家庭向け解体ツールを使った粗大ゴミの解体方法

 ガタつきや割れがあって使えなくなったり、断舎離して処分することにした家具や収納ケース、どうやって処分しますか? 一般ゴミの大きさを上回るものは粗大ゴミとして捨てることになりますが、処分を急ぐ前に解体して小さくできるものはないかチェックしてみましょう。一般ゴミとして出すことができれば、何日も先の収集日を待つことはありませんし、収集費用も抑えられます。今回は家庭でよく出る不用品を、代表的な解体ツールを使って実際にカットしてみました。カットする素材ごとの難易度、ツールの使い方のコツを紹介するので、処分に迷ったときの参考にしてください。
※粗大ゴミの出し方、一般ゴミの規定は自治体によって異なります。お住いの地域の自治体に確認のうえ、決められた方法で処分してください。

目次
1章 万能ハサミを使いこなす
2章 電気のこぎりで大物を解体する
3章 解体ゴミをまとめる
まとめ

第1章:万能ハサミを使いこなす

 処分することになった不用品がこちらです。ゴミ箱のようなプラスチック容器は、なかは空っぽなのに大きくやたらとかさばります。突っ張り棒やコートハンガーなどのポール状のものも、長いままでは一般ゴミとして処分できません。また、クッションシートは敷き替えが終わったら、早く処分したいですね。
 どれもカットすればかなりコンパクトにできそうです。家庭用のハンディタイプの道具を使ってどこまでできるか、トライしてみます。
 最初に使うのは万能ハサミです。普通のハサミと比べると、大きく頑丈そうで、細かいところに工夫があるのがわかります。どんな機能を備えているのか、簡単に説明しましょう。
 まっすぐスムーズな刃のようですが、よく見ると細かいギザギザの刃がついています。この刃は薄い金属やプラスチックでも、滑らずにしっかりととらえます。対応する厚みは素材によって異なりますが、アルミ板、トタン板、ブリキ板、プラスチック板、ゴム板などをカットできるのが特徴です。
ロープや針金を解体
 大きいギザ刃は、ロープや水道ホースなどの太いもの、厚いシートなどに食い込むようについているもの。そのため刃が開いたところから、しっかりと力をかけることができます。太さ1cm程度のロープなら、軽く手ごたえはあるものの、ザクッと簡単にカットできます。
 側面にある丸いくぼみは、針金をカットするための専用刃です。針金やアルミ線、銅線などをカットしたいときに、わざわざペンチを用意しなくてもよいのは便利ですね。
 2枚の刃のくぼみを合わせて針金を通しておき、ハンドルを握り込むだけ。この製品は太さ2.5mmまでカットできます。
 先端の外側は、段ボール箱の開梱や梱包するときの折り目つけ用です。分別収集に出す段ボールを折りたたむ用途で使えるので、通販やフリマアプリを利用することが多いご家庭で、役に立ってくれるでしょう。
大判のクッションフロアを処分
 床をリフォームするときにはがした古いクッションフロアです。短い辺でも2mほどの長さがあるので、このままでは粗大ゴミとして捨てるしかありません。
 厚さ2〜3mmの塩化ビニールのシートを、万能ハサミでカットしてみましょう。
 シートを広げてハサミを入れていくと、発泡素材だからでしょうか、あまり厚みを感じないでテンポよくカットできます。握力が弱い方でなければ、まったく問題ないレベルでしょう。ただ、女性やお年寄りが、大きいシートをひとりで処分するのは大変かもしれません。
 作業を時短できないかと、シートを折りたたんだ状態でも試してみました。6枚を一気にカットしようとしたところ、最初は刃が入ったものの、途中から切り進めなくなりました。よほど握力が強い人でない限りはおすすめしません。
水草のかごをコンパクトに
 水草を編んだおしゃれなかごは、網目にホコリがたまるなど、汚れが目立つようになって処分することになったもの。このままでもギリギリ一般ゴミの袋に入りますが、カットして小さくまとめればゴミを減量することができます。
 柔らかい素材だからと甘く見ていたら大間違いでした。水草を重ねてロープ状にしてあるので、繊維が何重にもなっていて、ハサミで切ろうとするととても重い手ごたえがあります。一本一本が太くて、しかもそれが連続しているために握力を酷使することになります。
 半分以上カットするころには、腕に張りを感じるようになりました。握力の弱い方が、小さくするところまで一気にカットするのは難しいかもしれません。休みながら作業するほうがよいでしょう。

第2章:電気のこぎりで大物を解体する

 手持ちで使えるハンディタイプの充電式電気のこぎりは、手挽きのノコギリではカットするのが大変な、厚みのある素材や硬い素材のものを解体するときに利用してみたいパワーツールです。同じ電動でも、正確さを求められる工作向きの丸ノコやジグソーと違って、手持ちで荒切りするような作業に向いています。
 ただ、パワーがあるため扱いには注意が必要です。ここでは安全に使うための基本的な操作方法をチェックしながら、素材の異なる不用品をカットしてみます。
 電気のこぎりのブレードは交換式です。木工用、鉄工用などのブレードを、カットするものに応じて使いわけます。
ブレードの交換
1.取り付け用スリーブの先端にあるつまみを回転させて、内部にある固定ピンのロックを解除します。安全のためバッテリーや電源をはずして作業してください。
2.使用するブレードを差し込んで、つまみを元に戻してロックします。
3.ブレードを引っ張って、しっかり固定されていることを確認。脱着が完了してからバッテリーを装着します。
※商品の説明書に従って操作をしてください。
ブレードの作動
スイッチの引き金はロックされていて、そのまま引くことはできません。引き金の上にある安全ロックボタン押しながら引き金を引いて、ブレードを作動させます。
電気のこぎりを使う切断作業をする際は、万が一ブレードがあたっても大きなケガをしないための保護用手袋、破片から目を守るための安全メガネを着用します。
※軍手など巻き込まれる恐れのある手袋は着用しないでください。
いろいろな形の木製品をカット
まず解体するのは90×45cmほどの桐箱のフタです。木工用ブレードを使って、長い方を3分割します。
板が薄いのでスムーズに切り進めます。クランプで固定しておくと、暴れが少なく作業しやすいですね。
3分割したものをさらに2つにカットして、一般ゴミとして出せるサイズまで小さくします。
コートハンガーのポールは直径が4cmほどあります。丸軸のため固定方法が問題です。クランプ2つと角材を組み合わせてしっかり固定していますが、振動が大きくなるとはずれてしまい、何度か固定し直すことになりました。ほかの人にサポートしてもらうほうがよいようです。
2つのフタとポールを切り終えました。ここまで小さくすれば、3つ分をまとめて45Lのゴミ袋に入れられますね。
難敵? 金属製の突っ張り棒を切ってみる
利用しているときにはとても便利な突っ張り棒ですが、処分するとなるとこの長さが仇になります。金ノコでも切ることはできますが、何分割もするとなるとかなりの時間がかかります。電気のこぎりを使うのが現実的でしょう。
鉄工用のブレードを装着してカット開始。最初は振動で刃の位置がずれやすいので、切り込みが入るまでは慎重に。ブレードのスピードが安定してから、刃をあてて切り始めましょう。
ブレードのつけ根についている金属のワークフレームを対象に押しあてておくと、ブレずに安定して作業できます。
プラスチックのゴミ箱をバラバラにする
プラスチック製品は、長く使っていると劣化してもろくなったり、変色したりするもの。ゴミ箱や衣装ケースのようにかさ張る容器は、まとめやすい形に解体することにします。
プラスチック製の箱は、硬い角の部分はカットしやすいものの、柔らかい面の部分は振動が大きく本体を安定させるのが大変でした。ワークフレームをしっかりと押し当てて振動を抑えるのがポイントです。

第3章:解体ゴミをまとめる

 解体ゴミは大きさや形で仕分けしてまとめておくと捨てやすいのですが、さまざまな形のものが混ざっていると、ヒモで縛ってもすぐに崩れてしまいます。この作業のためにおすすめしたいのは、梱包に使われるストレッチフィルムです。フィルム自体に伸縮性があるので、巻いたもの同士が密着してしっかり固定できます。
ハンドルとフィルムは別体式で、フィルム部分が回転します。
ハンドルを持って、解体ゴミをフィルムで包むように巻きます。広がりやすいクッションフロアは、押しつぶしながらぐるぐる巻きに。
カットした木製品も、大きさや形をそろえて巻けば、すき間ができにくく固くまとめることができます。
集めたときには大量に見えた不用品でしたが、解体することでコンパクトにまとめることができました。すべて一般ゴミとして処分できる大きさですから、今回紹介したツールを使いこなすことができれば、粗大ゴミの量を大幅に減らすことができそうです。

まとめ

 今回、素材の違うものをカットしてわかったのは、ハサミやノコギリを使って手作業で解体する大変さです。数が少なければ可能ですが、まとめて出た不用品をカットしようとすると結構な時間がかかるでしょう。大きいもの、金属製のものには電気のこぎりを使うなど、ツールを上手に使いわけて作業することをおすすめします。

※粗大ゴミの出し方、一般ゴミの規定は自治体によって異なります。お住いの地域の自治体に確認のうえ、決められた方法で処分してください。

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