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スライドレール
スライドレール
重たい引き出しや大きな引き出しをスムーズに開閉できるように取りつけるのがスライドレールです。ホームセンターなどで購入できます。引き出しだけでなく、棚や机下のちょっとしたスペースに取りつければ、便利な収納スペースになります。スライドレールは部品が多く、取りつけが難しいと思われがちですが、手順やコツを知れば、誰でも簡単に取りつけることができます。
目次
1章:スライドレールとは
2章:スライドレールの種類
3章:スライドレールの選び方
4章:スライドレールの厚みについて
5章:スライドレールの取りつけ位置
6章:耐荷重と取り扱い
7章:まとめ
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1章:スライドレールとは
スライドレールは、重たい引き出しや大きな引き出しをスムーズに開閉させたり、収納を出し入れしたりするために取りつける金物です。引き出しの側面や板材などに取りつけて、小さい力でも動かせるような仕組みになっています。既製の机やチェストなどの家具には、スライドレールがついているものが多く見られますが、DIYでも取りつけることができます。
2章:スライドレールの種類
スライドレールの形状には、大きく分けて3つの種類があります。彫った溝に埋め込む簡易的なスライドレール、ローラータイプのスライドレール、ベアリングタイプのスライドレールの3つです。
溝に埋め込むタイプのスライドレールは、樹脂製が一般的です。既製の引き出しのレールが壊れたときなどにつけ替えることができます。レールはU字型の本体のみで、滑車はついていません。
DIYで引き出しを作る際に多く使用されるのが、引き出し側と本体側それぞれにレールがつくタイプのスライドレールです。ローラータイプ、ベアリングタイプはここに含まれます。
ローラータイプは安価で丈夫なスチール製のスライドレールです。側付け、底付け、底引きなど、レールを取りつける場所によって形が異なります。引き出し側と本体側のレールを取り外すことができるので取りつけが簡単です。引き出しをしまうときは、引き出しを斜め上から本体に入れ込むので、本体と引き出しの上部に隙間を設けた設計が必要です。引き出し側のレールについたローラーが転がって可動するため、重すぎるものには向きません。浅め、小さめの引き出しに使用することが多いレールです。
ローラータイプの底付け式スライドレール
ベアリングタイプのスライドレールは、軽い力で開閉でき、動きがスムーズなのが特長です。耐久性もあり耐荷重性も高いので、重たいものを入れる場合や大きな引き出しに向いています。ベアリングタイプのスライドレールには、本体とレールが取り外しできるものとできないものがあります。取り外しできるスライドレールは、本体とレールをばらして、引き出しと本体それぞれに取りつけることができるので、作業しやすく初心者にオススメです。実際に使用するときも、引き出しを取り外せる方が手入れもしやすく便利です。また、ベアリングタイプのスライドレールは、引き出せる量(スライド量)も種類によって違いがあり、二段引き、三段引きに分けられます。二段引きは引き出しの約4分の3程度まで、三段引きは引き出しのいちばん奥まで引き出すことができます。二段引きで引き出せない量のことを引き残しと言います。引き残し量が多いと、引き出しの奥に入れたものが取り出せなくなることがあります。
ベアリングタイプのスライドレール
3章:スライドレールの選び方
スライドレールには、長さ、価格、素材、機能などにさまざまな種類があります。取りつける引き出しのサイズや、どんな機能を持たせたいかなどで使い分けましょう。
スライドレールの長さを決めるときは、引き出しの長さに合ったものを選びます。引き出し側面の長さにいちばん近いものを選びますが、側面よりも長いものは取りつけられません。スライドレールの一般的な長さは、200mmから50mm単位で700mmまであります。
スライドレールは、機能や材質によって価格がさまざまです。プラスチックの簡易的なものは1本100円程度ですが、特殊な機能を持ったものは何万円もする場合もあります。ホームセンターで購入しやすく、DIY初心者でも比較的取りつけやすいものは、スチール製のローラータイプ、アルミやステンレス製のベアリングタイプのスライドレールです。ローラータイプは500円前後、ベアリングタイプは1000円前後が一般的です。
スライドレールの主な素材は、鉄、アルミ、ステンレス、プラスチックなど。素材を選ぶ際は用途に合わせて選びましょう。屋外で使用するにはサビに強いステンレス製、小さく軽いものを入れる引き出しにはプラスチック製というように、素材の特長、引き出しの用途に合わせて選ぶことが大切です。
スライドレールには、いろいろな機能がついたものがあります。引き出しを全開または全閉の状態で保持するロック機能、子供用の収納や机などには勢いよく閉めたときに備えたブレーキ機能があるもの、軽く押すと自動でゆっくりと静かに締まるソフトアンドクロージング機能は食器棚などに向いています。前板を押すだけで引き出しが開く機能を持ったプッシュオープン機能を持ったものは、取っ手やつまみが不要なので、シンプルなインテリアに合う前板を作ることができます。
側板のついていない棚や机、ベッド下などにスライドレールを取りつける場合は、専用ブラケットを天板裏に取りつけて天吊りにすることで設置できます。
スライドレール用の直立ブラケット
4章:スライドレールの厚みについて
引き出しにスライドレールを取りつける際は、スライドレールの厚みも重要です。厚みを考慮せずに設計してしまうと、引き出しが本体に入らなくなってしまいます。細かい数字ですがしっかり計算するようにしましょう。
スライドレールの厚みは12.7mm、もしくは9.5mmが一般的ですが、メーカーによって違いがありますので、パッケージや説明書などで確認しましょう。
本体の大きさが決まっている場合、厚みの薄いスライドレールを取りつける方が引き出しの容量が大きくなります。本体の内寸から、スライドレール2本分の厚みを引いた寸法が引き出しの横幅となるためです。スライドレールの厚みは、耐荷重にも関係してくるので、説明書を読んで適切に選ぶようにしましょう。
5章:スライドレールの取りつけ位置
スライドレールには、引き出しの側面に取りつける側付け式、側面の底部分に取りつける底付け式、底板の裏側に取りつける底引き式があります。
側付け式は、ローラータイプ、ベアリングタイプともに、よく使われる一般的なスライドレールです。レールの取りつけ位置は、基本的に引き出し側板高の真ん中あたりになります。ベアリングタイプの側付け式スライドレールは、引き出しの底裏面に取りつけて、底引きにすることもできます。その場合の耐荷重は、通常取りつけ時の4分の1になるので注意しましょう。
ベアリングタイプの側付け式スライドレール
底付け式は、引き出しの側面と底板にL字に取りつけるスライドレールです。底付け式はローラータイプで、ベアリングタイプのものはありません。引き出しのレール位置を測らなくて良いので、比較的簡単に取りつけることができます。
ローラータイプの底付け式
底引き式は、1本のレールを引き出しの底板裏側につけるベアリングタイプのスライドレールです。本体の底面にレールを取りつけるので、引き出しの側面にレールが見えません。左右のがたつきは付属のすべり鋲で高さを調節します。
ベアリングタイプの底引きレールは1本で使用します。
6章:耐荷重と取り扱い
スライドレールを取りつける際は、取り扱い説明書に記載された耐荷重を守りましょう。耐荷重以上の荷重を掛けた場合、レールが歪んだり壊れたりして引き出せなくなることがあります。また、耐荷重は引出しの大きさや使用頻度、取りつけ方法などに影響されることを覚えておきましょう。
前板に取りつけた取っ手が左右どちらかに偏っていたり、引き出し内の左右どちらかに極端に重さの違うものを入れたりすると、引き出す際に左右のレールに均等に力がかからず、破損の原因になるので注意しましょう。
7章:まとめ
取りつけることで、作品をグレードアップさせることができるスライドレール。取りつけには、寸法の計算や取りつけ位置の設定など少々手間がかかりますが、隙間に収納スペースを作ったり、取り出しやすい引き出しを作ることができます。スライドレールの仕組みを知って、便利で達成感も味わえるDIYにぜひチャレンジしてみてください。
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