注目度が上昇中のイレクターパイプを使った
DIYの魅力に迫る

 イレクターパイプは、工場設備の改善や作業効率の向上などを目的として、企業が採用している組立て素材です。主に、イベント会場や展示会のフェンス、工場の棚などに利用されていて汎用性の高いアイテムとして多種多様の分野の企業から支持されています。
 最近では、イレクターパイプが自由自在に組み立てられることからDIYユーザーに注目されています。木工とは違った魅力に仕上がる“男前DIY”として人気に火がつき、インテリアのアイテムとしてさまざまなシーンで活躍しているのです。
 今回はイレクターパイプの魅了に迫ると共に、組み立て方法の基礎知識を紹介していきましょう。

目次
1章:イレクターパイプとは
2章:イレクターパイプの特徴
3章:ジョイントパーツの種類
4章:イレクターパイプの組み立て方法
5章:組み立てに便利な道具

1章:イレクターパイプとは

イレクターパイプとは、鋼鉄パイプの表面にプラスチックをコーティングしたパイプのことです。イレクターパイプは矢崎化工から発売されていて、1966年の登場以来、50年以上長く愛されているロングセラーのアイテムです。海外では「CREFORM(クリフォーム)」の名前で親しまれています。
 「鳥が木の枝で巣を作るように、自由でいろいろなものが作れたら」という創業者のアイディアの元に誕生した画期的な素材は「erection=建物」の単語をヒントに、イレクターという商品名に決まりました。
 発売当初は、自動車メーカーや農業に携わる企業などから重宝されていました。そして分野を問わず多くの企業から支持されるようになり、現在では家庭用DIYまでにも利用が広がり、木工と並んでDIYの定番素材として認知されています。

2章:イレクターパイプの特徴

 イレクターパイプの特徴は軽くて丈夫な点です。パイプ内面に塗装が施されているためサビに強いので、屋内はもちろん屋外でも利用できて、清潔さを長く保つことが可能です。また、イレクターパイプを連結させるジョイントパーツを使えば、自由自在に組み立てることができる点も大きな特徴です。
 イレクターの種類は、主に一般的なイレクターパイプと表面に光沢感があって高級感を醸し出すメタリックパイプに分かれます。直径は、代表的なのがφ28mmです。発売当初、手で握った心地良さを生かした太さがφ28mmだったことから規格が決まりました。この規格は、DIYに適しているサイズでもあるのです。この他に、φ32mm、φ42mmも用意されています。

●主な特徴

・屋外でも活躍!

ラックや椅子、飾り棚などのインテリアに加え、サビに強い特性を活かして屋外でも利用できます。ガーデニングのエクステリアやウッドデッキのフェンスなどにも一役担う存在です。

・アレンジが自由にできる!

市販で購入できるパイプの長さは、300〜4000mmまで幅広く揃っています。パイプをカットすることで、目的に応じたサイズで組み立てることができます。また、連結させるジョイント部は700種類以上ものパーツが揃っているので、アイデア次第でイメージどおりの形にすることができます。

・見た目より意外と軽い!

1m(φ28mmイレクターの場合)で約520gの重量しかないので、簡単に取り扱えます。完成時でも持ち運びに苦労しません。

・ジョイントを結合させて強度も安心!

作る用途によって、荷重の負荷や使用環境を考慮した構造にすれば、100kg以上でも耐えられるアイテムを作ることも可能です。例えば、タイヤやホイールを載せる専用ラックを作ることもできます。パイプが長くなると梁の強度は短いパイプに比べて弱くなるので、初めて製作する場合は、ホームセンターなどのスタッフに相談してみましょう。

3章:イレクターパイプを連結させるジョイントパーツの種類

 イレクターパイプは、ジョイントパーツを連結させることで製作の幅に自由度が増し、お好みのアイテムを作ることができます。ジョイントパーツの種類は豊富で実に700種類以上を誇ります。
 ジョイントパーツは、プラスチックジョイントとメタルジョイントに分かれています。DIYで使用頻度の高い代表的なジョイントパーツを紹介します。

●コーナー用

名称:イレクタージョイント J-4
(プラスチックジョイント)
名称:イレクタージョイント J-5
(プラスチックジョイント)
名称:イレクタージョイント J-118A
(プラスチックジョイント)
名称:メタルジョイント HJ-2
(メタルジョイント/中間コーナー用)
名称:メタルジョイント HJ-3
(メタルジョイント/中間コーナー用)

●つなぎ用

名称:イレクタージョイント J-6B
(プラスチックジョイント)
名称:イレクタージョイント J-7B
(プラスチックジョイント)
名称:イレクタージョイント J-15B S BL
(プラスチックジョイント)
名称:イレクタージョイント J-59C
(プラスチックジョイント)

●棚受け・補強用

イレクタージョイント J-30 棚受け用
(プラスチックジョイント)
イレクタージョイント J-53A 補強用
(プラスチックジョイント)

4章:イレクターパイプの組み立て方法

 イレクターを組み立てる際に欠かせないジョイントパーツは、プラスチックタイプとメタルタイプによって組み立て方法が異なります。
 サビに強くて軽量なのが特徴的なプラスチックタイプとイレクターパイプとの連結は、専用のサンアロー接着液を注入して装着させます。一方、メタルジョイントは、ボルトナットによって、イレクターパイプを締めつけて接合させます。

●プラスチックジョイントの組み立て方法

 ジョイントにイレクターパイプを仮で通し、装着させたいところに印をつけてイレクターパイプを差し込みます。次に、スポイトを押したまま、瓶に針を入れて接着液を注入します。そして、接着液を差し込んだ隙間に1〜2滴注入して仮接着をした後、間違いのないことを確認して本接着をすると失敗を防げます。
 本接着は製作物の向きを変えるなどして、なるべく上から注入するようにします。接着不足の場合は、破損の原因にもなるのでしっかり注入するようにします。注入後、10分ほど乾燥させます。一度接着させると取り外しが難しいので注意してください。

●メタルジョイントの組み立て方法

 組み立て・分解が自由にできるのが特徴のメタルジョイントの組み立ては、ボトルとナットによる締めつけで固定させます。
 イレクターパイプに連結させたい位置を決めたら、メタルジョイントをはめ込み、メタルナットの道具でしっかりとボルトナットを締めつけます。プラスチックジョイントのような接着させる際の乾燥時間が必要なく、強度や耐久性に優れていますが、その分高価です。

5章:組み立てに便利な道具

 イレクターパイプのDIYは、木工で製作する際に使用するインパクトドライバーや電動ドライバーなどは使いません。また、カットする場合も電動ノコギリや丸ノコなどは必要ないので高額な電動工具を所有していなくても始めることができます。聞き慣れない道具もあるかもしれませんが、コツを掴めば誰でもすぐに使えるものばかりです。

●主な道具

・イレクター専用ハンドカッター

イレクターパイプを好みのサイズにカットできる専用のカッター。金切りノコギリなどでもカットできますが、ハンドカッターを使えば垂直にまっすぐにカットできます。

・サンアロー接着液

イレクターパイプ専用の接着剤。イレクターパイプとプラスチックジョイントを連結させる際に使用します。イレクターとジョイントの樹脂を互いに溶かして接合します。

・ゴムハンマー

ジョイントとイレクターパイプを連結させた後、ゴムハンマーで叩いて調整します。

・メタルレンチ

メタルレンチは、イレクターパイプとメタルジョイントで組み立てる際に使用します。ボルトナットを締めつけて結合部を固定します。

・その他(ヤスリ、塗料、など)

加工したイレクターパイプのバリを削るヤスリや、イレクターパイプに波板を張る際に、穴をあけるのに便利なキャッチ用キリなどの道具も準備しておくと、製作物によっては作業がスムーズに行えます。また、カラーバリエーションが豊富に揃っているイレクターパイプですが、それでもオリジナル色を出したい人には、アクリル系のスプレーを使用するのがおすすめです。

まとめ

 イレクターパイプのDIYは、テレビ台やラックなどのインテリアを始め、縁台やフェンスなどの外構のものまで幅広い用途で製作が可能です。その可能性を実現してくれるのがジョイントパーツといっても過言ではありません。
種類が豊富なので事前にホームセンターなどでチェックをして製作に取り掛かるようにしましょう。また、塗装も可能なので無機質な鉄の質感を温もりのある色に変えるなどして自分好みの作品を楽しんでみてください。

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