カフェ風DIY入門
おすすめ素材からカフェボードの作り方まで

 自宅ですごすおうち時間を大切にしたい方を中心に、自宅にカフェの雰囲気を再現するのが人気です。こうしたおうちカフェスタイルでは、ウッディな収納やカウンターを作ったり、壁紙をリフォームしたりとDIYが大活躍。ものづくりを楽しみながらインテリアを変えていく流れができています。今回はDIYを取り入れたおうちカフェ作りのポイントを紹介しながら、人気アイテムである黒板を利用したカフェボードの作り方をお教えしましょう。

目次
1章 カフェ風インテリアのテイスト例
2章 カフェ風DIYに使える素材
3章 カフェボードの作り方
まとめ

第1章:カフェ風インテリアのテイスト例

 自宅をカフェのようにおしゃれでくつろげる空間にするインテリアには、さまざまなテイストがあります。お気に入りの雰囲気を作るには、テイストを決めて全体の統一感を出すのがポイントです。お手本にしたい人気のカフェやDIYの実例を参考にして、インテリアのテイストを決めることから始めましょう。
・ナチュラル
 古民家風や南仏プロヴァンス風のように、漆喰と古材などの自然素材を組み合わせた、どこか懐かしく優しいイメージが人気のテイストです。DIYでは素材感をそろえて、色数を抑えたナチュラルトーンに仕上げるのがポイント。無垢材を使ったカウンターや収納棚などの家具に、アンティークなデザインのガラスやホーローの容器、グリーンなどを配置するのが似合います。

・北欧風
 シンプルさとすっきりと明るい色調のなかに木材を適度に取り入れた、清潔さとやわらかさが同居した雰囲気が、ナチュラルテイストと同じく女性から人気のテイストです。家具や雑貨は北欧ブランドのデザインを参考に、シンプルフォルムでそろえるのがお約束。色はホワイトをベースにして明るく元気なカラーを差し色に、天板などの木部を明るいナチュラルカラーのワックスで仕上げると、北欧らしく統一できます。

・西海岸風
 西海岸風とは、カリフォルニアなどアメリカ西海岸にあるビーチタウン特有の、カジュアルな雰囲気を取り入れたテイストです。その特徴は、潮風にさらされたビーチハウスをイメージするような、明るく開放的でリラックスできる空間であること。例えば室内のホワイトに塗った板壁であっても、塗料がかすれて木の表面が見えるようにして、素材感が感じられるシャビーな風合いに仕上げます。イメージカラーはナチュラルな木目とホワイト、そして海を連想させるブルー。クッションやソファーカバーにデニム素材のファブリックを使うのも鉄板の組み合わせです。

第2章:カフェ風DIYに使える素材

 せっかくカフェ風にインテリアをコーディネートするのでしたら、DIYで作ったアイテムを増やして自分のイメージに近づけたいものです。オリジナリティあふれるおうちカフェづくりを楽しむために、簡単リフォームから小物作りまで、使いやすい素材をチェックしておきましょう。
・壁紙、リメイクシート
 インテリア全体の雰囲気を作るために、壁のリフォームは大切なポイント。木目やレンガ、漆喰などのカフェ向きデザインが選べる壁紙やリメイクシートは、大胆な模様替えプランにはぜひ使いたいアイテムです。すべての壁を変えるのは大変でも、一面だけ貼り替えたり、腰下だけに貼ったりしてもキッチンやリビングを別空間にアレンジできます。貼ったあとが残らないはがせる壁紙やインテリア用マスキングテープは、賃貸でも使うことができます。

・木材
 カフェスタイルでキッチンカウンターや収納棚を作るときには、ナチュラルな木目が出る無垢の木材にこだわりたいもの。規格材で扱いやすく価格の手ごろな2×4材は、このDIYでもイチオシの木材です。未塗装では味気なく感じますが、ワックスやオイルを塗って仕上げると質感がぐぐっとアップします。
 また、便利なサポートアイテムがそろっているのも、2×4材を使うメリットです。ディアウォールやラブリコなどの突っ張りアジャスターなどを利用すれば、カウンターシェルフやパーテーションなどをDIY初心者でも簡単に作ることができます。

・金具、取っ手
 フックや金具などの表に見える金具、取っ手は、素材としては小さいものですが、引き出しや扉の表情を決める大切なデザイン要素です。アイアンにするのか真鍮にするのか、それとも木製や陶製を使うのかで仕上がりのイメージは大きく変わります。最近はホームセンターでもDIY向けにおしゃれなデザインの製品を充実させているので、楽しみながら選ぶことができます。

・ワックス、オイル
 テイストに関係なくカフェスタイルの多くは、すべてをカラー塗料で塗るのではなく、木材の質感を残したナチュラルな仕上げを取り入れて、リラックスできる雰囲気を演出しています。仕上げ用のワックスやオイルは、木部らしい色に着色だけでなく、塗り込むと木目を強調してナチュラル感を高める効果があります。ひとつの家具を丸ごとこれらで塗ることもできますが、天板だけに使ってカラー塗料と塗りわけるパターンも人気があります。木材に傷をつけて古く見せるエイジングテクニックとも相性がよいので、ぜひ試してみたい仕上剤です。

第3章:カフェボードの作り方

 おしゃれなカフェへ行くと、メニューを書いた黒板がよく使われています。店の表に出しておくスタンドタイプや店内に掲示する壁掛けタイプなどいろいろな形があって、この黒板をカフェボードと呼んでいます。簡単にオリジナルのものを作ることができて、雰囲気作りにも役立つため、カフェボードはカフェ風DIYの入門アイテムの定番となっています。
 来客時にメニューを書いておもてなしをする王道の使い方のほか、文字やイラストを書いてパーティーの演出に、また普段は家族のメッセージボードにと使い方はさまざまです。ここでは基本的な作り方を紹介するので、大きさやデザインをアレンジして、インテリアにマッチするオリジナルカフェボードを作ってみてください。
用意するもの
【材料】
・パイン集成材 9×300×600mm 1枚
・角材 6×18×600mm 3本
・角材 25×25×600mm 1本
・吊金具、チェーン
・黒板塗料
・水性塗料(ホワイト)

【道具】
・ノコギリ
・ハケ
・キリ
・プラスドライバー
・強力両面テープ
・スポンジバケ
・ステンシルシート
・スポンジ

カフェボードを組み立てる

1)集成材を400mmと47mmの幅にカットする。
2)6×18mmの角材を、355mm×2本、263mm×1本にカットする。
3)板面となる集成材に角材を取り付けて枠を作っていきます。
枠材の固定には、木材を接着できる強力両面テープを使用。枠材に両面テープを貼り、はみ出す部分があればカットしておきます。
4)両面テープの保護紙をはがします。
最初に長い方の枠材を板の縁に合わせて貼り付けます。このとき枠材の先は板の端に合わせてください。
5)続いて残った2本の枠材を、写真の順番で板に貼り付けていきます。
6)チョーク置きを作るため、25mmの角材を300mm×1本、20mm×2本にカットします。
7)先に貼り付けた枠の下に、20mmにカットした角材を両面テープで固定し、その下に300mmにカットした角材を同様に貼り付けます。
角材がコの字型に並んでチョーク置きの部分ができました。
8)47mm幅にカットしておいた集成材を、落下防止と目隠しを兼ねた前板として取り付けます。
以上でカフェボードの組み立ては完了です。

黒板塗料で塗装する

塗装には、黒板塗料、ハケ、スポンジバケを使用します。スポンジバケは広い面を効率よくきれいに塗れるので、黒板塗装におすすめです。
1)最初に縁やチョーク置きなどの細かい部分、塗りにくい部分を、ハケを使って塗ります。
その後、スポンジバケに持ち替えて、黒板の板面を塗ります。乾燥させてから2回塗って仕上げましょう。
2)塗装が完了。今回はすべて黒板塗料を塗ったので、縁や前板までチョークで書ける仕様になっています。縁や前板は、木目を生かすステインやカラフルな水性塗料を使って仕上げてもいいですね。

文字を入れる

カフェっぽい雰囲気を出すために、前板に英文の文字を入れましょう。アルファベットのステンシルシート、水性塗料のホワイト、使いやすいサイズにカットしたスポンジを用意します。
1)文字の位置をそろえるために、マスキングテープを貼ります。
2)使う文字をカットして、文字入れをする位置にマスキングテープで固定します。汚れを防ぐために、マスキングテープは周囲すべてに貼っておきましょう。
3)塗料をつけたスポンジで文字の部分を塗っていきます。塗料をつけすぎると、はみ出して輪郭がにじみやすいので注意。
かすれる程度までスポンジの塗料を落としてから、軽く叩くようにして塗ってください。
4)塗料が乾いてしまう前にマスキングテープをはがして、文字入れは完了です。

吊金具を取り付ける

今回は目立たせないように、左側の金具1個を使います。金具とチェーンを組み合わせて使ったりすると少し雰囲気が変わります。好みの金具を探しても楽しいですね。
1)今回は1点吊りにするので、ボードのセンターに金具をあてて、ネジ穴の位置に印をつけます。
2)印をつけたところにキリで下穴をあけ、ネジを締めて金具を固定します。
3)吊金具がつきました。1箇所で吊る場合は、傾かないようにきっちりセンターを出しましょう。
カフェボードの完成です。壁にフックをつけてボードを掛けたら、ご家族で活用していきましょう。

まとめ

 自宅をカフェ風にするプランは、模様替えとDIYのあわせ技。大物から小物まで扱うアイテムがたくさんあって、インテリア好きが楽しめる要素がいっぱいです。憧れのカフェスタイルが定まったら、スタイリストになったつもりで目指すテイストに合わせて全体を上手にコーディネートしていきましょう。カフェ風DIYはシンプルな小物もたくさんあるので、初心者がステップアップしながら作っていくのにもぴったりです。まずはカフェボードで腕試しをして、いずれは収納作りなどに挑戦してみてください。

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