DIYにオススメの木材「SPF材」とは?

 SPF材は、ホームセンターでの取り扱いが多く、入手しやすい木材です。柔らかくて加工性に優れることから、DIY用や建築建材用など幅広い分野で使用されています。サイズが規格化されていて購入しやすいので、DIY初心者には特にオススメの木材です。DIYのマニュアル本などでもよく使われる木材なので、特長を覚えておくとDIY作業に役立ちます。ここでは、SPF材の材質や規格、使い方や取り扱い時の注意点などについて詳しくご紹介します。

目次
1.SPF材の材質
2.SPF材の規格
3.SPF材の価格
4.SPF材の木取り図の描き方
5.SPF材を購入する際の選び方
6.SPF材の使用例

1.SPF材の材質

 SPF材とは、スプルース(spruce)、パイン(pine)、ファー(fir)の3種類の樹種の頭文字を取ったものです。スプルースはトウヒ、パインは松、ファーはモミで、主に北米産の針葉樹です。このうちのどれかを使い規格のサイズに製材したものをSPF材と言います。
 SPF材は、柔らかい性質で加工がしやすいのが特長です。一般に流通しているものは、プレーナー加工され表面が滑らかで、面取りもされているので、すぐに加工することができます。単純な組織構成を持つ針葉樹なので塗料の吸い込みは良いのですが、ムラができやすいという欠点もあります。
 SPF材は耐久性が低く、屋外での使用には向きません。屋外で使用する場合は、屋外用の塗料を塗って仕上げるか、ACQ材を使用しましょう。ACQ材とは、SPF材に防腐剤を加圧注入して浸透させたもので、緑っぽい色をしています。一般的なSPF材に比べて防腐・防虫効果が高いのでウッドデッキやパーゴラなどに使用します。ACQ材に浸透させる防腐剤は、JIS、JASなどの規格に適合した安全性が高いものです。
左がACQ、右はSPFのツーバイフォー材。

2.SPF材の規格

厚みと幅

 SPF材には、ワンバイ材とツーバイ材があります。ワンバイ材の厚みは19mm、ツーバイ材の厚みは38mmと規格で決まっています。
19mm厚のワンバイ材。
38mm厚のツーバイ材。
 ワンバイ材は「1×〇」、ツーバイ材は「2×〇」という形で表記され、厚みと幅の単位はインチです。「1×〇」「2×〇」の1と2は木材の厚みを意味し、〇には幅を表す決まった数字が入ります。すなわち、1×4材(ワンバイフォー材)は、厚みが1インチ、幅が4インチとなります。1インチ=25.4mmなので、先にお話したワンバイ材の厚み(1インチ)=19mmと誤差が生じています。これは木材が乾燥するときに収縮するために起こる誤差です。実寸ではワンバイ材の厚みは1.5インチ=19mm、ツーバイ材の厚みは3.5インチ=38mmとなっています。SPF材は乾燥によって0.5インチほど収縮するということになります。SPF材の規格と実際のインチは異なることを覚えておきましょう。
 「1×〇」「2×〇」の〇には木材の幅寸法が入りますが、〇に入る数字は、1、2、3、4、6、8、10、12と決まっています。こちらも単位はインチですが、先述の通り、木材の収縮などがあり実寸とは異なります。SPF材の規格サイズについては、以下の表にまとめたので参考にしてみてください。
 最も一般的なSPF材の1×4(ワンバイフォー)は厚さ19mm×幅89mm、2×4(ツーバイフォー)は厚さ38mm×幅89mmです。

SPF材の規格サイズ

ワンバイ材(厚みは19mmで共通)
  呼び方 厚み×幅(mm)
1×1 ワンバイワン 19×19
1×2 ワンバイツー 19×38
1×3 ワンバイスリー 19×63
1×4 ワンバイフォー 19×89
1×6 ワンバイシックス 19×140
1×8 ワンバイエイト 19×184
1×10 ワンバイテン 19×235
1×12 ワンバイトゥエルブ 19×280
ツーバイ材(厚みは38mmで共通)
  呼び方 厚み×幅(mm)
2×2 ツーバイツー 38×38
2×3 ツーバイスリー 38×63
2×4 ツーバイフォー 38×89
2×6 ツーバイシックス 38×140
2×8 ツーバイエイト 38×184
2×10 ツーバイテン 38×235
2×12 ツーバイトゥエルブ 38×280

長さ

 SPF材の長さはフィートで表されます。3、6、8、10、12フィートのものが一般的です。1フィートは約304.8mmなので、3倍にすれば大まかな寸法を計算することができます。厚みや幅と違い、長さは乾燥による収縮にあまり差異がありません。
 DIYでは3フィート(910mm)や6フィート(1820mm)が多く使われます。
呼び方 長さ(mm)
3フィート 910
6フィート 1820
8フィート 2438
10フィート 3050
12フィート 3650

3.SPF材の価格

 SPF材はサイズが規格化されているため、大量生産が可能で比較的安価な木材です。ホームセンターやDIYショップには必ず置いてあるといっても良いくらい、購入しやすいので、DIYで使われることが多いです。
 しかし、ひとくちにSPF材と言っても、そのグレードによって値段はさまざまです。日本の住宅向けに製材されたJグレードのSPF材は、通常「節」や「丸身」は認められず、反りや曲がりにも厳しい基準が設けられているため、多少高価です。販売店によって仕入れているグレードはさまざまなので、同じSPF材でもお店によって販売価格が違います。DIYで棚などを作る程度なら、グレードはさほど気にすることはありません。

 販売店にもよりますが、同じ種類のSPF材でも、長さが倍になったからといって価格も倍になるとは限りません。例えば、ワンバイフォー材を1820mm(6フィート分)用意する際、910mm(3フィート)を2本用意するのと1820ミリ(6フィート)を1本用意するのでは、延べの長さは同じですが、1820mm(6フィート)1本の方が安いことが多いです。また、600mmの木材が3本必要な時、910mm(3フィート)のものでは3本必要ですが、1820mm(6フィート)だと1本で済みます。木取り図という1本の木材からどのようにカットするかを示した図を描いて、何mmのものが何本必要か事前に把握しておくと、木材を無駄なく購入することができます。ただし、長い木材の方がねじれや反りが起こりやすいので、購入する際はしっかり確認しましょう。ホームセンターのカットサービスを利用する場合は、この木取り図が必要になります。

4.SPF材の木取り図の書き方

 必要な材料の寸法が出せたら、木材を無駄なく効率良く使えるよう木取り図を書きます。今回はこのワークベンチの木取り図を書いてみましょう。
サイズ:天板の長さ430mm、脚(側板)の長さ450mm、中板の長さ360mm、奥行き235mm
※木材の寸法は上のようになりますが、脚(側板)の上に天板を乗せているので、実際のワークベンチの高さは、脚450mm+天板の厚み19mmで、469mmとなります。
 SPF材を使用して作品を作るときは、規格幅をカットせずにそのまま使うことをオススメします。今回は1×10材を使うので、奥行きは横幅235mmです。
 まず、用意する材料の寸法を書き出します。
【用意する材料】
・SPF材1×10
 ①側板450mm×2枚、②天板430mm×1枚、③中板360mm×1枚
・SPF材1×2
 ④補強板360mm×4本
 必要なSPF材1×10の長さは全部で1690mmなので、6フィート(1820mm)1本から切り出すことにします。同じようにSPF材1×2材の必要な長さは1440mmで、こちらも6フィート1本となります。
【木取り図】
 上が1×10材、下が1×2材の木取り図です(濃い茶色の部分は端材)。両方とも1820mm(6フィート)から切り出します。
 ホームセンターでカットしてもらうときは、このように簡単な木取り図を書いて渡します。

5.SPF材を購入する際の選び方

 木材は、乾燥で収縮したり反ったり、湿気を吸って膨らむこともあります。ねじれやひび割れがあったり、節やヤニがあったりするものもあります。ひび割れたものは強度が落ちますし、ねじれや反りがあるものは寸法が狂ったりでき上がったときにがたついたりします。ヤニは粘度が高いので、手や衣類につくとなかなか取れません。SPF材を購入する際には、ホームセンターなどで実際に見て確認することをオススメします。とはいえ、これらのダメージが全くないものを探すのは困難です。節やヤニなど、その部分を避けて使用することができる場合は問題ありませんが、全体的にねじれているものや反っているものは極力避けるようにしましょう。

 ねじれや反りは、木材を縦にして木口側から覗き込むようにして木表、木裏の表面を見ます。ねじれや反りは一面を見ただけではわからないことがあります。木材を回しながら四面全体を見るようにしましょう。
 節は、それ自体が使えないものかというとそうではありません。節にも種類があり、しっかりと見て使えるものを選ぶことが大切です。
 丸い節の周りが黒くなっていたり、触るとコロコロと動いたりするものがあります。これを死に節と言います。死に節は、時間が経つと節が抜け落ちて穴があいてしまう恐れがあるので、使用は避けた方が良いでしょう。問題なく使うことができる生き節にも、乾燥の途中で節にひびが入ってしまうものもあります。多少強度が落ちると言われていますが、DIYで作る程度のものでしたら問題ありません。節の部分は硬いので、ネジ打ちや穴あけ、のこぎり等で切るには避けた方が無難です。
死に節
生き節
 ヤニが溜まったヤニツボは、気温が高くなるとべとついたり、塗料を含まなかったりするので、使用は避けましょう。手や衣類につくとなかなか取れないので注意しましょう。
ヤニツボ

6.SPF材の使用例

 SPF材は手軽に購入できる上に価格も安価なので、DIYに最適な木材です。ワンバイ材は家庭用の家具や雑貨小物に、ツーバイ材は強度の必要な椅子やテーブルの脚、ウッドデッキなどによく使われます。
 SPF材をテーブルや机の天板、棚の側板など、幅の広いものに使う場合は、複数の板を横接ぎして1枚の幅広の板にすると良いでしょう。
 ウッドデッキをSPF材で作る場合は、防腐剤入りACQ材のツーバイ材を使いましょう。ツーバイ材専用の補強金物は、長くて重たい木材も組み立て安く、強度も増すのでオススメです。
SPF材を横接ぎしたテーブル天板とベンチ座面
脚に2×2材、座面に1×3材を使用した子供用椅子
屋外用塗料を塗って仕上げたツーバイ材のウッドデッキ
専用のアジャスターや金物を使って簡単に柱を立てることができる
ツーバイ材専用のアジャスター
 SPF材はDIY初心者にも使い勝手の良い木材です。規格や選び方を知ると設計も楽になり、木材の無駄も少なくなります。ぜひ楽しいDIY作業の参考にしてください。

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