クレセントでできる鍵の交換方法とは

 「クレセント」という聞きなれない言葉をご存知ですか?
「そんな言葉は聞いたことがない。一体何?」と思う人もいるかもしれませんが、クレセントは主に引き違い窓のサッシに取りつけている締め金具の専門用語です。
住宅の窓ガラスの開閉や窓の鍵を閉めるのに欠かせないクレセントは、レバーを下げたり上げたりすることで鍵の施錠や解錠の役割を担います。実はクレセントは、玄関ドアの鍵よりも使用頻度が高いのです。
 クレセントは長い期間使用すると、サビやカビが付着し締まりが悪くなりレバーがスムーズに回らなくなるなど、故障の原因になります。窓の鍵の調子が悪いと、空き巣の侵入などの防犯面が不安になり、外出も控えてしまうことでしょう。そんなときはクレセントの修理や交換が必要です。また、錠つきのクレセントでより防犯性を高めたいと考えている場合も、新しいものに交換を要します。
 「鍵交換」は専門的な知識や道具、技術がないとできないので業者に頼むしかないと諦めていませんか? 実は、専門的な道具がなくてもポイントを押さえておけば、自分でも手際良く作業が行え、交換することができます。
 そこで、今回はクレセントの鍵交換を中心に、ドアノブなど住宅に取りつけてある鍵の交換方法を分かりやすく紹介します。

1章:クレセントとは
2章:クレセントの交換のタイミング
3章:クレセントはどこで売っているか
4章:クレセント錠が使われている場所
5章:クレセント交換は交換前の「準備」がポイント!
6章:クレセントの交換方法

1章:クレセントとは

 クレセントとは、引き違い窓や上げ下げ窓などの合わせ部分に取りつける締め金具を指します。クレセントの元々の意味は三日月ですが、フックを回転させる部分が半円形で三日月の形状に似ていることから、クレセントと呼ばれるようになりました。
 元々クレセントは、窓ガラスの密閉度を高めるのが目的の金具のため、防犯性に欠けているのが問題でした。そのため、ガラスを破ってクレセントを回すピッキング行為の犯罪が多発したことで防犯対策が見直され、現在では鍵つきでロックができるクレセント錠や、窓枠に補助錠などの防犯グッズを取りつけることで、防犯対策もしっかり備えることができるようになりました。

2章:クレセントの交換のタイミング

 クレセントの交換のタイミングで最も多いのが経年劣化の影響です。窓からのすきま風が入ってきたり、窓がガタついて開け閉めしにくいなどの症状が出てきます。こうした症状の原因は、クレセント錠が緩んだり硬くなって締まりが悪くなることが考えられるので、このような症状が見られる場合は交換のタイミングです。
 また、バールなどによる鍵の破壊やピッキングによる侵入から守る防犯対策を検討している場合も交換をおすすめします。空き巣が侵入する場所で多いのが、普段出入りが多い玄関や勝手口ではなく、ただ回して施錠するだけのクレセントを取りつけた窓です。
 空き巣の防止には、侵入時の時間を稼ぐことが有効なので、鍵つきでロックできるクレセント錠や、クレセント錠全体を覆うようにカバーするクレセント防具などに交換することで、窓ガラスを割ってクレセント錠を解錠する空き巣に抑止効果を与え防犯性を高めてくれます。

3章:クレセントはどこで売っているか

 クレセントと一概にいっても種類は様々です。例えば、サッシの引き違い窓でも2枚窓、4枚窓とタイプがあり、方引き窓、引分け窓などのタイプに合わせて種類があります。また、右勝手、左勝手によっても形状が異なります。クレセントの左右勝手の見分け方は、室内側から見てどちらに取りつけられているのかです。
 各メーカーによっても豊富に種類が揃っていますが、ホームセンターやネットショッピングで購入することができます。価格の相場は、施錠タイプのクレセントが1000円前後です。鍵つきやロックタイプの防犯性を高めるクレセントは5000円以内で購入可能です。
 サッシ窓のクレセントと同様に、玄関や室内ドアで使用されている錠前は、シリンダー錠とインテグラル錠に大別され、どちらも交換したい場合は、ホームセンターやショッピングサイトで手に入れることができます。
 シリンダー錠の構造は凹凸や溝のついた鍵と、円筒形のシリンダーが重なってできた鍵穴の金具です。シリンダーも簡単な構造から形成されているディスクシリンダー錠など様々なタイプがあります。特に最近では防犯性を高めたタイプが充実していて磁気認証式のカードキーをはじめ、電気式の暗証番号キー、指紋や静脈などで判別するものまで、種類が豊富です。

4章:クレセントが使われている場所

 クレセントが使用されている場所は、主に窓まわりです。リビングや各部屋の窓をはじめ、トイレや浴室など住宅のあらゆる場所に備えつけられています。窓のタイプは前途に紹介したとおりです。
 一方、玄関ドアや勝手口などに採用されているシリンダー錠やインテグラル錠は用途に合わせて使われています。シリンダーやドアノブ交換で失敗しないために各用途で使われている錠前の特徴を紹介しましょう。

◆玄関

防犯性が高い本格派の玄関錠。防犯対策に有効なワンドアー・ツーロックは必須。鍵1本でツーロックが可能な錠前がおすすめ。

◆勝手口

 玄関と同じく、玄関錠や防犯性が高くて鍵のかかる本締錠や補助錠が使われます。勝手口は死角になりやすい場所が多いのでロックチェーンが必要不可欠です。

◆個室

 寝室や子供部屋など各部屋のドアに鍵をつけてプライバシーを保護したい場合は、間仕切錠やカギ付間仕切錠を使います。

◆浴室

 内側から鍵をかける間仕切錠が一般的。非常時は外側からコインで解錠できます。

◆トイレ

 内側から鍵をかけると外側に入室表示が出る表示錠が使われています。非常時は外側からコインで解錠できます。

5章:クレセント交換は交換前の「準備」がポイント!

 クレセントを交換するにあたっての大切なポイントは、交換前の準備にあります。交換する前に現在の取りつけてあるクレセントの「寸法を計測すること」が大切です。
もし寸法の計測を怠ったまま、例えば「オシャレ!」「デザインがカッコイイ!」といった理由だけで交換用のクレセントを選んでしまった場合、サイズが合わずに無駄になってしまいかねません。必ず計測を行うようにしてください。
 ではどの部分を計測すれば良いかですが、計測すべき部分は3点です。

ポイント1:ビスピッチ

 クレセントを固定する上と下のビス穴のそれぞれ中心部同士の距離のことです。

◆ポイント2:高さ

 写真の通り、サッシ部分から垂直方向に見た場合の最長部までの距離がクレセントの高さとなります。

◆ポイント3:引き寄せ幅(または「引き寄せ寸法」)

 上下のビス穴の中心同士を結んだ直線から、「かけ金」と呼ばれるレバーで回転する部分を垂線で結んだ場合の最長幅となる長さが「引き寄せ幅」です。
 クレセントを交換する場合にはこの3点の長さを計測した上で、これらに適合するサイズのクレセントを交換用として購入することが準備段階の大きなポイントとなります。
 寸法の計測が完了し、適合した交換用のクレセントが準備できたら、ドライバーを用意して交換の作業に移ります。

6章:クレセント錠の交換方法

 クレセント錠の交換には、内部のバネを取り替えるだけのものと、クレセント本体を交換する2種類の方法があります。クレセント錠の取り替えは専門的な道具などは必要なく、ドライバー1本でできます。


◆既存のクレセント錠の取り外し方法

1)交換用クレセントを用意

 事前の準備で測ったクレセント錠のサイズを元に、メーカーや型式番号などを確認し、交換用のクレセントを用意します。古いモデルで製造終了して購入できない場合は、万能クレセント錠で代替します。左右勝手の形状にも注意しましょう。


2)マイナスドライバーでネジカバーを外す

 ネジカバーつきのクレセント錠の場合、マイナスドライバーをネジカバーの溝に入れて取り外します。上側のカバーを取り外した後、下側のネジカバーも取り外します。

3)クレセント錠の上側のネジを緩める

 ドライバーで上側の取りつけネジを緩めます。ポイントは、上下のネジを一度に全て外さないことです。ネジを完全に外してしまうと、窓のサッシの内側にあるネジを固定させるための板(裏板)が外れて、落下してしまうケースがあります。もし、裏板が落下してしまうとネジで固定することができなくなり、窓を開閉するたびに落下した裏板がノイズを発生させてしまうことがあります。
 そのため、上側のネジは“緩める”のであって“外す”のではないということがポイントになります。
 上下のネジは一度に全て外してしまわず、どちらか片方のネジは必ずついている状態を保つことがクレンセトを交換する場合に最も気をつけなければならない注意点ですので、よく覚えておくようにしてください。

4)クレセント錠の下側のネジを外す

 ドライバーで下側の取りつけネジを外してクレセントを外します。裏板を使用している場合は、ドライバーでネジを緩めてクレセント本体をずらし、垂直方向に傾け、一度外した上側のネジを仮止めして裏板の落下を防ぎます。そして下側のネジを取り外し、クレセントを外します。これで取り外しは完了です。

◆新品のクレセント錠の取りつけ方法

1)新しいクレセント錠は下側から取りつける

 新しいクレセント錠の取りつけは、既存のクレセントを外す手順と逆の手順になります。上下逆の向きにした上で下側のネジをドライバーで軽く締めて仮止めをします。
 新しいクレセントを上下逆にした上で仮止めする理由は、ネジ穴上部にはまだ交換前のクレセントが取りつけてあるためです。
 交換前のクレセントを取り外した後に新しいクレセントを正しい向きにするため、この段階では上下逆向きにしてサッシ側の下部分のネジ穴に仮止めしておきます。ここでのポイントは、上下逆の向きにすることを忘れないことと、サッシ側の下部分のネジ穴に合わせるのは、クレセントの向きを正しくした場合には「下側」にあたる方の穴だということです。この2点を間違えないようにしてください。

2)上側のネジを仮留めして取りつける

 クレセント本体を上(180度回転)に持ってきて、クレセント錠の上側のネジをドライバーで軽く締めて仮止めします。裏板がある場合は、仮止めしておいたネジを取り外してからクレセント本体の上から仮止めをします。

3)高さや引き寄せ幅を調整

 鍵をかけた状態を確認します。万能タイプの場合は、クレセントの高さや引き寄せ幅を変更できるので、かみ合わせの調整を行います。

4)本締めをしてクレセント錠を取りつける

 鍵をかけた状態で下側のネジから本締めします。そして、鍵をかけた状態を戻して上側のネジを締めます。
 高さや引き寄せ寸法の調整が可能な万能型のクレセントの場合は、実際にかみ合わせを試しながら調整してください。
 取りつけ完了後に、ガタツキがないか施錠解錠ができるかを確認します。
 きつく締めすぎるとネジの溝が破損する恐れがあるので、締めすぎには注意してください。

■玄関や勝手口のシリンダー交換方法のポイント

 玄関や勝手口で使われている玄関錠や本締め錠の交換方法のポイントを紹介します。

1)クレセントと同じように事前準備をする

 クレセントと同じく、どれでもOKではありません。交換するシリンダーのメーカーや型番を把握する必要があります。特定する方法は、ドアの側面や室内側の上部に貼りつけられたプレートの刻印をチェックします。

2)適合するタイプのシリンダーを選ぶ

 プレートに刻印されたメーカーや型番などから適合するタイプのシリンダーを選びます。型番がチェックできない場合は、ホームセンターのスタッフやメーカーに問い合わせてください。

3)交換はドライバー1本で作業が可能

 シリンダーの交換はドライバーだけで作業が行えます。ドアの側面のプレートを外し、マイナスドライバーを使ってシリンダーを留めているピンを抜きます。
 シリンダーを外した後、取りつけ穴に新しいシリンダーを取りつけます。そして外したネジやピンを取りつければ作業が完了です。

まとめ

 作業には高度な技術は不要です。注意点やポイントさえしっかりと守って作業すれば誰でも交換可能です。メンテナンス費用の節約のためにも、クレセントの交換が必要となった場合には、ぜひチャレンジしてみてください。

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