のクレセントが準備できたら、後は「プラスドライバー」を1本用意するだけで準備は完了です。

クレセントの交換方法

では、クレセントの交換方法を説明いたいます。まずは現在のクレセントの取り外しからです。

1,ドライバーを使用してクレセントの上部分のビスを緩めます。
クレセントの取り外しを行う際にも、気をつけなければならない大切なポイントがあります。

それはクレセントの上下のビスを一度に全て外してしまわないことです。

なぜならビスを完全に外してしまうと窓のサッシ内側にある、ビスを固定させるための板が外れて、落下してしまうおそれがあるからです。

もし板が落ちてしまえばビスをしっかりと固定させることができませんし、窓を開閉する度に落下した板がノイズを発生させてしまう原因にもなってしまいます。

そのため上部のビスは「緩める」のであって、「外す」のではないということがポイントとなります。

上下のビスは一度に全て外してしまわず、どちらか片方のビスは必ず付いている状態を保つことがクレンセトを交換する場合に最も気をつけなければならない注意点ですので、よく憶えておくようにして下さい。

2,下部分のビスは完全に取り外します。
上部分のビスが外れていないことが確認できたら、下部分のビスは取り外しても大丈夫です。

3,クレセントを窓に対して垂直の向き(横向き)に傾け、上のビスを軽く締めることで仮止めします。
下部分のビス穴が開放された状態にするために、クレセントを一旦垂直方向に傾けて仮止めしておくという訳です。

ここまでが新しいクレセントを取り付ける前段階の手順です。

つまり、クレセントを完全に取り外してから新しいクレセントを取り付けるのではないということも作業上のポイントと言えます。
3までの作業が終わったら、購入した新しいクレセントを準備し、次の作業へと進むことにしましょう。

4,新しいクレセントを上下逆の向きにした上で、下側のビス穴部分に「軽く」取り付けます。
新しいクレセントを上下逆にした上で仮止めする理由ですが、ビス穴上部にはまだ交換前のクレセントが取り付けてあるからです。

交換前のクレセントを取り外した後に新しいクレセントを正しい向きにするため、この段階では上下逆向きにしてサッシ側の下部分のビス穴に仮止めしておくということです。

ここでのポイントは上下逆の向きにすることを忘れないことと、画像で説明しているとおり、サッシ側の下部分のビス穴に合わせるのは、クレセントの向きを正しくした場合には「下側」にあたる方の穴だということです。

この二点を間違えないようにして下さい。

5,仮止めしていた交換前のクレセントを完全に取り外します。
窓のサッシ部分には交換する前のクレセントが、窓に対して垂直方向でまだ仮止めしてある状態ですので、これを完全に取り外します。

新しいクレセントを下側のビス穴に仮止めしてから交換前のクレセントを取り外す理由は、「1」の手順の中でも説明したとおり、板を落下させないためです。

6,仮止めしていた新しいクレセントを上向きに180度回転させ、上側のビス部分も取り付けます。
上下逆向きで仮止めしていた新しいクレセントを180度上向き方向に回転させれば、正しい向きになります。

正しい向きにできたら、上部のビス穴部分を一致させてビスで固定する訳ですが、まだ「調整」という行程が残っていますのでこの段階ではきつく締めないようにしましょう。

7,スムーズに施錠が行えるよう、受け金具とクレセントの位置を調整します。
最後の行程です。ビスを緩めることで受け金具(クレセントが付いてない方の窓サッシについている金具)は「左右」方向、クレセントは「上下」方向に調整できますので、施錠をスムーズに行える位置となるよう両方の位置調整を行い、位置が確定できたらビスを完全に締めます。

ただしきつく締めすぎるとビスの溝が破損するおそれがありますので、きつく締めすぎないように注意してください。

以上がクレセントの交換方法です。

作業には高度な技術は不要です。注意点やポイントさえしっかりと守って行えばどなたでも交換可能です。

我が家のメンテナンス費用の節約のためにも、クレセントの交換が必要となった場合にはぜひDIYにチャレンジするようにしてください。

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