スライドレールについて

1章:スライドレールとは?
2章:スライドレールの種類
3章:スライドレールの長さと引き出しの長さ
4章:スライドレールの厚みについて
5章:スライドレールを収納棚に取りつける
6章:そのほかのスライドレール取りつけ例
7章:スライドレールの微調整の仕方
8章:スライドレールの取り扱いについて
まとめ

第1章:スライドレールとは

DIY部品

DIYで引き出しを取りつけられる部品

 引き出しの側面や底に取りつけることで、引き出しをスムーズに開閉させることができる金物をスライドレールといいます。
 スライドレールを取りつけることで、引き出しのガタつきを抑えることができ、大きな引き出しや重たいものが入った引き出しを、軽い力でスムーズに開閉することができます。
 既製の机やチェストなどの家具には、スライドレールがついているものが多く見られますが、DIYで引き出しを作るときに、スライドレールを取りつけることは少ないのではないでしょうか?
 スライドレールの取りつけは一見難しそうですが、種類や仕組みを理解しポイントを知ることで、DIY初心者でも簡単に取りつけることができます。

選び方

・レールの長さ
一般的なスライドレールは、200~700mmの長さで、50mm単位で選べるようになっています。
レールの長さは、引き出しの奥行きに合ったものを選びます。本体の奥行きよりも大きいものは取りつけられないので注意しましょう。

・価格
スライドレールの価格は、機能や材質によってさまざまです。どのような場所に取りつけるか、どんな機能を持たせたいかによってスライドレールを選びましょう。プラスチックの簡易的なものは1本100円程度から、特殊な機能を持ったものは何万円もするものもあります。DIYで作るような引き出しであれば、数百円~1000円前後のスライドレールが一般的です。たくさん引き出しを作るときは、価格も選ぶ際の重要なポイントになるでしょう。

・脱着ができるかどうか
スライドレールには、脱着できるものとできないものがあります。脱着式スライドレールは、引き出しと本体を取り外すことができるものです。引き出しと本体をばらした状態でそれぞれにレールを取りつけられるので作業がしやすいのが特徴です。

・引き出せる量(スライド量)
スライドレールの種類によって、レールの長さが一緒でも、引き出せる量が違うものがあります。二段引き、三段引きに分けられ、二段引きは引き出しの途中まで、三段引きのタイプは引き出しのいちばん奥まで引き出すことができます。二段引きの場合、350mmのレールで300mmのスライド量だとすると、50mmは引き出せないことになります。この量を引き残しといいます。

・耐荷重
使用するスライドレールの取り扱い説明書に記載された耐荷重を守りましょう。規定以上の荷重を掛けた場合、レールが歪んで引き出せなくなったり、レールが壊れる恐れなどがあります。サイズが長いほどレールの耐荷重は弱くなります。ただし、DIYで机やキャビネットなどの引き出しを作る場合は、引き出しの大きさに合ったスライドレールを選べば、必要以上に気にすることはありません。

・何を基準にするか
スライドレールは引き出し側面につけるため、スライドレールの厚み分引き出しの幅が小さくなります。引き出しの幅を小さくしたくない場合は、引き出しの幅寸法にスライドレールの厚みが足されるため、本体のサイズを大きくする必要があります。引き出しに合わせるか、本体に合わせるかを最初に決めてスライドレールを選びましょう。

・スライドレールの素材
鉄、アルミ、ステンレス、プラスチックなど、いろいろな種類があります。一般的に、ローラータイプは鉄製、ベアリングタイプはアルミ製のものが多いですが、屋外で使用するにはサビに強いステンレス製、小さく軽いものを入れる引き出しにはプラスチック製など、それぞれに特徴があります。用途に合わせて選びましょう。

・機能や種類
ロック機能や、ブレーキ機能があるもの、ソフトアンドクロージング機能、プッシュオープン機能など、いろいろな機能を持ったものがあります。レールの種類や、レールをつける位置などにも違いがあり、それぞれに特徴があります。

2章:スライドレールの種類

 前章でご紹介したとおり、スライドレールにはさまざまな機能を備えたものがあります。どんな種類のスライドレールをどういったところにつけるかなど、選び方や使い分けなどについて詳しく説明します。

レールの種類

ローラー式

スライドレール
安価で丈夫なスチール製のスライドレールです。浅め、小さめの引き出しに使用することが多いレールです。ローラー式には、側つけ、底つけ、底引きなどがあります。脱着タイプで、斜めに持ち上げて引き出しの取り外しをするため、本体と引き出しの上部に隙間をつけた設計が必要です。

ベアリング式

スライドレール
引き出しの側面に取りつけるタイプのスライドレールです。ベアリングを使っているため軽い力で開閉でき、動きがスムーズなのが特徴です。耐久性もあり耐荷重性も高いです。脱着できるものとできないものがあります。取りつけが比較的簡単で初心者向けです。機能も充実しています。

機能

ソフトクロージング機能

軽く押すと自動的にゆっくりと静かに締まる機能です。

ロック機能

引き出しを全開または全閉にすると、開いたまま、閉じたままの状態で保持するスライドレールです。

プッシュオープン機能

前板を押すだけで引き出しが開く機能を持ったスライドレールです。取っ手やつまみが不要なので、フラットなデザインのときに使用します。

取りつけ位置

スライドレールには、引き出しの側に取りつけるもの、側の底部分に取りつけるもの、底板の裏側に取りつけるものがあります。

側つけタイプ

ローラー式、ベアリング式どちらのタイプともに良く使われる一般的なスライドレールです。

底つけタイプ

引き出しの側面と底板にL字に取りつけるローラー式のスライドレールです。棚本体の側面にレールがつきます。引き出しのレール位置を測らなくて良いので、比較的簡単に取りつけることができます。

底引きタイプ

レールが1本で、引き出しの底板裏側につけるベアリング式のスライドレールです。棚本体の底面にレールがつくので、引き出しの側面にレールが見えません。付属のすべり鋲で高さを調節します。

3章:スライドレールの長さと引き出しの長さ

 引き出しにスライドレールをつけるときに重要なのが、スライドレールの長さです。引き出しの長さとは、外枠に入る部分の長さのことです。引き出しの長さとスライドレールの長さが合っていないと、引き出しの奥行きを充分に使うことができません。
 スライドレールは、200~700mmまであり、50mm単位で長さが選べることは前章でご紹介しました。スライドレールは引き出しの長さにいちばん近く、長すぎないものを選びます。例えば、引き出しの長さが320mmの場合は、300mmのスライドレールを使います。引き残しのあるスライドレールを使う場合、スライドレールの引き残し寸法に加え、引き出し寸法とスライドレール長さの差の分が引き出せなくなるので、なるべく長さが近いものの方が、引き出しの奥行きを有効に使えます。
 引き出しをDIYで作る場合は、引き出しの長さをスライドレールの規格サイズに合わせて作ると良いでしょう。

4章:スライドレールの厚みについて

 スライドレールの厚みにもいろいろなサイズがあります。12.7mm、9.5mmが一般的ですが、メーカーによって違いがありますので、使用するスライドレールの説明書を確認するようにしましょう。
 スライドレールの厚みによって、引き出しの容量が変わってきます。厚いスライドレールを取りつける場合、スライドレール2本分の厚み分、引き出しが内に入るので、引き出しの容量が小さくなります。引き出しの大きさが決まっている場合、取りつけるスライドレールが厚くなるほど、棚外枠が大きくなります。

5章:スライドレールを収納棚に取りつける

 扉や引き出しがついていない棚や箱に、スライドレールを取りつけて引き出しを設置してみましょう。
木箱

準備するもの

 三段引きベアリング式のスライドレール(脱着できないもの)、取りつけ用ビス、引き出しを取りつける収納棚と、引き出し用の箱(サイズの測り方、作り方は手順1でご紹介します)、直定規、ドライバー、下穴錐、えんぴつ、スペーサー(厚さ5mm程度の板)
※取りつけ用のビスは付属のものか、タッピング皿ビスを使用します。ビスは、スライドレールの取扱説明書に表記されているサイズのものを使用します。

取り付け方

手順1.
引き出しを設置したい棚の内寸の奥行きと幅、高さを測り、引き出しの設計をします。
引き出しのサイズは、奥行きぴったりか少し小さめ、幅は内寸からスライドレールの厚み×2本分を引いたサイズになります。今回は脱着できないベアリングタイプのスライドレールを使用するので、引き出しの高さは、棚内寸の高さより少し小さめにします。脱着式のローラータイプを使う場合は、引き出しを斜めにして脱着する必要があるので、説明書に書いてある寸法分、引き出しの高さを小さくする必要があります。
今回の棚の内寸は、奥行き40mm、幅330mm、高さ185mm、スライドレール2個分の厚みは25mm(1個分の厚みは12.5mm)です。

図1を参照に引き出しを作っておきます。
木箱
※前板はスライドレール取りつけ後に、引き出しに取りつけます。
図面
①②側板・・・160×400mm
③④前後板・・・160×275mm
⑤底板・・・305×400mm

【引き出し組み立て方】
・前後板を側板で挟みこみ、木工用接着剤とビスで固定する。
・底板を乗せ、木工用接着剤とビスで裏側から固定する。
手順2.
棚の内側面に、スライドレールを取りつけたい位置に印をします。今回は棚底から30mm上がったところにつけます。寸法を測るときは、必ず底面から測るようにします。
寸法
奥から手前まで鉛筆で墨線を引いておきます。
マーキング
手順3.
スライドレール本体の前端を棚の前端に合わせます。少しでも出っ張っていると、引き出しがきっちり閉まらなくなるので注意しましょう。
合わせ
スライドレールの下端を墨線に合わせ、レールを引き出し、ずれないように注意しながらスライドレール本体手前側の丸穴からビスで固定していきます。
このとき、うまく墨線にスライドレールの下端が合わない場合は、スライドレール本体の縦楕円の穴にビスを仮止めし、下端を合わせるとやりやすいです。仮止めで位置が決まったら、必ず丸穴にビスを打ち本締めをしましょう。
ビス止め
反対側も同じようにスライドレール本体を取りつけます。
取り付け
手順4.
スペーサーを底に置き、引き出しを入れます。スペーサーを入れて引き出しをつけることで、引き出しの底が棚の底面と擦れないようにしています。
木箱
木箱
引き出しとスライドレールを10cmほど引き出し、前端をぴったり合わせてビスで固定します。
反対側も同じようにビス止めしたら、引き出しをまた少し引き出して、次のビスを止めます。
一気に右側だけ、左側だけを止めず、左右手前側から順番にビス止めするのがポイントです。
ビス止め
スライドレールにはたくさんのビス穴があいていますが、全部を止める必要はありません。
手前、真ん中、奥と3ヶ所ほど止めておきましょう。
ビス止め位置
手順5.
スペーサーを抜いて、引き出しがスムーズに開閉するか確認します。スムーズに動かないときは、無理に開閉せず、本体側・引き出し側それぞれ左右のレールの高さを確認して、しっかり水平に取りつけましょう。
引き出しの開閉
手順6.
引き出しの前面に厚めの両面テープを貼り、取っ手をつけた前板を仮止めして、引き出します。
両面テープで仮止め
手順7.
前板と引き出しを、引き出し側からビスで軽く仮止めします。
ビス止め
完成
仮止めしたビスを外し、両面テープを剥がして、仮止めしたビス穴を合わせて本締めして、完成です。

取りつけ時の注意点

 スライドレールは、底面に対して垂直に、左右が同じ高さになるように取りつけましょう。レールが傾くと引き出せなくなったり、無理に引き出してレールが破損したりします。取りつけ寸法をしっかり測って印をつけ、仮止めをして位置を調節してから本締めをしましょう。面倒な作業のようですが、スライドレールをスムーズに動かすために必要な工程です。しっかりと手順を踏んで正しい位置に取りつけましょう。

6章:そのほかのスライドレール取りつけ例

側つけローラータイプの取りつけ方

 このタイプは取りつけ位置の左右が決まっているので、取りつける際は注意が必要です。説明書をよく読み、引き出し側、本体側を確認します。
 本体のスライドレール取りつけ位置に印をします。このときの印はスライドレールのビス穴の位置になります。ビス穴の位置や寸法は説明書で確認しましょう。本体とスライドレールの前端をぴったり合わせ、スライドレールを取りつけます。ビスを打つとき、錐などで下穴をあけておくとビスがずれにくくなります。
 引き出し側のレールも、説明書に書いてある寸法で印をつけてビスで固定します。
 ローラータイプのスライドレールは、引き出し前部を持ち上げ、斜めにした状態で脱着するので、本体の内寸の高さよりも15~20mm程度、引き出しの高さを低くする必要があります(上に空間がない場合)。
 ローラータイプのスライドレールの取りつけは、難易度の高い作業です。

底つけローラータイプの取りつけ方

スライドレール
 ローラータイプのスライドレールは、取りつけが少し難しいですが、底つけのローラータイプは比較的簡単に取りつけることができます。
 このタイプも取りつけ位置の左右が決まっています。引き出しの深さも横つけタイプと同様、本体内寸の高さより低くします(上に空間がない場合)。
 引き出し側のレールは、ローラー部分が後ろになるようにレールのL字になっている部分を引き出しの底に当て、前端を合わせて取りつけます。
 本体側のレール取りつけ位置は、レールによって違うので、説明書をよく見て寸法を測り、正確に取りつけましょう。

底引きタイプのスライドレールの取りつけ方

 底引きスライドレールは、レール1本で取りつける、二段引き脱着できるタイプのスライドレールです。本体と引き出しそれぞれの底板にレールがつきます。
 引き出しの底板は、レールを取りつけるために15mm程度の厚めの板を使用します。引き出しの側面にレールがつかないので、本体の内寸幅で引き出しを作ることができますが、レールの厚み分底が上がるため、引き出しは浅くなります。

 レールを抜いて、本体、引き出しそれぞれの底板の真ん中に、前端を合わせてレールを取りつけます。本体側のレール後ろ部分についている可動式のブラケットを背板に合わせ、ビスで固定します。

 底引きスライドレールはレール1本で取りつけるため、引き出しの左右にガタつきが生じます。これを防ぐために、すべり鋲というものがついています。本体の前側左右にすべり鋲を取りつけて高さを調節することで、引き出し左右のガタつきを防ぎます。本来、底引きのスライドレールは本体底板を彫り込んで使うため、彫り込まずにそのまま取りつけた場合は鋲の長さが足りません。その際は、木片などで高さを調節して取りつけます。
 最後に前板を取りつけて、レールを隠します。

パソコンデスクに取りつける

 パソコンデスクの下にキーボードを収納するためのラックを取りつけてみましょう。
 スライドレールは、キーボードを乗せる板と同じか幅の狭いものを選びましょう。薄い板の場合は、先ほどご紹介した底つけタイプのスライドレールが便利です。
 側板のないテーブルや机の場合は、スライドレール用のブラケットを使って天板に取りつけます。
ブラケット
スライドレール用ブラケット

食器棚

 食器棚の空いているスペースに、スライドレールで引き出せるテーブルを作ってみましょう。炊飯器や電気ポットなど、使うときにだけ引き出して使えば場所も取らずすっきりと収納できます。
 作り方は、パソコンデスクのキーボードテーブルと同じですが、重量がある電化製品などは、使用するスライドレールの耐荷重を確認しましょう。

7章:スライドレールの微調整の仕方

 スライドレールには、ビス穴がたくさんあいています。すべてのビス穴にビスを打たなくてはいけないのではなく、手前、奥、真ん中くらいを固定すれば大丈夫です。
 スライドレールを取りつけた後、引き出しがスムーズに動かなかったときなどはレールの位置を微調整しなくてはいけません。ビスを一度外して少しずらしてビスを打とうとしても、元の穴に引っ張られてしまいます。ビスを外して微調整するときは、違う穴にビスを打つようにします。
 楕円形のビス穴があいているものは、ビスを打ったまま上下左右にレールを微調整できます。最初に楕円の穴にビスで仮止めしてレールを調整し、スムーズに動くことを確認したら、丸穴にビスを打って本締めするとでしょう。

調整用ビス穴

8章:スライドレールの取り扱いについて

 スライドレールを取りつけた引き出しは、左右のレールに均等に力がかかるように引き出しましょう。取っ手が左右どちらかに偏ってついていたり、引き出し内の左右に極端に重さの違うものを入れたりしないようにしましょう。
 引き出し内に入れるものは、取りつけたスライドレールの耐荷重を超えないようにしましょう。耐荷重、許容荷重は、引出しの大きさや使用頻度、取つけ方法などに影響されます。レールを引き出したとき、レールの長さと引き出しの幅の中心の位置が重心位置になります。この重心位置で安全に使用できる最大荷重を許容荷重と言います。

まとめ

 いかがでしたか? 一見難しそうなスライドレールの取りつけですが、手順やコツを知れば、誰でも取りつけることができます。簡単に取りつけられるものはホームセンターなどで購入することができます。きっちりとサイズを測ったり細かい寸法取りなどが必要ですが、ひと手間加えるだけで、重たい引き出しをスムーズに開閉できたり、収納場所が増えたりします。ぜひ、DIYでスライドレールの設置に挑戦してみてください。

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